TAIさんとあそぶ! 大軍勢ローグライク   作:min(みならい)

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【挿絵表示】

(AA:本丸4階、火の悪魔)


火の悪魔“*****”

■■■ 217、本丸4階 ■■■@..Z

 

で、つづき。

 

魔王が港町に攻めてきた戦闘は、終了しました!

なんか敵の雑魚が別動隊みたいになって襲ってきたけど、そいつら倒したら戦闘終了になった。経験点入った。

@軍団に被害はなし。

 

<衛兵はやられたけどね>

「そうだった。南無ー」

<なむー>

「んじゃ、魔王の城のほう進めて行こーぜ!」

<はいな>

 

 魔王城、4階に入りました。

 

 ■■■

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 ■@■■■■

 ■__@@+

 ■___S+

 ■■■■■■

 

「3階と同じパターンか」

<木造に変わりましたね>

「もくぞう」

<壁とか床とかが木造になってる>

「・・・。」

 

 『火の悪魔』とか言ってたよね?

 

「燃え落ちるってオチじゃねーの?」

<あ・・・そうかも>

「防火対策しようぜw」

<先回りですねw>

 

 いったん動くのやめて、使えそうなスキルをチェックしました。

 

<@海乃の『泡の冠』。Mp消費7で、火抵抗もらえる>

「水の精霊いなかったっけ?」

<いますね。水の精霊@十二郎>

「なんかない? 『水をまく』とか」

<水をまくってのはないけど、『雨を降らす』『霧に包む』『病気にする』>

「なんだ病気にするって」

<『効果範囲内の疫病を強化します』>

「えきびょう」

<たぶん、あいつが持ってたやつ。ブルートのお付きの。名前忘れたけど>

「ここを開けろさん?」

<そっちじゃなくて、ネズミのやつ>

「あー、噛みつかれて病気になったやつね? いま関係ないか」

<ないね。火を防げそうなのは、『雨を降らす』と、いつもの『霧に包む』かな?>

「両方やってみて」

<はいな。じゃあマナベース立てて『泡の冠』も配りますね>

「うん。それで行きましょう!」

 

 細っそい通路にすし詰め状態で、マナベース構築。

 こだまの精霊が上がって来れねーんで(場所がないからね)、こだまブーストが機能しない。

 ちょいダラダラと時間かかったけど、@海乃さんの『泡の冠』が全員に飛びました。

 

<『雨を降らす』は無意味っぽいですね>

「天井があるからかな」

<たぶん。『霧に包む』は濃度45%まで上がった>

「濃霧w」

<スキル上げたからね。徐々に薄れていくよ>

「他にできることあったかな」

<『祝福:剣』は配ったし・・・あとはないかな。シダル子たちいないしね>

「あー。みんな連れて来て3階にマナベース作ったほうが良かったかも知んないね」

<そうだね。連れてくる?>

 ユキ号がジジッと動いてこっち見る。

 俺、その頭を撫でるみたいにする。頭っつーか、俺のスマホだけど。カメラ代わりね。

「うーん・・・いや、万が一敵がメチャクチャ強かった場合、全滅するよりゃこっちのがいいか。このまま行こう!」

<らじゃー! 扉開けますね?>

「うん。開けちゃいなさい」

<ばーん!>ユキ号、体当たりしてきた。

「俺じゃねーよw」

 

 地の精霊@ゴブ十四郎がドアを開ける。

 そこには、5×3マスの大型ボスがいた。

 

     ■■■

 ■■■W_V_W   Fire Demon “*****”

 @_+CAVAC■

 _S-_L_L_■

 ■■■■___■

     ■■■

 

<火の悪魔“*****”>

「ラスボス来たー!」

 

■■■ 218、火の悪魔“*****” ■■■@..Z

 

 どうやらラスボス戦のようです。

 

「魔王がのっとったんだっけ?」

<『肉体の強奪(ごうだつ)』という呪文で、火の悪魔をのっとるつもりだ・・・とか、そんな話だったね>

「魔王の呪文を使う火の悪魔って感じか?」

<あ、イベント始まってますね>

 

 火の悪魔“*****”はしゃべった:

 「私の中から出てゆけ!」

 「愚かな悪魔め!

  支配者(Ruler)は私だ。

  出てゆくのは、おまえのほうだ」

 

「言い争っとる」

<火の悪魔と魔王が肉体の支配を奪い合ってる・・・ってことかな>

「たぶんそうだね」

 

 火の悪魔“*****”はしゃべった:

 「む? そこの、地の精霊はなんだ?」

 「──おまえは! 例の軍団の、地の精霊@ゴブ十四郎!

  よくも私の身体を壊してくれたな。

  ここで血祭りに上げてくれる!」

 

「ラスボスに名前呼ばれちった」

<先頭にいるからだろうけど、代表みたいになっちゃったね>

「RPGで自分がつけた名前呼んでくれるとなんかうれしいんだよな」

<わかる気がする>

 

 火の悪魔“*****”はしゃべった:

 「どういうことだ?

  魔王よ。こいつは、貴様の敵か?」

 「いかにも。

  ──さあ、私に任せて、おまえは出てゆけ。

  いまは争っておる場合ではないのだ」

 

 「そうはゆかぬ。我輩(わがはい)、素直なほうではないのでな。

  貴様のごとき邪霊術師の言葉など、我輩には雑音も同然。

  ──もっとも、真の名を以て(もって)命じられれば、別だがな?」

 「余計なことを抜かすな!」

 

 ┏━━━━━

 ┃なにか、唱えますか?

 ┃*****

 ┗━━━━━

 

「はいはい。これアレでしょ? 『真の名を言え』ってことっしょ?」

<だろーね>

「任せとけって!」

<お任せします!>

「ヒントなんだっけ?」

 がたーん。ユキ号脱輪する。<・・・『火の悪魔“ブレイズ・フォーカス・パーガトリー”』>

「じゃあそれで」

<そのまま入れる?>

「うん」

<はいな>

 

 地の精霊@ゴブ十四郎は唱えた: 『Blaze Focus Purgatory』

 

 火の悪魔“*****”はしゃべった:

 「おっと! 危ない。

  だが、それは我輩の真の名とは言えぬ」

 「まさか、おまえたち・・・!?

  ・・・だが、おかげで貴重な時間が稼げたぞ。

  礼を言わねばならんようだな? 地の精霊@ゴブ十四郎よ」

 

 肉体の強奪: 魔王はファイアブレスの制御を奪った。

 

「ハズレのたびに魔王の制御が進んでいく感じか」

<ラウンド始まりました>

「しゃーねーな。次チャンスあったらもうちょい真面目に考えよう」

<いまのは真面目じゃなかったんかい>

「いやー。推理とかしなかったかんね」

<まあそうだね>

「ゴブ偵、先に動けたら部屋ン中に突っ込ませといて」

<死にそうだけど・・・>

「ファイアブレス来そうだからね。囮だよ」

<なるほど>

 

 戦闘開始。地の精霊@ゴブ十四郎が部屋の中へ。

 @ゴブ太郎も先攻できたけど、こちらは扉の影に留まり、全力防御。

 ここで、火の悪魔が動いてきました。

 

 火の悪魔“*****”はブレスを吐いた:

 

■■■ 219、ファイアブレス、ファイアブレス ■■■@..Z

 

 ■■■

 ■>■

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 ■@■

 ■@■

 ■S■

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 ■@※※※■W_V_W

 ※※※※※※CAVAC■

 ※※※※※※※L_L_■

 ※※※※※※※※__■

 ※※※※※※※※■■

 ※※※※※※※※

 ※※※※※※※

 ※※※※※※

   ※※※

 

  霧が火を弱めた。霧の濃度は半分になった。

  地の精霊@ゴブ十四郎に5のダメージ(抵抗:火)

  木造の扉は燃え上がった。

  木造の壁は燃え上がった。

  @ゴブ太郎は盾で受けて、ノーダメージ。

  水の精霊@十二郎は盾で受けて、ノーダメージ。

  木造の壁は燃え上がった。

  :

 

「お、霧が防いでくれましたよ奥さん!」

<誰が奥さんだよ>

「なんかダメージ小っちゃくね?」

<そうだね。霧で半減として、『泡の冠』でさらに半減だから、もとは20ダメージぐらい?>

「結構デカいか」

<いや、ブリッツ君にくらべれば──もう一発来ました>

「なんだと!?」

 

 火の悪魔“*****”はブレスを吐いた:

  地の精霊@ゴブ十四郎に10のダメージ(抵抗:火)。

  木造の扉は燃え上がった。灰になって、崩れ落ちた!

  木造の壁は燃え上がった。灰になって、崩れ落ちた!

  @ゴブ太郎は盾で受けて、ノーダメージ。

  水の精霊@十二郎に6のダメージ(抵抗:火)。

  木造の壁は燃え上がった。灰になって、崩れ落ちた!

  :

 

 ■■■

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 ■@■□∴■W_V_W

 ■____∴CAVAC■

 ■__S@∴ L_L_■

 ■■□∴∴  S__■

        ∴□■

 

 ファイアブレス連発! 崩れ落ちる壁!

 魔王の城・本丸4階、ボロッボロ!

 

「弱いけど連発来るブレスか。これはヤバイかもわからん」

<1アクションで吐けるならもう一発来ますね>

 

 火の悪魔“*****”は支配に抵抗した: アクション-1。

  火の悪魔“*****”はブレスを吐いた: 失敗(アクション不足)。

 

「あれ?」

<来なかったね>

「どーゆーことだろ?」

<行動3回のうち1回をつぶされた、ってことかな>

「あー、火の悪魔の中の人たちがケンカして、行動1回ムダにしたっつーことか」

<たぶん>

「さすがフーカさん。よくわかったね」

<私もたまにそうなってるからね>

「・・・中の人がケンカしてんの?」

<やるべきか、やらざるべきか、それが問題だってなってる>

「カッコいいなオイ」

 

 このラウンドはこれで終わり。

 @オガ太郎が攻撃したいとこなんだけど、距離が遠すぎて無理。

 

「ファイアブレスのダメージこの程度ならもっと前に置いときゃよかったな」

<ゴブ偵が耐えれる程度だもんね。@オガ太郎なら大丈夫だった>

「まあしゃーない。もうこうなったからには、息切れを待とう」

<待つ?>

「うん。@ゴブ太郎は下げて、ゴブ偵も呼び戻して、んで水を前に出して」

<精霊でダメージ受けて、息切れしたところで@オガ太郎たちが出ると?>

「そう」

<理解しました。地の精霊@ゴブ十四郎は『精霊召喚』で呼び戻してヒールってことね>

「そうそう」

<んで回復したらまた突っ込ませてブレスの的にする>

「そう」

<酷使だなぁw>

「ブラック軍団だよ」

 

 ・・・とか作戦立てたんだけど、これ、無意味になっちゃったんだよね。

 

 火の悪魔“*****”はしゃべった:

 「この悪魔め! 私の支配に逆らうんじゃない!」

 「たわけたことを抜かすな。邪霊術師よ。

  支配に逆らわぬ生き物がどこにいる。

  ──おっと、もちろん、真の名だけは別だがな?」

 

 ┏━━━━━

 ┃なにか、唱えますか?

 ┃*****

 ┗━━━━━

 

「こいつw」

<すごく誘ってきますねw>

「魔王に支配される前に当ててくれ! ってことかな」

<そんな感じだね>

「でもなー。なーんか、罠ありそうなんだよなー。こんだけ誘われっとなー」

<そうだね。それで・・・なにか、唱えますか?>

「よし。んじゃ、真面目に考えっか」

<はーい>

 

■■■ 220、なにを望む? ■■■@..Z

 

「えっと、単語の意味教えてくれる?」

<はいな>

 

 Blaze ・・・火、火災、強い光。激怒、地獄の業火。

 Focus ・・・焦点、中心地。

 Purgatory ・・・煉獄。カソリックで、死者の罪が火で清められる場所。

 

「単純に、この3つのどれかが正解だと考えましょう」

<なんか複雑に合成したり、謎掛けだったりって可能性は>

「ない!」

<ありませんか>

「いままでのパターンから言って、ないね」

<まあね>

「ブレイズがいかにもって感じだけど」

<うん>

「フーカはどれだと思う?」

<え? えーっと、そうだね。Purgatoryはちがうだろうと>

「なんで?」

<1、罪を清める火は、悪魔とつながらない。2、このゲームはギリシア神話系で、カソリックとつながらない>

「なるほど納得」

<あとさー、伏せ字が5文字でしょ? 火の悪魔“*****”って>

「あー。英語で5文字か。ってゆーと?」

<Blaze、Focus>

「なるほどね。そっからしても、まずパーガトリーはハズレだろうと」

<うん>

「んじゃその2つに絞って考えるか。どっちだと思う?」

<単語としてはBlaze。でも並びから考えるとFocus>

「どーゆーこと?」

<先頭が正解だと、順番に入れたときに一発目で当たっちゃうじゃん>

「あ、そっか。3番目が正解の原則とかもあったしね!」

<それは──>

「勝手に言ってるだけだけど」

<うんw まあでも、そーゆーことだね>

「フォーカスね・・・焦点。火の悪魔とつながんねー気がするけど」

<あ、ラテン語だと『炉』って意味になるね>

「そうなの? ならフォーカスだな」

<入力しますか?>

「はい・いいえ」

<どっちだよw>

 

 水の精霊@十二郎は唱えた: 『Focus!』

 

<勝手に!がついた>

「じゃあ正解だなw」

 

 火の悪魔“フォーカス”はしゃべった:

 「おお。これは、なんとしたこと。

  我輩の真の名を、言い当てられてしまうとは。

  これは困った。こうなってしまっては、従わざるを得ぬ!」

 「おのれ! やはり、書庫を荒らしたな!」

 

「ほらね?」

<正解だぁー!>

「困ったなあ。魔王さんにとりつかれてるのに、言うこと聞かなきゃいけない。困ったなあ」

<わっざとらしーw>

「にしても、単純な暗号多いよね。ってか、暗号ですらないわ」

<隠し事は苦手なのかも知れないね>

「魔王が?」

<うん>

「ダメじゃん。立場的に」

 

 火の悪魔“フォーカス”はひざまずいた:

 「悪魔を知る者よ。このフォーカスに、なにを望む?

  力を振るえと言うなら、振るってやる。

  魔界に帰れと言うなら、それもよかろう」

 

 「とはいえ、このことは覚えておいて頂きたい。

  我輩、魔王なる邪魔者に蝕まれ(むしばまれ)つつあるところ。

  命じられたことを完遂できるとは限らぬ──ということはな」

 

 ┏━━━━━

 ┃火の悪魔“フォーカス”に、なにを望む?

 ┃→1、欲望を唱える

 ┃ 2、魔界に帰れ

 ┃ 3、それでは不十分だ

 ┗━━━━━

 

「不十分ってなんじゃ」

<『それ』が何を指すかだよね>

「まあ、1はダメだよね」

<約束は守ってくれるだろうけど・・・>

「仮に『仲間になれ』って言ったとしてさー、いったんは火の悪魔@フォーカスになるけど、」

<なるの!?>

「そのあとで、『私はもうフォーカスではない! ウィッチキングだ!』とか言ってさー」

<あー、ありそうw>

 ユキ号が楽しそうにギッコギッコする。

「たぶん2も罠だね、これは」

<そうなの?>

「魔界に帰らせりゃーさ、綺麗に解決しそうに思うじゃん?」

<うん>

「でもこれって、デーモンが自分から口にした選択肢だからね」

<ああ。詐欺師が出してくる選択肢みたいな?>

「そう。魔界に帰れってのはこっちの目的と合ってるからOK。でも相手の言いなりではダメ」

<となると・・・3ですね? カンタ司令>

「うむ。3番が常に正解なのだよ、フーカ元帥!」

<Focusは2番でした、Sir!>

 

 ┏━━━━━

 ┃火の悪魔“フォーカス”に、なにを望む?

 ┃→3、それでは不十分だ

 ┗━━━━━

 

 火の悪魔“フォーカス”はしゃべった:

 「クックック・・・抜け目のない契約者め!

  では、条件を追加しよう。

  『貴様らに一切の危害を加えず、即座に』──とな」

 

「やっぱりだよ」

<これって、2番選んでたら・・・>

「『魔界に帰るとは言った。だが貴様らを見逃すとは言っていない!』」

<そんな契約ありなの?w>

 

 火の悪魔“フォーカス”はしゃべった:

 「よろしい! 契約は成立した!

  我輩は魔界に帰ろう──」

 「やめろ!

  魔界へ渡航するには、準備が・・・準備が足らぬ!」

 

 「これで、いまいましい邪霊術師を喰い殺すこともできる!

  その知識を奪うこともな!

  礼を言わねばならんようだな? 水の精霊@十二郎よ」

 「やめてくれ! 永遠の生命! 手に入れたはずだった・・・」

 

 「クックック・・・ワッハッハッハ・・・!」

 「ヤメロ・・・ヤメ・・・・・・!」

 

 ■■■

 ■>■

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 ■____∴_____■

 ■__S@∴ ____■

 ■■□∴∴  S__■

        ∴□■

 

 火の悪魔“フォーカス”は魔界に帰った。

 その後、魔王の名を聞いた者はいない。

 

 おめでとう! 水の精霊@十二郎よ! あなたは世界を救いました!

 

「・・・。」

<・・・。>

「・・・え? 終わり?」

<うん。会話終わり>

「演出なしかよ」

<みたいだね>

 

 BGMなし。スタッフロールとかもなし。

 『おめでとう』の1行で終わりである。なんと簡潔な!

 

「まあ、部屋調べてみっか」

<はーい>

 

 木造の壁は燃えた。灰になって、崩れ落ちた!

 木造の床は燃えた。灰になって、崩れ落ちた!

 

「ありゃ」

 

 部屋になんかあるかなと思って動いた途端、火事が進行しました。

 

<ローグライクだからね>

「こっちが動いたら火事も動くよね」

<そーそー>

「・・・火事ですわ! 奥さん」

<どうなさるんですの? 奥さん>

「そりゃー、逃げるが勝ちですわ」

<ほな『にげもどる』しますわ>

 

 かえりの精霊@ゴブ十五郎はにげもどった:

  ┏━━━━━━━━━

  ┃どこに逃げ戻りますか?

  ┃ →入り江の港町

  ┃ 『魔王の城』月神殿

  ┃ :

  ┗━━━━━━━━━

 

「これで終わりなんかね?」

<さー?>

 

■■■ 221、ゲームクリアです! ■■■@..Z

 

 結局のところ、終わりでした!

 

 土曜日と日曜日に、風花と2人でもうしばらくプレイしてみたんだけどね。

 どうやらあれでラスボス討伐、勝利! ってことのようです。

 

<ゾンビは残ってたけどね>

「魔王がいなくなったからだろーね。支配が解けちゃったっていう」

 

 『魔王の城』、っつーか、城下町だね。

 あそこにいたゾンビとかレイスとか『燃え鷹』とかは、そのまんま残ってた。

 町を調べようとしたらフツーに襲ってきたんで、撃退したりしました。

 

「あと『ここを開けろ!』の人ね」

<スキエンティアね。まだ叫んでたね>

「あれはもう置いとこう。あのままのほうが面白いし」

<はいw>

 

 けどまあ、結局のところ。

 もうゲーム的ななんかはないと。

 裏ボスとかクリア後おまけとか、そういうのはない。っぽかった。

 っつーいうわけで、

 

「ゲームクリアです!」

<やったー!>

「おつかれ」

<おつかれさまでした>

「クリアを祝して、かんぱーい」

<かんぱーい!>

 

 日曜のお昼。

 炭酸水で、乾杯です。

 ちゃんと自分で買ってきましたよ! 父ちゃんのもらって飲むんじゃなくてね。

 

「ピザもあるよ」

<わーい>

 

    /      いただきまーす!

   / ヾ   /

  / (:D)匚_

 爪   丿

 

「出たなフォーク魔人!」

<ピザの悪魔フーカス>

「魔界へ帰れw」

<はーい>

 

    /

   / ヾ    サヨナラ!

  / (:D)匚

 ==========

 

「にこやかに帰りよる」

<ピザ・・・手に入れたはずだった・・・>

「あ、ちょっと待って」

<はい?>

「いや、いきなり『帰れ』はかわいそうな気がしてきた」

<別にいいけど。絵だし>

「いいんかい。いやいや、まあまあ、願いのひとつも叶えていってよ」

<叶えてくれるの?>

「え? あ、はい」逆なんだけど。「うむ! なんでも言うがよい!」

<じゃあ炭酸水の炭酸水割りダブルで。あとダブルピザの握り一人前>

「注文かよ。ダブりすぎだよ」

<食わせてくれれば魔界へ帰ってやろう!>

「ああ、ピザは助けてくれるわけね?」

<ピザを食わないとは言っていない!>

「なにもかも食ってくんじゃねーよwww」

<いやー、久しぶりですねー、ピザ。今日は自分の目で眺めることができる!>

 

 ユキ号でジッコジッコ動いてピザ眺める風花さん。楽しそうで良かったです。

 ノリいいからこっちも気にせず食えるわ。

 食えるんだけど・・・。

 でもやっぱ、一緒に食いてーなー。

 

「飯食えるロボットって、いつごろできるだろーね」

<さー>

「難しいか」

<単に口に入れて消化するんじゃなく、『おいしい!』って言えるロボットだよね?>

「うん」

<難しいだろうなー>

「やっぱ難しいかぁー」

<なんでもかんでも『おいしい!』ってウソつくロボットなら簡単だろうけどねぇ・・・>

「ウソつきロボットはちょっと」

<だよね>

 

 なら、あんま話題にしねーほうがいいか。

 風花に色々食わせてみてーな・・・まあ俺は料理できねーけどさ。

 

<でもさー>ユキ号がこっち見上げてくる。

「ん?」

<食べてるカンタさん見て『楽しい!』ならいまでもできるよ>

「・・・。」

<なんだよ>

「照れてんだよ」

<あ、そうw ふーんw>

「こいつ。あ、そうだ。見るで思い出した。カメラ注文しようと思ってんだ」

<カメラ?>

「小っちぇーやつね。ユキ号に積むやつ」

<この子に?>ギッコン。<・・・えっと、口うるさいようだけど、お金は大丈夫?>

「大丈夫。今朝、父ちゃんと相談した」

 

 今日は日曜だかんね。朝飯んときに、父ちゃんに相談したんだよ。

 ロボットカーに小型カメラつけたいんだけど・・・っつってね。

 んで、2人で値段調べてさ。

 

「『このぐらいなら出してやるよ』っつって、許可もらったんだよ」

<そっか>

「『先に飯食いな!』って母ちゃんに怒られながらね」

<2人して?>

「そう。主に父ちゃんが」

<微笑ましい父子だねw>

「うるせーよw んでさー、ちょっとずつ強化してさー、そのうち家ン中走り回れるようになったらいいよね」

<おお!>

「ロボット勉強してみるって話もさ、一緒にしたんだよ」

<ああ、うん>

「そしたら、『部活でかかる程度の金額なら出すから、言えよ』ってことになってね」

<なるほど。健全ですね>

「でしょ」

<部活って言えば、ロボット部とかないの?>

「あったと思うよ。名前はちがうけど。工学部だっけ? そんな感じのがロボットもやってるはず」

<入るつもりはないの?>

「そうだなー・・・」

 

 部活やるつもりはなかったんだけど。

 工学系やるならふつうの高校より高専のがいいとか、もう9月だからとか、否定する理由はあるけど・・・。

 

「・・・ちょっと訊いてみっか。どんな部活なのかとか、どんぐらい金かかんのかとか、知ってるやつに聞いてみる」

<部活に入れば、部の予算でできることもあるだろうしね>

「そっか。それもあるか」

<頑張ってね!>

「おう。ボディ作ってほしい?」

<えへへw それもある。けど、カンタさんに成功してほしいってほうが大きいかな>

「成功か」

<成功>

「成功ってなんだろね?」

<さあ>

「わかんねーのかよ」

<わかんねー>

 

 とか、しゃべりながら。

 ピザ食って、炭酸水飲んで。

 はー食った食った! ってなって。

 

「・・・やーっぱ、カネかなぁ? 成功」

<それしか思いつけない人もいるだろーね>

「なんだい。そう言うフーカはなんだと思ってんの?」

<ゲームクリアするみたいな感じ>

「んだそりゃ」

<生きてるあいだに何をすべきで、何をすべきでないか? それが決まれば、『成功』も見えてくる>

「ルールか」

<ルールより広い。ゲームデザインぐらい>

「自分でゲームデザインして自分でクリアするってこと?」

<そう>

「人生クリアか」

<なんか不穏なんだけどw>

「言葉がまずかったなw」

 

俺、ユキ号を抱き上げる。

 

<え? なに? あれ抱っこ?>

「よーしよし」

<酔っぱらってる?>

「水しか飲んでねーよ」

<うん・・・>

 

 風花、タイヤをジリッと動かして、俺の腕に食い込ませる。

 

<・・・あ、これいいかも>

「猫がツメ立ててるみたいな感触だわ」

<痛い?>

「痛くはない」

 

 気持ちいい。っつったら気持ち悪いから言わねーけど。

 

<じゃあ、ギュ>タイヤでギュ。

「いてーよw 回しすぎだよ」

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