私の畜生街   作:島田愛里寿

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第二十話

さて、畜生街の三大ヤクザの組長たちの怒りをもろに買った死穢八斎會であったが、カヤとしては…いや、行政をつかさどる行政室や防衛室としては困った事態に陥っていた。

 

 

なんせ相手の死穢八斎會は隔離壁外のヤクザだ。畜生街基準では行動できないし、そもそもの話。下手に隔離壁外で戦闘を起こしたら政府や警察・ヒーロー公安委員会に介入されかねないのだ。

 

 

カヤとしてはやめてほしいのだが、あの三大ヤクザの組長を止められる人物はこの畜生街でも一人しかいないし、その人物も今回の報復計画に乗り気で『畜生街の支配者を気取るのであればこのような喧嘩を売る行為に徹底的に報復してしかるべきだ。徹底的にやってこい』なんて言ってきたもんだからもう止められない。

 

 

「仕方ありません…。最悪ヒーロー達と正面から戦うことを想定して事を進めたほうがよさそうですね‥‥」

 

 

とカヤは防衛室で頭を抱えていた。

 

 

 

 

それから畜生街の空気は一気に変わった。

 

 

普段はあっちこっちで暴言や銃声が聞こえるのにも関わらず、ここ数日は不気味なほど静かであった。

 

 

この状況は畜生街に長らく住む者達からすれば一つしかない。

 

 

三大ヤクザと新興宗教の埴輪教、防衛室すべてを怒らせて大規模な抗争が起こる前触れであると‥‥。

 

 

 

「ええ…。ええ、そうです。すみませんがそのようにお願いします。費用などは三大ヤクザ持ちだそうなので完全フル装備で動員令を…KV-107は予備機としておいといてCH-47で移動をお願いしてください…。いや、やはりUH-60Jでいいですね」

 

 

カヤは防衛室で次長や秘書官の他にも大勢の防衛室メンバー達と各所との調整を行っていた。

 

 

なんせ今回の抗争はどう考えても政府からの介入が不可避なのだ。

 

 

そのため、三大ヤクザの強襲部隊が無事に帰って来たとしても政府やヒーロー達が隔離壁を破ってでも介入してくるだろう。

 

 

なのでこっちも万全の体制を敷いておこうというわけだ。

 

 

 

襲われるのが分かっているのに何も準備しないのは馬鹿のやることだ。

 

 

とはいえ古今東西、奇襲は襲う側よりも襲われる側の方が不利である。

 

 

奇襲する側は襲撃する時期を天候や事情等から自由に選択できるし、装備だって状況に合わせて最適なものを選択できる。

 

 

しかし、防衛する側はそうはいかない。いつ襲ってくるかわからないし、警備の者だって常時警戒心を解かないでいることは不可能である。装備だってその場所に適したものを用意しなくてはいけないので非武装なことだって珍しくないのだ。

 

 

 

その関係で言えば隔離壁内かつ畜生街に防衛線を敷くことができる防衛室側が結構有利となる。

 

 

なので戦車・装甲車・ヘリ・野砲・ミサイル・銃火器をフル動員して待ち構えつつ、三大ヤクザのカチコミ支援に回ることとなったのだ。

 

 

 

とはいえその防衛線構築とカチコミ支援のためにヘリ部隊が隔離壁内を飛び回っている上にヤクザの構成員たちの気が立っている関係で畜生街の住民たちはいきた心地がしなかったそうだ。

 

 

※例えるならロアナプラでヘンゼルとグレーテルが事件を起こしてバラライカが本気で怒って遊撃隊(ヴィソトニキ)を動かす直前の街の雰囲気である。

 

 

さて、死穢八斎會の方だがこの畜生街側の動きにまったく気が付いていなかった。

 

 

まぁそこに関しては仕方がない。

 

 

隔離壁を越えての情報のやり取りは防衛室が管理しているのでカチコミが決まって以降は隔離壁を越えて出ていこうとするものは全員が通行を拒否されるか強行的に行こうとする者を全員矯正局送りにしてでも通さなかった関係でまったく情報が外に出なかったのだ。

 

 

こんな状況下で隔離壁内のことをしれたら褒められるレベルであろう。

 

 

 

 

と言ってもある組織はこの事態をカチコミの前日になんとか仕入れることに成功していた。

 

 

「ま、まじか…」

 

 

そう。ヒーロー公安委員会である。

 

 

公安直属ヒーローであるホークスは公安委員長から渡された緊急報告書を読んで驚愕していた。

 

 

「こ、これマジですか?」

 

 

「本当よホークス。畜生街の三大ヤクザすべてが死穢八斎會へのカチコミを計画しているみたいなのよ…」

 

 

公安委員長は頭を抱えてそう言った。

 

 

「こ、こりゃ本気でまずいですね…。すぐに阻止に向かったほうが…」

 

 

「それが出来たらいいのだけどね‥‥」

 

 

「はい?」

 

 

ホークスは今すぐに阻止に向かうべきだとまっとうな意見を言うが公安委員長は苦虫を嚙み潰したような顔をしてぼやく。

 

 

「政府からの要請だ。あっちに先に手を出させて大義名分を得たうえでヒーローたちを動員して制圧するから手出し無用と」

 

 

 

公安委員会のメンバーの一人がホークスにそう言った。

 

 

ホークスは政府の馬鹿っぷりに唖然とするしかなかった。

 

 

あの畜生街の実情や戦力から言って、ヒーロー達を動員して制圧させようもんなら猛反撃を食らってヒーローは火傷どころか腕切断レベルもしくは半身不随の傷を負うことになりかねない。

 

 

しかし、公安は国家の組織なので勝手には動けない。

 

 

ホークスはせめて被害が少なく済むようにと祈るしかなかった。




次回 カチコミ


次回の更新は六月十五日の八時です!

もしこれの後に書くとしたらどれがいいでしょうか?設定自体は書いているんですが…

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