東方二重録【完結】   作:咲き人

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どうも咲き人です。
なんか心が………痛い。
と、言う訳で!今回は漣復活です!一話しかかけなかったけど。



第四零話「新創世界」

彼が目を覚ますと自分を殺した犯人がいた。

ただその犯人はさも当然かのように話し始めた。

 

 

「………………あら?やっと目覚めたのね。」

 

 

「ああ………おかげ様でな。」

 

 

漣は目が覚めたばかりなのにも関わらず

とても冷静に周りの情報を分析し始めた。

今自分達がいるところは薄暗いまるで中学の体育倉庫みたいな

感じの空間………とどのつまり見たことのない場所である。

手は体の後ろということは………手錠が掛けられているな。

それに目の前には妃香梨………………ほぼ脱出は不可能だろう。

漣は暫く考えてからうっすらと口角を上げると口を開いた。

 

 

「………なんで拘束なんかするんだ?俺は逃げも隠れもしないぜ。」

 

「そう………………でも、ちょっと見たかったの。」

 

「見たかった?何を………」

 

「漣が慌てているとこ。」

 

「あ………はあ………そういや、ここどこだ?」

 

「『仮想世界(イマジナリーワールド)』って言えばいいのかしら?まあ………兎に角は私が知るよしはないわね。」

 

「そうか………流石のお前でもわからないか………………」

 

「うふふふ………」

 

 

妃香梨はさっきから笑っていたが声には出していなかった。

それが急に声に出して笑ったことに漣には理解ができなかった。

そのため答えを問い詰めるように「なんだよ」と言った。

 

 

「いえ………ね?私のことを『偽物』って言わないってことは分かっちゃった?真相。」

 

「ある程度………だがな。多分俺の推理が正しければ………『偽物』は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう『偽物』は………この世界に転生してからずっと俺と一緒にいた妃香梨だ………」

 

「そのとおりよ………私には貴方との日々を暮らしてきた『記憶』がある…………………でもあいつにはそれがない。」

 

「だからか………どうりで飯がまずかったのか………………………(第八話参照)」

 

「それにあいつは神に会っていない。まあ、当たり前だけど。」

 

「どういうことだ?」

 

「あいつは私が何故か封印される瞬間に能力を使用して作り出したの。」

 

「つまり………お前の分身だったってことか?」

 

 

辛い事実だった。一番最初にこの世界に来たときに絶と一緒にあいつが現れたとき

正直言ってほっとした。助かったと思った。辛い孤独から助けてもらった。

でも………それは全て『偽物』の仕業だった。

仕業と言っても彼女はただ知らなかっただけだとしても漣にとっては裏切られたように感じた。

 

 

 

 

その時だった。彼女との転生後の世界での日々を思い出したのは。

そう………彼女は裏切ったのではなかった。

ただただ彼女は『鳥遊 妃香梨』という使命を果たしているだけだったのだ。

『会いたい』………………その気持ちは漣の冷静さを溶かしていた。 

 

 

「で?………例の『偽物』はどこにいるんだ?」

 

「消したわ。跡形もなくね。」

 

「嘘つけ。まだその体に眠っているな。」

 

「あら?調べる気?………実力行使(意味深)かしら。漣なら別にいいけど。」

 

「誰がやるか誰が………俺はお前に用は無い………『偽物』の方に用があるんだよ。」

 

 

その後漣ははっきりと言った。「妃香梨に会わせろ」………と。

それは妃香梨にとって「『偽物』の方が俺にとっては『本物』だ」………という意味として受け取ったのだ。

勿論妃香梨の答えは決まっていた。愛する人に向けていい殺気ではないはずだが躊躇なく殺しにかかった。妃香梨は漣目掛けて腕を振り下ろすがそれは両腕で防がれた。

いつの間にか漣の両腕の手錠及び両足の鎖は壊れていた

 

 

そしていつもの妃香梨の腕力とはまるで違い化け物並だ。

最早気を抜いた瞬間=死と捉えていいだろう。

 

 

「絶対………あいつなんかに貴方はやらないんだからぁ!!!」

 

「確かにお前と彼女は違う………でも同じ『鳥遊 妃香梨』の名を持った人間だろ!」 

 

「違う………違う違う違う違う!!私が本物………私が妃香梨なのぉ!」

 

「彼女もだ!それに………確かに昔の記憶は無くてもお前とは違ってこの世界での暮らしの記憶はある!」

 

「漣は過去より現在の方が必要なの!?あんなに辛い過去をうやむやにするの!?」

 

「そうじゃない!お前が過去に囚われ過ぎなんだ!」

 

 

妃香梨の怒涛の攻撃を何とか避け凌ぐ漣。

しかしいつまでたっても反撃に移れない………

妃香梨は愛する人の裏切りにより我を失っていた。

振り下ろされる腕を回避するだけの話なのだがそう簡単にも行かずギリギリ躱す程度が限界だった。

 

 

「ッ!(くそ!回避で手一杯か………!何か無いのか!?この状況を打開する方法は………………!)」

 

「無理よおぉ!私の能力を忘れたのかしらぁ!?」

 

「そうか………どうにかしたくても………縛られているのか。」

 

 

拒絶する………その行為により漣は霊剣などの攻撃手段が絶たれていた。

妃香梨の能力は人の動きを制限させる事が主な使い道だ。

漣には攻撃手段はなくただ避けることしか出来なかった。

 

 

「諦めて………私の物になりなさい!!」

 

「断る!!俺はお前の物になるために生まれてきたんじゃない!

 俺は………『俺は彼女を助けるために生まれてきたんだよ!!!』」

 




漣がこの作品に名言を生み出しました。
ちょっとずつ名言的な何かを作りたいと思います。
ただあくまでこれはシリアスです。

次回 「心喪世界」
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