ここは妖怪もあまり寄り付かない魔法の森……ここに住むモンスターと呼ばれる化け物は自然に由来する植物に似たような存在だったりで、妖怪とは言いにくい。
そこで一人の男がそのモンスターたちの攻撃を躱しながら走っていた。
「あ~面倒くせえ!何だって俺がこんな目に……」
男は愚痴をこぼすようにそう言うが、誰も共感はしてくれない。
――――――――数時間前――――――――
漣たちの家に一人の訪問者が現れた。
「ククク……何だ、意外と早いおでましだな」
「スキマを使って、無理矢理来させたくせによく言う」
と、ため息をつけながら呆れていたが、ギロリとアドバイザーを睨み付け……
「それで俺に頼みたいことはやっぱり……計画のことか?」
少し前……妃香梨が迅真の世界にあっちの世界の紫の所作で行ってしまった際、迅真から妃香梨を通して言伝を預かっていた。その内容こそが、計画の手伝い。まぁ、詳しくは種変録の方で二重録とのコラボをチェックだぁ!
その時からしばらくは連絡を取り合っていたため、今日もそのことだろうと思っているのだろう。
「ククク……計画のため……か、まあ…そう考えられるな。ほれ」
そう言ってアドバイザーは折りたたんである小さなメモ紙を迅真に渡す。
「これは……?」
「計画に必要なものだ♪」
気分良さそうにククッと笑うアドバイザーに何か変なこと企てているんじゃないかと勘ぐってしまう迅真だが、意を決してメモ紙を開く。そこに書かれてあったのは……
・・・・・
「……麦及び米、ニンジン、玉ねぎ、ジャガイモに肉に昆布、わかめ……ってカレーライスの具材じゃねぇか!しかも何だよ最後の2つ!?出汁か!?出汁とる気か!?」
「いや、だって、計画に必要だし……」
「嘘つけ!カレーと計画は1つも噛み合わないだろ!」
アドバイザーが激昂する迅真を宥めるように肩を叩く。
「まあまあそう言うな。我が材料を集めるわけにはいかなくてな……貴様に頼みたいと思っていたのだ。」
「なんで俺に頼むんだよ……漣とかに頼めば……」
「ほぉ……貴様、約束を反故する気か?」
「ぐっ……!
何か違くね!?」
「これも計画の内なのだ!カレーを作るのだって計画の1つだ」
「おい、今カレー作るつったよな!?」
と数分間ギャーギャー騒いでいたが、迅真の方が結局折れ、手伝うことになった。そして今、迅真は魔法の森で四苦八苦していた。
「本当に面倒だな!」
迅真はイライラが募って、ダーインスレイブを力任せに振る。すると、周囲の木々を薙ぎ倒し、妖怪共を一瞬で絶命させた。激しく肩を上下しさせて呼吸を整えていると、一本のニンジンによく似た植物が生えているのを見つける。
「はぁ……やっと見つけ…………た。」
そう言いながらニンジンを引っこ抜いた迅真はフリーズする。
「ギャアアアア!!」
「ってマンドラゴラじゃねぇか!」
と引き千切ったマンドラゴラをツッコミの勢いのまま地面に叩きつける。するとマンドラゴラは絶命する。
「……くっそ、どうしてこんなもん……って、アレ?」
迅真がもう一度メモ紙を見ると、
ニンジン(悲鳴を上げるぐらいのを3本)
と書かれてあった。つまり……
「マンドラゴラ3本もいらねえだろぉがああぁぁ!」
……まだまだ終わらない。
――――――――玉ねぎ――――――――
「何だ!?細長っ!それに切ってねえのに目が染みる!」
――――――――ジャガイモ――――――――
「くっ!なんで探しても探してもサツマイモばっかりなんだ……って、ここ九州じゃねえだろ!」
――――――――昆布及びワカメ――――――――
「…………もう何も言わん。何故山の頂上で採れたんだよ……なんてもう突っ込まん……」
……もう突っ込んでいるということは置いといて、そうしてなんやかと材料はあらかた手に入り、アドバイザーの隠れ家に戻った迅真はまたもや目を疑う光景を目の当たりにしてしまう。
続く。
ステマまいどあり……
次回「ご利用は計画的?下」