ハイスクールD×D~最強男の娘の転生物語~   作:三元新

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11話 やっと終わった…

無事八坂さんを救い出した俺たちは、京都の疑似空間から元の世界に戻り、俺たちが宿泊しているホテルの屋上にいた。

 

「よくやったな、イッセー。おまえは休んでいろ。救護班!グレモリー眷属とイリナ、匙を看てやってくれ!ケガはともかく、魔力と体力の消耗が激しい!」

 

イッセーを誉めに来たアザゼルが救護班のスタッフを呼んだ。

 

イッセー達は疲労と安心感から、こっちに帰ってきてからぶっ倒れてしまった。かなり疲労困憊していたようだ。

 

回復役のアーシアでさえ、治療と戦闘の緊張感で疲弊きてしまい、イッセーに身を寄せて眠ってしまっていた。

 

他のメンバーも治療は受けているが、一応念のために運ばれていった。

 

「アザゼル。私達も手伝うわ。――各班は其々持ち場に着きなさい!特に、グレモリー眷属とイリナ、匙を重点的に回復させてあげて!ケガは大体は治っているけども、魔力と体力の消耗が激しいわ。急いで回復薬を持ってきてちょうだい!特に、イッセーとアーシアとロスヴァイセには“エルフの飲み薬”を持ってきて!」

 

『はい!優子さま!』

 

優子姉さんが自分の舞台である、地球連邦軍でゆういつの回復専門の救護班を呼んできていた。

 

「元ちゃん!」

「元士郎!」

 

担架で運ばれている匙にシトリー眷属が付き添っていた。中には心配そうに涙を浮かべている人達もいた。

 

匙は龍王変化の消耗が激しく、すべてが終わったあと、気を失ってしまった。イッセーや俺が内側から話しかけて暴走を止めるってこともなく、なんとか力を使っていたように感じる。匙もイッセーと同じく成長しているってことですか。――それにしても、匙も随分と仲間に愛されているようで♪

 

『あら、あなたもじゅうぶん愛されているじゃない。』

 

すると、ルーツが話しかけてきた。

 

「そんなのわかっているよ。みんなから愛されているんだなぁ~なんて、何時もの様子を見ればじゅうぶんわかるさ。もちろん、ルーツからの愛情もね~♪」

 

『――ッ!///…………もう、平気でそんな恥ずかしい事を言うんだから…』

 

「ん?ルーツ何か言った?」

 

『何でもないわよ。それよりも、ほら、あなたも手伝ってあげなさいよ。お兄さん達の頑張りをあなただけ見ているつもり?』

 

ルーツの言う通り、光樹兄さんとレイジ兄さん、それとメイド長カンナさんをはじめ、カンナさんやアイラさん、黒歌や堕天使シスターズのメイドメンバーも後処理の手伝いをしていた。

 

「そうだね…ルーツのいう通りだ。俺も手伝ってくるよ!」

 

『えぇ、頑張りなさい。私は応援しておくわ。』

 

「うん!」

 

俺が手伝いをしろうと思ったら、イッセーと初代・孫悟空の二人が目に入った。

 

「おまえさんは独力で『覇』の力とは違う、えらいものを得ようとしているようじゃな。――いいこった。『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』は、ろくでもない。ただの力の暴走そのもの。それでは、死ぬ。おまえさん、大事な女がいるんじゃろ?おっぱいドラゴンと呼ばれるほどじゃからな」

 

「いや、ハハハハ。ええ、いちおう」

 

初代はアーシアを指さしながら、イッセーに言った。イッセーは笑いながら答えていた。

 

「なら、泣かすな。おまえさんは夢と女で強くなるタイプだぜぃ。それにな、赤龍帝と白龍皇はもともと力の塊じゃ。何でも『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』にこだわらんでもきくらでと強くなれる。――だがの、おまえさんはまだ危ういか」

 

「?」

 

イッセーの顔を覗き込みながらそう言った初代。イッセーはわかっていないようだ。

 

…………確かに、イッセーはまだ危ういだろうね。だって感情が激しすぎるから。『覇』とは『感情』と切っても切れぬ関係。故に、イッセーの様なタイプの人ほど『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』に溺れやすい。……あのときのようにね。

 

「それと、うちのバカが迷惑をかけたようじゃな。それは謝るぜぃ。」

 

……あぁ、美猴の事だね。

 

すると、初代がイッセーの頭を撫でる。

 

「……感情は『覇』を呼び込む。それだけは覚えておくとええ。最後の曹操への一撃、ええ攻撃じゃった。ああいう方向で精進せぃ。イメージと努力だけは怠るでない。――さて、天帝のおつかいが済んだらバかを捜しにいくかの。あやつめ、白龍皇とやんちゃしおって。共に仕置きじゃな。――それでは達者での。そこにおるツバサもな。玉龍(ウーロン)、九尾のもとに行くぞ」

 

『あいよ、クソジジイ。じゃあな、ドライグ、ルーツ!』

 

そう言いながら、最後に此方を見て初代と玉龍(ウーロン)は行ってしまった。

 

イッセーは震える手でグーパーをしていた。――どうやら、体の具合を確認しているようだ。それに、なんだか決意した目をしていた。……また、修行を一からするつもりかな?

 

「お疲れ様。イッセー。……どう?体の具合は」

 

俺はイッセーに話しかけた。イッセーは此方に気づいて振り向く。

 

「ツバサちゃん………ああ、随分と体が重いや。かなり疲労しているな。そうだ、俺、また修行を一から始めようと思ってるんだ。―――この神器(セイクリッドギア)に眠っていた力と『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』を組み合わせた俺の新しい力をもっと扱う為にね」

 

……と、なんかかっこよく言ってきた。………………イッセーェ

 

「そうですか。――なら、もっと厳しくしても良いですよね♪」ニコッ

 

「え?」

 

俺が笑顔で言うと、イッセーは固まってしまった。

 

「どうしました?」

 

「え?あ、いや、……なんでもありません」

 

なぜか、イッセーは顔を青くしていた。

……どうしたんだろう?

 

――――――――――――――――――――――

 

昨日はみんなで休憩したあと、傷む体を動かしながら、見送る為に来ていた、八坂さんと九重とセラフォルーさんと京都駅の新線ホームにいた。

 

「赤龍帝、グレモリー眷属のみな」

九重が八坂さんと手を繋ぎながら、笑顔でイッセー達を呼ぶ。

 

「イッセーでいいよ」

 

そうイッセーが言うと、九重は顔を真っ赤にしてもじもじしながら訊く。

 

「……イッセーたち。また、京都に来てくれるか?」

 

「あぁ、また来るよ」

 

「そ、それと、ツバサ…」

 

「……ん?どうしたの?九重ちゃん」

 

「そ、その……ツバサもまた、京都に来てくれるか?」

 

九重ちゃんは先程よりも顔を赤くしていた。

 

「うん♪来るよ。必ずね」

 

ピピピピピピピ――。

 

発車の音がホームに鳴り響く。九重は叫んだ。

 

「必ずじゃぞ!九重はいつだっておまえ達を待つ!!」

 

「あぁ、次は皆で来る。今度は裏京都も案内してくれよ?」

 

「うむ!」

 

「じゃ~ね、九重ちゃん。また、会おうね~!」

 

「絶対にじゃぞ!」

 

それを確認すると八坂さんが言う。

 

「アザゼル殿、赤龍帝殿、地球連邦軍、そして悪魔、天使、堕天使の皆々、本当にすまなかった。礼を言う。これから魔王レヴィアタン殿、闘戦勝仏殿、光樹殿と会談するつもりじゃ。良い方向を共に歩んでいきたいと思うておる。二度と、あのような輩によってこの京都が恐怖に包まれぬよう。協力態勢を敷くつもりじゃ」

 

「あぁ、頼むぜ、御大将」

 

アザゼルもそう言い、八坂さんと握手を交わす。そこにセラフォルーさんも手を重ねる。

 

「うふふ、皆は先に帰っていてね☆私はこのあと八坂さんと猿のおじいちゃんとこーきくんと楽しい京都を堪能してくるわ☆」

 

セラフォルーさんがとても楽しそうに笑っていた。

 

「いや…、なんだよ楽しい京都って……なんか嫌な予感しかしないのだが…」

 

光樹兄さんがとても疲れたかのようにいった。

 

「あはは、じゃ~、頑張ってね?お兄ちゃん」

 

「おう、おまえは気にせずそのままみんなと帰れ。学生らしくな」

 

光樹兄さんは優しく頭を撫でてくる。

 

「うん。あとはよろしくね」

 

プゥーーー

 

「じゃ~ねぇ~!」

 

こうして俺達の長い長い、京都旅行が終わったのだった…。




今回はかなり短いです。……さて、次はどんな話にしようかの~(棒)

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