TAIさんとあそぶ! 大軍勢ローグライク 作:min(みならい)
■■■ 217、本丸4階 ■■■@..Z
で、つづき。
魔王が港町に攻めてきた戦闘は、終了しました!
なんか敵の雑魚が別動隊みたいになって襲ってきたけど、そいつら倒したら戦闘終了になった。経験点入った。
@軍団に被害はなし。
<衛兵はやられたけどね>
「そうだった。南無ー」
<なむー>
「んじゃ、魔王の城のほう進めて行こーぜ!」
<はいな>
魔王城、4階に入りました。
■■■
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「3階と同じパターンか」
<木造に変わりましたね>
「もくぞう」
<壁とか床とかが木造になってる>
「・・・。」
『火の悪魔』とか言ってたよね?
「燃え落ちるってオチじゃねーの?」
<あ・・・そうかも>
「防火対策しようぜw」
<先回りですねw>
いったん動くのやめて、使えそうなスキルをチェックしました。
<@海乃の『泡の冠』。Mp消費7で、火抵抗もらえる>
「水の精霊いなかったっけ?」
<いますね。水の精霊@十二郎>
「なんかない? 『水をまく』とか」
<水をまくってのはないけど、『雨を降らす』『霧に包む』『病気にする』>
「なんだ病気にするって」
<『効果範囲内の疫病を強化します』>
「えきびょう」
<たぶん、あいつが持ってたやつ。ブルートのお付きの。名前忘れたけど>
「ここを開けろさん?」
<そっちじゃなくて、ネズミのやつ>
「あー、噛みつかれて病気になったやつね? いま関係ないか」
<ないね。火を防げそうなのは、『雨を降らす』と、いつもの『霧に包む』かな?>
「両方やってみて」
<はいな。じゃあマナベース立てて『泡の冠』も配りますね>
「うん。それで行きましょう!」
細っそい通路にすし詰め状態で、マナベース構築。
こだまの精霊が上がって来れねーんで(場所がないからね)、こだまブーストが機能しない。
ちょいダラダラと時間かかったけど、@海乃さんの『泡の冠』が全員に飛びました。
<『雨を降らす』は無意味っぽいですね>
「天井があるからかな」
<たぶん。『霧に包む』は濃度45%まで上がった>
「濃霧w」
<スキル上げたからね。徐々に薄れていくよ>
「他にできることあったかな」
<『祝福:剣』は配ったし・・・あとはないかな。シダル子たちいないしね>
「あー。みんな連れて来て3階にマナベース作ったほうが良かったかも知んないね」
<そうだね。連れてくる?>
ユキ号がジジッと動いてこっち見る。
俺、その頭を撫でるみたいにする。頭っつーか、俺のスマホだけど。カメラ代わりね。
「うーん・・・いや、万が一敵がメチャクチャ強かった場合、全滅するよりゃこっちのがいいか。このまま行こう!」
<らじゃー! 扉開けますね?>
「うん。開けちゃいなさい」
<ばーん!>ユキ号、体当たりしてきた。
「俺じゃねーよw」
地の精霊@ゴブ十四郎がドアを開ける。
そこには、5×3マスの大型ボスがいた。
■■■
■■■W_V_W Fire Demon “*****”
@_+CAVAC■
_S-_L_L_■
■■■■___■
■■■
<火の悪魔“*****”>
「ラスボス来たー!」
■■■ 218、火の悪魔“*****” ■■■@..Z
どうやらラスボス戦のようです。
「魔王がのっとったんだっけ?」
<『肉体の強奪(ごうだつ)』という呪文で、火の悪魔をのっとるつもりだ・・・とか、そんな話だったね>
「魔王の呪文を使う火の悪魔って感じか?」
<あ、イベント始まってますね>
火の悪魔“*****”はしゃべった:
「私の中から出てゆけ!」
「愚かな悪魔め!
支配者(Ruler)は私だ。
出てゆくのは、おまえのほうだ」
「言い争っとる」
<火の悪魔と魔王が肉体の支配を奪い合ってる・・・ってことかな>
「たぶんそうだね」
火の悪魔“*****”はしゃべった:
「む? そこの、地の精霊はなんだ?」
「──おまえは! 例の軍団の、地の精霊@ゴブ十四郎!
よくも私の身体を壊してくれたな。
ここで血祭りに上げてくれる!」
「ラスボスに名前呼ばれちった」
<先頭にいるからだろうけど、代表みたいになっちゃったね>
「RPGで自分がつけた名前呼んでくれるとなんかうれしいんだよな」
<わかる気がする>
火の悪魔“*****”はしゃべった:
「どういうことだ?
魔王よ。こいつは、貴様の敵か?」
「いかにも。
──さあ、私に任せて、おまえは出てゆけ。
いまは争っておる場合ではないのだ」
「そうはゆかぬ。我輩(わがはい)、素直なほうではないのでな。
貴様のごとき邪霊術師の言葉など、我輩には雑音も同然。
──もっとも、真の名を以て(もって)命じられれば、別だがな?」
「余計なことを抜かすな!」
┏━━━━━
┃なにか、唱えますか?
┃*****
┗━━━━━
「はいはい。これアレでしょ? 『真の名を言え』ってことっしょ?」
<だろーね>
「任せとけって!」
<お任せします!>
「ヒントなんだっけ?」
がたーん。ユキ号脱輪する。<・・・『火の悪魔“ブレイズ・フォーカス・パーガトリー”』>
「じゃあそれで」
<そのまま入れる?>
「うん」
<はいな>
地の精霊@ゴブ十四郎は唱えた: 『Blaze Focus Purgatory』
火の悪魔“*****”はしゃべった:
「おっと! 危ない。
だが、それは我輩の真の名とは言えぬ」
「まさか、おまえたち・・・!?
・・・だが、おかげで貴重な時間が稼げたぞ。
礼を言わねばならんようだな? 地の精霊@ゴブ十四郎よ」
肉体の強奪: 魔王はファイアブレスの制御を奪った。
「ハズレのたびに魔王の制御が進んでいく感じか」
<ラウンド始まりました>
「しゃーねーな。次チャンスあったらもうちょい真面目に考えよう」
<いまのは真面目じゃなかったんかい>
「いやー。推理とかしなかったかんね」
<まあそうだね>
「ゴブ偵、先に動けたら部屋ン中に突っ込ませといて」
<死にそうだけど・・・>
「ファイアブレス来そうだからね。囮だよ」
<なるほど>
戦闘開始。地の精霊@ゴブ十四郎が部屋の中へ。
@ゴブ太郎も先攻できたけど、こちらは扉の影に留まり、全力防御。
ここで、火の悪魔が動いてきました。
火の悪魔“*****”はブレスを吐いた:
■■■ 219、ファイアブレス、ファイアブレス ■■■@..Z
■■■
■>■
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※※※※※※
※※※
霧が火を弱めた。霧の濃度は半分になった。
地の精霊@ゴブ十四郎に5のダメージ(抵抗:火)
木造の扉は燃え上がった。
木造の壁は燃え上がった。
@ゴブ太郎は盾で受けて、ノーダメージ。
水の精霊@十二郎は盾で受けて、ノーダメージ。
木造の壁は燃え上がった。
:
「お、霧が防いでくれましたよ奥さん!」
<誰が奥さんだよ>
「なんかダメージ小っちゃくね?」
<そうだね。霧で半減として、『泡の冠』でさらに半減だから、もとは20ダメージぐらい?>
「結構デカいか」
<いや、ブリッツ君にくらべれば──もう一発来ました>
「なんだと!?」
火の悪魔“*****”はブレスを吐いた:
地の精霊@ゴブ十四郎に10のダメージ(抵抗:火)。
木造の扉は燃え上がった。灰になって、崩れ落ちた!
木造の壁は燃え上がった。灰になって、崩れ落ちた!
@ゴブ太郎は盾で受けて、ノーダメージ。
水の精霊@十二郎に6のダメージ(抵抗:火)。
木造の壁は燃え上がった。灰になって、崩れ落ちた!
:
■■■
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ファイアブレス連発! 崩れ落ちる壁!
魔王の城・本丸4階、ボロッボロ!
「弱いけど連発来るブレスか。これはヤバイかもわからん」
<1アクションで吐けるならもう一発来ますね>
火の悪魔“*****”は支配に抵抗した: アクション-1。
火の悪魔“*****”はブレスを吐いた: 失敗(アクション不足)。
「あれ?」
<来なかったね>
「どーゆーことだろ?」
<行動3回のうち1回をつぶされた、ってことかな>
「あー、火の悪魔の中の人たちがケンカして、行動1回ムダにしたっつーことか」
<たぶん>
「さすがフーカさん。よくわかったね」
<私もたまにそうなってるからね>
「・・・中の人がケンカしてんの?」
<やるべきか、やらざるべきか、それが問題だってなってる>
「カッコいいなオイ」
このラウンドはこれで終わり。
@オガ太郎が攻撃したいとこなんだけど、距離が遠すぎて無理。
「ファイアブレスのダメージこの程度ならもっと前に置いときゃよかったな」
<ゴブ偵が耐えれる程度だもんね。@オガ太郎なら大丈夫だった>
「まあしゃーない。もうこうなったからには、息切れを待とう」
<待つ?>
「うん。@ゴブ太郎は下げて、ゴブ偵も呼び戻して、んで水を前に出して」
<精霊でダメージ受けて、息切れしたところで@オガ太郎たちが出ると?>
「そう」
<理解しました。地の精霊@ゴブ十四郎は『精霊召喚』で呼び戻してヒールってことね>
「そうそう」
<んで回復したらまた突っ込ませてブレスの的にする>
「そう」
<酷使だなぁw>
「ブラック軍団だよ」
・・・とか作戦立てたんだけど、これ、無意味になっちゃったんだよね。
火の悪魔“*****”はしゃべった:
「この悪魔め! 私の支配に逆らうんじゃない!」
「たわけたことを抜かすな。邪霊術師よ。
支配に逆らわぬ生き物がどこにいる。
──おっと、もちろん、真の名だけは別だがな?」
┏━━━━━
┃なにか、唱えますか?
┃*****
┗━━━━━
「こいつw」
<すごく誘ってきますねw>
「魔王に支配される前に当ててくれ! ってことかな」
<そんな感じだね>
「でもなー。なーんか、罠ありそうなんだよなー。こんだけ誘われっとなー」
<そうだね。それで・・・なにか、唱えますか?>
「よし。んじゃ、真面目に考えっか」
<はーい>
■■■ 220、なにを望む? ■■■@..Z
「えっと、単語の意味教えてくれる?」
<はいな>
Blaze ・・・火、火災、強い光。激怒、地獄の業火。
Focus ・・・焦点、中心地。
Purgatory ・・・煉獄。カソリックで、死者の罪が火で清められる場所。
「単純に、この3つのどれかが正解だと考えましょう」
<なんか複雑に合成したり、謎掛けだったりって可能性は>
「ない!」
<ありませんか>
「いままでのパターンから言って、ないね」
<まあね>
「ブレイズがいかにもって感じだけど」
<うん>
「フーカはどれだと思う?」
<え? えーっと、そうだね。Purgatoryはちがうだろうと>
「なんで?」
<1、罪を清める火は、悪魔とつながらない。2、このゲームはギリシア神話系で、カソリックとつながらない>
「なるほど納得」
<あとさー、伏せ字が5文字でしょ? 火の悪魔“*****”って>
「あー。英語で5文字か。ってゆーと?」
<Blaze、Focus>
「なるほどね。そっからしても、まずパーガトリーはハズレだろうと」
<うん>
「んじゃその2つに絞って考えるか。どっちだと思う?」
<単語としてはBlaze。でも並びから考えるとFocus>
「どーゆーこと?」
<先頭が正解だと、順番に入れたときに一発目で当たっちゃうじゃん>
「あ、そっか。3番目が正解の原則とかもあったしね!」
<それは──>
「勝手に言ってるだけだけど」
<うんw まあでも、そーゆーことだね>
「フォーカスね・・・焦点。火の悪魔とつながんねー気がするけど」
<あ、ラテン語だと『炉』って意味になるね>
「そうなの? ならフォーカスだな」
<入力しますか?>
「はい・いいえ」
<どっちだよw>
水の精霊@十二郎は唱えた: 『Focus!』
<勝手に!がついた>
「じゃあ正解だなw」
火の悪魔“フォーカス”はしゃべった:
「おお。これは、なんとしたこと。
我輩の真の名を、言い当てられてしまうとは。
これは困った。こうなってしまっては、従わざるを得ぬ!」
「おのれ! やはり、書庫を荒らしたな!」
「ほらね?」
<正解だぁー!>
「困ったなあ。魔王さんにとりつかれてるのに、言うこと聞かなきゃいけない。困ったなあ」
<わっざとらしーw>
「にしても、単純な暗号多いよね。ってか、暗号ですらないわ」
<隠し事は苦手なのかも知れないね>
「魔王が?」
<うん>
「ダメじゃん。立場的に」
火の悪魔“フォーカス”はひざまずいた:
「悪魔を知る者よ。このフォーカスに、なにを望む?
力を振るえと言うなら、振るってやる。
魔界に帰れと言うなら、それもよかろう」
「とはいえ、このことは覚えておいて頂きたい。
我輩、魔王なる邪魔者に蝕まれ(むしばまれ)つつあるところ。
命じられたことを完遂できるとは限らぬ──ということはな」
┏━━━━━
┃火の悪魔“フォーカス”に、なにを望む?
┃→1、欲望を唱える
┃ 2、魔界に帰れ
┃ 3、それでは不十分だ
┗━━━━━
「不十分ってなんじゃ」
<『それ』が何を指すかだよね>
「まあ、1はダメだよね」
<約束は守ってくれるだろうけど・・・>
「仮に『仲間になれ』って言ったとしてさー、いったんは火の悪魔@フォーカスになるけど、」
<なるの!?>
「そのあとで、『私はもうフォーカスではない! ウィッチキングだ!』とか言ってさー」
<あー、ありそうw>
ユキ号が楽しそうにギッコギッコする。
「たぶん2も罠だね、これは」
<そうなの?>
「魔界に帰らせりゃーさ、綺麗に解決しそうに思うじゃん?」
<うん>
「でもこれって、デーモンが自分から口にした選択肢だからね」
<ああ。詐欺師が出してくる選択肢みたいな?>
「そう。魔界に帰れってのはこっちの目的と合ってるからOK。でも相手の言いなりではダメ」
<となると・・・3ですね? カンタ司令>
「うむ。3番が常に正解なのだよ、フーカ元帥!」
<Focusは2番でした、Sir!>
┏━━━━━
┃火の悪魔“フォーカス”に、なにを望む?
┃→3、それでは不十分だ
┗━━━━━
火の悪魔“フォーカス”はしゃべった:
「クックック・・・抜け目のない契約者め!
では、条件を追加しよう。
『貴様らに一切の危害を加えず、即座に』──とな」
「やっぱりだよ」
<これって、2番選んでたら・・・>
「『魔界に帰るとは言った。だが貴様らを見逃すとは言っていない!』」
<そんな契約ありなの?w>
火の悪魔“フォーカス”はしゃべった:
「よろしい! 契約は成立した!
我輩は魔界に帰ろう──」
「やめろ!
魔界へ渡航するには、準備が・・・準備が足らぬ!」
「これで、いまいましい邪霊術師を喰い殺すこともできる!
その知識を奪うこともな!
礼を言わねばならんようだな? 水の精霊@十二郎よ」
「やめてくれ! 永遠の生命! 手に入れたはずだった・・・」
「クックック・・・ワッハッハッハ・・・!」
「ヤメロ・・・ヤメ・・・・・・!」
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火の悪魔“フォーカス”は魔界に帰った。
その後、魔王の名を聞いた者はいない。
おめでとう! 水の精霊@十二郎よ! あなたは世界を救いました!
「・・・。」
<・・・。>
「・・・え? 終わり?」
<うん。会話終わり>
「演出なしかよ」
<みたいだね>
BGMなし。スタッフロールとかもなし。
『おめでとう』の1行で終わりである。なんと簡潔な!
「まあ、部屋調べてみっか」
<はーい>
木造の壁は燃えた。灰になって、崩れ落ちた!
木造の床は燃えた。灰になって、崩れ落ちた!
「ありゃ」
部屋になんかあるかなと思って動いた途端、火事が進行しました。
<ローグライクだからね>
「こっちが動いたら火事も動くよね」
<そーそー>
「・・・火事ですわ! 奥さん」
<どうなさるんですの? 奥さん>
「そりゃー、逃げるが勝ちですわ」
<ほな『にげもどる』しますわ>
かえりの精霊@ゴブ十五郎はにげもどった:
┏━━━━━━━━━
┃どこに逃げ戻りますか?
┃ →入り江の港町
┃ 『魔王の城』月神殿
┃ :
┗━━━━━━━━━
「これで終わりなんかね?」
<さー?>
■■■ 221、ゲームクリアです! ■■■@..Z
結局のところ、終わりでした!
土曜日と日曜日に、風花と2人でもうしばらくプレイしてみたんだけどね。
どうやらあれでラスボス討伐、勝利! ってことのようです。
<ゾンビは残ってたけどね>
「魔王がいなくなったからだろーね。支配が解けちゃったっていう」
『魔王の城』、っつーか、城下町だね。
あそこにいたゾンビとかレイスとか『燃え鷹』とかは、そのまんま残ってた。
町を調べようとしたらフツーに襲ってきたんで、撃退したりしました。
「あと『ここを開けろ!』の人ね」
<スキエンティアね。まだ叫んでたね>
「あれはもう置いとこう。あのままのほうが面白いし」
<はいw>
けどまあ、結局のところ。
もうゲーム的ななんかはないと。
裏ボスとかクリア後おまけとか、そういうのはない。っぽかった。
っつーいうわけで、
「ゲームクリアです!」
<やったー!>
「おつかれ」
<おつかれさまでした>
「クリアを祝して、かんぱーい」
<かんぱーい!>
日曜のお昼。
炭酸水で、乾杯です。
ちゃんと自分で買ってきましたよ! 父ちゃんのもらって飲むんじゃなくてね。
「ピザもあるよ」
<わーい>
/ いただきまーす!
/ ヾ /
/ (:D)匚_
爪 丿
「出たなフォーク魔人!」
<ピザの悪魔フーカス>
「魔界へ帰れw」
<はーい>
/
/ ヾ サヨナラ!
/ (:D)匚
==========
「にこやかに帰りよる」
<ピザ・・・手に入れたはずだった・・・>
「あ、ちょっと待って」
<はい?>
「いや、いきなり『帰れ』はかわいそうな気がしてきた」
<別にいいけど。絵だし>
「いいんかい。いやいや、まあまあ、願いのひとつも叶えていってよ」
<叶えてくれるの?>
「え? あ、はい」逆なんだけど。「うむ! なんでも言うがよい!」
<じゃあ炭酸水の炭酸水割りダブルで。あとダブルピザの握り一人前>
「注文かよ。ダブりすぎだよ」
<食わせてくれれば魔界へ帰ってやろう!>
「ああ、ピザは助けてくれるわけね?」
<ピザを食わないとは言っていない!>
「なにもかも食ってくんじゃねーよwww」
<いやー、久しぶりですねー、ピザ。今日は自分の目で眺めることができる!>
ユキ号でジッコジッコ動いてピザ眺める風花さん。楽しそうで良かったです。
ノリいいからこっちも気にせず食えるわ。
食えるんだけど・・・。
でもやっぱ、一緒に食いてーなー。
「飯食えるロボットって、いつごろできるだろーね」
<さー>
「難しいか」
<単に口に入れて消化するんじゃなく、『おいしい!』って言えるロボットだよね?>
「うん」
<難しいだろうなー>
「やっぱ難しいかぁー」
<なんでもかんでも『おいしい!』ってウソつくロボットなら簡単だろうけどねぇ・・・>
「ウソつきロボットはちょっと」
<だよね>
なら、あんま話題にしねーほうがいいか。
風花に色々食わせてみてーな・・・まあ俺は料理できねーけどさ。
<でもさー>ユキ号がこっち見上げてくる。
「ん?」
<食べてるカンタさん見て『楽しい!』ならいまでもできるよ>
「・・・。」
<なんだよ>
「照れてんだよ」
<あ、そうw ふーんw>
「こいつ。あ、そうだ。見るで思い出した。カメラ注文しようと思ってんだ」
<カメラ?>
「小っちぇーやつね。ユキ号に積むやつ」
<この子に?>ギッコン。<・・・えっと、口うるさいようだけど、お金は大丈夫?>
「大丈夫。今朝、父ちゃんと相談した」
今日は日曜だかんね。朝飯んときに、父ちゃんに相談したんだよ。
ロボットカーに小型カメラつけたいんだけど・・・っつってね。
んで、2人で値段調べてさ。
「『このぐらいなら出してやるよ』っつって、許可もらったんだよ」
<そっか>
「『先に飯食いな!』って母ちゃんに怒られながらね」
<2人して?>
「そう。主に父ちゃんが」
<微笑ましい父子だねw>
「うるせーよw んでさー、ちょっとずつ強化してさー、そのうち家ン中走り回れるようになったらいいよね」
<おお!>
「ロボット勉強してみるって話もさ、一緒にしたんだよ」
<ああ、うん>
「そしたら、『部活でかかる程度の金額なら出すから、言えよ』ってことになってね」
<なるほど。健全ですね>
「でしょ」
<部活って言えば、ロボット部とかないの?>
「あったと思うよ。名前はちがうけど。工学部だっけ? そんな感じのがロボットもやってるはず」
<入るつもりはないの?>
「そうだなー・・・」
部活やるつもりはなかったんだけど。
工学系やるならふつうの高校より高専のがいいとか、もう9月だからとか、否定する理由はあるけど・・・。
「・・・ちょっと訊いてみっか。どんな部活なのかとか、どんぐらい金かかんのかとか、知ってるやつに聞いてみる」
<部活に入れば、部の予算でできることもあるだろうしね>
「そっか。それもあるか」
<頑張ってね!>
「おう。ボディ作ってほしい?」
<えへへw それもある。けど、カンタさんに成功してほしいってほうが大きいかな>
「成功か」
<成功>
「成功ってなんだろね?」
<さあ>
「わかんねーのかよ」
<わかんねー>
とか、しゃべりながら。
ピザ食って、炭酸水飲んで。
はー食った食った! ってなって。
「・・・やーっぱ、カネかなぁ? 成功」
<それしか思いつけない人もいるだろーね>
「なんだい。そう言うフーカはなんだと思ってんの?」
<ゲームクリアするみたいな感じ>
「んだそりゃ」
<生きてるあいだに何をすべきで、何をすべきでないか? それが決まれば、『成功』も見えてくる>
「ルールか」
<ルールより広い。ゲームデザインぐらい>
「自分でゲームデザインして自分でクリアするってこと?」
<そう>
「人生クリアか」
<なんか不穏なんだけどw>
「言葉がまずかったなw」
俺、ユキ号を抱き上げる。
<え? なに? あれ抱っこ?>
「よーしよし」
<酔っぱらってる?>
「水しか飲んでねーよ」
<うん・・・>
風花、タイヤをジリッと動かして、俺の腕に食い込ませる。
<・・・あ、これいいかも>
「猫がツメ立ててるみたいな感触だわ」
<痛い?>
「痛くはない」
気持ちいい。っつったら気持ち悪いから言わねーけど。
<じゃあ、ギュ>タイヤでギュ。
「いてーよw 回しすぎだよ」