東方二重録【完結】   作:咲き人

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どうも咲き人です。第五話だね。私は久しぶりに小説に手をつけましたよ。
皆さん唐突ですが、好きな東方曲はなんですか?
私が好きな原曲は八雲 紫のテーマ曲であろう「ネクロファンタジア」です。
vocalでは「境界ファンタジア」ですね。



第五話「呪目者」

絶と出会ってから10日たった。妖怪もある程度のやつなら慣れてこれた。

襲って来る物好きがいないからだ。

まだ慣れない事があるとしたら絶が常に右目を閉じていることだ。聞くにもはぐらかせてくる。

妃香梨も同じ考えだった。気になる………ただこの世界で妖怪に襲われなく生きられているのは

絶のおかげであるからそれを聞くにも聞きにくいのもある。漣は考えていた。

 

 

考えるに考えた挙句出た結果………絶のことをよく知ってそうな妖怪に話を聞く………

ことぐらいしか思いつかなかった。早速山へ向かう。

妖怪も人間と同じ上下社会。そのためいくらかの妖怪をひとまとまりにして

長にまとめられる。が、例外もある………例えば、まとまりから抜ける妖怪だとか。

妖怪たちも人間と馴れ合いたくない奴もいれば我先にと話しかけたりするものもいる。

河童とかが良い例だろう。最初に会ったのは河童の長。

長といっても周りの者より長生きしている者のことだから長老というべきか。

早速絶について聞いてみるとすぐ秘密が分かった。もう少し秘密として隠しておけばいいと思ってしまうぐらいだった。 

 

 

「絶殿の右目の秘密?本当かどうかは知りませんが、その昔に呪われてしまったとか何とか。」

 

 

この河童も人間の寿命の何倍も生きているのにその人生………この場合は『妖生』と言うべきだろうがそれよりも昔とは一体絶は幾つなのだろうか?少なくとも人間が日本に来た時代では無い。

しかも呪われたという言葉がどうも頭に引っかかる。それこそ人間が日本に来た時代ではないのにどうやって呪われたのだろう?

河童の長老はそのことに気付いていないらしい。

まあ、嘘かも知れないから半信半疑ぐらいで深く考えてはいないのだろう。

 

 

一方妃香梨サイドだが困ったことに隠れ家から少し離れて山から反対の方向へ行ってしまったのだ。

絶を追って来てみたらこんなことになってしまった。迷った。この全ての行動の結果だ。

肝心の絶も見失ってしまった。しかも、ここらの妖怪は妃香梨や漣のことをよく思ってないらしく、嫌な目でこちらを見てくる。

さすがに妖怪達も絶の存在を恐れているのかこちらを見てくるだけで襲っては来ない。

 

 

「流石は『人間と妖怪の支配者』の異名を持つだけはあるわね。」

 

 

そう、絶はどちらにも所属しないことによりどちらも支配することが出来たのだ。

お陰で人間と妖怪の間に不可侵条約を作ることが出来たのだ。

よって妖怪は人間の元に行くことができず、また人間は平穏を約束されたのだった。

それでも妃香梨と漣は別として扱われており、どちらの不可侵条約にも反しないとされている。

逆に考えると格好の餌なのだが絶が常に近くにいることでそうはならなかったのだが

今回だけはどうも無理そうだ。妖怪達はまだ絶がいないことに気づいていない。

この隙に絶を見つけ合流しなければ襲われてしまう。

 

 

だがそんなに妖怪も馬鹿ではない………もう『それ』に気づいているのだろう。

猛スピードでこちらに向かって攻撃してくる。妃香梨はその突進を

最低限の動きで避け、刀を強く握る。その妖怪はすぐこちらに振り向き

爪を真横に振る。それを帯刀したまま防ぎ、頭を狙い振り下ろすが、

妖怪は後ろに下がり簡単に避ける。そのまま妃香梨の頭上を狙い飛ぶ。

妃香梨は鞘を手に取り、真上に投げた。それを体を軽く捻り回避し、

牙を見せつけ食い千切ろうとする。刀でそれを抑え近づいてきた妖怪の体を前蹴りして仰け反らせる。

一進一退の攻防といった感じで一撃一撃が致命傷であるがためなかなか決まらない。

 

 

その様子を遠くで見つめる者がいた。絶だった。少し笑みを浮かべ二人の戦闘を見ている。

だがまるでその戦闘を利用するかのごとく、絶に近付く者もいた。

 

 

「なかなかやるじゃない。まさかここまでだったとは。」

 

「ケッ、悔しいがそっちもだ。小娘ごときを俺が殺せないとは。あの絶が見込んだだけはある。」

 

「まあね。でもこの戦いは私が勝つわ。」

 

「ほざけ。勝つのは俺で負けるのは貴様だー!」

 

 

妖怪は腕を思いっきり振り落とし周りの木をへし折ってこちらに投げてくる。

妃香梨は落ちてくる場所を推測し避ける。だがこれで妖怪を見失った。

妃香梨は目を閉じ耳で物を見ようと試みる。

周囲はさっき倒れた木の葉の音や梟の鳴き声や狼などの遠吠えが聞こえてくる。

だがその音たちに染まらず妖怪の音を感じる。一歩また一歩とゆっくりだけど音はかなり近くなる。

 

 

「そこ………の、一歩後ろ!!」

 

 

妃香梨が突き出した刀は妖怪の眼球を確実に貫いていた。

妃香梨自身が言ったとうり、捉えた音より一歩後ろのところで死んでいた。

流石は私の勘!と自分で褒めているとさっきの妖怪より早い速度で肉塊が飛んでくる。

飛んできた方向からは絶が血塗れになって歩いてくる。

妃香梨は気づくだろう。さっきの戦闘を見ていたことに。

見ているなら助けて欲しかったが絶が甘えんなと言ってくるのが目に見えていたから黙って睨んだ。

 

 

「何睨んでるんだ?………はあ………どうせあれだろ。見てんなら助けろって思ってんだろ。

 あんなのに負けないと思ったから助けなかった。それだけだ。あとちょうど刀の試し切りが出来て良かったじゃないか。」

 

 

自分の心を見透かされ戸惑いを隠しきれなかったが、ただ一理あった。

確かに負けるわけなかった。不意打ちでもどうにかなっただろう。

しかも逆を言えば勝てなそうな奴だったら助けてくれたのだろう。

絶は人の心配をしてくれていたのだ。そんなキャラには見えないのに。

妃香梨は絶を少しだけ尊敬すると改まって質問した。

 

 

「………………なんでも気軽に聞いていいんだよね?」

 

「そうだけど?何かあんの?」

 

「なんで右目を閉じているの?他にも何か………隠してるよね。」

 

 

絶は少し唸った。図星なのか少し焦っているようにも見える。

隠していることは認めた様なものだ。あと右目の秘密を教えてくれれば良いのだが………

 

 

「『右目は………無い。』」

 

 

「え?」と驚いて後ずさった。『右目が無い』とは一体どう言うことなのだろうか?

『盲目』は見えないには確かに見えないが『右目』という『物質』が無いということを意味するのだろうが………答えを聞くのを躊躇ったが恐る恐る聞いてみた。

 

 

「ど、どうして………無いの?」

 

「何故かな。生まれた時から右目に異常があってな。『盲目』とかじゃなく異常な数の病原菌があってな右目を取らないと生きていくことができなかった。俺が知ってるのはあと………右目を生成することができる変人を知ってることぐらいだな。」

 

「なにそれ?右目………生成。右目単体?確かに変人ね。」

 

 

冗談を言ってみた。絶とこの10日間一緒にいたが冗談を言う人ではなかった。

多分『右目を生成することができる変人』も本当にいるのだろう。

だがこれで一番の疑問がこれで解消したし良しとするかな。

と能天気に今日も生きていった。

 

 

(妃香梨………やはり………フフ、漣『も』、か………幼馴染という『設定』だったとは)

 

 




どうもっす。私っす。いきなりですが「〇〇〇っす」っての気になりません?
それ一回言ったらずっと言ってなきゃ駄目っぽい気がしません?
私だけでしょうか?いや!きっといる!私と同じ気がしている人は確実にどっかにいる!
私!………信じてます!そうしなきゃやってられません!

次回「所有物」
番外編「ミスフォーチュン・ハロウィン」

――――追記;もう日常だよ・・・→………
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