亜人の佐藤がキヴォトスを楽しむ   作:はふはふサドンデス

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file.2 unwelcome war

リン行政官襲撃から一ヶ月後

先生が連邦生徒会を訪ねた

 

「久しぶり、リンちゃん。怪我は大丈夫?」

 

「誰がリンちゃんですか。怪我の方は明日には包帯をとっても大丈夫なくらいです。まぁ武器はなくなってしまいましたが」

 

「体が無事でよかった。意識不明だって聞いたときは不安で不安で。」

 

「………まぁ、今日から私も本格的に仕事に復帰できます。それでですね、先生。書類作成を手伝うついでに色々と聞きたいことが。私を襲った佐藤と名乗る帽子の大人。彼についてなにか知っていますか?」

 

「そのことはごめん知らないんだ。色々調べたり私の知り合いの黒ふ…………その…色々と詳しい大人にも聞いてみたけどめぼしいことはあまり…」

 

「そうですか………彼はキヴォトスのことを全く知らない様子でした。先生も最初にキヴォトスに来られた際も色々とお知りになられていなかったことはありました。けれど彼はなんだか…その…世界が違う…といいますか」

 

「それは私も同感だよ。最後に佐藤は飛び降りたらしいね。あの高さから落ちれば死ななかったとしても、たとえキヴォトス人であろうとしばらく動けなくなるはずだ。だがそれすら恐れず飛び降り、実際に姿を消した。その判断ができる自信がありその手段があった。

 

死ぬことをまるで恐れていない。なにか理解し難い。」

 

「……先生は……佐藤がまたここに来ると…考えていますか…?」

 

リンの文字を書く手が震えだす。

「怖いの?」

 

「いえ…少し面倒だなと。また入院でもすれば仕事に支障が出てしまいます。」

 

「………。リンちゃんは真面目だなぁ。そうだ。テレビを見よう。息抜きに」

 

先生がリモコンを手に取る。

 

「まだ休憩するほど作業していないでしょう。」

 

先生は電源をつけチャンネルを回す。

「ちょうど見たいのがあるんだよね。」

 

「聞いていますか?!」

 

「佐藤のことは大丈夫だよ。生徒たちには気をつけるようにしてもらってるし、リンちゃんは病み上がりなんだからゆっくりやっていこう。」

 

「………全く。少しだけですよ。cmが入ったら再開です」

 

「クロノスの飛行船からのニュース。キヴォトスの景色と一緒にニュースを教えてくれる。心も休まるし、役に立つ。最高だね。」

 

画面にはクロノスのアナウンサーが天気予報を伝えながら飛行船からの景色を写していく様子が映される。天気予報が終わり特集の時間に入る

 

『続いては現在もなお逃走中のリン行政官襲撃の犯人、佐藤についての特集です。』

 

 

「え〜ここでも佐藤の話か。ちょっと参るな〜」

 

「まぁこのところ平和な中でのこの事件。みんなの気を引きますよね。」

 

「う〜んチャンネル変えちゃおうかな」

 

先生がリモコンに手を伸ばそうとする。

 

 

‘ドガン!’

 

 

「!」

 

 

テレビから銃声が聞こえた。アナウンサーが大きく吹っ飛び、画面から消える。そして代わりにショットガンを持った大人が画面に現れる。リンの顔がこわばる。

 

 

「佐藤…!」

 

「あいつが佐藤なのか?」

 

 

カメラの前に佇み佐藤が言葉を発する

 

『……おはようキヴォトスの皆さん。私の名前は佐藤。世間を騒がせた帽子は私だ。なぜ行政官を襲ったか。そして今なぜ飛行船をハイジャックしたか。端的に言えば私にはある目的がある。

 

それは我らアビドス高等学校を代表しキヴォトスの各学園に復讐を行うことだ。』

 

 

「……?アビドス?佐藤とはなんの関係もないはずだ……」

 

先生が思考を巡らせるが、アビドスと佐藤になんのつながりも見いだせない。

 

「飛行船をハイジャック……なにをする気何でしょうか…」

 

『我々は三大学園であるゲヘナ、トリニティ、ミレミアム、そして連邦生徒会直属のヴァルキューレに襲撃を仕掛ける。まずは手始めにヴァルキューレ警察学校に対し襲撃する。

三大学園と連邦生徒会、そしてシャーレに告ぐ。我々アビドスの怒りを忘れるな。

 

 

衝戟(しょうげき)に備えろ。』

 

テレビの映像が途切れる。先生がスマホとシッテムの箱を取り出す。

 

「飛行船は今どこに…?!」

 

SNSで検索をかけ、飛行船の映るライブ映像を見つける。ヴァルキューレ本部のビルに近づく飛行船が見える。

 

「あいつ飛行船から乗り移る気か?」

 

「いえ…あれは…あれでは乗り移ることはできません…。あのまま進めば…いづれ…まさか!」

 

リンが想像する最悪のケースに現実が近づく。

 

本部のビルに飛行船がぶつかる。その直後に飛行船が大爆発を起こした。炎の残骸がヴァルキューレのビルに降りかかる。飛行船に爆弾でも仕込まれていたのか。さらに爆発を繰り返しビルは崩壊していく。

 

「そんな……アロナ!ヴァルキューレとその付近にいる生徒と連絡は取れるか?!」

 

「………駄目です!ヴァルキューレのどの生徒の端末にもアクセスできません!……あれ、ヴァルキューレ付近にいる生徒から無線が…」

 

「誰だ?…とりあえず繋いでくれ。避難を指示しないと__」

 

無線がシッテムの箱から聞こえてくる

 

『先生。rabbit小隊、出撃可能です。ただちに救助もしくは戦闘の対応ができます』

 

「ミヤコ?今すぐそこから離れて!佐藤は不確定の事項が多い。おそらく佐藤はピンピンしてる。じゃなきゃこんなことをわざわざしたりはしない。最悪の場合戦闘になったとき、ここからじゃ指揮が取れない!」

 

『先生。ヴァルキューレが機能しない今、テロリストに対応できるのは私達SRTのみです。たとえどんな相手であろうと私達だけでも立ち向かわなければなりません。』

 

サキが無線に割り込んでくる

 

『先生!基本的には被害者の救助を優先する。でも佐藤と戦闘になったとき、先生がいてくれると助かる。だからなるべく早く現場に来てほしい。』

 

「……わかった。でも無茶はしちゃだめだよ。すぐに向かうからね。」

 

無線を切り先生とリンが歩き出す。

「リンちゃん、ヘリを出せる?」

 

「この状況でヘリは危険です。撃ち落とされるかもしれません。車を出します。」

 

「いや、危険でもなるべく早く向かわなきゃ。」

 

「……わかりました。動かします」

 

 




今更だけどリンちゃんのケガの治り方が遅すぎる
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