ブルアカの本編が進んでるけど、時系列は最終編の後ってことしておきます。Rabbit小隊あたりに矛盾が出てくるかもしれないけど
file .20 stand up! stand up!
「う……?」
サイバーヘルメット団のリーダーが目を覚ます
「やっと起きましたか、ずいぶんとぐっすりでしたよ」
「お前………あぁ、捕まったのか、私たち」
リーダーが起き上がろうとすると、縄に縛られているのに気がついた。副リーダーも同様に寝転がっていた
「くそ……どこだここ?」
「反省部屋……らしいですけど、なんでこんなに散らかってるんですかね?」
「さぁな……どうでもいいよそんなこと……。………佐藤先生は助けに来てくれるかな…?」
「この学校にはいるみたいですよ。さっきとんでもない爆音がなって建物が揺れましたから。佐藤さんがなんかしたんでしょうね」
「じゃあ、私たちを助けに……!」
「来ないんじゃないですか?」
「は?なんで」
「理由がありません」
「理由はあるだろ。佐藤先生は私たちの先生なんだぞ」
「………あぁ、ははは、そうですね、そうでしたね、ははは……先生ね、ははははは」
「何がおかしいんだ?」
副リーダーが目を細め、起き上がる
「いやぁ、なんでもないです。とりあえず私達だけで抜け出せるように頑張りましょう。こんなに散らかってるんです。何か道具はあるでしょう」
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先生達が食堂から出て走り出す
「ヒマリ、佐藤の位置はわかるか?」
『13……14階です。階段を登っています』
「くそ…早いな…」
(トキを先行させて突っ込ませるか?けど佐藤はIBMを一つ以上は残してるはずだ。アビ・エシュフの30分のリミットを凌がれてしまったら……)
ガコン!
部屋中の電気が消える。
「なんだ?!」
「……………多分、機械室の電源がやられた………IBMが消える前に向かわせてたんだろう……。
…あぁ、そうか。最初にセキュリティルームに突っ込んだのは予備電源をだめにするためか」
『監視カメラの映像が途切れてしまいました。これでは佐藤の場所もわかりませんね…』
先生がスマホのライトをつけながらカリンに無線を繋ぐ
「カリン、外から佐藤は見えるか?」
『建物が真っ暗でなにも見えない……』
「…仕方ない、とりあえず14階に行くしかないな。あそこには反省部屋があったはずだ。多分部下の救助にでも向かったんだろう。武器もあそこにある」
「佐藤が反省部屋の場所なんてわかるのか?」
「部下が建物を破壊できるように爆弾を置いたのも、セキュリティルームと機械室の電源を落としたのも、ここの構造を把握していたからだ。あいつらに設計図かなんかが流出したんだろう」
「それで、佐藤が反省部屋に向かったあとは?」
「…………知らない」
「………」
「だから早く佐藤を見つけないと……」
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反省部屋でヘルメット団の2人が辺りを見回す
「なんか使えそうなもの見つけた?」
「いえ、なんにも役に立たないものばかり…あそこの武器と爆弾さえ手に入れればなにかできそうな気がするんですけどね…」
高くからフックにかかった武器を見上げる
「はぁ……」
リーダーがため息をついていると
じゅわじゅわじゅわ
「「!?」」
壁から手が生えてきて、扉が開く
「やぁ、おまたせ」
「佐藤先生…!」
「佐藤さん…?…なんで…」
「先生だからね、助けに来たよ」
「ほら言っただろ!佐藤先生は来てくれるんだ!」
「………。…あぁ、そういうことですか……はは…」
リーダーの言葉を無視して、副リーダーが乾いた笑いを出す。
佐藤が2人の縄を解き終えると
「武器はここです。これが目的でしょう?」
立ち上がった副リーダーが武器を佐藤に手渡す
「お、そうそう。ありがとうね。ショットガンとセミオートのライフルか………これちょっと借りてくよ」
リーダーがクリップと散弾を佐藤に渡す
「別に佐藤先生がもらっちゃっていいよ。そこら辺で売ってるやつだし」
「あとは………」
佐藤がキョロキョロしだす
副リーダーが棚の上を指差す
「爆弾はそこですよ、佐藤さん」
「はは、さすが副リーダーさん。気が利くね」
佐藤が爆弾をカバンにしまっていく
「あとは私がやるからさ、君たちは見つからないように逃げてくれ。ご近所さんに迷惑かけちゃったからアジトからの撤収も頼むよ」
「わかった。ほら行こう!」
リーダーが副リーダーの肩を引っ張る
「……さっきの作戦で爆弾がいくつか解除されました。その量じゃ、ここの建物を倒すには足りませんよ」
「大丈夫、リーダーから色々とデータをもらってあるから」
「…?…うん、まぁそうですか……それじゃ……」
「うん、それじゃまたね」
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「……て、…きて……さい!……お……ください!
起きてください!」
「………。」
シロコがゆっくりと目を開ける。アカネが体を揺さぶっていた
「…アカ…ネ…?」
「良かった。どこか痛みますか?」
「へい…き…!」
アカネの肩を借りながら立ち上がる
「…あれ……眼鏡は?」
「顔面をぶん殴られたときに壊れました」
目を細めていたのでアカネの目つきは鋭くなっていた
「停電もしていて、視界が悪すぎます。私は眠っているアスナを運んで離脱しますが………シロコさん、あなたはどうします?」
シロコが無線に手を当てる。雑音しか聞こえない
「ネル先輩と合流したいけど……無線が壊れてる。先生たちと連絡が取れない……このままじゃ…」
「アスナのを使ってください。マイクはイカれてますが、音声は聞こえます。私のやつは完全にダメになっていました」
アスナのインカムを手渡し、シロコが耳に付ける。
『…の……出たら14階だ!佐藤に注意して行くぞ!』
先生の声が流れてくる
「ん、聞こえる。ありがとう。」
「私達は外に出たら何かしらで先生たちに連絡をとります。
では、どうかご無事で」
「そっちもね」
食堂から出てそれぞれの方向に分かれる
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14階 反省部屋前
「あ!開けられてるぞ!」
「もう佐藤も部下もいない…」
「クソ!どうやって開けたんだ。停電でも開かねぇ仕組みなんだろ?」
ネルが扉に開いた穴を見つめている
先生があたり転がっている指やら腕と血濡れたガラス片を見つける
「佐藤がどうやったかだいたいわかった」
「ホントか!?」
「時間が惜しい。移動しながら話す。下をトキに任せてネルと私は上に行くぞ」
『了解しました』
それぞれが走り出す。
「で、先生。佐藤が扉を開けた方法は?」
「あそこの扉は電源とかの構造上、コードの入力装置の上に直径10cmくらいの穴が開くと扉が開いてしまう仕組みになってる。そこにぽっかり穴が開くなんて通常じゃ考えられないから、対策なんて何もされてない。とても頑丈だしね。でも佐藤はそこに穴を開けた」
「どうあけんだ?」
「さっき扉の前に切断された指と腕、ガラス片が血まみれで落ちていた。完全に推測だけど、まず佐藤は指を噛み切った。そしてその指のなくなった手を肘窩に挟み込んで押し当てる」
「ちゅうか?なんだそれ?」
「肘の裏側。注射をよく刺す場所だ。まぁとりあえず手を挟み込んだまま無事な方の手でガラス片を持ってそのまま首に押し当てて自殺。亜人は再生の際、障害となるものをすべて分解する。だから指が生えてくるとき、押さえつけられた肘のあたりは分解されてボロボロになる。あとはそこら辺に叩きつければ簡単に取れるだろうな。」
「死んだときに、挟んでる腕が離れたりしないのか?」
「ベルトか紐でも使って頭から固定すればいける……はずだろう。あとは腕の断面を壁に押し当ててもう一回自殺。そしたら今度は壁が分解される。そうやって穴を開けたんだろう」
「なるほどな…!反省部屋のことはわかった……で…話は変わるけど佐藤の部下たちは追わなくていいのか?」
「多分、武器の類は佐藤が全部持っててる。今のあの子たちは脅威にはならない。それに佐藤を捕まえられたら今後も部下の方は機能停止になるはず。だから最優先は佐藤だ」
「了解!佐藤の行くあては?」
「わからない……けど、重要施設を狙うなら18階の司令室だ。私達はそこに行く。下は正直検討もつかないから、スピードがあるトキに全体的に捜索してもらう。」
「『了解』」
「そうだ、ヒマリ。やってもらいたいことがある」
『何でもおっしゃってください。暇で仕方ありませんから』
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16階
「えっと…誰?」
「あんたが……佐藤………」
血まみれのチヒロが佐藤を睨みつける