畜生街からの出迎えバスを待っていたA組一同であったが、来たバスは到着早々に取り込み中になったようでしばらく茫然としていた。
「さて、お待たせしました」
「あ、ああ…」
ピンク色の髪をした少女が運転席にいた赤色に近い髪色の少女を殴って引きづってバスを降りた後に相澤先生に挨拶をしてきた。
(ねぇ。どう見ても私らと同い年かそれ以下に見えるんだけど?)
(防衛室ってとこの下っ端なのかもな)
耳郎と轟は聞こえないようにこそこそと話し合っていたが四人のうちの一人にしっかりと聞こえていた。
(こんな奴らを守らないといけないのか…?)
その一人はそんなことを思っていた。
「さて、挨拶させていただきますね?畜生街防衛室室長を務めております。不知火カヤと申します」
「「「「「「へ?」」」」」」
カヤの自己紹介にA組の面々は開いた口が塞がらなかった。
どう見ても同年齢の少女がかの悪名高い畜生街の治安を一手に担っている防衛室の室長だというのだ。
信じられないのは分かる。
「いやいやいや!信じられねえよ!!」
「下っ端がでまかせ吹いて出けぇ口ほざいてんじゃねえよ!!」
上鳴電気と爆豪勝己は信じられなかったらしく、上鳴は純粋に疑問を含めた言葉だったが爆豪は侮蔑を含めた罵倒だったのがまずかった。
すぐさま獣耳の少女がライト付きのグロック17を爆豪に向けた。
「ちょっ!!おい!!」
「かっちゃん!!流石に失礼だよ!!!」
さすがの相澤も慌てて爆豪に怒り、緑谷も爆豪をなだめる。
「カンナさん、一旦銃を卸してください。隔離壁の外の輩には理解されないのは以前経験済みでしょう?」
「そうですか…」
そう言って少女は銃を降した。
「さて、次は私が自己紹介させていただきます。私は畜生街防衛室直属のゲヘナ戦闘団にて戦闘団団長補佐として行政官を務めております。天雨アコと申します」
「私は畜生街防衛室管轄ヴァルキューレ警察公安局局長の尾刃カンナだ」
「んでもって今ここで頭を抱えてもだえている赤っぽい髪色のツインテールの子が畜生街交通室室長の由良木モモカです」
彼女らの自己紹介にA組の面々は唖然とするしかなかった。
そして彼女たちの背後から地元警察の追跡を振り切ったのか護衛隊の車両が続々と到着し、警護要員らが整列していた。
「アコ行政官!!警護小隊全員揃いました!!」
「イオリちゃんご苦労様です。各自担当の車両に戻って待機しておいてください」
「はっ!!」
そう言って銀髪ツインテールの少女は部下に指示を出していく。
「さて、護衛隊もそろったようですから早速乗っていただけますか?この場にいる全員ですよね?」
「あ~いや、あと一人参加することになってまして…。ただ道中でトラブルがあって遅れると言っていましたが多分間に合うので少し待っていただけますか?」
「はぁ?まぁ別に構いませんが一体誰「私が~」は?」
「空から来たぁ!!!」
ドガァァァアン!!
なんとオールマイトが空から登場したのだ。
「おお!オールマイトだ!!」「相変わらずの登場方法ね」
「はっはっは!A組諸君!待たせたね『ガチャ!!』ん?」
A組生徒一同に遅れたことを謝していたオールマイトにカヤ・カンナ・アコがそれぞれの拳銃を向けており、警護隊の面々もStG44やKar98k、M2ブローニングを指向させていた。
「ちょ!ちょっと!何してるんですか!!」
緑谷がオールマイトに武器を向けられたことに驚くが…。
「やはりまだあんなことをやっているのかい?」
「隔離壁の外で悠々と過ごしてきた理想主義者に私たちの街を好き勝手に裁断されたり介入されては困ると以前も言いましたよね?」
「…今回に関しては私は関わっていないよ。だが君みたいな年齢の子があんな職に就くべきじゃないと今でも思っているさ」
「相っ変わらずの理想主義ですね?ま、今回はいいでしょう。総員武器を下ろしなさい」
カヤの指示によって全員が武器を即座に降ろした。
「さ、さっさと乗ってください。すぐに出発しないと初日から畜生街の夜を体験する羽目になりますよ?」
次回 検問所
過去編を書こうかと思ったのですが、どれがいいですか?
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オールマイトとカヤの話
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カヤの防衛室創設前の話
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防衛室の日常話
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ヤクザとの抗争