ここまでは今年の4月中に終わっています。ただ………やはりスランプが響いている。
第五八話「難題」
漣と妃香梨は落ち込んでいた。昨日(前回)のアレが相当精神に響いたのだろう。
かなり胃がキリキリと痛む。絶の過去を彼の知らないところで知ったということだけで後ろめたいというのにあそこまでスプラッターだと思うと………どう声をかければいいのかわからなくなってくる。
普段どうり………という言葉がいつの間にか頭からなくなってしまっているのだ。
トボトボと歩いて行って家にたどり着く。漣達の今の心情はまるで原則を破って帰ってきてしまった子供のようだ。
ガチャリ………静かに扉を開き、家に入る。すると待ちくたびれたかのようにどっぷりと居間に座っている滅の姿があった。
そう。これも余談ではあるが絶と滅では纏っている霊力の重さが違うため一瞬で分かるのだ。絶ならば妖力も混じっているが1:1のようにちょうど半々なのだ。それに比べて滅は大妖怪以上の妖力しか持っていない。
一応霊力もあるらしく、本当に少ししかないのだが感じられる。そんなことは置いといて滅は漣と妃香梨が帰ってきたことを認識するとニコと笑い迎えてくれる。その笑顔に釣られて漣も妃香梨も少し救われた気分になる。
元気な紫も加わり、その日の夕飯はとても温かいものだったということを記憶している。
次の日………
ここは妖怪の山の麓の元絶の隠れ家の近くの平地。漣と妃香梨、絶の三人しかいないはずなのに山にいる妖怪達の妖力のせいなのか他にも誰かが居るように思える。ここで何をするのか疑問に思っていると絶が二人の前に立って話を切り出す。
「漣。今日はお前にとって大事な日になるだろう。」
「………どういう」
漣が言いかける前に絶は結論をいう。それは確かに漣にとってこれからを左右することだった。
「お前の能力を自覚させる。」
「!」
「お前の能力は常に発揮している状態だ。そして今のお前はそれが限界………つまり生命の維持が、だ。とても脆く、壊れやすい能力だ。それを攻撃や防御………色んな方向に可能性を伸ばせるようにするのが今日の修行だ。」
「………分かった。」
「勿論危険性は十分高い。生命の維持が限界ということは無理に他の可能性を作ろうとすれば脳がその生命の維持さえもほっぽり出すかもしれないからな。」
結構ハイリスクなのは知っていた。妃香梨だってそうだ。俺から離れたくないという拒絶から生まれた。
そして本物さえもその能力は完全にはコントロール出来ていなかったのだから。
でも、不思議と自信しか湧か無かった。
「任せろよ。絶………俺はどんな脅威も超えてみせるぜ。」
「ふっ。言うじゃないか。修行はルナティックだ。それを実現にするのは俺ではなく………こいつらだ。」
絶が言った瞬間、絶の後ろの森の影から4つの影が現れた。全員の頭に角がついていてそしてただらぬ妖力を感じられる。
鬼だ。その四人の中の二人には見たことがある。鬼の四天王の一人の『
もうこの時点で嫌な予感しかしないのだが、残り二人は見たことないがさっき説明した二人よりも強い妖力を持っているからしてこの二人も四天王だということは想像に固くない。そして萃香がまず喋り始めた。
萃香は薄い茶色のロングヘアーを先っぽのほうで一つにまとめている。真紅の瞳を持ち、その頭の左右から身長と不釣り合いに長くねじれた角が二本生えている。服装は白のノースリーブに紫のロングスカートで、頭に赤の大きなリボンをつけ、左の角にも青のリボンを巻いている。紫の瓢箪を持ち、三角錐、球、立方体の分銅を腰などから鎖で吊るしている。
「やあ!私は伊吹 萃香。技の四天王だ!漣とかだったっけ?今日の修行は私たち『山の四天王』全員が
「絶………四天王ってハードルいっきに高くなってないか!?」
「本気でやんないと覚醒なんてものは掴み取れないからな。」
すると勇儀が豪快に笑いながらも漣の肩を叩きながら言う。
勇儀は金髪ロングで頭には赤い角が一本生えている。角には黄色い星のマーク。目の色は赤。服装は体操服をイメージした服にロングスカートをはいている。手首には萃香同様、手枷が付いている。
「あはっはっは!漣、仕方ないさ。絶様のぶっちゃけなんて今に始まったことではないだろう?そうそう!私は星熊 勇儀だ。力の四天王さ。」
「そ、それも、そう、だけ、ど。」
叩く力が強すぎてまともにしゃべれない。気をつけて喋らないと舌を噛んでしまいそうな勢いだ。そしてここから名前も何もしらない存在だ。萃香の能力は『密と疎を操る程度の能力』。簡単にいえば物質を高熱から霧まで自由自在にできるということだ。人間の意識という不確かなものでさえできる。
勇儀の能力は『怪力乱神を持つ程度の能力』。これも簡単に説明すると馬鹿力。
二人の能力だけでとても凄い強さだということは目に見えている。
ここから何もしらない。しっかり聞かなければと漣は一人の鬼を見つめる。こいつだけ男の鬼で珍しい。ただ、鬼のトレードマークなはずの角が見当たらない。その分その銀髪が特徴のように目立っている。それに四天王全員に言えることだが
皆、手足に枷がついている。あまり知っていても得になることではなかったが………
男の鬼は静かに喋る。さっきの二人とは正反対だ。
「………俺は『
そして静かに後ろに下がる。最後の鬼の説明を邪魔しないように後ろに下がったのだろう。凄い優しそうな鬼なんですけど本当にアノ『茨木童子』なのだろうか?
最後の鬼は女だ。黒髪の長髪で勇儀よりも豊満な胸で母に似た雰囲気を持つ不思議な鬼であった。
「妾は
「食べないでください。」
「もし殺しちゃったら食べていいぞ。」
「絶てめえぇぇぇぇ!」
「冗談だ。」
「冗談に聞こえねーんだよ!」
「威勢がいいのぉ………妾は守の四天王じゃ。妾はどうにかしない限り他の四天王は倒せんぞえ。」
「分かってる!」
鬼とはいえ神の名を名乗っているということはそれだけの実力だ。四天王の中で一番強いというのは明白。
そしてリーダーシップが高い発言。必ず仲間を助ける。守るという意味合いだけでは守の四天王とは呼ばれないだろう。
恐らく『守る程度の能力』といった攻撃を無効化する能力を持っているに違いない。
いや、他人の能力のことによる観察なんてどうでもいい。重要なのは自分がどんな能力を持っているのかをはっきりするということだ。
四天王全員がかりを相手しようとも分かってやるという意気込みが重要なんだ!
そう漣は自分に鞭をうちつけ気合を入れる。
死合いはもう始まろうとしてた。
妃香梨は悩んでいた。もし………もしも漣が自分と同じようになってしまったら………複数プレイが可能じゃない!ゲフンゲフン。
暴走してしまったら。誰にも手がつけられなくなってしまうのではないだろうか。そうなったら自分が忌み嫌うこの能力が通用するのだろうか?
いや、足りないだろう。もっと強くなりたい。能力に頼らず、剣にも頼らない強さが欲しい。
妃香梨は絶の肩を強く叩いた。その強さは自分の決心の強さを表していた。絶は予想外のような表情で妃香梨を見る。すぅ………はぁ………と深呼吸してから絶に言った。
「私。悪しきを滅する力が欲しい。」
絶はびっくりしたようにその場に固まる。実際は考えていたのだが、絶は妃香梨の肩を叩き返し、
「滅はOKだそうだ。滅の力を受け入れろ。まずはそれからだ。」
妃香梨の表情はぱあっと明るくなった。
その時だった。周囲の木々が吹き飛び、漣が一本の大樹に叩きのめされていたのは………
もうまえがきにもあとがきにも書く事が思いつかん。ほとんどツイッターに上げてしまっているからかな?
次回「常識とは何か」