部活と塾と学校が忙しいからね仕方ないね。
「絶が……本当のお父様……?」
紫の天才的な頭脳でもエラーが発生していた。
当然だろう。今のいままで義理の父親と言い聞かされてきた存在が、まさか本当の父親だったなんて……『何故?』そのことが決して頭から離れない。
「ククククク!!傑作だな紫よ!つまり貴様はこういうことだ。
『自らの手で実の父親を刺し殺した』クッ、クヒャヒャヒャ!!」
「嘘だッ!そんなこんなもの信じられるか!もし、もし本当なら!
何故、絶は真実を黙っていたんだッ!」
「勿論、話す訳にはいかなかったからだ……貴様に言ったはずだ。
貴様の本当の両親は既に死んでいると……妻と二人の子の死を皮切りに
絶は八雲の名を使うことを止めた……妖怪共には元々言っていなかったから里の人間しか知らないことだ……全員死んだがな」
「理由になってないじゃない!」
「理由の1つとしては父親としての不甲斐無さが原因だ」
「……ッ!」
「妻も子も守れなかった……更には自ら課した条約の愚かさに……自らに杭を打ち込んだのさ」
「……」
「そして2つ目だが、絶の両親のせいだ」
「両……親……?あの……」
紫は魔界で聞いた……否、魔水晶で見せられたあの映像を思い出す。
暴力を受けるか食事とも言えない残飯を喰っていた毎日を描いたあの映像を……
そこに映る絶の父親は確かに一般家庭に存在する父親の面影はまるでなかった。
「彼の姓を引き継いで生まれてきてしまった絶にとって、名字を名乗るということは彼らの子供であることを再確認することであった。軽蔑でもなんでもない……
トラウマから起こる拒絶反応だ……単純にその名を娘に知ってほしくなかっただけのことなのだ」
「だからって……だからって……あんまりじゃない……!」
紫の目には涙が溜まっていく。目に映るのは後悔と恐怖。
そして、自分は父に何をしてあげられただろうという走馬燈に近い、
「私は……ねだってばかり……まるで子供じゃない!」
地団駄を踏む……悔しいという言葉では括りきれない絶望の色……
「……自らの手をもう一度よく見てみるがいい」
「……真っ赤……あ、ああ……」
フラッシュバックする……血塗れの実の父。
「あああ、ち、ちが」
これでいいんだとでも言うかのように微笑む父の姿。
「や、やだ、いや…………!いやぁ……!!」
「私が……お父様を……あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
計画の最後の儀式の素材……最高級の絶望……完了。
計画始動。
???「心折れ希望を絶たれてもまだ生きようとするのか……
流石は絶の子、運命の子だな……だが、貴様等は知り由もしないだろう……
本当の幸せとは……