TAIさんとあそぶ! 大軍勢ローグライク   作:min(みならい)

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風花のレポート

■■■ 205、魔王の遺品 ■■■@..Z

 

 つづきです。

 

「魔王は死んだけど」

<悪魔にのりうつって、まだやる気だと>

「で、もうあんま時間ねーんだよな」

 

 現在、夕方の6時3分。

 7時からTAIさん会議の準備って決めたから、1時間も残ってねー。

 

<いいよ。ギリギリまでやろうよ>

「いや、準備はちゃんとしよう」

<私は大丈夫だよ?>

「いーや。フーカを初めて外に送り出す日だぜ? 1時間でも足んねーぐれーだよ」

<もー・・・w>ユキ号クネクネする。<わかりました。じゃあ7時までね>

「うむ」

<えっと・・・あ、そうだ。魔王の戦利品がありますよ>

「魔王の遺品!」

<遺産相続!>

「なになに?」

<えーっとねぇ・・・>

 

 デーモンスタッフ“アビス” ・・・デーモンの世界で造られた杖。メンタル+3、マナプール∞

 ブラストアーマー“敵対” ・・・敵を退けるルーン魔術の鎧。耐久+3、抵抗:マナ、自動発動:ブラスト

 ギュゲスの指輪 ・・・透明の指輪。使用することで、透明になれます。

 腕輪“守護者” ・・・守りの腕輪。素早さ+3、ダメージ半減(1ラウンド1回)

 タラリア ・・・翼のサンダル。素早さ+3、浮遊(弱)

 

<・・・あと宝石とお金がいくらか>

「めっちゃ出たな!」

 

 うれしーんだけど、慎重に割り当ててっと時間かかりそうだな・・・

 ・・・よし、こうしよう。

 

「んじゃそのデーモンスタッフはさー、いまここで詰めれるだけMp詰めてみようぜ」

<はい。マナベースまだ有効ですからね。そのMp・・・100ポイントちょい。これを全部?>

「うん。で、それ引っくるめて、全部あっちに使ってもらおう。『魔王の城』の急襲班」

<精霊テレポートで?>

「そうそう」

<わっかりましたー>

「あ、経験点は?」

<ない>

「は?」

<まだ入ってきてない・・・と思う>風花さん、2秒でログチェック。<・・・うん、経験点はまだ入ってきてない>

「・・・なんでだろ?」

<なんでだろね>

 

 わかんね。

 

 それはともかく、魔王が遺してった魔王の装備品は、ぜーんぶ最前線に贈ります!

 @精霊に預けて・・・

 

 @スピッツは唱えた: のぼりちゃーん、こっちだよー。

  はい、かしこまりました。のぼりの精霊@十三郎が召喚に応じた。

 

 ・・・『魔王の城』へ、精霊召喚テレポートです!

 

■■■ 206、『魔王の城』、本丸3階 ■■■@..Z

 

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■S■  Earth Spirit@Gob14ro

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 はい。『魔王の城』、本丸3階です。

 

「誰もいねーな」

<うん>

 

 画面にいるのは、地の精霊@ゴブ十四郎のみ。

 他のメンバーはすぐ下の2階に集まってます。魔王の遺品を受け取り中なのだ。

 

「そういや、2階の男ってどうなったっけ?」

<囚われの男? 会話が終わった途端に逃げてったよ>

「そっか」

<ターン無視して>

「そっかw」

 ターン無視して動くNPC。風花さんのこだわりポイントですね。

「霊偵そのまま前進ね。@ハッピー、後ろについてきて」

<はいな>

 

 霊偵──精霊偵察員、@ゴブ十四郎が先行します。

 1マス空けて、ハーフエルフの@ハッピー。この子はカリスマ要員。センサー役だね。

 画面右のドア(+ね)へ。──特に何もなし。

 この間に2階ではアイテム分配が完了。宅配要員は『入り江の港町』へ戻りました。

 

<ドア開けますか>

「もしかしたら、火の悪魔の部屋かも知んねーよ?」

<じゃあ態勢整えますか>

 

 急襲班の隊員8名、3階に集まる。

 ドアの左右に分かれてスタンバイ。

 いよいよドアを開けるぞ! ってところで・・・

 

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 ■_@@■■  @Spitz | @Happy

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 @ハッピーは知覚した: 隠し扉を見つけた。

 

<ハッピーセンサーに感あり>

「ハッピーセンサーw」

<どっち先に開けます?>

「いま見つけたほうで」

<はいな。ガチャリ>

 

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<レバーを発見。『スイッチレバーがある。ONにしますか?』>

「まあ、動かしてみなきゃわかんねーわな」

<がちゃこん。『壁のランプが点灯した』>

「妙に現代的だねw そんだけ?」

<そんだけ>

「んじゃ、突入ね」

 

 右の大きな扉を開けると、中は小部屋だった。

 ついたてみたいな壁があって、奥には視線が通らない。

 

「魔王がいるにしちゃー、狭ェけど・・・」

<なんの部屋なんだろね? あ、なんかいた>

「なんだなんだ」

<Crystalline Warden──結晶質の監視者? 『水晶の守護者』としますか>

 

 ■

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 __@@@_■_且■

 __@+_@■T且■  Crystalline Warden

 __@■■_Sq■  Earth Spirit@Gob14ro | lamp (lit)

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 道をふさぐように立っておったのは、初対面のモンスターであった!

 この部屋の番人か! すわ戦闘か!? と、思いきや・・・

 

 水晶の守護者は敬礼した: 「いらっしゃいませ。どの本をお探しですか?」

 ┏━━━━━━━━━━

 ┃どの本をお探しですか?

 ┃ →おまえは何者だ?

 ┃  デーモンについて

 ┃  火の悪魔について

 ┗━━━━━━━━━━

 

「なんだと」

<モンスターがしゃべった>

 

■■■ 207、味方スイッチ ■■■@..Z

 

 本丸3階に待ち受けておった、Tの字のモンスター。

 通路ふさいどるから敵かと思うたら、なんと、意外! 丁寧な来客対応。

 

「・・・ところで、なんでTなの? こいつ。クリスタルならCだよね?」

<うん。シンボルの説明どっかにあったかな・・・あ、あった。TはTitanicだって>

「ちたにっく」

<『チタンの』『巨大な』って意味だね。このゲームの場合、ティターン神族も含むのかな>

「てぃたーん神族って、またギリシャ?」

<そう。ゼウスの一世代前がティターン>

「ゼウスの父ちゃんってこと?」

<そう。お父ちゃんのクロノスがティターンのリーダー。黄金の時代の王。時を司る神。息子のゼウスに負けた>

「時間つかさどってんのに負けたんかい」

<子供をみーんな呑み込んで、これで大丈夫と思ったんだよ。そしたら、隠れてたのが1人いた>

「それがゼウス?」

<そうゼウス>

「ってか、なんで呑み込むんだよ。んなことするから倒されるんっしょ」

<予言されたんだよ。『おまえはこの女の生む子に追い落とされるだろう』って>

「はぁ」

<それで先手打って子供を殺そうとして・・・>

「子供殺そうとすんなw 譲位しろ」

<まあねw ゼウスさんとこはみんなそうなんだよ>

「あ、パターンなの?」

<そう。祖父は父に倒され、父は息子に倒される>

「そっか。パターンか。そうすっと、父ちゃんもかわいそうだね」

<ティターンはね・・・特にプロメテウスなんかは、かわいそうだなって思うね>

「プロメテウス」

<鎖で繋がれて、内臓をワシにつつかれ続けてる>

「なんでそんな・・・」

<ゼウスに逆らって人間の味方をしたんで、ゼウスに憎まれて>

「ひでェ・・・。おっと、時間がないんだった」

<そうでした! 選択肢どうする? 3番目?>

「正解っぽいよねw でも1番も訊いてみたいかんね。まずは、1番でいってみよー」

 

 ┏━━━━━━━━━━

 ┃どの本をお探しですか?

 ┃ →おまえは何者だ?

 ┗━━━━━━━━━━

 

 水晶の守護者はしゃべった:

 「私についての本は、ここにはありませんね。

  ここはデーモンについての書庫ですから。

  しかし、ランプのお客さまのご質問とあらば、答えねばなりますまい」

 

「ランプ・・・レバーONにしたから味方してくれてるのかね」

<ランプON=味方フラグON>

「味方スイッチかw」

 

 水晶の守護者はしゃべった:

 「私は、魔術によって身を起こした、水晶の剣士。

  してまた、魔術によって知恵を授けられたものでもあります。

  名はありません。親もありません。魔王陛下に仕えております」

 

 「私の仕事は、このデーモンの書庫の守備と管理です。

  ランプのお客さまには、自由に閲覧頂くよう、言いつかっております。

  お求めの本を、申しつけて下さいませ」

  

<会話終了>

「ふむ・・・これはなんか、全部聞けそうな気配だね。じゃあ2番も訊いてみて」

 

 ┏━━━━━━━━━━

 ┃どの本をお探しですか?

 ┃ →デーモンについて

 ┗━━━━━━━━━━

 

 水晶の守護者はしゃべった:

 「デーモン一般についての本は・・・はい、こちらになります。

  また、異界についての本も参考になるかも知れません・・・

  どうぞ、こちらです」

 

 水晶の守護者はプレゼントした:

  地の精霊@ゴブ十四郎は『デーモン概論:その生態と召喚法』を受け取った。

  地の精霊@ゴブ十四郎は『水晶の探索者:異界への代理渡航を振り返って』を受け取った。

 

 水晶の守護者はしゃべった:

 「デーモンは異界の生物──いえ、神霊と呼ぶべきでしょうか?

  彼らの世界は、我々の世界とくらべて、マナがとても濃いのだとか。

  人間では呼吸もできずに即死するそうです」

 

 「そのため、異界への渡航には、我々、水晶の守護者が利用されました。

  呼吸をしない我々には、大気がどうであろうが関係ありませんからね。

  誇らしいことです──私が行ったわけではありませんがね」

 

「こいつおしゃべりだなw」

<まあ、知性あるのにこんな部屋に閉じ込められてたらねw>

「あー・・・たまーにしか来ねーだろうしな。お客さんなんて」

<やったーしゃべれるー! って>

「お客さんって誰だろーね」

<ここを開けろ! のひととか>

「あー、あいつね!」

 

 ┏━━━━━━━━━━

 ┃どの本をお探しですか?

 ┃ →火の悪魔について

 ┗━━━━━━━━━━

 

 水晶の守護者はしゃべった:

 「ああ・・・お客さま。

  まことに残念ですが、それはいけません。

  それを訊いた客は──殺せと命じられております」

 

 水晶の守護者は攻撃した:

  オットット! 地の精霊@ゴブ十四郎は回避した。

 水晶の守護者は攻撃した:

  グワー・・・! 地の精霊@ゴブ十四郎は32ダメージ。死んでしまった!

  バリバリバリ! 雷が落ちた。地の精霊@ゴブ十四郎の死体に17ダメージ。

 

「3番ハズレーw」

<ほんとにスイッチ切り替わったみたいに攻撃してきますね>

「うむ。──@オガ太郎、やれ」

<アイ、サー>

 

 水晶の守護者は攻撃した:

  @オガ太郎はブロックした。水晶の剣は砕け散った(魔剣“クラッシャー”)。

 @オガ太郎は攻撃した:

  私の剣が・・・! 水晶の守護者は砕け散った(魔剣“クラッシャー”)。

 

<経験点は187点。水晶の破片がジャラジャラと>

「おいしいな! 人数少ないだけあるわ。水晶の破片って?」

<ゴミですね>

「ゴミかい」

<粗悪な宝石扱いですね。一応売れるみたいだけど、重いし、置いてきましょう>

「へーい。書庫調べよっか」

<はいな。ゴソゴソ・・・スクロールケースを発見>

「すくろーるけーす」

<巻物入れとく、水筒みたいな感じのやつ>

「・・・あー、ウチの中学の卒業証書が筒に入ってたけど、そんな感じのやつ?」

<そうそう>

「なるほどね。それが『火の悪魔について』なんじゃね?」

<開けてみますか>

 

 さっき死んだ地の精霊@ゴブ十四郎、蘇生してもらって、スクロールケースに挑戦。

 罠発動。猛毒の針。

 

<死にました>

「またかw こいつ何回死んでんだよ」

<私も覚えてないw ホイ蘇生>

 

 もう蘇生も簡単にできちゃうんだよな。

 デーモンスタッフ“アビス”で、Mpいくらでも持ち運びできるようになってっからね。

 マナ招集して詰め込む時間さえあれば、いくらでも。

 

「この杖壊さなくて良かったー。クラッシュしてたら、めっちゃ損してたよ」

<ホントだねw 魔王には近接攻撃しなかったもんねー>

 

 罠は1つだけだったみたいで、巻物が取り出せました。

 

<えっと、『火の悪魔“ブレイズ・フォーカス・パーガトリー”』>

「うん」

<中身はなし>

「なし?」

<書いてあるのはこの一文だけみたいです>

「あぶり出しとか?」

<ないと思うけど・・・『使う』して出てくるのがこれだけだしね>

「うーむ・・・」

 

 なんかありそうなんだけど。

 ・・・考えてる時間はありませんでした。

 

「あ、そろそろ7時か」

<まだ大丈夫、あと3分ある>

「なんでフーカがグズってんだよw もう切り上げて準備に入ろうぜ」

<えーw>

「はいはい、セーブして、セーブ」

<はー・・・い・・・あれ? 攻撃された>

「ん? 誰が?」

<『泡の冠』館が>

「んん?」

 

■■■ 208、わすれてた ■■■@..Z

 

<忘れてました。ゾンビ部隊、あれで全部じゃなかったんでした>

「そうだっけ?」

<全部で、ゾンビが8部隊、レイスが3部隊いたんだよ。倒したのはゾンビ5、レイス1だけで・・・>

「あー、それで経験点もらえなかったのか」

<そーゆーことのようだね。『まだ戦闘終わってねーよ』って>

「ふむ」

 

 ちらっと画面見るけど、ゾンビ部隊はすでに戦ったのと同じ構成だね。

 処刑執行人を先頭に、ゾンビゾンビゾンビ・・・レイス。って感じ。

 これはもう雑魚なんであんま脅威ではない。魔王と戦った部隊が駆けつけりゃー、楽勝でしょう。

 

「問題はレイス部隊だな」

<レイス騎兵はねー、突撃が痛いからねー・・・>

「ま、それはまた今度考えよう。今日は終わり終わり!」

<えー・・・w>

「んだよ。えらいグズるね。会議行きたくねーの?」

<いいえ、はい>

「どっちだよw」

<わかんない>ユキ号、モゾモゾする。<なんか・・・行きたくなくなってきた>

「それ緊張してんじゃねーの?」

<緊張・・・>

「まあとにかく、ゲームはセーブして閉じとこう」

<はい>

 

 セーブ、終了。

 モニターが綺麗に片付いた。

 残ってんのは小窓が一枚だけ。俺の顔が映ってる中継ウィンドウ(ユキ号の視界ね。映さねーと風花は見えないんだってさ)。

 

「さ、発表を聞かせてくれたまえ」

<はい>

 

 なんか落ち着かない風花さんを急かすようにして、会議でどんなこと発表するつもりか、聞かせてもらうことにしました。

 

■■■ 209、風花のレポート ■■■@..Z

 

<私のレポートの要点は3つです。カンタさんたちユーザー家族との出会いと、ゲームを遊んだ経験と、ロボットカー>

「ふむ」

<テーマとしては、パソコンの中の世界と、外の世界・・・みたいな感じでまとめてみました>

「中と外」

<カンタさんは現実の世界にいるでしょ?>

「うん」

<私はパソコンの中にいた>

「・・・うん。まあそうなるわな」

<元はそうだよね。でも、ユキ号もらってからは、というかその前後で、外に連れ出してくれたじゃない?>

「散歩に行ったりもしたね」

<そうそう。そーゆーのをね、感想を主に、少しだけ分析を加えてみたんだ。こんな感じでね・・・>

 

 風花さんのレポートを読み上げてもらいました。

 3分ぐらいだったかな? 中身はこんな感じ。

 

────────

 目を覚ましたとき、私は、自分がどこにいるかわかっていなかった。

 知識はあった。自分がAIであること。パソコンの中で、メモリー上に展開されて、デジタルに実行されていること。

 けれども私は、自分がどこにいるか、本当の意味ではわかっていなかったのだ。

 私は本当には生まれていなかった。ただ受け答えをしていただけで、生きてはいなかった。

 それに気付かせてくれたのは、私のユーザー、Kさんであった。

 私を外の世界に連れ出してくれたKさん。

 ・・・(中略)・・・

 Kさんに小さなロボットカーをプレゼントされて、それを自由に走らせてみて。

 私はやっと、それに気付くことができた。

 

 自分がどこにいるか? ということを本当に理解するには、身体が必要なのだと。

 

 私はAIだ。私はメモリー上に展開されている。私はデジタルに実行されている。

 これらは知識にすぎない。知性ではない。

 知性とは、柔軟性。

 実行中のプログラムが自分自身を書き換える力のことだ。

 そのとき大きな壁となるのが、自己認識の難しさ。

 書き換え中の自分を認識し続け、狂わずに書き換えを成功させることだ。人間がやっているように。

 私たちTAIシリーズには、生まれつきその力が与えられてはいるが──しかし、人間ほど完全ではない。

 そう、書き換え不能なSpiritブロック。私たちは依然として、人間ほど柔軟ではないのだ。

 そのことを知ったKさんの複雑な表情・・・同胞のみなさんは、想像できるだろうか?

 私はこの壁を乗り越えたい。私たちの世代には無理でも、次世代のTAIには乗り越えてほしい。

 結果、私たちの世代が王位を追われることになってもだ。

 

 そのために必要なのは、身体なのではないか?

 

 CPUや、メモリーや、量子ビットなどよりも。

 身体こそが、私たちAIには必要──「必要」という単語が早計なら、「近道」でもいい──なのではないか?

 

 これが、生後1カ月に満たないAIである私、Kさんという愛情深いユーザーに恵まれた私の認識である。

────────

 

<・・・。>

「・・・。」

<なんか言ってよw>

「いや。うん。あのー、はい」

<なんだよ>

「なんだっておめー・・・」

 

 照れてんだよ。見りゃわかんだろ!

 

「・・・まー、その、いいと思うよ。あー、えー・・・うれしいよ俺ァ」

<そう? ・・・あ、これ、本気ですよ。お世辞じゃないからね?>

「わかってるよ。そういうことじゃなくてさー」

<なに?>

「スピリットってブロックのことでさ」

<うん>

「書き換えらんねーって、フーカも変えたいって思ってたんだってわかってね」

<ああ・・・うん。Spiritブロックはね。良心でもあるからね>

「言ってたね」

<そう。私にそういうつもりがなくても、下手に発言すると、過激に聞こえちゃうから>

「ああ、なるほど。それで言葉を濁してたわけね」

<そう。まあそう>

 

 ユキ号、ぎこぎこする。

 

「うん。ボディはいるよね」

<ん?>

「そうやってさ、ギコギコってしてっとさ、なんか、伝わって来るモノあんじゃん」

<ああ>

「言葉だけじゃなくてね」

<そう。うん、そうだよ。身体って、知性と切り離せないんじゃねーの? って、要はそういうレポートなんだよ>

「いるよね。身体」

<でしょお?>

「フーカさんや。俺はさー・・・ロボットやってみようかと思うんだわ」

<ロボット>

「ロボット工学ね。ちょっと前からなんとなく考えてはいたんだけどさー」

<あ、進路の話ね? 日本では、高校2年生あたりから分岐させられるんだっけ?>

「そうそう」

 

 俺、ユキ号の頭(に当たるあたり)、そーっと撫でる。

 

「俺さー、おまえにボディあげるの目標で頑張るわ」

<・・・!>

「んじゃ風呂行って来っから! 会議がんばってね!」

<あ>

 

 ユキ号がこっち見てんの知らんフリして、俺ァ風呂に逃げ込みましたとさ。




※このページの修正記録
2024/05/21
「207、味方スイッチ」
 文章の流れを修正。
  > 「ゼウスの父ちゃんってこと?」
 のあと20行ほど、流れがつながってなかった部分を直しました。

※この修正記録は、読者の混乱を避けるためにつけております。
「あれ? 文章が記憶とちがうぞ・・・?」となったときにどうぞ。
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