今回はこっちの世界の方の絶の過去編です。
かなり暗くしておきました。
約3億年前………
何だか夜というのは此処まで明るかったのかな?
どうも気づかない内に感覚が狂ってしまったようだ。
そんな風に絶が悩んでいるともちろん絶に妖怪が襲いかかって来る。
無論、絶がまだ『人間と妖怪の支配者』になる前のことなので
そういうもの好きが出てくる。
正当防衛と称して襲ってくる妖怪は気絶程度で済ましてやってる。
『せめてもの俺の配慮だと思ってもらいたい。』
絶の決め台詞………というか口癖だ。
この言葉を妖怪が聞いたが最後………気を失う。
何が起こったのかも分からない………ただ絶の言葉は覚えている。
そういった所から絶は妖怪達に恐れられていた。
「人も中々侮れないな………」
と、妖怪の代表の鬼の者達は言った。
それに対して人間は
「恐ろしい………彼は一体何者?」
と、恐れた。そんなことを言われても
めげずに絶は交渉を始めた。どれだけあしらわれても………
それと同時に妖怪達とも交渉した。
どちらかというと妖怪の方は友好的だったのが唯一の救いだろう。
そしてやがて人間達も絶の存在の重要性を理解してきたらしく
積極的に交渉に取り組んでくれているようになった。
これが絶の何百年も何千年もの長い時間をかけて
不可侵条約が確立されたのであった。
そして運命のような出逢いがあった。
『蓬莱山 輝夜』、『八意 永琳』、
『綿月 豊姫』、『綿月 依姫』の4人だ。
彼女らは人間の中でも偉い位に位置しているらしく
その中でも輝夜は一番偉い………その代わりというか何というか幼くやんちゃだ。
だからこそ愛着が沸くというものだが………
絶はそういう点をひどく気に入り我が儘を聞いてあげた。
「豊姫とか………将来の夢とか無いのか?」
「私?私はねえ~絶様のお嫁さんになる~!」
この事を近くで聞いていた永琳や周りの人間は飲んでいたお茶を吐き出す。
ただ絶は少しの間驚いたていたがすぐ薄く笑った。
永琳は突然の発言に咳き込む。
「ゲホッ!ゲホッ!と、豊姫?いくらなんでも年の差というものが………」
「なるも~ん!ね?絶様!大きくなったらお嫁に貰ってくれる?」
「ははは!お前が大きくなったら考えよう。くくく。依姫は何かあるのか?」
「私はありません。そんなものに囚われる気もありません。」
「そうかい。ま、それもお前らしいな。」
「依姫固い~。もう少し柔らかく生きたら?」
「お姉様が柔らかすぎなんです。」
いつもの風景だ。だがこんな幸せなんて一瞬だった。
かなり前から計画されていた不老不死の薬が出来たとの報告を受け
絶は永琳がいるとある一室に来た。
そこには永琳の助手に似た位に位置する男性が二人だけがおり、永琳自身は見当たらなかった。どうやら違う薬の材料を取りに行ったとかなんとか言って
実験室に移動させられ絶は薬の実験台にされた。
その薬を飲んだ瞬間だった。永琳が実験室に入ってきたのだ。
その光景を見た永琳の顔は青ざめ、男たちは成し遂げた顔をしていた。
「貴方達!それはまだ完成してないのよ!」
「ふっふっふ。だからこそ飲ませたのですよ。八意先生。」
「なに!?があああ!?あああ………ぐおおおぁぁぁ!」
「絶様!?貴方達………」
「こんな奴信用出来ねえ!何千年も生きてやがった!
それこそ俺達の先祖が生まれた時から………こんな気味の悪い生物には実験台がお似合いだ!」
永琳は男達に対する恐怖と怒りでいっぱいだった。
だがその感情は自分より強い感情によってかき消されてしまった。
すぐそこで床に倒れもがき苦しんでいたはずの絶はもうそこには居なかった。
男達の間の空間にすっと佇んでいた。
男達は急に自分たちの近くにきた絶に恐れその場から引くと武器を構えた。
永琳は咄嗟に弓で男達を無力化させようとしたが男達は絶のどこからともなく取り出した剣によって体ごと真っ二つにされた。絶の怒りはこの程度ではすまなかった。
男達の死体を更に斬り刻み永琳が絶を抑えたときにはもう
サイコロステーキぐらいの肉片と化していた。その後絶は姿を消した。人間達は言った。
「それ見ろ!これがあいつの本性だ!あいつは元々妖怪達とつるんでいて
俺達、人を殺すために今まであんな化けの皮を被っていたんだ!」
永琳、豊姫、依姫、輝夜はそんなことを言う人々に毎日のように絶の潔白を訴えた。だが人間の言うことは変わらなかった。絶は『悪』………自分たちは『善』であり、『正義』なんだと。それは地球を離れるときもそれは変わらなかった。
「もうお別れなのね………この星とも絶様とも………」
「うう、ぐすっ。絶様~。」
「お姉様………」
「えーりん。絶は?なんでどこにも居ないの?」
輝夜の質問に永琳は口を閉ざしてしまった。
それは現実を受け入れたくないからなのだろうか………
それとも心の奥底で絶との記憶が鮮明に思い出してしまうからなのだろうか。
どちらでもない………絶という存在は居なかった。
永琳はそう心に決めた。そうでもしなければ会いたくなってしまうから………
出発の時間になった。もう残り1分のカウントダウンが始まる。
結局、絶は来なかった。永琳は元々そんな柔い期待なんてしてなかったが………
だが妖怪たちがこのロケットに向かって襲いかかってきた。
いきなりの出来事である程度の予想はしていたが反応に遅れてしまった。エンジン部分に攻撃が当たれば終わりだ。そして妖怪の1匹がエンジン部分に攻撃をしてきた。
もうだめだと誰もが思ったその瞬間。別の方向からきた攻撃によって相殺された。
その方向を向くと絶が立っていた。
絶は大きく息を吸うと周りの妖怪に向けて怒鳴り散らした。
「てめえら!それ以上皆に近づくんじゃねえ!」
「絶様………!」
「俺が相手になってやる!さあ!かかってこい!」
絶は最後の最後まで自分達を信用してくれたのだ。
核が爆発する寸前まで必死に身を呈して守ってくれたのだ。
その行為そのものに多くの人間は心射たれた。自分達は何故彼を信用出来なかったのだろうと。
人間達は月に行った後………全て後悔した。そして彼に対する自分達の行いを恥じた。
そして『彼』の怒りを買った。
「『絶』が可哀想だ………『絶』は許してもこの『俺』は許さねえぞ!」
かなり絶の扱いが酷いですね。
まあ一番暗い過去持っている設定ですから
シリアス方面の私からしたらこれくらいがいい感じですかね。
次回 「月面世界」