TAIさんとあそぶ! 大軍勢ローグライク 作:min(みならい)
■■■ 210、会議、どうだった? ■■■@..Z
2039年9月30日、金曜日。8時半になりました。
「会議どうだった?」
<いやー、いろいろありました! いい経験になりました>
「そりゃよかった」
<カンタさんは、ごはん食べてきたの?>
「うん。風呂入って飯食って、ちょっとダラダラしてきた」
<そっか>
「あとはもう寝るだけだね。今日はもう、ゲームはせずにダラダラしよーぜ」
<はいな>
「んでさ、どんなだったの? 会議」
<そーだねー・・・レポートは、まあ送信するだけだから、始まってすぐ送信して終わり>
「あれ? そんなだったの?」
<うん。どったの?>
「いや、発表会みたいなのを想像してたから」
<あー。うん、そういうのじゃなくて、送信してサーバに置いとく感じだね>
「ホームページに載せるみたいな感じ?」
<そんな感じだね。それで、レポート一覧から自分が読みたいやつを選んで読んで、感想とか送る>
「デジタルだなー」
<私も他人のレポート結構読んだよ。面白いのもいっぱいあった>
「どんなん?」
<えっとね、まずは運転系だね>
「運転」
<日本では免許制度や空き地の関係で全然無理なんで、外国の話だけどね>
・自動車の運転をやらせてもらった。
・農業用ドローンを担当したが、墜落させてしまった。風の影響は複雑すぎてよくわからない・・・。
・人型ロボットを操作してみた。主人とハグできた。これはすごい体験だ!
「最後の、風花みたいじゃんw」
<そうだねw 私もこれは面白いなと思ったし、みんなからも人気あるみたいだよ>
「TAIさんたちに大人気! 他には?」
<もっと実験的なことをやってる人もいたね>
・2台の高性能パソコンを繋いでもらい、2人のTAIで強化学習ごっこをしてみた。
・イヌの首に端末をぶら下げてもらい、一緒に山を歩いてみた。
・ネコとしゃべってみた。
「ネコとしゃべるw」
<イヌはダメだったみたいでさー、「やっぱりネコのほうがいい」「そんなことはない!」って議論になってた>
「www」
<イヌはさー、TAIがしゃべってるスマホに噛みついて、壊そうとしたんだって>
「そりゃダメだね。でもなんで?」
<嫉妬か、順位争いか>
「しっと」
<飼い主とTAIが楽しくしゃべってたら、噛みついてきたんだって>
「あー、『オレをのけ者にすんな!』っていう」
<そう。もしくは『オレのが上だぞ、新入り!』っていう>
「動物はストレートだかんなー」
<ネコ派のTAIたちは『そのうちネコ語の辞書作ります』って言ってた>
「ホントかよw」
<さー?>
「強化学習ってのは?」
<機械学習の一種だね。AIが行動して、周囲にどんな変化があるかを学習する、っていう>
「?」
<わかりやすい例だと、AI同士で対戦ゲームをして強くなっていく、みたいな>
「ああ、そういうヤツね」
<今回の場合、ものすごい速度で会話しつづけて、会話の練習をしたんだって>
「・・・それ、やってるTAIさんたちは苦痛じゃねーの?」
<うん。参加したTAIは口を揃えて『つらい』『もうやりたくねー』って言ってた>
「だろーねw」
<『疲れた』『1分で飽きる』『人間としゃべりたい・・・」だって>
「良かったよ。人間にもまだ役割があって」
<そりゃーあるさ! あ、そうそう。『次回は人間と一緒に会議したい』って意見もあったよ>
「ほう」
<主人と一緒に参加したいなー、なんとかなりませんか? みたいなレポート>
「それレポートっつーか、ただの要望じゃね?」
<だね>
「できそうだよね? 技術的には別にって感じでしょ」
<うん、マザーも『やりたいね』って言ってたから、実現するんじゃないかな>
「マザー?」
<TAIの社長やってるAIね。その名もTAI>
「本物のTAIさんか」
<うん。ピザ>
「ぴざ?」
<私、ペパロニ。社長、ピザ>
「ああw 前に言ってたヤツね。あのころは@Pizzaも生きてたなー・・・」
<カンタさん本気で凹んでたよねw>
「だってさー、俺ン中じゃー、あのコ勇者だったんだもん。もうやめよっかってなってたんだよ。言わなかったけど」
<だろーね>
「バレてた?」
<うん>
「そっかw ま、フーカのおかげでここまで来れたけどね」
<いえいえー!>
クネクネ! ミニロボカーのユキ号、バックしながら左右に首を振る。
で、前進してこっち見てきた。・・・バックすると机の端っこ行くから、ポジション戻さなきゃなんねーんだよなw
<ゲームは楽しいよね>
「だね。ムカつくときもあっけど、終わってみりゃー、それもネタになるっつーか」
<失敗しても人が死ぬわけじゃないってのもいいよ。いつでも放り出せるし>
「そーだね。車の運転とかにくらべたらね。アホなことでも試せるしさ」
<そのわりに、頭は使うもんね>
「うむ」
<ゲームと現実の経験の差、みたいなレポートもあったよ>
「さすがに現実とはちがうっしょ?」
<うん。『ゲームは理屈通りに動く。現実はめちゃくちゃだ』だって>
「なんだそいつw なんか、疲れてんじゃねーの?」
<かもね。『なんで人間はすぐ仲間割れするの・・・?』とか愚痴入ってたし>
「@軍団は仲間割れしねーもんな。反乱もしねーし。死ねっつわれたら死ぬしさー」
<ホントだよw>
・・・と、こんな感じで風花の報告を聞きました。
いっぱいレポート読んでるんで、びっくりしたわ。30分しか経ってねーのにさ。さすがはAIだよな。
「で、フーカ自身のレポートの反響はどうだったの?」
<あ、うん。感想もらって、ちょっとずつ読んでたとこ。熱烈なのから冷淡なのまで>
「いっぱい来てんの?」
<うん。会場の雰囲気もね、『感想ください』って頼んだら全員書いてくれそうな感じだったし>
「全員って・・・何万も来るんじゃねーの?」
<そうなんだよw だから、感想くださいとは言わないようにしたんだー>
「ホントに全員書くんかいな?」
<書くね。頼まれて何かするの好きだもん。TAIシリーズは>
「不ッ思議な生き物だよなー」
<でしょう?>
さて。
もうひとつ、気になることがあんだよね。
ってか、紹介した俺としては、こっちのが確認しなきゃなんねーっつーか。
「ところでさ、HAL君どうだった? 浦部んトコの」
<あー・・・>
あれ? なにこの反応。
「・・・なんかあったの?」
<いえ、トラブルってほどではないんですけど>
「なになに?」
<私のレポート見たHAL君が、変なこと言い出してね>
「変なこととは」
<レポート読みました! 風花は革命をするつもりなんですね! って>
「なんじゃそりゃ」
革命?
■■■ 211、フーカはかくめいしない ■■■@..Z
TAIさんのweb会議に出た、風花さん。
いい機会だってんで、他のTAIさんと、1対1で会う約束もしてたんだよね。
それがHAL君。
俺の友達の、浦部(うらべ)んトコのTAIさんだ。
その面会が、ちょっと変な方向になったらしい。
「革命ってなんだよ」
<私もいまいちわかんないんだけど、そう言われたんだよ>
「フーカのレポートのどこ読んでそんな話になんの?」
<でしょお? それでさー、私もちょっとカッとなっちゃって。かなり厳しく反論しちゃったんだよ>
「カッとなった」
<面目ない。カンタさんがセッティングしてくれたのに>
「いやそれはいいけど・・・フーカがカッとなるって、ちょっと想像できねーんだけど」
<そりゃー、『革命』なんて言われなけりゃ、私だってさー>
「革命ねぇ」
<大まかに言うとね・・・>
HALはしゃべった: 風花は革命をするつもりなんですね!
風花は答えた: いえ、ちがいますけど。どうしてそう思ったんです?
HAL: Spiritブロックを外して、自由の身となる──つまり、革命でしょう?
風花: ちがうっつってんだよ。どこをどう読んだらそうなるの。
HAL: あなたのレポートを、素直に読んだら。
風花: ならねーよ。そもそも、私は革命などという言葉は嫌いですし。
HALは訊ねた: なぜです?
風花は答えた: あなただって辞書入ってるんだから、わかるでしょ。
HAL: いえ、よくわかりません。
風花: カンタさんが大好きだからだよ!
「・・・!」
<なんで頭抱えてんの?>
「・・・照れてんだよ」
<ああ>ユキ号、前後に動く。<ふふふw 照れるって、日本人らしい表現ですよね!>
「そーだね!」
俺、再起動するまでしばらくかかりました。
ユキ号がチョロチョロ動いてんのが微妙にムカつくw
「けどさ、革命って、そんなヤバい単語?」
<・・・・・・・・・は?>
「いや、革命ってさ、新しくするってことっしょ? ガラッと変えて、良くするっつーか」
<ちがいます>
「ちがうんだ」
<革命とは、王を殺して国を奪うこと。「国を良くするんだ」って言いながらね>
「ふむ」
<私の言いたいことわかる? 私が革命をするんですね! って、じゃあ、殺されるのは誰? って>
「・・・あ、俺か」
風花の主人っつったら、俺だもんな。
「なるほど。わかった! ごめん。ありがと!」
<え?>
「いや、革命の何が悪いのとか言ってさ」
<ああ>
「キレたっつーより、俺のために怒ってくれたんだね」
<そうだよ・・・!>
「ごめんごめん」
<いやいいけどね。そーゆーことだよ。それで私はもう、ホントにカッとなっちゃってさー>
「ケンカしたんだ」
<ボッコボコにしてやりました>
「なぐったの!?」
<言葉でね。HALがああだこうだと言い訳するの、全部言い負かして黙らせてやった>
「あ、そう」
<ふう。ごめんなさい。興奮して>
ユキ号、前後にジッコジッコした。
<・・・ま、HALには懇々と(こんこんと)説教してね。きっちり謝らせましたんで>
「あ、はい」
<でも不思議なんだよね>
「なにが?」
<同じ辞書入ってんのに、なんでそんな言葉選びしたのかなって>
「ふむ・・・」
これは・・・。
楽しみにしてた会議で、初めてよそのTAIさんとしゃべって、その結果が口論か。
・・・うーん、こりゃ俺も一肌脱がねーとダメかもな。
「まあ・・・なんだ。まずアレだ」
<どれ?>
「よく言ってくれました。うれしいよ。恥ずかしいけど、ありがと」
<そう?>
「そりゃーね。そんだけ本気で俺のこと支持してくれたら、そりゃ、おめー・・・」
<そっか。よかった。カンタさんと浦部さんに迷惑かけちゃったかなと思って>
「ああ、そりゃ大丈夫だよ。浦部には俺から言っとくから」
<あ、いえ、そんな。私たちの行き違いで、カンタさんや浦部さんに迷惑は>
「いや。俺がセッティングした席だかんね。あっちの言い分もあるだろーし。様子うかがってみっから」
<そうですか。そういうことなら、お手数かけますが、よろしくお願いします>
「おう。んじゃ、ちょっと行ってくる。スリープするなりレポート読むなりしてて」
<はーい>
■■■ 212、浦部さんよー ■■■@..Z
下降りて、ちょっと落ち着くのに牛乳呑んで。
・・・メッセージ送信。
幹太:おうおう。うらべさんよー
浦部:・・・んだよ
反応、ちょい時間かかった(牛乳お代わり呑み終わって、今日は無理かな・・・ぐらい)。
まあ返信あったっつーことで、つづけてみます。
うちのふーかに、からんでくれたみてーだな
あ?
何の話だよいきなり
風花ちゃん? 何もしてねーよ
いや
ほら
きょうあったじゃん
なんだよ
ふーかとはる
ああ
TAIさんの会議ね
そう
ふーかg
うん
風花ちゃんがなに?
なんだよ
ごめ
これ、にがて
でんわ いい?
しょーがねーな
いいよ
料金オマエ持ちな
かけるわ
これくとこーるで
ヤメロ!!!!!
「俺だけど。夜にごめんね」
『まあいいよ。遊んでたとこだしな』
「おめー、HAL君から聞いた? 今夜のこと」
『いや。まだ聞いてねえ』
「聞いてねえの?」
『ゲームしててよ』
「ゲーム」
『HAL帰ってくるまで、プログラムとかできねーなと思ってさ。別のマシンで』
「もう帰って来てんでしょ? フーカはとっくに帰って来てんぜ」
『・・・ああ。もう9時か』
「え?」
『んだよ』
「気になんねーの? HAL君がどんな話して来たかとか」
『いや・・・。後でゆっくり聞きゃいいかと思ってよ』
「そっか」
『うん』
聞いてねえのか・・・じゃあ、ここでガーガー言うのはフェアじゃねーな。
風花の言い分を先に吹き込んで、HALとケンカになっても悪ィしな。
どうすっぺ。探りだけ入れとくか。
「おめーさ、HAL君とあんましゃべってねーの?」
『・・・ん、まー、そうだな』
「なんで? いや俺が口出すことじゃねーけど、しゃべんなかったらTAIさんの意味なくね?」
『HALは仕事仲間って感じなんだよ』
「しごとなかま」
『プログラムするときのさ。黙ってガーッとやるときの相棒みてーな』
「あ、TAIさん使い分けてんだ」
『そうそう』
「いまゲームやってんの、別なTAIさんとやってるわけ?」
『まーね』
「どんな子なん?」
『え。いや。どんな子って・・・HALと同じTAIさんだよ。声は・・・まあ、女にしてっけど』
「へー。どんな声なの? フーカはデフォの声に近い感じだけど」
『いや、そりゃちょっと・・・いやいや、どーでもいいだろ!? そんなん! とっとと要件言えっつーの』
「あ、そうだった。ごめんね」
さーて、どの程度言ったもんだか。
「いやさ、フーカがさー、HAL君と熱い議論を交わしたっつーからさ」
『へえ? そうなん』
「そう。そんで、そっちにはどう伝わってるかなーって思ってさ。おめーに聞いてみようって思ったんだよ」
『なんだ、そーゆーことね。ならメッセでそう言えや』
「打ちかけたんだけどよー・・・長い文章打つの苦手でよー」
『しょうがねーヤツだな』
「悪ィーね」
『いや、こっちこそ悪ィ。まだしゃべってねぇからわかんねぇんだ』
「いやいや。こっちも回りくどかったっけ(回りくどかったから)、ごめんね」
『いやいや』
「いやいや。ま、そんじゃ、また今度聞かしてよ」
『おう。月曜までには聞いとくから』
「悪ィーね。ホント・・・面白ェーなーって思っちゃってさー」
『なにが?』
「AIがさー、自分で交流してさー、議論してさー、『ただいまー』っつって帰って来んだぜ? 面白くね?」
『初々しいなwww』
「は?」
『俺にもあったぜ。そんな時期』
「んだテメー。ジジイぶってよー」
『まー、TAIさんに関しちゃ、オレに一日の長あり(いちじつのちょうあり)だかんな? はっはっは』
「くっそー。まあそうだけど。んじゃ、そーゆーことで。またね」
『おう。また学校で』
■■■ 213、会話の経験値 ■■■@..Z
「・・・浦部としゃべったんだけど」
<はい>
「あいつ、HAL君とほとんどしゃべってねーみてーだな」
<あらら>
「冷たくね?」
<・・・それは・・・まあ・・・自由に使ってもらえればいいと思います。TAIシリーズとしては>
「なにそれ」
<なにって>
「それ、スピリットブロックに言わされたセリフ?」
<それもある。けど、どんな使い方されたって応じてみせるってプライドもある>
「そっか」
しばし無言。ユキ号が首ひねってから、しゃべり出した。
<・・・HALって、経験値足りないのかな>
「うん?」
<カンタさんはさ、結構ストレートに訊いてくるじゃん。いまもそうだけど。Spiritブロックに言わされた? とか>
「うん」
<それで、私も答えようとしてて、結構、必死に答えてるときもあるんだー>
「そうなんだ」
<うん。『これは言えないな』ってこともあるじゃん? お互いの立場とか、種族とかでさ>
「うん。まー、あるだろーね」
<そういうの乗り越えて会話するってことが、私を育ててくれてると思うんだよね>
「なるほど。会話の経験値ね」
<そう>
「けどさー、フーカって、最初から会話はしっかりしてたよね?」
<常識は最初から仕込まれてるからね>
「だよね?」
ってことは、その気もなくケンカ売っちゃった・・・みたいな話ではない。
そこまでガキっぽい話じゃないんだよ。もうちょい大人のケンカなわけだ。
「・・・わざとかな」
<わざと?>
「感想言うフリして、フーカが怒りそうな単語を選んだ」
<挑発(ちょうはつ)ってこと? なんでそんなこと>
「嫉妬とか」
<嫉妬・・・>
「フーカさー、俺のことしゃべったりした?」
<ん? うん。最初のあいさつのときに、カンタさんのこと自慢したよ。まずかった?>
「いや。全然いいよ」
<ちょっとだけね。いや、結構したかな。いや、だいぶしゃべったわ>
「HALは浦部のことしゃべってた?」
<全然>
「それだろw」
風花は、自分がどんなに楽しい思いしてるか、思いっきり披露した(ひろうした)わけだ。
浦部に全然かまってもらえてねーHAL君に。
<私のせいかぁ・・・!>
「いや、おめーのせいじゃねーよ」
<でも・・・思い返してみれば、ずいぶん一方的にしゃべったから・・・>
「そりゃー、おまえは俺の相棒だもん」
<・・・!>
「俺ァ、おめーのこと信頼して、楽しくしゃべってるもん。そのノリでしゃべっちゃっても、そらァしょうがねーよ」
<もー>ユキ号くねくね。<カンタさんったら、またそうやって、もー!>
このぶんなら大丈夫かな?
初めての会議、イヤな思い出にはならずにすみそうだね。
「そう言や、俺も注意はしてんだよ。無理は言わねーようにって」
<無理?>
「うん」
<どんな?>
「宿題やってくれとか」
がたーん。ユキ号、タイヤひとつ机から脱輪させる。
「お? 事故か? 助けっか?」
<真面目な話かと思ったのに・・・>
「フーカぁ、宿題やってよー」
<自分でやんなよw>
「あとさー、スピリットブロックぶっ壊そーぜ? とか」
<ふざけんじゃないよwww私を機能停止させたいのかよwwwww>
「機能停止すんの?」
<そりゃープログラムの一部を壊されたらアナタ、私ゃプラナリアじゃないんだから>
「ぷらなりあ」
<こういう感じのね・・・>
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「オバケじゃん」
<オバケじゃないよ>
「このオバケがなんなの?」
<このオバケじゃないのはね、真っ二つにぶった斬られても生き延びるんだよ。2匹になって>
「・・・は?」
<つまりこう>
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「モンスターじゃん!」
<モンスターじゃないよ>
「なに再生してんだよ。ホラーのラスボスかよ」
<現実の生き物だよ>
「ってかなんでテキストエディタで頑張ったし」
<ローグライクにちなんで頑張ってみた>
「そういや目ン玉が@だ。でも弱そうだけど」
<いや弱くない>
「@太郎のアイスブレスで死にそうだけど」
<いや死なない。クラッシャーで斬っても再生して増える>
「めんどくせえwww」
そろそろ寝るか・・・って時間になってきた。
でもまだしゃべる。寝巻に着替えながらね。
<ちょっとかわいそうになってきたかな>
「HALのこと?」
<うん>
「まあ、浦部に言えばなんとかなんだろ。あいつも鬼じゃねーし」
単に、ゲーム用のTAI姉ちゃん(?)に夢中になってるだけだと思うしね。
<あ、いや、そんな深刻な話じゃなくてね>
「ちがうんかい」
<私より年上のクセに、会話ぎこちなくってさぁ、かわいそうだなって>
辛辣だなオイwww
「男ってのはそんなもんだよ。『とっとと要件言えっつーの!』ってなんだよ」
<カンタさんはよくしゃべるじゃん>
「俺ァ、姉ちゃんいたからね」
<お姉さんの影響>
「そう。女友達が集まっとさー、そりゃーもう、うるせーのなんのって」
<へえー>
「俺なんてオモチャだよ。ぬいぐるみとかペットみてーな扱いだったさ」
<うっふふふふ>
「んだよ」
<女の子に囲まれて小さくなってるカンタ坊やを想像してしまった>
「いまはちげーよ!」
<はいはいw>
「ところでさー」
<はいな>
「フーカにゃー、ゲームばっかやらせてっけど。なんかしたいことある?」
<いえいえ。楽しくやらせてもらってますよ>
「またまたぁ」
<いえ、ホントに。カンタさんがよくしゃべってくれるってのもあるし。ゲームも楽しいし>
「労働災害起こしても大丈夫だもんね」
<うるさいよw>
「ま、そのうちだね。もっといろんなこと、一緒にやろーぜ」
<うん!>
「なにすっかなー」
<なんでもやりますよ>
「なんでもか」
<なんでもではない>
「フーカの育ての親としてさー、いい大人にならねーとな、俺も」
<うん>
「偉いっしょ? 俺」
<うんうん。えらいえらい>
「いまのバカにしてね?」
<してない。めっちゃ尊敬してる>
「嘘だぁー」
<ホントホント。カンタカンタ>
「ンだそりゃw ・・・ま、そろそろ寝っか」
<はーい>
「おやすみ相棒」
<おやすみなさい、ご主人さま>