東方二重録【完結】   作:咲き人

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どうも咲き人です。
やあ、今日は気分がとても悪いです。
いつものことなんですけど今日は特にひどい。
ちょっと今回も本文とは日が違うとおもいます。ごめんね。
そして前回で言ったとおり今回はメリー視点です。


第五五話「日常 始動」

私の全ては『あの日』から始まった………

 

 

私はいつも道理に私の友達、宇佐美 蓮子と一緒に学校に向かっていた。

その時、蓮子が話してきた。私たちのクラスに転校生が来ることを………

その時はどうでもよかった。友達ぐらいになれればそれで………

 

 

学校に到着してHR(ホームルーム)が始まる。

そして先生(男)がまるで漫画のお決まりのようなことを言う。

 

 

「えー………お前たちも知っていると思うが転校生が来ている。

さっさとHR終わらせてぇから質問とかは俺がいるときにはしないように………」

 

 

なんてやる気のない先生なのかしら………と、思っていた時期が私にもあったけれど

いつしかこれが普通だと割り切ってしまった。まあ、私からしたら男子生徒が転校生を

期待している意味がわからないわ………

 

 

男子生徒共………

 

 

((((美人がいいなぁ………))))

 

 

そう………男共は思っているに違いないわ。

大体こういうのはイケメンな美男子が来るって相場が………決まって………

 

 

「「「「………………え?」」」」

 

 

皆が皆、息を合わせて驚いてしまった。

それもそのはず………なぜなら………そこに立っていたのは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶世の美人だったからだ。

 

 

殆どの男子生徒が泣き、なんか「我が世の春が来たァァァ!」と五月蝿い連中もいる。

女子の何人かも頬を赤くしている。確かにこの綺麗な顔だちや華奢な雰囲気が漂ってくるこの人には同性(・・)の私も目が合わせられなさそうだった。蓮子も口を開けたまま呆然としている。

そして皆の反応を見て転校生は「ふふ………」と困ったように薄く笑う。

その時、一瞬だったが私と目が合った。ドキッと心が高鳴ってしまった。

どうしたの私!同性(・・)の人を見て………こ、こんなにドキドキしてしまって………

すると転校生が初めて口を開く………その声は中性的で男とも女とも聞き取れ、

艶っぽく、魅力的な声だったのは未来永劫覚えることになった。

 

 

「え………っと………――――絶です。気軽に絶と呼んでください。」

 

 

多分ここにいる全員が気軽に呼べないことは分かっているもののその美貌にただ頷くことしか出来なかった。そしてその絶の苗字を皆が聞き取れなかったらしく、首をかしげている。だけど、先生にさっき質問するなと言われたばかりなだけもあって皆は言いたそうに絶を見ていた。そんな皆を見てまた絶は薄く笑っていた。そしてもう耐え切れなくなったのか先生が話を切り上げた。

 

 

「あー。もういいよな?お前ら。絶、お前は………あそこに金髪の女がいるだろ?

その女のとなりだから。」

 

因みに私以外に金髪の女なんていないから………そういえば私の隣の席が空いているから

………絶が隣かぁ………うん?隣?隣って男子生徒(・・・・)の席だよ?え?あれ?なんでかな?

その事実に何人かの人が気づいたらしくまたまた皆が首をかしげている。

それを見て絶は「はあ………」重い溜息をついた。さっきまで笑っていたのに急に困った顔になった。

そして絶は衝撃の事実を言った。

 

 

「皆勘違いしていると思うんだけど俺は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男だからな?」

 

 

「「「「……………………は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はああああぁぁぁぁぁぁ!?」」」」

 

 

「いや、分かれし!だって男子生徒の服装着てるじゃん!見て分かれよ!」

 

 

前言撤回………絶は男だった。心の中で同性なんて言っちゃってごめんなさい。絶はすぐにこの場に慣れたのかまた、深く溜息をつくと私の隣の席に座った。

近くで見るともっと凄かった。何が凄かったってやっぱり綺麗だということ………私だってそれなりに綺麗だと思われてるし思っているけど絶には敵わない気がする。長くて漆黒みたいな黒髪を爽やかに揺らし、少し長めでより一層女性に見える眉毛………どこからどう見ても女にしか見えない。そしてずっと見ているのに気がついたのか絶は私の方を振り向く、その時の髪がバサァ………と広がる感じにまたドキッときてしまった。もしかして私………安心してる?絶が男で………恋愛対象だから?そ、そんなことを考えてしまったから余計絶を見たらドキッとしてしまった。ダメダメ!出会ってそうそう恋しちゃうなんて………これが一目惚れってやつなのかな………

 

 

やっと休み時間になった。

一時間目の授業が酷く長く感じた。皆が絶の存在でいつもみたいに五月蝿くはならなかった。だが、休み時間になったことにより、皆が絶の周りに集ってくるので隣の席の私はとてもゆっくりできなかった。

 

 

「ねえねえ!絶くんは好きなタイプは?」

 

「初っ端から聞く質問がそれかよ!………ノーコメントで。」

 

 

絶はとても嫌そうな顔をして質問を一蹴した。いきなり聞いてきた、新聞部の子は残念そうに絶の周りを群がっている連中の後ろに戻っていった。すると入れ替わり立ち代り、また新聞部の違う子が質問してきた。この時、私は既に席から立って群がりの一員みたいになっていた。

 

 

「今まで付き合った彼女の数は?」

 

「0」

 

 

さっきの子と似たような質問だったがこの質問はやけに即答だった。

昔も女子扱いされていたのだろうか、次に「分かれよ」と言っていた。

だが、この質問の(アンサー)を聞いた女子の大半が「よっしゃぁ!」と喜んでいた。

同じ女子として恥ずかしかったけれど、まあ確かに内心ガッツポーズしかけた私が言うのもどうかと思ったから黙っておいた。

次は男子だった。そりゃ男子でも転校生が来たら気になるよね。特に同性だったら。

 

 

「好きなゲームは?あ!ジャンルの方な。」

 

「シューティングゲームと横スクロールのアクションゲーム。」

 

 

絶は聞いている最中「子供か!」とツッコミを入れていたが周りの人も頷いていた。

聞いていた男子生徒は学校の中でも有名なゲーマーだ。そして絶の返答に「成る程」とだけ言い、自分の席に戻っていった。聞いてどうするつもりだったのだろうか………

そうしてまた男子が聞いてきた。

 

 

「好きな食べ物は?」

 

「インスタントラーメン。」

 

 

栄養偏りすぎ!とツッコミたかったがどう考えてもそんなこと言える雰囲気ではないので心の中で突っ込んだ。それにしてもカップ麺でよくそんな美貌を保てるわね………

と感心してしまった。

そして次に質問したのは………私の友………宇佐美 蓮子だった。

まぁ、ずっと気になってみたいだしいつかは聞いてくるかと思っていたけど………

ただ、手を挙げ堂々と絶の目の前まで来た割には

質問の内容がまとまってなかったらしく、少し質問が出てくるまでに時間がかかった。

 

 

「そうだなぁ………じゃあ………今このクラスを見てみてタイプっていうか気になる人って居る?」

 

「………………俺の隣の金髪女。」

 

 

一番最初の質問と何が違うのかしらと一瞬悩んでしまったが、絶もどうやら同じ悩みを持ったらしく蓮子と同様に絶の方も返答するまでに時間がかかった。そして聞いた返事に皆は驚いていた。絶はいきなり皆が驚いたのに驚いていた。でも、一番驚いていたのは私とこの質問をした蓮子だった。

 

 

「わ、私!?」

 

 

少し意外だった。さっきまでの絶の言葉を振り返って性格を考えてみると「そんなのいねえよ」とか言いそうだったのだが、これは予想外だ。

絶がぶっきらぼうに私を指さしたのだ。

蓮子はわざと感心したような動きをとり、腕を組む。

 

 

「へぇー………うんうんお似合いだと思「何勘違いしてんだ。」へ?」

 

 

自分の言葉を途中で絶に邪魔され、素っ頓狂な声を出してしまった蓮子。

ついつい笑いそうになってしまったが、

自分のことを言われているのだからと気持ちを入れ替える。

絶は口を開けたまま一向に閉じようとしない蓮子を見ながら、

深い溜息をついて口を開く。

 

 

「なんで金髪なのかの理由を聞きたいだけだ。もしかしてチャラチャラ系か?」

 

「………あの………私は………日本人じゃないですよ?」

 

「………あ、そうなの?すまんね。日本語ペラペラだし、えっと………そのさ、外人特有のあの顔の白さが無かったから………つい………ね?」

 

 

お前が言うなと思った。きっと他の皆も思ったことだろう。絶はまだ少し誤解しているようなので説明した。親が日本に来てから私が生まれたので、

日本臭い思考なのもそのせいだということを。絶にある程度説明すると

 

 

「………なんだ。英語を習おうと思ったのに………」

 

「そういう意味で気になってたの!?」

 

「あ、いや!あとは、と、友達になりたいなぁ、と思って………妹達に聞かせてやりたいから。」

 

 

絶はすぐ照れ隠しした。でも、後半の言葉をさり気なく言ったときは少し寂しそうな顔をしていた。

その時、何故か小さい女の子が病院に入院しているシーンが頭の中に浮かんだ。

まぁ、確かに外人を友達に持つことは難しいことだと思う………

私はいつもは積極的ではないのだが、絶が友達になりたいと言っていた、

私も転校生と友達になりたいと思っていたことに何か運命的な何かを感じたからか、

私はすぐ思いを口にだした。

 

 

「じゃ、じゃあ………と、友達になりましょ?」

 

「え!?いいのか?」

 

「う、うん………」

 

「そっか………あはは、ありがとうな。え………っと。」

 

「マエリベリー・ハーンよ。皆からは『メリー』って呼ばれてる。」

 

「じゃあ、これからよろしくなメリー。」

 

「うん///」

 

 

絶が笑った。その笑顔はダイヤが何カラットあっても届かないような輝きだった。私も含め、絶の周りにいた人達全員がその笑顔に惚れてしまった。

 

 

 

 

 

これから楽しい楽しい学校生活が始まった………………

 

これからはずっと好きな人の隣にいれる………………

 

そうすれば好きと言えるタイミングが必ず来る………………

 

そして結ばれたいと願うようになった………………

 

ずうっとこの幸せが続くことを願った………………

 

絶のことを何も知らないで………………

 

絶がどれだけ苦しんでいるのか知らずに………………

 

そして気付かなかった………………

 

絶の心が崩れかけていることに………………

 

私は………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶を『殺した』。

 

 

 

 

それが私の罪………




次回予告………

漣と妃香梨は紫の提案で『花映塚』に行くことになる。
そこで映姫に会いに来た理由とは、絶の過去が知りたいということだった。
そして遂に絶の過去が明かされる。全てに絶望した存在の話が今、始まる。

次回 「日常 絶望」
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