……ギンッ!振り下ろされた大鎌と霊剣の威力が相殺する。その衝撃で両者とも後ろに下がる……漣は地に足をつけると、相対したダイ・アウターにに向かい、
「くっ……」
と、苦しい声をもらした。
「一体……何者だ?はぁ……はぁ……パンドラの騎士でこの強さかよ!」
筋力は確実にこちらが劣っている。能力を使っても剣と大鎌では動き方が違い過ぎる。漣は大鎌と相対したことがないというのもあってからか、相手の動きが読めない。
ダイ・アウターは大鎌を軽々と振り回し、漣を見る……そして突如、顔が見えなくなるまで深く被り込んだ黒のローブのフードを取る。そこには……
絶そのものであった。
「なっ!?」
「そんな……!」
「お父……様?」
三人は驚きのあまり固まってしまっているが、
「……嗚呼……悲しき声が聞こえる」
その低い声にはっと我に還る三人。絶の声はこんなに低すぎないし、よく見ればダイ・アウターには両目が存在する……全然別人だ。他人の空似しては似すぎだが……
「……苦しい声がする……これワ色を失った者の声……」
理解不明の言葉を言いながら逆の手に大鎌を持ち換える。
「……儚い声の音が響いている……これワ色あせた者の音……」
一呼吸置いて声色を変えて、口を開く。
「貴様らの父の魂ワ我へと『逆転生』した」
「逆……転生……だと?じゃあ、お前はまさか……!」
「そう……我ワ絶の前世。血の連鎖ワ争えないのだ……それさえも我ワ絶滅させてやるが……」
「これが運命だというのなら受け入れてやる……!だが、絶の魂はもう終わったんだ!お前の魂として存在していいわけがない!俺が……俺たちが……休ませてやる」
「ええ!」
「そうね……」
「……ならば、散り行くがいい」
漣は迫りくる大鎌の不規則な動きを回避し、ダイ・アウター本体へと突撃するが、大鎌が邪魔してくる。壊そうにも刃こぼれ一つしない強靭な武器である。大鎌の大振りを霊剣で防ぐが、勢い負けしてしまい、彼方へ吹き飛ぶ。ダイ・アウターは全く、生きているのか不思議な程動いていないのだが、大鎌だけがブンブンと動き回りながら、ダイ・アウターの周りを衛星のように飛んでいる。だが、急に漣たちは気づく。
(周りのダイ・アウターと同じ力が一気に無くなった……!?一体誰が……)
と、考えるや否や、ダイ・アウターも動きが起きる。ついに大鎌をその手で掴み、目を開く。
「最後に問おう……汝ら虹色の糸よ……闇と言うの名の絶滅に立ち向かう覚悟ワ出来たか?」
「何を今更!」
「愚問ですわ」
「ああ!お前に勝って未来を手に入れる!」
漣がそう言うのを聞いたダイ・アウターから笑みがこぼれる。
咲き人「……」
???「面白い。面白いな、楽しいな。さぁ、我の暇を潰してくれ給えよ」
咲き人「…………一時的に……ですけどね」
???「それでいい。我の永遠の渇きを潤すものなどありはしない。ならばせめて、一時しのぎであろうとそれをゆっくりと飲み干すものだ」