今回から新章ですね。
多分前回の話を見ていれば分かると思いますが
妃香梨が主にメインとなるお話です。
ただ、話のキーはあくまで漣と妃香梨ですのでそれをふまえて見てください。
あと、今章は全てのサブタイトルの読みは『しんそうせかい』です。
統一してみたかった。後悔はしていない。
第三七話「神葬世界」
妃香梨がにこっと笑う。
それに対し漣は睨みつける………
文と親しくなり友達として認めた矢先に
妃香梨が文を………………理由は分からんでもないが、
「友達を傷付ける奴は例えお前だろうと許さない!!」
妃香梨は笑顔のまま無言でこちらに向かって歩いてくる。
漣の殺気の風をものともせず漣の目の前一瞬でたどり着く。
漣はこの妃香梨は『偽物』なのではないかと予測した。
何故なら今までの妃香梨なら肩を竦めて怯えているはずだからだ。
そして妃香梨はまるで何年も会っていない人物にやっと会えたかのような悲しい顔をした。
さすがの漣もそんな顔をする妃香梨に胸を射たれた。
「漣………酷いわ。」
「え?」
「私の事………『偽物』だと思ったでしょ?」
「っ!?」
「まあ………勘違いしても仕方ないわ。
確かに貴方から見ればいつもの私とは違うかもだけれど………
でも!………でも私は………………――――」
「それって………………どう………いう………?」
「漣………私は………貴方が好きでしょうがないの………だから………」
『手荒でごめんね………』
その声を聞いた瞬間、景色が暗くなり………そして漣の瞼は閉じてしまった。
妃香梨は涙を流しながら笑っていた………
「やっと………やっと!私は………あの『偽物』から
彼を………奪い返せた………………うふふふ。
漣………………いっぱい愛してあげるからね。
あんな『偽物』の『偽りの愛』なんかより深い愛を………
『漣は私の物。漣は私以外を愛してはいけないの』」
それを違う場所で見ている人物がいた………
その人は少しむっとした顔になるが
すぐに微笑みその場所から去った。
「漣………貴方には『絶の計画に貴方達が使われる』と言いましたね。
でも………………ちょっと違ったようです………」
その頃滅は………
「くそがぁ!!」
滅は一言罵声を放った。
滅の体は『消える』と『再生』を繰り返していた。
豊姫の扇が仰いだ風に触れてこのような無限ループが起きている。
豊姫と依姫も体力を使い果たしたのかふらふらと体が揺れ
軸足が定まっておらず今すぐにでも倒れてしまいそうな状況である。
「………く!この俺が………まさか………………ククククク。
遅れを取るとは………………!やるじゃねえか!」
「絶様………今………確かに我が民を………庇っ」
「お前らの『罪』の象徴を気安く呼ぶんじゃねーよ!!俺は………『滅』だ!」
滅は空を見る………青い惑星が見える………
そして何も告げずに何かに吸い込まれるように
この月からいなくなってしまった。
豊姫は泣き崩れてしまう。
依姫はそっと自分の姉の肩に手を置き何も言わずに見守っていた。
はあ………はあ………………………
なんとか無限ループが終わったようだな。
………ククク………はっはっはっはっは!!!
俺も絶のお人好しが伝染っちまったようだな。
やっぱり共に過ごした時間を態々無下にするのは今の俺には出来ないようだ。
さあ、久しぶりの地球だ………………ん?そうか………どうやら俺は時間切れの………ようだ………………ふっ………一体どこへ行くのやら………そして滅は静かに目を閉じた。空中から落下しているとも関わらず………
そこには二人の女性がいた。その女性の傍らが何かに気づいた。
彼女はその赤い瞳で空を見上げた。何かが降ってきている。
もう一人の女性も薄々気づいているようだ。
赤い瞳の女性は何かの落下地点を指さしながら………
「『お師匠様』………あっちの方に何かが。」
「………敵なら排除して来て頂戴。私は『姫』のご機嫌取りしなければならないから。」
「はい!わかりました。」
「頼んだわよ………『鈴仙』」
「ふう………さてと、さっきのはどこかしら?多分この辺りに………」
彼女は見つけた。倒れている男性を………どうみても重症だ。早く手当しないと死んでしまいそうなぐらい衰弱している。
少し近づくとその男の傷の痛々しさに見ていてぞくっと身震いしてしまう。
まるで百戦錬磨のようだ。
「と、とにかく早く運ばないと………!え?あ!………きゃ!」
彼女は謝って自分の足で足にひっかかってしまう。
その勢いで男の方に倒れてしまう。
慌てて前に手を出すとなんとか男にぶつかるのは防いだが
その代わり………唇と唇がそっと触れてしまう。
「~~~~!?//////」
彼女は思いっきり仰け反り両手で顔を覆う。
幸い男の方はまだ気絶している。
かなりの長いあいだ恥ずか死そうにしていたが意を決して男を運んだ。
勿論おんぶで………………
そしてさっきの所に戻ってくるともう一人の女性が迎えに来る。
「あら?遅かったじゃない。」
「す、すいません。ちょっと事故をしてしまいまして。」
「ふ~ん?で?その人が降ってきた『何か』かしら。」
「多分………」
「ちょ、ちょっと。『鈴仙』彼を下ろして!」
「え?はいわかりました………」
鈴仙と呼ばれる女性は彼女に言われるままに男をゆっくりおろした。
あらかじめ目に見える傷には応急処置をしたから鈴仙の服には血はついていなかった。
そして彼女は感動の再会を果たす………彼は間違いもなく………
「ぜ、絶様………!やっぱり生きていて………」
「お、『お師匠さま』のお知り合いの方なのですか?」
「ええ………
『私の初恋の方よ』」
後書きで言うこともなくなってきましたね………
まあ、一大事ではないでしょう。
それはそうとなんだかややこしい事になってきましたね………
一体どういうことなのでしょう。
次回 「深層世界」