「………………………クソ……」
リーダーが部屋の隅で銃の整備をしていた
ただ黙々とパーツごとに清掃していく
「やあ」
「うわあ!」
佐藤がリーダーの後ろに立っていた。リーダーは驚いた勢いで整備の部品を落としてしまった
「驚かせちゃったかな」
「い、いや…!とんでもない……佐藤先生だったんだ…はは…」
落とした部品を拾いながら後ろを振り向くリーダー
「さっきはすごい言い合いだったね」
「………あ、聞こえてたんだ……」
「いやぁ、盗み聞きするわけじゃなかったんだけど…なにかあったのかい?なんでも聞くよ」
「………えっと、先生…ちょっといいかな」
「ん?どうしたんだい」
「先生はさ、ちゃんと私たちのことを見てくれててさ、目的を果たすために動いてくれてるんだよね?」
「…?…当たり前じゃないか」
「だよね?最近先生のことがわかんなくなってきちゃってさ……」
「……………」
「よかった、はは」
「リーダーさん」
「…な、なに?」
佐藤が胸ポケットからUSBメモリを取り出す
「これをみてほしい」
「それは…?」
「これは連邦生徒会の生徒の端末から抜き取った情報だ。君たちの学校がなくなった原因である陰謀に関するデータもある」
「…!」
「君たちと出会ったこと。君たちが助けを求めていたこと…………偶然ではない
これは大人としての私の使命だと。そう確信したよ。君たちを助けるべきだと」
「……………ごめん、先生。さっき色々変なこと言っちゃって。
そんなに考えててくれたなんて。私…考えが足りなかったよ」
リーダーが頭を掻く
「いいんだよ、私は気にしない。
君の考えも素晴らしいと思うしね」
「そ、そうだよね。やっぱ争わないで済むなら争わないほうがいいよね…!」
リーダーが佐藤を見つめる
「やっぱりだめか」
佐藤の体からIBMが出てくる
「え?」
IBMがリーダーの頭を押さえ付け、ヘイローと頭部を接触させた
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『何してる?ポーカーフェイス』
『 プレイボール 』
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『………私たち……学校……どうなるの……』
『ははは…終わりです…終わりですよ…ははは』
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記憶が交差する
(……あぁ、この人はホントにどこまでも………
あいつの言ってたこと…正しかっ……た…)
バタン!
リーダーが意識を失った。その隙に佐藤が麻酔針を3本一気にリーダーに突き刺す。リーダーが完全に動きを止めた
「持ってきてたんですね…麻酔針…」
副リーダーが腕を組みながら壁に寄りかかってる
「いつか、使えるかなって思ってさ。役に立ってよかったよ」
佐藤が動かなくなったリーダーを担ぐ。
「ホント、バカな人でしたよ。最後まで信じ切ってた。」
「素直でいい子だったよね。けどもう『目』がだめだ」
「……そいつ、どうするつもりです?」
「そこら辺に捨てておくよ」
「いいんですか?戦力が減るんですよ」
「なんで?この子とはノリが合わないよ」
「………ま、そうですよね」
佐藤がリーダーを紐で縛る
「よし、幽霊に適当なとこまで運んでもらうか」
「あ、ちょっと待ってください」
副リーダーが佐藤を制止する
「なんだい」
副リーダーが、さっきまで整備していた銃を組み立てていく。
「これ、持たせてあげましょう」
「必要ないよ」
「この場所じゃ常識なんですよ。持たせます」
「はぁ」
リーダーが縛られた紐に無理やり銃をねじ込む
「荷物が増えちゃったけど………
それじゃ、よろしく」
『いけるところまで行ってみるよ』
佐藤が新しく作り出したIBMがリーダーを抱えて走り去っていった
「寂しいかい?」
「……いや、いい区切りですよ」
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ミレニアム自治区の端。シロコと先生が歩いていた
「ん、ここを右に曲がればアビドスの方に行けるはず……遠いけど。
自転車を持ってくればよかった」
「……じゃあシロコともここまでかな……」
「…先生は次どこ行くの?」
「いったんシャーレの事務所に行ったあと…トリニティに行くかな……佐藤の最後の標的だしね」
「……………ねぇ、先生」
「?どうしたの?」
「多分だけど、佐藤はトリニティに来ないかもしれない」
「…、、」
「前も話したけど、流れ込んだ記憶からして、佐藤は飽きてる。ミレニアムの襲撃のときだって最初からは来なかった。佐藤がこのまま順当にトリニティを襲うとは思えない」
「………そう、だよな……。トリニティで待機してるときにサンクトゥムタワーとかでテロが起こったら、間に合わないかもしれないし……どうしよっかな」
「……」
「あ!そうだ」
先生が手を打つ
「どうしたの…?」
「トリニティでテロが起こるか起こらないかくらいは分かるかもしれない」
「え?分かるって……どうやって…」
「そういうのが分かる生徒がいるんだ。シロコも会ったことあるはずだよ」
「…?まぁ、よくわからないけど、解決したならよかった」
「シロコのおかげで気づけたよ。ありがとう。」
「うん。どういたしまして
……それじゃ、そろそろ行くね」
シロコがカバンを肩にかけ直す
「ああ、またね。
あんまり顔は見られないようにするんだよ」
「ん、わかった」
シロコが手を振って、先生に背中を見せて歩いて行った。
先生も反対の方へと歩きだしていった。
「今度は一人、か」
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しばらくして、先生は途中で見つけた公園で休憩を取っていた
「………………我々は望む、七つの嘆きを。……我々は覚えている、ジェリコの古則を………」
ピロン!
シッテムの箱が起動する
「…!よかった。壊れてなかった……」
「おはようございます、先生。」
「あれ、プラナ…?」
画面上にいたのはアロナではなくプラナだった
「先輩は今お休み中です。最近ずっと出ずっぱりでしたので」
「ああ、そうなんだ……」
「機能に問題はありませんよ。先生、なにか用でしょうか?」
「あ、いや特に何かあるわけじゃなくて…」
「なにか悩みでも?」
「…………………ないよ……本当に……」
「先程から28回、短時間の間に何度も再起動を試みていた形跡があります」
「……………」
「なにか、あるんですよね?」
先生が大きく息を吸い込む
「…………私はちゃんと先生をやれてると思うか?」
「……………えっと、不安なんですか?」
「…そうかもしれない。
………私は、自分の考え方のせいで生徒を命の危機にさらして、結局何も守れなかった。
佐藤にも、昔のリオにも、言われた。情に流されずに、合理的に考えて、多くを取る思考……。
倫理や感情を断ち切った、圧倒的な決断力が必要なんじゃないか……って考えるようになってしまった」
「………変わるべきだと考えているんですか?」
「どうだろう。……私は全部を救いたい。誰も、何も、見捨てたくない。それが第一だ………」
「じゃあ、あなたはそれでいいですよ」
「…、」
「あなたは人の心を汲み取り、一人ひとりに合わせた行動が取れる。しかもそれも本心からの善意でやっている。たしかに時に残酷な選択が待っているかもしれません。けどそれをブチ壊してきたのが、先生、あなたじゃありませんか」
「…………………私はこのままでいいのか…?」
「ええ、それが「私の先生」ですから」
「………………ありがとう、プラナ。色々とすっきりしたよ」
「頑張ってください。わたしたちはいつでもここにいますから」
「ああ」
先生がシッテムの箱をしまい立ち上がる。
またシャーレへと歩みを進めていった
深夜に投稿なんかしてるからミスが多発するんだろうな