亜人の佐藤がキヴォトスを楽しむ   作:はふはふサドンデス

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file.12 敗北

 

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『今夜、日本の亜人事情は大きく覆る』

 

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「んん………」

シロコが目を覚ますと佐藤はいなくなっていた。

 

「…………先生…先生!先生!!」

 

シロコが先生に駆け寄り揺さぶる。麻酔のせいで先生は目を覚まさない。

 

「こっち!銃声がこっちから!」

「なんでこんなに人が倒れて!?」

 

ゲヘナの生徒が何人か集まってくる。

 

「あそこに起きてる人がいる!」

「大丈夫か?」

 

「………私は大丈夫……けど風紀委員会のみんなと先生が……」

 

「みんな!ヒナ委員長が大怪我してる!」

「救急医学部!あの人たちを呼んで!」

「さっき向こうで救急医学部の人たちが倒れてるのを見たんだけど……」

 

時間が立つに連れどんどん生徒たちが入り込んでくる。夜の学校にしてはかなりの人数がいた。

 

「なんでみんな…こんなに集まって…?」

 

「いや、校舎が砲撃を受けたらしくてさ、とりあえず銃声のした方に来てみたんだけど……そっちこそ何があったの………?」

 

「佐藤が……来て…」

 

「え、ほんとに来てたんだ。私も戦えばよかったかな…。でも風紀委員会がみんなやられているし……

まぁ、いいや。動けるなら怪我人運ぶの手伝ってよ。」

 

シロコが立ち上がる。

 

「ん?待て。こいつの顔どこかでみたこと……。

あ、こいつアビドスの……アビドスの生徒じゃ……」

 

「あ、それは……ちが…」

 

「こいつ、佐藤の協力者か?ゲヘナの制服を着て何をするつもりだ」

 

ゲヘナの生徒たちがシロコに銃を向けはじめる

 

「……違う!私は…」

 

「佐藤の居場所を吐け!」

 

その瞬間

 

ドガーン!!

 

大きな爆発音がした。校舎が振動し、天井にヒビが入る

 

「なに…?また砲撃………?」

 

「早くこいつを捕まえて尋問しろ!」

 

「けが人の搬送が先でしょ!」

 

混乱が広がる。シロコが先生を運んでその場を離れようとした。それにゲヘナの生徒が気づき、

 

「あ、おい!待て!逃げるな!」

 

ゲヘナの生徒が発砲する。

 

「ッ……!」

 

シロコが先生を覆ってしゃがむ。しかし体に衝撃が来ない。

 

「……?」

 

「うそ…だろ………」

 

「ハァ……ハァ……ハァ……」

 

ヒナが立ち上がっていた。大きく羽を広げシロコ達を庇っていた。

 

「にげて………わたしたちは……まけた………けど……先生……なら……まだ…」

 

傷口から血を流しながらゲヘナの生徒たちに詰め寄る

 

「この子を傷つけることは……許さない……早く銃を…おろして…」

 

ゲヘナの生徒たちは体を震わせて銃を下ろす。

シロコの方を振り返るヒナ

 

「ここから逃げて……そうだ。……小鳥遊ホシノに伝えて……私が……あなたを守ったって……」

 

「委員長は…」

 

「あなたは逃げて…全部から……何も…戦う義理はないから……」

 

ドガーン!!

 

砲撃の音が止まない。シロコが先生を抱え、崩れそうな建物の中を全速力で走る。ゲヘナの生徒たちが混乱し校舎中を駆け回っている。

 

なんとか校舎から出たとき、ゲヘナの校舎が火に包まれているのが見えた。戦車の砲撃は終わっていたが、校舎はボロボロになっていた。シロコが踏ん張ろうとするが力が抜けてしまう。その場に倒れ込み動けなくなる。疲労とダメージが蓄積しすぎていた。立ち上がろうとしても体が動かず気を失ってしまった。

 

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「ちょっと……カヨコはまだ帰ってこないの?迎えに行ったほうが……」

 

「アルちゃん心配し過ぎ。カヨコちゃんはしっかりしているんだから大丈夫だって」

 

「よかったら、私が見てきましょうか?」

 

誰かの会話が聞こえてきた。シロコが目を覚ます。

 

「ここは………」

 

シロコが起き上がる。そこは便利屋68のオフィスだった。

 

「あ、起きた」

 

「私は……」

 

「良かった!ようやく起きたのね!あなた2日間もずっと眠りこけたんだから」

 

「え……二日も…ていうか、私、なんでここに…」

 

「くふふ、アルちゃんとカヨコちゃんが心配だって言って、学校の様子を見に行ったの。そしたらね先生と一緒に倒れているのを見つけてさ。二人に感謝しないとね」

ムツキがシロコに乗せてあった氷を取る

 

「わ、私は心配だなんて言ってないわよ!」

 

「あ、先生。先生は…!」

ハルカが答える

「先生はここに運び込んだあと、すぐに目を覚ましまして。何やら用事があるとのことで、今はトリニティにむかわれたみたいです」

 

「そう…いろいろありがとう……いかなきゃ」

 

シロコがベットから降りようとすると

 

「先生が帰ってくるまではここにいるようにって、あなたに言ってたわ。しばらくここでゆっくりしてきなさい。」

アルが引き止める

 

「……ん……わかった……」

シロコがうつむく

 

「「「………。」」」

 

便利屋の3人がコソコソ話す

「どうする?元気なさそうだけど」

「なんとかしないと。暗いままはいけないわ。…あ、あれよ。この前お客さんからもらったお菓子。ハルカ持ってきて」

「は、はい!」

 

ハルカが棚からお菓子を取り出してシロコのところに持ってくる

 

「あ、あの。これ、いかがですか?この前迷子のお掃除ロボットを見つけたときお礼にもらった、かりんとうです」

 

(迷子の…お掃除ロボ……?)

シロコが困惑していると

 

「あ、すみません……お気に召しませんでしたか?」

 

「あ、いや。そんなことない。いただきます」

 

シロコがかりんとうを手に取り、口にいれる。

 

「ん…美味しい…」

 

「よかったわ。もっと食べちゃって!」

 

「ありがとう……」

 

「私も食べちゃおー」

ムツキがかりんとうを取って食べる

 

「あ、ちょっと、ムツキ!私だって我慢してたのに!」

 

「え〜?早い者勝ちだよ?」

 

「…仕方ない…ハルカ!あなたも食べて!争奪戦よ!」

 

「え、アル様、いいんですか…?じゃあ、いただきます…!」

 

「ん…負けない…」

 

みんなでかりんとうを取り合っていると、事務所のドアが開いた。カヨコが帰ってきたのだ

 

「……なにしてるの?」

 

「あ、カヨコ帰ってたのね…!ほらあなたの分も残してあるから……あれ?」

 

かりんとうは一つも残っていなかった。

 

「あ、すみません!調子に乗って食べすぎて…!すみませんすみません!腹を切って……」

 

「いやいいよ…。それより、アビドスのあなた。荷物があるよ」

 

「え?私?」

 

「アコが言うには、班長さん?からだってさ。はいこれ」

 

シロコが荷物を受け取る

「ありがとう…」

 

「そういえば、カヨコちゃんは何してたの?」

 

「ゲヘナの後処理を手伝わされた。心配して行ってたのに、出会い頭にめんどう押し付けられて。呑気に気絶してたくせにさ……」

 

「へ〜〜……。くふふ」

 

「何笑ってるの?」

 

「いや〜?」

 

 

シロコが受け取った荷物を開ける

「私の制服………」

 

「そういえばあんたが着てるのゲヘナの制服だね。誰かからもらったの?」

 

「まぁ…ゲヘナで一緒に戦った人から……」

 

制服を広げると手紙が落ちてきた。シロコが拾いそれを読む。

 

『制服がボロボロになってしまった。予備なんて必要ないと思ってたが、いつまでもボロボロのを着ているわけにはいかない。いつでもいいから制服を持ってゲヘナに来てくれ。歓迎する』

 

「…………………」

 

カヨコが手紙を覗き見る

「素直じゃないね、この人。多分」

 

「え?………あ………。ふふっ」

 

 

一通り読み終えてから、手紙をたたみアビドスの制服に着替え、ゲヘナの制服と手紙をカバンにしまう。

 

「よし。あとは先生を待つだけ…」




pixiv版と表現を少し変えました

なんで過去の自分が突然かりんとうを持ってきたのか………おそらく永井君が中居さんちでかりんとう食ってたのを持ってきたんだなと考察
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