俺は、フルマッピングボーナスで迷宮を無双する。   作:龍々山ロボとみ

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21話目・防御力以上の威力でHPが尽きるまで撃ち続ければ敵は死ぬ

 

 ◇◇◇

 

 なぜか、午後からもまた黒ダンに潜ることになっていた。

 

 まぁ、うん。

 この件についてはもう深く考えない。

 

 いや、提案するほうもバカだが、それにノリノリでオーケーを出すほうもバカなのだ。

 バカとバカで気が合ってしまったなら、もう俺にはどうすることもできん。

 

 まぁ幸いにして、ユミィの奴はツバサと意気投合してだいぶ元気を取り戻した。

 

 このまま半日ほど付き合ってやれば満足して、後日またどこかの実力相応のパーティーと組んで探索を再開するようになるだろう。

 

 優秀な探索者がコロッと辞めてしまうのは探索者全体の損失にもなるから、ユミィにはこれからも頑張ってもらいたい。

 

 で、暫定的にパーティーを組むことになって、ユミィのステータスを見たんだが。

 

・━・━・━・━・

 

【名前 ユーマリオン・テンドローム】

【性別 女】

【年齢 16歳】

 

【消耗度】

HP・100.00/100%

PP・100.00/100%

 

【ステータス値】

LV・51

知力・S+

心力・S

速力・C-

技力・A+

筋力・D-

体力・C

 

【装備品枠・20/20】

『マップ(1)』

『レーダーB(2)』

『通信装置(1)』

『ロングスタッフ(4)』

『ロザリオ(2)』

『フレキシブルシールド(3)』

『ナイフ(1)』

『こそこそマント(1)』

『ホバーブーツ(2)』

『緊急脱出装置B(3)』

 

【所持品枠・0/20】

 

・━・━・━・━・

 

 とまぁ、見て分かるとおり。

 

 クッッソ強い。

 

 まず、ステータスが桁違いだ。

 

 知力は弓、銃、杖を使う際の総出力に補正が乗り、心力は同じく弓、銃、杖の連射力や持続力に補正が乗る。

 

 なので、知力・S+と心力・Sは、後衛の杖士として考えられる限り最大級のステータスだ。

 

 そもそも普通はSになるだけでも才能と努力と運が必要なのだが、S+までいくとマジで人外の領域だ。

 

 知力・S+から繰り出される杖の射撃は、大半のエネミーの装甲を紙切れのように穿つだろう。

 

 そして、実際の戦闘風景も見せてもらったわけだが。

 

「あっはっはっはっはー! 喰らえーい!」

 

 と、バカみたいに叫びながらシャレにならない威力の弾をやたらめったら撃ちまくる。

 

 エネミーの防御力とか属性相性とか、そういうのは一切考慮していない。

 ただひたすら弾幕を展開して飽和攻撃を仕掛け、防御や装甲が耐え切れなくなるまで光弾を浴びせ続けるのだ。

 

 うーん、これは確かに……。

 

「はははははっ! ほらっ、地雷ガマだってこうやれば!」

 

 と、第6階層に来てからも戦闘スタイルは一切変えない。

 

 ユミィの装備品であるロングスタッフは彼女の身長以上の長さの杖なのだが、その杖の先端から光球(直径3メートル以上ある)が生成される。

 

 巨大な光球は彼女の背後に浮かぶと、そこから分割された大量の小光球が山なりの軌道で撃ち出され、地雷ガマのいるぬかるみに雨のように降り注ぐ。

 

 爆風が届かない丘の上から大量の弾を撃ちまくって地雷ガマを穴だらけにし、体力低下自爆を誘発してあたり一面を焼け野原にした。

 

 そして大爆発の音に釣られて後から後からやってくるエネミーも全て撃ち落とし、あっという間にボス部屋に。

 

「沼蛇もさ、こうやったら早いんだよ」

 

 と言うと、今度は分割せず一発に集約した超強力な光線弾で沼の中にいる状態の沼蛇をそのまま撃ち抜いて倒した。

 

 レーダーとの合わせ技で位置を測定して、遠距離から狙撃するやつだな。

 

 狙撃用の長尺銃でやってる奴は見たことあるが、杖の弾でやってるやつは初めて見た。

 

 これには、ステータス値の技力以上に本人の集中力とか計算力が必要になるだろうから、まぁ、やっぱりこのユミィという女は本物の天才なんだろうな、と思う。

 

 探索者を始めてまだ1年ぐらいしか経っていないはずだが、少なくとも俺の知る杖士の中では最もセンスがあるのだと思う。

 

 そして、だからこそ、こうも思う。

 

 ()()()()だな、と。

 

「はっはっはー! どうだい、キミたち。ボクの凄さを理解してくれたかな?」

 

 帰還用サークルの前で自信満々にふんぞり返るユミィに、ツバサは惜しみない拍手を送る。

 

「超すごかったー! え、ユミィちゃん強すぎじゃない? ほんとに私と一歳しか違わないの??」

 

「ふふん。ま、ボクは天才だからね。この程度の敵は朝飯前さ」

 

 俺も、ツバサに合わせて拍手をする。

 

「ああ。確かにすごかった。お前が天才だってのも、本当なんだろうさ」

 

「そうともそうとも。ツバサもボンクラ兄さんも、揃ってレベル15ぐらいだろう? レベル50を超えるこのボクがいれば、こんな凡百のエネミーたちなんて、恐るるに足らずさ!」

 

 凡百のエネミー、ね。

 

 俺は社交辞令モードの笑みを浮かべたまま、それとなく誘導してツバサを先に帰還させる。

 

「もし、キミたちがどうしてもって言うなら、この天才のボクが今後もキミたちとパーティーを組んであげてもいいよ? なぁに、気にすることはないさ。探索者ってのは助け合うものだ。ボクに任せてくれればこの先も……、」

 

「いや、結構だ。もう俺たちはお前とは組まない」

 

 そして、ユミィの提案をバッサリ断った。

 

「……はぇっ?」

 

 俺の言葉に固まるユミィの横を通り過ぎ、俺も帰還用サークルを踏んで帰還したのであった。

 

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