東方二重録【完結】   作:咲き人

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どうも咲き人です。ちょくちょく編集はしているのですが
週1投稿なので一気に出せないのがもどかしいです。


第二八話「魂無世界」

紫からの紹介で絶達は冥界に向かおうとしていた。

どうやら友人が出来たのはいいがその者は酷く心が病んでおり

どうにかして元気にしたいとのことだった。

友人の名前は『西行 幽々子』。

『彼女の能力は死を操る程度の能力』。

どんな生物も抵抗できずに死んでしまうというかなり危険な能力だが

絶は元々不老不死なので効果なし。

漣や妃香梨はまあ………大丈夫だろう。

早速、紫は境界を開くいつ見ても境界の奥にある目と目が合ってしまい

恐ろしいものだ。

 

 

冥界に着いた。あたりは夜より暗い………星が見えないからだろうか。

目の前には果てしなく長く続く階段があるが流石は紫である

一瞬で階段を上りきった場所に飛ばされた。

そこは見渡す限り桜の花びらが舞い散っている。

言い忘れていたが現在の季節はちょうど花見シーズンなのである。

そして奥の屋敷から二人の男女が降りてくる。

男の方は初老のような風格をしており白髪で緑色の和風の着物を着ている。

後で思った事だが江戸時代の武士はこんな服を着ていたのだろうと漣は思っていた。

女の方は鮮やかなピンク色の髪にこちらも着物を着ている。

屋敷から出てきた時男の方より暗く寂しそうな表情を浮かべていたが

紫を見ると一気に表情が明るくなりこちらに向かって駆けてきた。

 

 

「久しぶり紫………」

 

「ええ。そうね。『幽々子』」

 

「そちらが紫のお友達ね?紫から聞いてます。絶さんのことは『妖忌』から………」

 

「そうか………ま、一応自己紹介しようかな。絶だ。」

 

「大神 漣だ。どうぞお見知りおきを『幽々子さん』」

 

「鳥遊 妃香梨です。お会いできて光栄です。」

 

「『魂魄 妖忌』でございます。皆様今宵は遠い所から来て下さりました。」

 

「『西行 幽々子』でございます。………どうぞ屋敷へ。」

 

 

屋敷はやはり和風建築の賜物といったところか畳が何畳にも広がっており

障子や襖、囲炉裏なんかもあって昔の家の雰囲気が出ている。

そこでお茶をすすり一息つくと何故か妃香梨が妖忌に決闘を申し込んだ。

絶が吹き込んだからである。

『いくらお前でも妖忌には勝てない』

と言われ何かが切れる音と共に妃香梨は立ち上がった。

 

 

さて………ここは枯山水の庭………そこで無数の斬撃が見える今日この頃。

漣は呆れてものも言えない状態になっているのにも関わらず

幽々子は薄く笑い、絶と紫に関してはどちらが勝つか賭け事をしているぐらいだ。

 

 

観客がそんなことになっているとも露知らず

妃香梨は絶の修行によって身に付けた力で戦うのに対し

妖忌は元々ある剣術に加え『ありとあらゆるものを斬る程度の能力』

もある。妃香梨には勝算が殆ど無い状況だ。

 

 

「いや………勝って見せる!」

 

 

ここで妖忌が動いた。

足元の砂が舞い上がり1つの大きい斬撃が幾つにも連なり妃香梨を襲う。

妃香梨は咄嗟に斬撃の軌道から外れるとこちらも負けていられないとばかりに

大量の斬撃を放つ。しかしそれらは妖忌の刀が軽く振られるだけで霧になってしまう。

これは流石の妃香梨も軽くショックを受けるが気を取り直して斬撃の雨を降らせる。

だが妖忌は白楼剣を片手にそれら全てを見極め避ける。

 

 

「中々やりますな。ではこれはいかがでしょう?」

 

 

そして妖忌は刀を振る動作をする………が斬撃は現れない。

妃香梨が首を傾げると何かに気づいたらしく慌てて横に避けようとしたが

もう手遅れだった。妃香梨の体は無数に斬られ大量の血が流れる。

それを見ていた漣は枯山水の庭に入ろうとするが紫に止められる。

だが紫も幽々子もかなり驚いている。

ただ………絶は笑っていた。

 

 

「やっときたか………目覚めな。『妃香梨』」

 

 

妖忌は倒れゆく妃香梨をただ眺めていた………

ゾクッという恐怖を感じ無意識の内に後ろに飛び退いていた。

妃香梨からドス黒いオーラが吹き出す。

そのオーラは妃香梨を包み込むとその姿は変貌する。

さっきまで黒いワンピースを着ていたのに今のその姿は

洋風ではあるがまるで悪魔のような禍々しさが現れていた。

斬られたはずの傷はまるで元から無かったかのように綺麗な素肌になっていた。

そして妃香梨の目はさっきまでとは全く違う。

黒色の目だったのが白色………白眼になっていた。

色々と変わっている妃香梨に皆は戸惑うだけだが妃香梨だけは

戦いを再開しようとしていた。

 

 

「今の私は一味違う………試してみたいの………付き合って?」

 

「………………よいでしょう。」

 

 

妃香梨は妖忌に向かって飛び込む。

妖忌は気を押されて回避する………が避けた先は霊力弾が待ち伏せしていた。

咄嗟に周りの空間を斬ってその場を凌いだが妃香梨はまだ追いかけてきた。

更にもはや地面に足がついていないのである。

妖忌もここまで急激に強くなれば少し油断してしまうだろう。

絶はフーと息をつくとお茶をすすった。

そこを漣が質問する。

 

 

「絶。妃香梨に何が起きている?」

 

「あの姿は知らねえよ。」

 

「何が起きたかを聞いているんだ。」

 

「はいはい。おっかないな。妃香梨はどうやら死の淵に追いやられた事で

どうやら『覚醒』したようだ。ま、元々あった能力を今の姿の時だけ

コントロール出来るってとこだろ。無意識で俺の能力を防げるんだから

かなりチートだよな。」

 

「一応俺にも思い当たる節がある。俺………昔は凄い重い病を抱えていたとき

治る可能性は1%にも満たないって言われたのに成功したし、

妃香梨だってあいつが一番嫌いだった奴が妃香梨が『いなくなればいいのに』

って言った翌日には『不幸な事故』ってことで死んでしまったりとか………」

 

「そういうこと。お前らの能力は俺や紫よりも優れてるし強い………

ちなみにお前はもう覚醒しているからな………さてと気になる妃香梨の能力だけどな。

あいつの能力は………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ありとあらゆるものを拒絶する程度の能力』だよ。」

 




妃香梨の能力は元々決めていたのですが
なんかコレジャナイ感が半端なく漂っていたので
リア友に聞いてみたら3つほど能力を提案されました。
『ありとあらゆるものを拒絶する程度の能力』は
その中の1つです。いや~感謝感激。だけど強すぎじゃないですか?

次回 「損鳴世界」
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