私の畜生街   作:島田愛里寿

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お待たせしました!

先日、厳しいご意見を再びいただきました。自分としてはヒロアカを貶すつもりは毛頭なかったのですが、やはりアンチ・ヘイト作品は難しいですね…。


第十九話

さて、雄英生たちの畜生街見学から数か月たったある日。

 

 

カヤは三大ヤクザの面々に呼び出されていた。

 

 

「あ、あの…今日は一体どのような…?」

 

今日のカヤはかなりおびえるように質問をしていた。

 

 

 

そりゃそうだ。今回の呼び出しに関してカヤは一切把握していなかったのだ。

 

 

その上に今回は三大ヤクザの組長ら全員が激怒しているようで彼女たち三人の背後の空気が怒りの熱で陽炎が出来ているほどなのだから…。

 

 

「御足労感謝します。不知火防衛室室長」

 

 

「はっはい!!」

 

 

吉弔八千慧がカヤにそう言うがカヤは一発で分かった。

 

 

八千慧がこういった言い方をするときはマジで怒っている時のみなので普段は怒っていても冷静な八千慧が激怒する姿勢を隠さないレベルのヤバイことが起こったのだと。

 

 

(な、なにが原因でしょうか!?便利屋68の面子は最近は落ち着いた依頼が受けられているおかげで面倒ごとは起こしていませんしそもそもその依頼も鬼傑組経由ですから私が呼び出されるほどの事態なら公安局から報告が来ているはず!!となるとえっとえっと…!!)

 

 

カヤは必死に思い浮かぶ事態を考察していくが、まったく思いつかない。

 

 

「今日来ていただいたのはほかでもありません。これのことです」

 

 

そう言って八千慧はある銃弾を取り出した。

 

 

「これは?」

 

 

「ある弱小組織の構成員が持っていた物です。部下が回収してきました。カヤ防衛室長、貴方はこれをどう見ますか?」

 

 

そう言って八千慧はカヤに銃弾と拳銃を渡す。

 

 

カヤはその銃弾と拳銃を観察し始めた。

 

 

「ふむ…、弾は九ミリ…パラベラム弾ですね。拳銃もグロック社のグロック17…この個性至上主義社会下でも優秀な拳銃ですが隔離壁外では入手困難な銃…とはいえこの畜生街では関係なし。となるとこの銃弾がなにかあるということですか?」

 

 

とカヤは言った。

 

 

「さすがだなぁ?私らでも部下に調べさせてたどり着いたってのに…」

 

 

それに対して饕餮尤魔はあきれつつも賞賛していた。

 

 

 

「そうです。饕餮さんのとこの技術者が解析しましたがこの銃弾は『個性を破壊する』効果があるようです」

 

 

「それは…かなり…いえ相当まずい案件ですね」

 

 

八千慧はカヤに剛欲同盟の研究によって発覚した事実を伝え、カヤはそれを聞いて驚愕した。

 

 

この銃弾は隔離壁外の個性至上主義社会に一撃を加えるほどの価値・脅威のある存在であるし、この畜生街でも大問題となる代物だ。

 

 

この畜生街では基本的に個性があってもなくてもヤクザ関係や防衛室・行政室関係の仕事に就けるが、個性があった方が生活の役に立てるなら個人判断で普通に使える。

 

 

それなのにこんな銃弾が出回れば、畜生街での治安維持に影響が出る。

 

 

いや、カヤの個性が破壊されるなんて事態になれば畜生街の治安維持能力が壊滅する。

 

 

 

「ええ、なのでカヤさん。あなたには三大ヤクザの…いえ、畜生街の総意としてある命令を下させていただきます」

 

 

 

「はい」

 

 

八千慧はカヤにそう言い、カヤも姿勢を正して指示を聞く姿勢となった。

 

 

「このバカげた銃弾をこの街に持ち込み、かつ製造した大馬鹿組織を探し出し、原材料・製造方法を解明しなさい。そして組織は私たちが殲滅します」

 

 

 

「了解しました!!!」

 

 

 

数週間後…

 

 

「防衛室長。以前調査命令を受けた銃弾の流通ルートが判明しました」

 

 

 

「ご苦労様です公安局長。さてさて…」

 

 

カヤは防衛室でカンナからの報告書を読み始めた。

 

 

 

「なんとまぁ、一介のヤクザが首謀者ですか」

 

 

「ええ。隔離壁外のヤクザは日陰者という立ち位置ですが、このオーバーホールという若頭は現状に不満を抱いて開発に走ったようです」

 

 

「銃弾を売った利益で組織を大きくさせると‥‥。ある意味では組織のためを思っているということですかね」

 

 

カヤは公安局が調べた個性破壊弾の製造元の死穢八斎會の調査報告書を読んでそう言った。

 

事実オーバーホールの行為は非人道的であるが組織を思う気持ちは本物であったのだから…。

 

 

「で?銃弾の原材料は‥‥は?」

 

 

そこには包帯まみれの少女の写真と名前が記載されていた。

 

 

「…ちょっと待ちなさい?カンナ公安局長??この報告書は事実ですか??」

 

 

「‥‥はい。私も報告を受けた時は耳を疑いましたよ」

 

 

そう、個性破壊弾の原材料は壊理という少女なのだ。これにはカヤも頭を抱えた。

 

 

こんな行為は畜生街でもそうそうない。それに一応仁義を重んじている三大ヤクザの組長たちがこれを聞いたら激怒するのは丸見えである。

 

 

「はぁ…まったく。ヤクザは元々は自警団としての面もあるのにヒーローを優先して締め付けすぎた弊害でしょうねぇ。ここまで一介のヤクザが道を踏み外すとは…」

 

 

「まったくです」

 

 

「一応報告してきますが憂鬱ですよ…」

 

 

「心中お察しします」

 

 

案の定、三大ヤクザの組長たちは激怒しカヤにヘリを用意させてカチコミに行くと決めてしまった。

 

 

カヤは『やっぱりこうなりましたか…。リンちゃんといろいろと調整しないと…』と嘆いていたという。




次回 死穢八斎會

次回の更新は六月十三日を予定しています!!

もしこれの後に書くとしたらどれがいいでしょうか?設定自体は書いているんですが…

  • 転生カヤもの
  • VOICEROID×バイオ
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