季節は冬……正月辺りだというのにまだ雪が降っている……それもそのはず。転生者である漣と妃香梨からすれば地球温暖化が問題で徐々に徐々に気温が高くなっている現象がある。だが、この世界にそれはない。だからこそ……年間を通して少し肌寒いくらいが普通なのである。
初春に雪が積り、雪掻きに追われている状況下でふわふわとした雪を楽しそうに丸め、妃香梨は漣めがけて剛速球で投げてくる。
「ちょっ!ぼふっ!」
「あははは!何漣その変な声~!」
「げほっ!げほっ!やったな~(ブンッッ!)」
「きゃっ!も~。」
そのやりとりを遠くで見ていた
「全く……あの二人は……」
呆れながらものを言う紫であったが、アドバイザーは怪しく笑いながら……
「ククク……そうは言っても彼奴等にとってこれほどの雪は久しぶりだからかもしれないし、無理を言うな。ここ最近雪が降らなかったというのもあるしな。」
「だからって皆で決めた雪掻きをサボるのは……」
「我がやっておこう……それに小さい頃の紫もサボってやってたではないか。」
「なっ……///そ、それと今回では……ね、年齢が違います!って誰が年増ですか!」
「言ってないが、我の方が年は上だ。」
「そ、そうでした……カッとなってつい……」
「ククク……やはり紫よ……お前も大和撫子の
そう言ってスコップを片手に家の屋根とその周辺の雪を片付けていくアドバイザーと紫なのであった……
その頃
「あはは!」
「うふふ!」
とても楽しそうに雪玉を投げ合っていると……
「ん?妃香梨……おいちょっとアレ……」
「え?……え!?」
彼らが見ているのは遥か上空……本来の人の肉眼では捉えることのできない程遠くに見えるものだが、漣と妃香梨の動体視力には簡単に捉えられた。落ちてきているもの……それは……
「「人が落っこってきてるーー!?」」
「どどどどどうするの!?」
「お、おお落ち着け!と、とりあえず結界だ!」
「そ、そっかゆ、ゆゆゆ雪を!雪を材質にして結界を張れば……」
「や、やばい!もう結構近くなってきたぞ!急げ!急げ!I☆SO☆GE☆!」
「やってる!やってるけどぉ!なんか最後おかしくなかった!?」
「天にありし巡り鼓動よ。今、人の生を包み込め!銀雪結界!」
降ってくる人の勢いで言うならば残り5秒もないときに現れた結界に落ちるその瞬間……
ピタッ!!
落下していたはずの人が急に空中で動きが止まる。
「そ、そういえば……と、飛べるんでした……」
「「えええぇぇぇぇ!?」」
楽しいねぇ……
次回「冬の絆の歌 下」