ここは京都………今は平安京と呼ばれており、今そこにいる。観光という目的もあるが、今回は事が違った。先日人里で揉め事を治めている時だったのだが、その時だっただろうかそれとも少し遅かっただろうか………兎に角、都の方からの使者がやって来たのだ。しかも差出人はなんと陰陽師であった。どこで俺たちの情報を手に入れたのかは不明だが都で蔓延っている妖力の集合体の正体を明かしたいとのことであった。報酬金は多大なもので、どう考えても異常をきたしている状況のためからか金を惜しみなく使っているところを見ると都にいる貴族たちもふんぞり返っているだけではなくなって焦っていることが伺える。都で妖が跋扈しているということを聞くとまるで魑魅魍魎だが、そういう噂が元々あったため、そこまで驚くことでもなかった。そして人が被害にあっているだけなので紫は興味がないだろうと思っていたのだが、妙に積極的にこの怪異を解決しようとしていた。金に目が眩んだというわけではないだろう………元々紫はそういうのに欲はない。ということは原因の方にいいのがいれば幻想郷移住を進めて、それを承諾してもらえれば怪異は解決、陰陽師の方にもコネが手に入るといったようなことでも考えているのだろうか………答えはどうであれ、どっちかのことを考えているに違いはない。妃香梨の方は修業中の息抜きということでついてきた。そして絶賛都の人たちからの視線がやばい。それもそうだろう………紫は元々妖艶な笑みで歩いているところを第三者視点で見ても遊女のように見えても仕方ないだろうなと思う。そして妃香梨はそこまで大人らしい雰囲気は漂わせてはいないがこれでもこっちの世界に来る前は19歳だったため、たくさんの服を試着などに付き合ったこともあるがどれもこれも女子力の高いものばかりであったので男である俺が横に居るととても場違い感が半端ではなかった。それがこの都でも起きている。どう考えてもこの二人に囲まれている俺はとても場違いだ。皆もそう思っているだろう………どうにか理由にかこつけて逃げ出したいものである。そしてそう思いながらトボトボと歩いていると紫がお店を見つける。団子屋だ。そこまで大量には買わなかったが絶の分も買っておこうということで8本かった。一人2本である。先に三人で食べたがとても美味しくこれは絶の分も買っておいて良かったなと思った。
絶&滅side
絶は家でお茶を啜っていた。今回はお留守番であった。特に意味はないが………そして絶は目を閉じた。
次に開けた目は右目であった………滅である。そして滅はすぐさま式の描かれた紙を取り出し、発動する。狂骨である。狂骨はペコリと頭を下げ、顔を上げると滅の肩に頭を寄り添う。微笑ましいラブラブなワンシーンだ。
「………狂骨。」
しばらくして滅が口火を切る。狂骨は気持ちよさそうに滅の肩に頭を乗せながら返事をする。
「どうしました?」
滅はその言葉に少し間を空けてから話を切り出す。
「どうしてお前を俺の式にしたと思う?」
どういう意味かは全然わからなかった………だが、滅が言いたいことはわかった。別に式神でなくても良かったということだ。それは確かに………一番近い位置にいるからかもしれないが別に式神でなくてもいいのだ。
「う~ん………分かりません。」
笑顔でそう言った。それが狂骨の本心なのだ………滅はふっと笑い「そうか」と言って質問の答えを言う。
「人と妖の間を………スキマを埋めたいからだ。」
「滅が………ですか?」
「いいや、絶がだ。俺はあいつの意見に反論するつもりは無いが、あいつが正しいと思ったことしか手伝わんからな。」
「ふふふ………やはり仲がよろしいのですね。」
「………仲がいい………か。」
滅が悲しそうにそう呟く。本当に仲がいいのなら別々で有りたかったものだ。そういう声が聞こえる。狂骨も察したのか少し下を向く。だけれども顔が笑みを浮かべている。
「それだからこそ仲がいいのよ。」
上に意見を言う言い方ではなくなる。狂骨は一人の滅に恋した者として意見しているのだ。
「普通の人間はどれだけ仲が良くても他人だという事実は変わりはしないわ。だからこそ自分たちとの温度差は拭えない。それがいつしか差が広がり………関係は崩壊してしまう。でも貴方たちは違う。本当の腹………『
狂骨の言葉にはっとなり、滅は苦笑する。なんだ………自分よりも他人の方がわかっているんじゃないか………と。そして滅は狂骨にさっきの答えの続きを言う。
「俺たちはその温度差を少しでも縮めることができたら………って思う。いくら力で両者を支配しても心がわかりあわなければ意味がないからな。」
「………………」
今度は何も喋らなかったが代わりに狂骨はこくんと頷いた。滅は続ける。
「俺たちは………――――だからな。いずれ来るべき時が来る。その時にはどうしてもお前が必要なんだ。狂骨………すまない。」
滅は目一杯頭を下げる。狂骨は頭を上げてくださいと慌てて言うが、滅は一向に返事をしない。狂骨が泣いている姿を見ないために………
漣side
漣は少し二人からの距離を離していた。どう考えても場違いだからだ………何度もしつこいであろうが何度も言おう。
俺 は 場 違 い だ。
その時であった。妙なものが目に映る。
『道具屋』
てっきりそういうものは貴族の家に近いところに構えているものだとばかり思っていたがそうでもないのかと思ってその店の前に立ち止まる。すると一人の中年の男が話しかけてきた。
「お主、ここらのものではないな。」
「ああ。旅をしている者だ。」
平然と嘘をついた。
「ほお………ではお主は道具屋がよほど珍しいと見える。」
「ああ。生憎貴族の近くにばかりあるものだと心得ていたのだが………」
「はっはっは。まあそれは的を得ておるが、ここの奴は少し変わっておっての。生まれは儂らと同じ農民の出なのじゃがな。」
「ほぉ………失礼、貴方はここの者が今どこにいるかご存知か?」
「そうじゃの………多分、家におるのではないか?奴は滅多に家から出んからの。あ、あと相当頑固じゃ。気お付けての。」
遠くから見れば見るほど流石と言わざるおえない造形だ。この時代でこれは凄いと思った。せっかく中に人がいるのだから入ってみる。すると中はもっとすごかった。何かはよくわからないがどう考えても人の常識には理解出来ないようなものばかりがここにはあった。そしてカウンターのような場所の奥から一人の無愛想な男が現れる。この時代では珍しい金髪だ。男は珍しそうに漣を見るとそのままいすに腰掛けた。
「やあご主人。調子はどうでしょうか?」
「………さあな。」
「あ、これとこれはなんでしょうか?」
「………説明の紙がある。」
(話が続かない)
漣はどうもこういうのは苦手なのでともかく商品を見る。すると気になるものを見つけた。ご主人。これだけは説明がないのですが………それにこれはどう考えても………
どう考えても『ミニ八卦炉』なのだが………
しかも、近くにはミニではない八卦炉もある。でかい。これは流石に両手では持てないほどのでかさであるものだ。これは………原作的にも買わない方がいいのだろうか?いや、しかし………使いたい。めっちゃマスパしたい。
そういう欲望に囚われてしまった漣は痛恨のミス。金が………ミニ八卦炉買えるような金がない。しかたない。後で金は借りようとトボトボと出口まで行くと男に向かって笑顔でこういった。
「またお伺いしとうございます故。」
男からの返事はなかったが気にせず、入り口と睨めっこをしている。
そうだ。よくよく考えれば報酬金でどうにか買えるな。よし。こうなったら解決するしかないな。博麗の巫女みたいにね!博麗の巫女みたいにね!
大事なことなので二回言いました。(。・ ω<)ゞてへぺろ♡
漣は一人でそんなことを思いながら日が沈み終わりゆく都をバックに漣節に歩いて行った。
昔の日本の農民の喋り方がわからん。途中からおかしくなっちまったし。
次回「臆病風」