東方二重録【完結】   作:咲き人

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どうも咲き人です。
今回は誤字脱字があるはずなので見つけてください。
だって凄く長い文を書いたんだもん。絶対あるはずだ!

6000文字だからそこまで長くない。(二重録だったら長い)


第五六話「日常 絶望」

漣はただただ不思議に思っていた。

前(第五四話)のときに絶が言っていたことがどうも気になっていた。

寝るとき勿論部屋は違うので寝顔を見たりする機会はそうないのだが、

昔………と言っても数年前の出来事だが、深夜で眠れずにいたときのことだ。

隣の部屋で寝ていた絶が突如唸り声をあげたのだ。

いきなりで吃驚して恐る恐る絶を見てみるとどうやら魘されているようで

顔は蒼白で嫌な汗をかいていた。そして絶は寝言でしきりに謝っていた。

 

 

「………ごめん。ごめん。嫌だ。嫌だ。――――ない!違う!俺は――――!」

 

 

そう言って飛び起きたのでまた驚いた。

絶には俺が魘されてて心配して様子を見ていたら急に飛び起きたとだけ伝えておいた。

 

 

――――と、このように絶はしきりに謝っていた。誰かは知らんが………

それなのに充実していた人生など遅れているはずがない。

どれだけ絶が生きているのかは知らないが果てしなく………それこそ気の遠くなるぐらいの

歳月を経ているのに関わらずあんなふうに魘されるということは過去に相当な未練があるはずだ。

 

 

しかも神がこれまた昔(第三九話)に言っていた。

 

 

~「彼は『その高校にいた人間を皆殺しにしたのです』。」~

 

 

と………まぁ、ここまで気になるとは思いもよらない言葉だったので衝撃的だったが………

そして俺は今、妃香梨に相談していた。妃香梨も以前俺と同様に神に話を聞いていたようで俺と同じように疑問を持っているようだった。

 

 

「うん………やっぱりおかしいよ。絶が過去に人を沢山殺しているのに『充実した日々』なんかあるわけない。」

 

「だよな。でも………」

 

「そうだよね。絶本人しか知らないことなのよね。」

 

 

そうなのだ。絶は自分の過去を語らず、語ったとしても【嘘】ばっかりで全然信憑性が皆無だ。

それ故、どうしても絶の過去を知りたいと思っても聞けないし、ほかの人も知らないのだ。

紫さえも知らなかったのだから………

 

 

彼の全てはきっと過去にしかないのだろう………しかし、それを知るよしもなく、

手段もないのだ。だが、どうしても知りたい。原作キャラに居なかっただろうか?

どんな人の過去も知っていて、古代から………というか今、この時代にもういる人物は………

 

 

すると、いきなり目の前にスキマが開き、紫が現れた。

ただの人間だったら、吃驚するだろう。が、ここにいるのは二人共、人外の境地にいる。

全くと言っていいほど、動じない。見過ぎたし、脅かされすぎたための産物だろう………

全然嬉しくないが………しかしここで紫が来てくれたのは好都合だ。

紫なら今の俺たちよりも友好関係が広いし、絶の過去を知っていそうな人物を知っていそうだ。

だが、俺も誰かいたような気がすると………もう一度考え直す。

妃香梨もまるで俺の考えを見たかのように紫に聞いている。

 

 

「紫、丁度いいところに!」

 

「?………どうかしたの妃香梨。」

 

「実はね………――――………で………カクカクシカジカということなの。」

 

「(擬音だらけだった気がするのに聞き取れてしまった)な、成程ね………そう………

なら、閻魔………四季映姫のところに行ったらどうかしら?あそこは確か死んだ者以外の過去もあるはずよ。」

 

 

それは盲点だった。確かに死んだ者の悪いこと等を暴き、白か黒かをはっきりさせる四季映姫なら絶の過去も知っているはずだ。俺は驚きのあまり少し声が荒いでいた。

 

 

「そ、そうか!確かにそこなら………絶の過去を知っているかもな。」

 

「早速行きましょう。紫、そこに行くにはどこにいけばいいの?」

 

「『花映塚』といわれる場所よ。あそこもきっと幻想郷の一部になると思うわ。」

 

「そこはどこにあるんだ?」

 

「それは………いえ、私が案内した方が早いわね。ちょっと待ってすぐ花映塚との境界を開くから。」

 

「何から何まで有難う紫。忙しい身なのにね。」

 

 

そう………最近紫は妙に忙しくなったのだ。数日前までは暇で寝転んでいたというのに………

 

 

「ふふふ………二人には沢山の『借り』があるもの。少しは返さないとね。」

 

 

まぁ………借りという程のものでもないのがいくつかあるのだが、

紫は意外にマメで全て覚えてくれていたのだ。ただ、彼女の日常を知っているからこそ、こんなことしてくれるなんて思ってもみなかった。

 

 

俺たちは紫のスキマを通って、花映塚にたどり着いた。

辺り一面が霧で覆われており、また、『彼岸花』が周りに尋常ではない数あった。

かなり不気味というか、嫌な予感しかない場所だが、進むしかないだろう………

それが絶があそこまでして隠しておきたい『秘密』があるのだから………

妃香梨はあまり恐怖していない様子でずかずか進んでいく………頼もしいのは良いのだが、

少しは危機感というものを感じて欲しい………そんな俺の想いは届かず、そのまま妃香梨は進んでいくので、仕方無くついて行った。

 

 

 

 

紫side

 

 

今、私は(お父様)を探している。どこにもいないのだ。

確かに今日も朝早く、出て行ったのだが、行く先も教えず出て行くなど昔のお父様は

しなかった。それにまた帰ってくるのはほぼ、深夜で夕飯も食べずに眠る………

私の夢を叶えるために力になると言った割には自分のことばっかりで嫌になってしまう。

 

 

ただ、時々酷くボロボロで帰ってくる。驚いて聞いてみるも「少し手強い奴を説得してきた」と言って寝てしまう。だが、そのことは本当で嘘みたいに沢山の妖怪や人が私の創る幻想郷に住むと言ってくれるのだ。

それには感謝しているが、やはりどうも気になる。漣や妃香梨はお父様の過去について調べようとしているがそんなことよりも私は今のお父様の行動の理由が気になって仕方ない。

 

 

私の能力で追跡しようとしてもお父様の能力でバレてしまい、いつも意味不明な場所にたどり着いてしまう。命の危機を感じ取ってしまうときもあった。やはり、お父様は謎すぎる。

『あの時の意味』も『何故四季映姫がお父様を嫌う理由』も分からない。人に教えない………それだけでここまで何もかも隠しとおせてしまう………これもお父様の能力の一つなのだろうか………

 

 

私は首を大きく降るとそのままスキマの中に入っていった。

 

 

私が次に来た場所はいつもお父様に騙される場所………ここは右と左に分かれていて私はいつも右に行ってお父様(ターゲット)を見失ってしまう。

左に曲がって歩き出す。何があるか分からない………スキマでショートカットしたら道を見失っているかもしれないため、面倒だが、歩く。するとやはり、抜け道のようなものがあった。

 

 

そこにあったのは………馬鹿でかい転送用の魔法陣だった。

 

 

大きさから言って、ほぼどこにでも行くことができるだろう。それこそ月にさえ………

一体何処に繋がっているのだろうかと気になって近づいたのが、失敗だった。

突如として魔法陣が光だし、私は転送された………

 

 

 

 

漣side

 

 

俺たちはやっとこさ、死者が最初に集う三途の川にたどり着いた。

 

 

「懐かしいな。ここも………」

 

「そっか。あの子が漣を殺しちゃったんだよね。」

 

 

妃香梨が悲しそうな顔をしている。あいつの代わりに謝りたいという気持ちが伝わる。

そんなことないよと俺は言う。そしたら妃香梨の表情も少しは気楽になったようだ。

 

 

「あれ?漣じゃないかい。また死んだのか?」

 

 

そう俺たちに声をかけたのは小野塚 小町………前にお世話になった人だ。

 

 

「いえ、ただ映姫さんにお話がありまして………」

 

「ふーん?映姫様は今多分時間があると思うし、私が送っておこうか………お!その子は彼女かい?」

 

「………似たようなものです。」

 

「あはは!そうかい。幸せにね。」

 

「はい。」

 

 

小町さんが渡し舟を出してくれる。俺たちの説明であの頑固者の映姫を説得できるとは到底思えないが、彼女と絶の関係も聞きたいと思っていたところだ。小町さんの能力『距離を操る程度の能力』のおかげでそこまで長い時間をかけずに裁判所に辿り着く………相も変わらずデカイな。ここは………そして中央の席には映姫がちょんと律儀に座っていた。

俺の顔を覚えていたのか、むっと表情を厳しくする………

 

 

「また、貴方ですか………」

 

「四季映姫………俺たちはあんたに頼みたいことがあってここまで来た。」

 

「貴方達をここまで送ってきたのは………小町ですか。後で説教ですね。」

 

 

この場にいないはずの小町さんが背筋をゾクッと身震いし、恐れている姿が目に浮かぶ。

 

 

「小町さんにはそれなりの説明をしたわ。仕事は真面目な小町さんがそれで納得してくれたのなら映姫さんの教え方に抜かりがあったということよ。そうじゃない?」

 

「くっ………」

 

 

映姫は悔しそうな顔になる。俺は内心「悔しいでしょうねぇ………」とほくそ笑んだ。

どのネタだったっけ………?遊戯王だったかな?少し疑問に思ったが「ま、いっか」で済ます。

妃香梨が映姫を説得している。どう考えても妃香梨は悪行なんかしたことないし、善行を積んでいるとも思えないけど、悪行よりはやっているため、映姫は何も言い返せない。映姫が裁くのは『実際にやった悪いこと』なので妃香梨の俺好きはただの『妄想』のため、カウントに入らない。七つの大罪の一つぐらいには入るけどな。

暫くして映姫は諦めたようではぁ………と深い溜め息をついてやっと本題を喋ってくれるようになった。

 

 

「仕方がありませんね………(やはりといったところですか………)」

 

「なら語ってくれるのか?絶の過去を。」

 

「いえ、語るよりは見たほうが説得力と迫力があるでしょう。そこに『水晶の鏡』があります。それで絶の過去を見れます。本当はこんな使い方はしないのですが………」

 

 

確かにそのとおりだ。本来、『水晶の鏡』もとい、『浄瑠璃の鏡』でその人の生前の罪状を顕にするという物なのだが、ここまで感服に負けてしまったとなるとこれを使わざる負えないと言ったところだろう。

 

 

映姫は少し真剣な眼差しで(いつも真面目だけど)こちらを見て一言、言う。それはとても大切なことだった。

 

 

「漣さん。妃香梨さん。覚えておいてください。絶は………彼は死んだ場合、強制地獄行きです。更には『生まれ変わるということは未来永劫ありません』」

 

「何ですって!?」

 

「………………」

 

「これは決定事項なのです。私の先代………先々代の代から決まっていて………もはや、私の権限程度では変えることができないのです。」

 

 

残念そうに映姫は首を横に振る。それに何かピンッと来たのか妃香梨は少し目を輝かせて映姫に聞いてくる。漣は横目で妃香梨を見て、少し冷や汗をかいてしまった。

 

 

「え!?何なに?映姫さんって絶の地獄行きをどうにかしたいと思っているの?」

 

「は、はぁ………いえ、彼は『この世界に来てからは』沢山の悪行を行っていますが、それは色んな観点から見れば悪行とは言えませんし、彼の『呪い』のことも詳しいことは知りませんが、それは全てが彼のせいではないはずです。

それに誰であろうと出来れば地獄行きというものはされたくないものでしょう?私だって個人で考えてはいけませんものですが、好き好んで地獄行きなどやる人がどこにいると思いですか………」

 

 

映姫の発言に妙な言葉があった。『この世界に来てからは』か………やはり過去に何かあったのだろう………そして映姫の頬が少し赤らんでいるのを俺も妃香梨も見逃さなかった。

やっぱり映姫は………絶のこと………まぁ………そのことは今はどうでもいい。ただ、絶の過去を見終わったらそれネタに弄ろう………妃香梨も同意見のようだった。うん。お前は人の恋心分かると楽しもうとする癖なんとかしたほうがいいと思うよ。

お前、それで昔、喧嘩に発展したことあったよな?もう、少しは学べ。

 

 

俺はその場で溜め息をついた………

 

 

 

 

紫side

 

 

私がたどり着いた場所は赤と黒だけで構成されている世界だった。

そこにお父様が来た痕跡のようなものは残っていなかったが、直感的にお父様がここによく来ていることが分かった。

何か運命的なものも感じる………そしてその場からスキマを開き、『お父様との距離の境界』を弄り、一瞬でお父様のところまで瞬間移動しようと思ったが、少し離れたところに飛ぶ。

 

 

飛んだ場所はどこかの建物の部屋の中だった………

薄暗く、それでいて何か………『神力』のようなものを感じ取れる………

私としたことが思い出せない。確かこのような場所があるとお父様から聞いたはずなのだが………窓はあるがそこから見える景色は全て大きな穴のような暗い場所だけが見えて他は何も見えない………

 

 

すると隣の部屋から誰かの話し声が聞こえてくる。

片方はお父様だと分かるがもう一人は分からない。

お父様と同じくらいか少し高い声色で喋り方からしても女性だということが分かる。

そして最後にもう一人いる………こちらの声は掠れていて性別さえ、判断できない………

 

 

気づかれた!

 

 

そう感じ取った時にはもう遅かった。お父様が霊剣でこの部屋とお父様たちのいる部屋との壁を切り裂き入ってくる。そしてようやく他の二人の顔を視認できた………

否、視認できて『しまった』と言ったほうが正しいのかもしれない。

 

 

女性の声の人はやはり女性だったが、次元が違う存在だった………

 

 

何故ならその人は………『神』だからだ………

 

 

しかも殆どの妖怪が知っている神だ。

 

 

その昔、妖怪の山の遥か地下………そこには維持的な施設として宿泊小屋のようなものが沢山造られていた。

それはお父様が提案した物であったが、実際にそれを指揮したものがいた。

その人物はその場所の名称を違う場所に移動して名乗った。お父様の力の賜物だったのだろうが、

その人物のお陰で今や忌み嫌われし妖怪たちは住むことができたため、

妖怪たちはその人物を神と称え恐れた………

 

 

神が創った場所の名は『魔界』………神の名は『神崎』と言った。

 

 

私は今、『地獄』にいる。そしてそれを創った彼女が今、私の目の前にいる。

彼女は少し驚いたように目を見開き、私とすぐ隣にいるお父様を見比べている………それもそうだろう。私とお父様はほぼ瓜二つ。違う点と言えば、髪の色と着ている服が違う程度だ。それにしてもお父様に聞いていないからこのようなリアクションをとっているのだろうが、お父様はそれを横目に見て馬鹿にしているようにしか見えない。

私のような一妖怪程度は神崎という名だけで古い上がってしまう。

私は跪くことしかできなかった。そして奥にいた一人の男と思われる存在を見た。

 

 

驚愕した。それは『神崎』という存在よりも一番の吃驚要素だった。

 

 

 

 

なぜ、『あの人』がいる!?

 

 

その人とは………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう一人のお父様の姿をした存在だったからだ。

 

 

一目見ただけで恐怖を覚え、走馬灯を巡った。

 

 

あの男は何者なのだろうかという疑問よりもその男の目にある殺気が自分に生まれたことを後悔させるぐらいの威力だった。

一瞬の内にあの男は消えてしまい、全くどこからも感じ取れなくなった………

 

 

「紫………立て。」

 

 

お父様が名指しする。『神崎』という存在にビビるな………という意味なのだろうか。

私はそういうことだと思い、ゆっくりと立ち上がる。神崎はもう何がなんだかわからないようで頭の上に黄色い、何かが回っているように見える。そこまで似ているのだろうか?

 

 

「紫、来てしまったのだな。勿論、そのような可能性は考えてはいたのだが………」

 

「お父様!なぜ、神崎様と一緒にここにいるのですか!?それにさっきの人は一体………?」

 

「『お父様』!?絶さんって子持ちだったのですか!?しかもこんな大きい子を持っているって………」

 

「神崎………質問は後だ。今は紫のわだかまりを解いた方がいい。そうだな………紫、お前には全てを語らなければならない。俺の過去全てをな………」

 

 

映姫も絶も違う場所で落ち着くために一度、溜め息をついてから喋り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「俺(絶)の悲惨な人生の全てを語りましょう(語ろう)………………」

 

 

絶望の幕開けである………




そろそろ終わりが見えてきた。無理です。まだ続く………

次回「本当の絶望へ」
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