「む?」
白髪の男は何かに気づき、後ろを振り向く。そこにいたのは……
「我だ。ぬらりひょん。」
「ッ!」
目に見えぬ速度で一閃する。その一撃のすれすれまで頭を下げ、回避するが、ぬらりひょんの体がゆらゆらと揺れ、別の場所から現れたかと思った瞬間、こめかみの辺りに強い蹴りをかまされ、アドバイザーは吹き飛ぶ。
「ッ……ふぅ……相変わらず……ククク……いい動きをする。」
「それはどうもだなのぅ……」
そう言ってぬらりひょんは刀を鞘にしてしまい、ポンポンと自分の肩を叩く。身を起こして何事もなかったかのように背筋を伸ばすアドバイザー。
「それで?何の用じゃ?」
「勿論、『コレ』のことだ。」
そう言ってアドバイザーが見せた『アルモノ』。それを見た瞬間、顔をこわばらせるぬらりひょんであったが、ポーカーフェイスに戻るが、目の光はすぅ……っと消えていく。
「まだ造る気なのかの?」
「無論、『敵は七人いる』とお告げが来た。」
何のお告げなのかは突っ込まなかったが、腕を組み、う~んとしきりに唸る。
「まぁ、もう仕方ないかのぅ……」
「クククククク…………」
アドバイザーは怪しげに笑った。
漣side
ところ変わってここは漣たちの自宅。そこには総勢10人という大所帯になっている。そこには漣と妃香梨、紫だけでなく、メイジたち天使もそこにはいた。
「「「「「「「誠に申し訳ございませんでしたッ!!」」」」」」」
家主たちに謝罪する天使たち御一行。しかし彼らも被害者。何者かに操られたに過ぎないし、謝る必要なんてないと手をブンブン振って否定するが、
しばらくして……
「一体何があったというんだ?」
「それがっすねぇ~」
メイジは目を細める。
「皆何が起こったのか分からなかったっす。」
「分からない?」
「兄たちの
「どんな感じだったのか覚えてないのか?」
「いや~……どうだったっすかね?『ウェイク』」
ウェイクと呼ばれたメイジよりも一回り小さい弟?なのだろうか……見た目はそっくりの存在は可愛らしく首をかしげる。メイジの質問には答えられそうにない。
「『ギーク兄』はどうっすか?」
メイジにギーク兄と呼ばれた無表情で腕を組み、先程まで漣とメイジのやりとりを聞いていた男はメイジに指名され、少し眉を動かす。
「……『ペイメーリア』以外に……かまけている……暇無い。」
「(ポッ///)」
フッと少し笑いながらそうクールに決めたギークの言葉に頬を紅潮させ、恥ずかしそうに両手で赤くなっている顔を隠す。恐らくペイメーリアと呼ばれた女性だろう。ギークはカッコイイが、質問の答えになっていない。
「ギーク兄に聞いた自分が馬鹿だったっす……フィーアさんはどうだったっす?」
「へ?え……あ、ああそうね……べ、別に何もなかったんじゃない……?」
「なんか曖昧だけど大丈夫か?」
「べ、別にあんたなんかに心配される筋合いはないんだからね!か、勘違いしないでよね!」
「すいませんっす。なんかフィーアさんあがり症らしくて……」
「アッハイ……(ツンデレ?)」
「ケイミィさんは……ってアレ?」
後この場にいる天使は一人なのだが……どうやらいなくなっているようだ。確かにさっきの謝罪のときはもう一人程いたような気がするのだが……
「もう皆勝手っすね~……ギークェラ様は何か心当たりが?」
ギークェラという大天使はゆっくりと目を開き、腕を組み俯きながら「いや……」と小さく呟いた。
「……って感じっす。」
「そっか……」
漣はそう言って顎に手をやる。
(……アドバイザーが現れた瞬間にコレだからてっきり何かあるものだと思っていたがそうではなかったのか……?それに……)
漣は紫に目をやる。紫は境界の中から彼らを覗いていたが、時々目が虚ろになり、何かを考えているように見える。
(紫の態度の変わりよう……何かとんでもないことが起きようとしている気がする……それが絶の計画なのか、それとも別のナニカなのかは分からないが……)
(どちらにしても……)
(俺はそれらを超えるだけだ……)
次回「冬の絆の歌 上」