東方二重録【完結】   作:咲き人

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運命……それは人生という階段を駆け上がり終わってから、後ろを振り向いて初めて過去のソレが自分にとって何だったのかを教えてくれるもの。それはやがて、己の影となりて、肉体に、精神に問いかける。お前とは一体……何だったのか、と……


第百六話「悪しき終わりの道へと」

……ギンッ!振り下ろされた大鎌と霊剣の威力が相殺する。その衝撃で両者とも後ろに下がる……漣は地に足をつけると、相対したダイ・アウターにに向かい、

 

 

「くっ……」

 

 

と、苦しい声をもらした。

 

 

「一体……何者だ?はぁ……はぁ……パンドラの騎士でこの強さかよ!」

 

 

筋力は確実にこちらが劣っている。能力を使っても剣と大鎌では動き方が違い過ぎる。漣は大鎌と相対したことがないというのもあってからか、相手の動きが読めない。

 

 

ダイ・アウターは大鎌を軽々と振り回し、漣を見る……そして突如、顔が見えなくなるまで深く被り込んだ黒のローブのフードを取る。そこには……

 

 

 

 

 

絶そのものであった。

 

 

「なっ!?」

 

「そんな……!」

 

「お父……様?」

 

 

三人は驚きのあまり固まってしまっているが、絶らしき人物(ダイ・アウター)は無表情のまま、

 

 

「……嗚呼……悲しき声が聞こえる」

 

 

その低い声にはっと我に還る三人。絶の声はこんなに低すぎないし、よく見ればダイ・アウターには両目が存在する……全然別人だ。他人の空似しては似すぎだが……

 

 

「……苦しい声がする……これワ色を失った者の声……」

 

 

理解不明の言葉を言いながら逆の手に大鎌を持ち換える。

 

 

「……儚い声の音が響いている……これワ色あせた者の音……」

 

 

一呼吸置いて声色を変えて、口を開く。

 

 

「貴様らの父の魂ワ我へと『逆転生』した」

 

「逆……転生……だと?じゃあ、お前はまさか……!」

 

「そう……我ワ絶の前世。血の連鎖ワ争えないのだ……それさえも我ワ絶滅させてやるが……」

 

「これが運命だというのなら受け入れてやる……!だが、絶の魂はもう終わったんだ!お前の魂として存在していいわけがない!俺が……俺たちが……休ませてやる」

 

「ええ!」

 

「そうね……」

 

「……ならば、散り行くがいい」

 

 

漣は迫りくる大鎌の不規則な動きを回避し、ダイ・アウター本体へと突撃するが、大鎌が邪魔してくる。壊そうにも刃こぼれ一つしない強靭な武器である。大鎌の大振りを霊剣で防ぐが、勢い負けしてしまい、彼方へ吹き飛ぶ。ダイ・アウターは全く、生きているのか不思議な程動いていないのだが、大鎌だけがブンブンと動き回りながら、ダイ・アウターの周りを衛星のように飛んでいる。だが、急に漣たちは気づく。

 

 

(周りのダイ・アウターと同じ力が一気に無くなった……!?一体誰が……)

 

 

と、考えるや否や、ダイ・アウターも動きが起きる。ついに大鎌をその手で掴み、目を開く。

 

 

「最後に問おう……汝ら虹色の糸よ……闇と言うの名の絶滅に立ち向かう覚悟ワ出来たか?」

 

「何を今更!」

 

「愚問ですわ」

 

「ああ!お前に勝って未来を手に入れる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漣がそう言うのを聞いたダイ・アウターから笑みがこぼれる。




咲き人「……」

???「面白い。面白いな、楽しいな。さぁ、我の暇を潰してくれ給えよ」

咲き人「…………一時的に……ですけどね」

???「それでいい。我の永遠の渇きを潤すものなどありはしない。ならばせめて、一時しのぎであろうとそれをゆっくりと飲み干すものだ」
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