私の畜生街   作:島田愛里寿

6 / 39
あにまん掲示板のスレを見てみたのですが、バラン理論カヤというのがなかなか面白そうでした!

完結したらブルアカで書いてみてもいいかも?(メタルギアのザ・ボスみたいになりそうだけど…)


第四話

雄英高校からの突然の封筒。

 

 

カヤは疑問を抱きつつもひとまず封を開けて内容を確認するが‥‥

 

 

 

「はぁ?」

 

 

「ど、どうしました??」

 

 

カヤのあきれた声に次長は問いかけるが…。

 

 

「ふざけた内容ですよ」

 

そう言ってカヤが差し出した手紙の内容には‥‥

 

 

 

『社会実習もかねてヒーロー科のA組を畜生街の防衛室の活動に一週間ほど参加させてほしい』

 

 

とあった。

 

 

「‥‥いやいやいや!!馬鹿ですか!?こんなの受け入れたら絶対面倒なことになりますよ!!」

 

 

そう。畜生街では隔離壁の外側では違法と断じられるであろう行為が普通に横行している上に、防衛室を筆頭とした各室もそれぞれ三大ヤクザや新興宗教とずぶずぶではないにしろある程度癒着しているのでバレるとまずいのだ。

 

 

ん?なんで癒着を見逃しているのかって?そうでもしないと治安維持ができないからですよ。

 

 

「そもそも検問所もうちの交通局が担当してますけど賄賂が発生している件だって見逃しているのがばれたりしたらヤバイですし‥‥」

 

 

「あそこの通行優先権をめぐって三大ヤクザ間で何度も抗争が起こった手前、現場での収賄行為を停止させておくわけにもいきませんからね」

 

 

そう。東西南北に一か所づつある検問所では基本的に畜生街に入る者の荷物検査と身分証チェックを防衛室とヴァルキューレの名のもとに厳格に行っている‥‥のだが人員不足も相まって、実態はそうでもない時も多い。忙しい日は身分証チェックのみで済ましてさっさと通すのは珍しくないし、そもそもの身分証明書も結構な量なために時間がかかるので車両が多くて多忙な日は防衛室の許可の元、公安局が発行しているパスポートのような身分証明書のチェックで済ましている。

 

 

‥‥そこを突いて三大ヤクザや傘下組織の者が街の外から通行審査の際に贈り物を用意して交通局監査官に渡して融通を聞かせてもらうテクニックが横行しているのだ。

 

 

当初はカヤも問題視して規制と収賄行為を行った局員を矯正局*1送りにして三大ヤクザに気を使って特別優先通行券を発行したがその枚数は各ヤクザごとに数が限られていた関係で抗争が激化。

 

 

おまけに検問所付近を流れる川を根城にするギャングモドキやいつの間にかいたカタカタヘルメット団もシノギをやり始めるようになった影響でSd Kfz 234装甲車による検問所襲撃なんて事態も発生したせいで始末に負えなくなった結果、防衛室と行政統括室が合同で非公認ではあるものの検問所に限って収賄行為による無検査通行を容認する羽目になったのだ。

 

 

おかげで『地獄の沙汰も金次第』という言葉をもじって『防衛室の沙汰も金次第』なんて言葉がひそかにささやかれる不名誉極まりない事態になっているが…

 

 

とはいえ街の外から来た奴らへの監査は徹底的に行っており、街・隔離壁内に住んでいて外から何かを仕入れてきた者のみ対象となっている。

 

 

「まぁ薬物関係は今のところはなんとか隔離してますけどあの事件まだ二年前ですからねぇ…」

 

 

「今更ぶり返されてはたまりません」

 

 

そう。上記の事件は次長の言う通りまだ二年しかたっていないために今更ぶり返されて事態が混迷を極めるわけにはいかないのだ。

 

 

と言うことで断りましょうと次長が言うものの‥‥

 

 

「断れないんですよ。こちらも先方も」

 

 

「え?まさか‥‥」

 

 

 

「というかそもそもの話、まともな学校ならこんな魑魅魍魎が跋扈し、なおかつ無秩序な街に生徒を送りません。となれば政府からの圧力しかないでしょうね。あっちも国営の公立高校ですからお上の指示には逆らえないんですよ」

 

 

 

 

 

数日前‥‥

 

 

雄英高校 会議室

 

 

「雄英高校ヒーロー科生徒による‥‥」

 

 

「畜生街理解促進プロジェクト‥‥?」

 

雄英高校校長の根津とA組教師相澤消太はヒーロー公安委員会の目良善見と会談していた。

 

 

「ええ、先日のUSJ襲撃事件を受けてヒーローへの不安感情が高まりつつあります。一応雄英体育祭を通常通り実行したことで多少はマシになったものの、いまだ不安感情がくすぶっています。そこで一応は最悪な環境であるにも関わらず最低限の治安を維持しているという畜生街防衛室の仕事を一週間ほど体験させて経験を積ませるべきという意見が政府から上がっていまして‥‥」

 

 

「将来的に拡大するかもしれないヴィランへの対抗も考えて生徒たちの経験を早く積ませようと?」

 

 

「それが政府とヒーロー公安委員会の意向のようです。不満や異論はあるとはおもいますが…まぁなにとぞ…」

 

 

 

 

 

雄英高校ヒーロー科 A組

 

 

「今度お前らが体験見学に行くのは畜生街防衛室だ。本来であればヒーローが常駐するべき場所だがあまりに反発が高かったことから自治政府の自警組織に任されるほどの危険な街だ」

 

 

「ええ…」「なんでそんなとこに…」

 

 

流石のA組メンバーも忌避感を示していた。

 

 

隔離壁の外側では畜生街はヴィランの街とまで言われており、嫌悪されているのだ。

 

 

「目的はお前らの経験積みと畜生街への理解促進だ。将来的に畜生街の隔離壁が撤去された際に現地の住民とのトラブル回避やヒーローとして常駐することになった際に問題を起こさないようにするためだな」

 

 

「な、なるほど…」

 

相澤の言葉に委員長の飯田天哉は納得はしていないものの理解はしていた。

 

 

 

「いいか?この畜生街では俺たちの常識は一切通用しないと思え。下手な発言をしたら殺されかねない」

 

 

「え?いやさすがにそこまでは…」

 

 

相澤の警告に耳郎響香はさすがに…と思ったが

 

 

「甘い。あそこは超常黎明期以降はヴィラン組織の統治下にあったんだ。俺たちみたいなヒーローは存在していない。それに防衛室の匙加減で俺たちの扱いも変化するんだ」

 

 

「ええ…」

 

 

「それにあそこのヤクザはすぐに銃を撃ってくる。いいか?下手な暴言はするなよ?特に爆豪」

 

 

「ああん!?なんで俺なんだよ!!」

 

 

「いやそう言うとこだって‥‥」

 

相澤の忠告で名指しされた爆豪勝己は切れたが上鳴電気にツッコまれていた。

 

 

 

こうして雄英高校A組生徒一同による畜生街の見学が行われることとなった。

*1
少年院と拘置所を合わせた感じの組織




次回 出迎え

過去編を書こうかと思ったのですが、どれがいいですか?

  • オールマイトとカヤの話
  • カヤの防衛室創設前の話
  • 防衛室の日常話
  • ヤクザとの抗争
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。