「ご、ごめんなさい……びっくりしてて……」
そう言うとメイド服の少女はペコリと礼儀よく頭を下げた。漣は慌てて手を横にブンブンと振る。
「い、いや俺たちも俺たちさ。飛べばこんなことにはならなかった。」
そう言われてメイド服の少女は顔を上げる。上目遣いでこちらを見てくることに少しうっ……と罪悪感が芽生えてしまうが、隣にいる妃香梨の殺気が限界突破して何かに変身しそうなきがしたので、話題を逸らそうとする。
「お、俺は大神 漣だ。よ、よろしく……」
「あ……私は鳥遊 妃香梨……」
明らかにメイド服の少女に対し、嫉妬心が芽生えている妃香梨は声よりも先に顔からにじみ出ている。そのため、外はこんなにも寒いのに漣は冷や汗だらだらである。
そんなことも露知らず、メイド服の少女はニコッと天使のような微笑みで名乗り出す。
「僕、『仲光 絆』って言います!」
「え?じゃあ……」
「あ、えっと……の、能力のせいでこんな服着てるけど……男です。」
「「えええぇぇぇぇ!?」」
本日二度目の息のあった叫び声に絆もビクッと驚く。
「そ、そうだったんだ……(なんだか違和感ないな……)」
「ふ~ん(なんだ……漣に色目使っている訳じゃないってことか……ならいいや。それに男なら漣もそういう目をしないだろうしね……でも、嘘だったら……)」
となにやら妃香梨が恐ろしいことを考えているとは漣も絆も知らず、勝手に二人で話を進めていく。
「へぇ~。じゃあここは僕がいる幻想郷とは違うんですか?そういえば所々違う気がしますね。あ、僕紅魔館に住んでいるんですけどありますか?」
「いや……あるにはあったが……」
「?」
「……一時期似たような館があったんだけど……今はどこかへ行ってしまったんだ。」
数分後……
「そうだ!雪合戦しようぜ絆!」
「雪合戦ですか?」
「そうさ!弾幕ごっこほどじゃないが楽しいだろ?」
「そうですね!やりましょう!」
「妃香梨~!雪合戦しようよ。」
そう言って漣は妃香梨に駆け寄っていく……妃香梨は目を疑った。その姿が、昔の漣の姿……ではなく、自分に見えたから……
「あ、うん。やろう……」
そう短く言うと、漣の後をついていった。
(なんだか……)
漣に照らし合わせた自分の姿が……
(寂しいな……)
結局のところ1対1対1のバトルロワイヤルになった。
「まずは挨拶代わりの一球目だ、それ!」
ブンッッ!!さっき妃香梨に投げた雪玉よりも大きさも早さも全然異なる雪玉を絆に向けてブン投げる漣。
「は、はやっ!でも負けません!」
絆も負けじと思いっきり雪玉を投げる。双方ぶつかりあって崩れ落ち、地面の雪と再び合体する。
「へへっ。中々やるじゃねーか。今度はもっと早く行くぞ絆ぁ!」
「はい!僕も全力でお相手します!」
各々最高速で雪玉を投げ合っている。漣は能力を使えばもっとすごいことになるが……
そして肝心の妃香梨は置いてきぼり……はぁ……ため息をついて雪玉をせっせと作り続ける。
やっぱりこうだ。肝心な時以外頼ってくれないし、他でもいつも私をハブって……
ネガティブになっている妃香梨は遠い目で漣のいる方を向く……すると
「え?」
漣と絆……両方から雪玉が接近していたのだ。
ドゴッ!!
雪玉は妃香梨に当たる寸前にぶつかり合い、視界から消えてなくなり、地面に溶けていった。
「あっはははは!何やってんだよ妃香梨!」
「漣……」
「楽しみましょうよ!」
「絆……ちゃん?」
「だから僕は男ですって!」
ああ……そうかと妃香梨はふっと笑う。難しく考えすぎていたんだなと……そして思う……
「ねえ漣……絆ちゃん?」
「ど、どうしました?」
「ぼ、ぼぼ僕はお、男ですぅ……」
「乙女の顔面狙って剛速球の雪玉投げるとか何してんだお前らーーーーーー!!!!」
「「それ言ったら乙女じゃなーい!!」」
「……なんだぁ……案外楽しんでいるじゃないか……ククク……」
絆……かわいいキャラだったね。すげー……使って分かりやすくて楽しかった。ただ能力は見せていない。
コラボありがとうございます!
次回「全ては神が知っている」