東方二重録【完結】   作:咲き人

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どうも咲き人です。今回は妃香梨の過去編最終話で今回で
過去の追憶編の本編自体は終わりです。
オリキャラ全員重い過去もってましたね。




第十九話「それは儚い思い」 

7年前………

 

妃香梨は笑っていた。何が楽しいかってちょっとした罰ゲームで

漣が女装したからである。最初は顔を真っ赤にしていたのに

皆が笑うと漣もつられて笑っていた。

最近漣が笑う機会が増えた。気がするとかではなく確実に増えている。

やはり病気が治ったからだろうか。

流石に最新鋭の医療技術があっても『後遺症』が残ってしまうらしく、

時々体調不良を訴えているときがある。

 

4年前………

 

病気はほぼ治った。『後遺症』の頻度も少なくなってきて

医者が言うには

 

 

「激しい運動をしても『後遺症』が出てくるのは稀でしょう。」

 

 

だそうだ。これなら安心だと、妃香梨はほっとした。

 

そう………儚い願いだったのかもしれない。

ただ、ただ漣と一緒に居たいだけなんだ。

『愛してる』………それを『言葉』として口に出せなくても

思ってるだけでいい………………離れていても一緒だよ?漣。

どんなときも一緒………困っていたら助け合おう。

 

 

「仲間がいるんだから一人で背負い込むことないんだよ?」

 

 

全てが虚しく木霊する。まるで一人ぼっちのように………

一人で背負い込んでいるのは一体どっちなんだろう………

 

 

「怖いよ………漣………助けて!」

 

 

そんな儚い『言葉』を口に出しても誰にも届かない。

それは暗い部屋で起きた悲しくそして美しい話。

何事にも前向きであればあるほど暗い思いを持ってしまった。

一人の女の子の話………そして彼女が愛した男の子の話。

どんなときも一緒にいたいという願いから彼女は自分を苦しんでいた。

自分自身をイジメて外の世界では何もかもが化けの皮。

本当の自分を暗い部屋に閉じ込めた。

男はそれに気づいていた。自分と似ていたから………

これは自分をさらけ出せる場所をなくした男女の悲劇の物語。

 

 

「全く………どうすればいいんだ?」

 

『何の話をしてるんだ?』

 

「今見てる光景の話しさ。ちょっと殺りすぎちゃったかな?と思ってな。」

 

『ふーん。お前………そんな考えでいいのか?』

 

「こんな事でも考えてないと『自分がやってきたことに復讐されそう』だからな。」

 

『なるほどな。なんとまあ………お前らしくないことを………』

 

「そろそろ墓参りの時期だな………行くか。」

 

『手持ちないくせに………』

 

「ギャンブルでもすっかな。」

 

『お前それ………かなり無礼だぞ。』

 

「流石に『死人に口なし』とはいかなそうだな。」

 

『無理があるだろというか問題ありすぎだ。』

 

「なら………『終わりよければすべてよし』これでOK。」

 

『こいつ………!』

 




次回 「追憶」
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