これは種変録でのコラボが終わったあとのおはなしとなっておりますので気になる人はそちらからご視聴ください。
あとお先に謝っときます。ごめんね?
絶は突如として妖怪の山の上空を舞っている………どうしてこうなったのか説明するには時間がかかりすぎるのだが、要約すれば………
迅真、紫の能力パクって絶を落っことした。
以上。
いや、これだけでは分からないだろうか?迅真の能力は簡単に言えば『パクる能力』だったので絶が平行世界に行っていた時にその力を使われて強制送還されたのだ。
実際この行為については怒ってはいなかったが、絶は別のことで怒っていた。戦えと言われたので仕方なく戦ったのはいいが、能力は使わせてくれないだわ、一方的に後ろを狙ってくるわ等多々である。それにこっちの記憶を勝手に覗こうとしてくるなどあいつは本当に紳士として自覚はあるのだろうかと疑ってしまうぐらいというかそっち系なのではないだろうかと思ってしまうぐらい嫌な奴だったのだ。それはどちらかというと怒るというよりは気味が悪いといった感じなのだが、何故か絶にとっては怒りなのである。
まぁ、いい。仕返しは倍以上にしてやる。そろそろか?
そう絶が思いながら地上に降り立つとその上空から境界が開き、一人の少年が落ちてくる。
見た目は短くメンズのような髪型で男らしい顔立ちでそれなりのイケメンだと言えるだろう。服装はワイシャツにジーンズといったこの世界では珍妙
少年を絶は見たことがある。確かに『
「よぉ………数分ぶりじゃねえか。」
「お前だな?俺を境界に引きずり落としたのは………」
「何のことだ?ただ境界が急に広がっただけのことだろ?」
「知ってんじゃねえか!ああそのとおりだ。急に広げていた境界が更に拡大して俺も落ちたんだ。てめえの仕業なんだな?」
「態々こっちとあっちの世界を繋げている境界が目の前にあるのにこっちには来ないとタカをくくっていたお前が悪いんだ。」
「あ?」
「ククク………青二才が大人の真似したって怖くもねえぞ。」
迅真視点
俺は薙浪 迅真。今こいつのせいで俺は『絶のいるこの世界』に来てしまった。さっさと戻ることもできるがこいつがこっちに呼んだ理由は大体検討がつく。リベンジマッチだ。それもそうだろう………お互いに手の内を明かしていないあんな戦いでは満足もできやしないはずだ。だが、イチイチこいつの挑発がには腹が立つ。笑い方なんてもっぱら悪役だ。話は変わるが、あの紫を知っているということはこっちの世界にも紫がいるということなのだろうか?もし、そうだとすれば絶とも少なからず関係があるに決まっている。俺がいた世界の紫を見て反応を示していたのが最な証拠だ。
だが、そういう分かりやすい部分もあるのにこいつの『本当の心』は読めない。まるでどこか………何もないような場所にあるかのようなそんな風なことを思ってしまった。
俺は内面を悟られないようにこのことを隠しながら喋る。
「ふん。その青二才にやられたやつがほざくなよ。」
「………もしかしてあれで俺を超えたとそう思っているのか?」
「は?」
「遊びだよ。本気で殺るわけないだろ?あんなお遊戯をよ。死ぬ可能性のない戦いなんてそれはこのご時世では通用しない。
「じゃあ『アレ』無しで俺に挑戦するってことでいいんだな?」
アレとは俺が持っている結界のことである。あの中に入っているものは致死量のダメージを受ける際、それを結界が負担し、結界が壊れる=死んだ扱いで勝敗を決めることが出来る結界なのだが、ここまで言われたら本気でやるしかない。
俺は身構える。そして明らかな殺意を込めた眼差しを絶に向ける。だが、絶は動じない。それどころかにやりと笑ってこう言う。
「さあ手加減してあげるから本気でかかって来い!」
「(カチーン)」
俺は手のひらから
「
第三者視点
絶は目を閉じ、にやりと笑う。火炎球は絶に当たり、絶が燃え上がる。だが、一瞬のうちにその火は静まり代わりに何故か俺が燃えている。だが燃えたとしてもあまり痛くなくすぐさま絶の死角へと周り、右こぶしを突き出す。だが、そのこぶしに触れた感触は絶の皮膚ではなく………迅真の肌であった。
「がっ!?」
意味が分からないといった状況で迅真はその場にひざまずく。そしてそれを見てあざ笑うかのように笑った絶は倒れかけている迅真に言う。
「あっはっは!こりゃ傑作だぁ!」
「くそ!なめんな!」
迅真はそういってすぐさま体制を立て直し、どこからか取り出した弓を絶に向けている火をまとった矢という特典付きで………
「『
その名のとおり、炎の矢を放ってくる。絶は今回も特に避けるといった行動は見せず、炎の矢は命中する。ぼっと燃え始める。迅真はもう絶の能力は知っている。『感覚を絶やす程度の能力』。人の感覚を消すといった極悪非道の能力だが、矢を放ち終わった後は感覚を絶やされたとしても、意味を成さないはずだ。そのため、放つまでの時間がネックだが、これを最小限にまで早めた。迅真から見ればここいらで能力を発動するべきだと考え、発動する。だが、
「な!?ぐぅぅ………」
急に腹の奥が燃え上がるような熱さを感じる。その痛みに耐えられず、腹を手で押さえる。だが、その程度でこの痛みは和らがない。
すると絶の肉体を燃やしていた火がついに消えた。迅真から見ればその姿とは常識からは想像もつかないものであった。
皮膚は全て焦げ落ち、焼けただれてべちゃりと落ちていく。目と呼べるものがあった位置にはすっかり枯れ果てた何かがくっついていた。口は唇が皮膚と同じように黒くなってしまい、頬の辺りはすっかり焼け落ちて奥歯があらわになっている。
だが、あの漆黒という言葉が一番似合っているあの髪だけは何故か燃えていなかった。
そして絶の肌の色は炭になってしまい、真っ黒なのだが、徐々にその色は脱色していき、人らしい肌色に変わる。口もだ。
絶は左目を開く。さっき蒸発してしまったはずなのにあるのだ。そして絶は唖然としている迅真に向かって話しかける。
「なんだその顔は?俺が『不老不死』だということをまさか知らなかったわけではあるまい。」
結果を言うと知ってはいた。記憶を覗いた時、以上なまでの時間がそこにあったからだ。だが、驚いたのはそこではなかった。不老不死というのなら絶本人になるというのが迅真が知っている不老不死だ。だが、今の絶の姿は正しくというか間違えるはずがない………その姿は………
「『俺』………?」
「そうだ。お前の能力をコピーさせてもらった。その副作用だっけか?それでこの姿になっている。」
「なんでだ………あんたの能力は『感覚を絶やす能力』じゃないのか!?」
「ククク………これだから能力をフルで活用出来ないような馬鹿とは本気で戦っても楽しめないのだ。」
「何だと!」
「俺の能力は確かに『絶やす』だ。だが、『感覚なんて絶やせるわけがない』だろう?」
「は?」
ショックで固まってしまった。絶の能力を絶自身が否定したからである。まあ当たり前でもあるが、その姿を一瞥して絶は話を続ける。
「感覚を絶やしても一度消した程度では脳が覚えているため、すぐ元に戻る。だが、俺の能力はその程度では終わらない。俺の能力は脳の神経から伝わる微量な電気さえも絶やすことが出来る。電気がいかなければ脳の命令に従うこともできない。これが俺の『感覚を絶やす程度の能力』の『絶やすところまで』だ。」
「絶やすところ………だと。」
迅真は言っていることを必死に理解するために返事がオウム返しになってしまっている。
「人間の全身には電気が通っている、そのためさっき言った事も一時的しかできない。だが、感覚器官を刺激する電気量程度のならこの能力で分散することも可能だ。そしてその感覚さえ覚えれば電気を通して自分さえも使える。まぁ要は感覚が分かればコピーできるんだよ。」
絶はそして迅真を見ながら何かを思い出したかのように口を開く。迅真は腹の熱さが治まってくるのにほっとしてゆっくりと立ち上がろうとしている。
「何故、俺たちは能力を持っているんだと思う?」
「何?そんなの………」
迅真は「そんなの俺たちが普通じゃないからだろ。」と言おうとして止まった。この程度では説明にもなりはしないのだ。まず能力といっているものは本当に特殊なものなのだろうか?いや、能力自体は特殊なものなのだろうが、『能力がある場所』は誰にもある場所なのではないかと………
絶は迅真の考えが読めたのか答えを言う。
「俺たちには脳に特殊な器官があるからだ。いや、本来は普通の人間にもあるのだが、この器官を使用するには異常なまでの電気を使わなければならない。だから人体での発電量が少ない者には能力が使えず、それ以上に穢れている妖怪やそれ以上に澄んでいる神などは能力が使える。」
絶はトントンと頭を人差し指でつついてそう言う。迅真はポカンとして納得するしかなかった。確かに自分がいた時代での鬼たちや神たちは人間がまるで発達していないというのにあのように集合社会のようになっていた。
「………そういうことかよ。」
「やっと分かったか?」
「つまりあんたが言いたいのは大量の電気を使用する能力をもっと有効的に利用しろってんだろ。そんなのくそくらえだ。お前は俺を研究していた奴らぐらい腹立つ奴だよ。」
「………我が身の真髄を知らぬ若人風情が、俺と能力を比べて勝てるわけがねえよ。」
今、生物を司る存在と感覚を司る存在の戦いが再開しようとしている。
遊びさ………本気でやるわけないじゃん!(ネタ)
本当に………申し訳なかった………今回のコラボのこと………
次回「二重世界」