「我は今、怒っている……」
天照が作り出した太陽の熱さをものともせず、アドバイザーは歩を着実に進める。
「貴様は自らの罪を棚上げし、」
天照に近づくごとにアドバイザーの皮膚が剥がれ、燃えて、灰になっていく。だが、不完全の蓬莱の薬を飲み、不老不死となった絶の体はすぐさま新しい皮膚を形成していく。
「人間という種を滅ぼそうとしている。確かに我も人間は好きではない……だが、」
アドバイザーの体から水蒸気が発生する。体内の水分が口や目からなくなっているということだ。
「アドバイザー!」
漣が叫ぶと、アドバイザーが振り向き、笑う。
「人間にも良し悪しがある。全てが全て神が決めることではない。その者達が決める運命しかないのだ。貴様のように何事も自分だけが中心だということは決してない!」
アドバイザーの体から莫大な妖力があふれ出てくる。
開け……冥府の門よ……!
―――――絶の精神世界―――――
「呼ばれているようだな……絶」
「……ああ」
「言ってくるといい。運命には逆らえないからな」
「……咲き人」
「なんだねぇ?」
「お前、『あの人』が知っているのか?このことを」
「愚問だな。『あの人』が知らないわけないだろう」
「それも……そうだな……時間だ。じゃあな…」
―――――現実世界―――――
「お前みたいな奴に『俺』は負けない!」
「「絶!?」」
明らかに声が変わっていて、アドバイザーから絶に変わったとすぐわかった。
「お父様……」
紫だけ消えそうな声で誰にも聞こえない声で呟いた。
「冥府の門は開いた……俺の……過去の姿の一つを蘇らせる……過去の遺産……『家族のために』俺はこの扉を開く!」
絶の右手が鍵となり、自らの心臓を突き刺す。
「茶番は終わりだ!燃えて無くなれぇ!」
天照は痺れを切らし、上空に浮遊している太陽を絶に向けて放り投げる。
「……」
「おい絶!」
ドガァァァァン!!!!
太陽はその形を保てず、破裂し、爆発する。妃香梨は咄嗟に最高防御力を誇る結界を貼り、紫もその手伝いをする。そして漣は常識を超える程度の能力で最高という常識を超え、更に防御力を高めた結界が爆風以外を防ぐ。
爆発を終わったが、爆炎は終わらない。それどころかボコボコと溶岩が噴出している音が聞こえる。
「絶は!?」
妃香梨が咄嗟に叫ぶと、爆炎の奥からトラウマになりそうな嫌な笑い声が聞こえてくる。
「ハハハハァァァ!!次は貴様等だぁ!」
「耳元デ気持チ悪イ声デ騒グナヨォ」
「は?」
爆炎が急になくなり、漣たちの目に映ったのは…
「あああああぁぁぁぁ!?わ、我の…!我の腕がああぁぁぁ!」
右腕を失った天照の悲痛の声が木霊し、そして……
「クヒャヒャヒャ!!モットダァ!モット食ワセロヨォ!!」
狂ったように笑う絶であった。
次回「計画者」