ハイスクールD×D~最強男の娘の転生物語~   作:三元新

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皆様お久しぶりでございます。かなり間が開いてしまい誠に本当に申し訳ございません。言い訳をさせてもらうと、この小説部分の”学園祭のライオンハート”の巻が行方不明になり、全く進めない状態でした。で、やっと見つかったので、今回久しぶりに投稿できました。これからも、ちょくちょく投稿していくので、よろしくお願いします!

それでは、どうぞゆっくりしていってね!


4話 空中都市アグレアス

各自の修行から数日が経ったゲーム当日――。

 

俺たち”結城家メンバー”は冥界にある空中都市に続くゴンドラの中にいた。

 

「島がういてるよ」

 

「浮いてるねぇ~」

 

俺は空中都市に続いているゴンドラのなかから上空に浮かぶ島を眺めていた。横では優子姉さんが窓の外を見ながら呟いた。逆側の隣にいるナツル姉さんも浮かんでいる島を眺めていてなんか目をキラキラとさせて楽しんでいた。そういえば、ナツル姉さんこういうの好きだったっけ。

 

イッセー達とは別れて乗ったから、結城家のメンバーが残りのゴンドラに乗ることになった。因みに、今回は家族だけだ。他の地球連邦軍の仲間達には各自の支部や部隊で待機だ。なにか支持があれば俺達から各部隊長や支部長に直接連絡がいくようになっている。

 

ちなみに、この空に浮かぶ島の名前は―――空中都市アグレアス。この島を浮かばせている動力は、サーゼクスさん達の先代にあたる旧魔王時代に作られたものだそうだ。ちなみに何故造られたのかは歴史になかったらしく、造られた理由は知らないようだった。

 

やっぱり空中に浮かぶ島はそうそう見ることがないから珍しい。都市から地上に水が滝のように落ちていく。ひとつやふたつじゃなく、たくさん滝のように水が下に落ちていく。まさに幻想的な光景だ。それでも、圧巻度的には”神龍・マスタードラゴン”のいた”天空城”の方が上で、幻想的はもちろん幻想郷の事だろうね。うん。

 

アガレス領にある空中都市。空に浮かぶ島の上に都市を造ったようだ。この辺一帯の空の流通を取り仕切るところでもあるらしい。ちなみに観光地でもある。

 

都市への入り方は大きく分けて三つ。ひとつは魔方陣でのジャンプ。これはVIPクラスか、特別な行事のときしか行き来できない。それは何故か――理由は簡単だ。ここは重要な場所であり、世界遺産でもあるのでなるべく魔力での移動は許可しない様にしてあるからだよ。まぁ、簡単に言うと不審者の侵入を許さないためだね。

 

ふたつめに飛行船などの空の乗り物だね。こちらがジャンプよりメジャーなようだ。三つめはいまの俺たちのように下の乗り場から、都市から伸びるロープを伝ってゴンドラで上がっていく方法。

 

俺たちはこの三つめの手段を選んだ。ゴンドラからの眺めを知っているリアスさんが一言漏らしたことから、伝染するように皆が次々に「乗りたい!」と言い出したからだ。……まぁ、じつはその中に俺も入ってたりするんだけどね。てへ☆(≧∇≦)

 

……コホン。まぁ、あれだよ。最後のはちょっと、テンションが上がってただけだから気にしないで。そう、気にしないでね?約束だかんな!?だから忘れてよ!!

 

それから少しして、ゴンドラは空中都市に辿り着いた――。

 

 

 

ゴンドラから降りると、イッセー入り待ちのファンとマスコミの大群が出迎えてくれた。ゴンドラから出た早々にラッシュと歓声に包まれ、数メートル先を歩いていたイッセーたちと同じく多数のスタッフとボディガードの誘導のもと、表に用意されていたリムジンに乗り込んだ。

 

……てかあれ?な、なんでお忍びで来てたはずの俺達まで巻き添えに?……あぁ、あれか。きっと、イッセーたちの関係者だと思われたんだよね。うん。きっとそうだよ。そうに決まってる。あんな俺の二つ名の一つの『白銀の戦姫(プラチナ・ヴァルキリー)』なんて聞こえない。きっと幻聴なんだよ。うんうん。

 

 

そんな風にしていると、リムジンは都市部を走り、会場となる巨大なドームを目前にしていた。

 

 

 

俺達がついた場所は空中都市に数多あまた存在する娯楽施設。そのなかで各種競技、アーティストの公演を主にした巨大なドーム会場があった。

 

――アグレアス・ドーム。俺たちはそのドーム会場の横にある高層高級ホテルに移動していた。

……すごく豪華絢爛な造りだね。広いロビーにきらびやかなフロア。天井には巨大なシャンデリアが吊ってある。俺の家でとここまで豪華ではないほうだが……ないほうだよね?――まぁ、そう思っておこう。あれだ、そんなの関係なく普通にかなり豪華な家だとは思う。だって世界規模で有名でさらにかなり古い家系の家だしね。……ケタが違うと言った方がわかりやすいのかな?

 

ボーイに連れられて、俺たちの専用ルームまで案内される。イッセーたちとは別のルームになるけど、出入りぐらいはできそうだね。

 

――俺達が通路を進んでいるときだった。

 

通路の向こう側から、不穏な雰囲気と冷たいオーラを放ちながら歩いてくる集団があった。

 

顔が見えないぐらいにフードを深く被り、足元すら見えないほど長いローブを着込んだ不気味で不穏な雰囲気の集団。

 

その集団の中央には司祭の服らしきものを着込んだ――骸骨。…………骸骨?

 

まぁ、いっか…。とりあえず骸骨が祭服に身を包んでいる。頭部には司祭が被る帽子。手には杖も携えている。……そんな感じだね。

 

俺は嫌なカンが先程からなっているので、少し……いや、かなり警戒する事にした。バレないように、いつでも戦闘できるように相手を見ていた。すると、骸骨司祭は俺たちを眼前にして足を止めた。

 

そいつは目玉のない眼孔の奥を光らせる。

 

《これはこれは紅髪のグレモリーではないか。そして、堕天使の総督に結城家の者達か》

 

その声は口から発せられたものではない。俺たちの脳に直接伝えるような類のモノだ…。

 

骸骨司祭の声を聞き、アザゼルは皮肉そうに笑んだ。

 

「これは、冥界下層――地獄の底こと冥府に住まう、死を司る神ハーデス殿。死神(グリムリッパー)をそんなに引き連れて上に上がってきましたか。しかし、悪魔と堕天使を何よりも嫌うあなたが来るとはな」

 

――なるほどね。この人?が冥府の神ハーデスさんね。初めてみる人物だ。ほかの神様は見たことあるけど。

 

《ファファファ……、言うてくれるものだな、カラスめが。最近上では何かとうるさいのでな、視察をとな》

 

「骸骨ジジイ、ギリシャ側のなかであんただけが勢力間の協定に否定的なようだな」

 

《だとしたらどうする?この年寄りもロキのように屠るか?》

 

そのやり取りの直後、ハーデスを囲むローブの集団が殺意を放ってきた。そう、死神(グリムリッパー)たちだ。……むぅ、普通に映姫さんの所の死神、小町さんの方が強そうなんだけど……。

 

「……ふむ。なんだお前ら、俺と殺りあおうってのか?いいぞ?オレはいつでも相手になってやる」

 

そう言いながら拳を構える光輝兄さん。それと同時にレイジ兄さんも日本刀になっている雪姫さんをいつでも抜けるように構えた。皐月姉さんたちはただ何もせず立っているだけだ、もちろん俺もね。だって、戦いになっても兄さんたちだけですむしね。

 

すると、アザゼルは頭を振り、嘆息しながら光輝兄さんを手で制してきた。

 

「オーディンのエロジジイのように寛容になれって話だ。黒い噂が絶えないんだよ、あんたの周囲は」

 

《ファファファ……、カラスとコウモリの群れが上でピーチクと鳴いておるとな、私も防音対策をしたくもなる》

 

すると、光輝兄さんとレイジ兄さんは臨戦状態を解いた。

 

ハーデスが視線を――イッセーに移した。

 

《赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)か。白い龍(バニシング・ドラゴン)と共に地獄の底で暴れまわっていた頃が懐かしい限りだ……》

 

ドライグとアルビオン……何やってんですか。冥府に赴いてまで…。

 

『あとでドライグにOHANASHIをしなくちゃね……ついでに見つけたらアルビオンも……ふふふ』

 

すると、ルーツがボソッとそういった

 

……あぁ、ドライグ。それにアルビオン。どうか無事で…。

 

《まあ良いわ。今日は楽しみとさせてもらおうか。せいぜい死なぬようにな。今宵は貴様たちの魂を連れにきたわけではないんでな》

 

それだけ言い残し、ハーデスは俺たちの横を通り過ぎていった。

 

俺は深い息を吐いた。久方ぶりに興奮気味だったなぁ…兄さんたち……。

 

見れば他の周りの皆は緊張していたようで、張り詰めていたものを解いた。

 

「……北欧時代に先輩のヴァルキリーからハーデスさまの話を聞いてはいましたが……魂をつかまれているような感覚は生きた心地がしませんね」

 

と、ロスヴァイセがつぶやいた。

 

「……こ、怖……。すごいプレッシャーだったんですけど、あの骸骨さん……」

 

イッセーが言うとアザゼルも堅苦しかったのか、首をコキコキと鳴らしていた。

 

「そりゃな。各勢力の主要陣のなかでもトップクラスの実力者だからな」

 

「……先生よりも強いんですか?」

 

「俺より強いよ、あの骸骨ジジイは……。光輝たち以外は絶対に敵対するなよ、おまえら。ハーデス自身もそうだが、奴の周囲にいる死神(グリムリッパー)どもは不気味だ」

 

「悪い神さまってことか……」

 

イッセーがつぶやいた言葉に俺は首を横に振って言う。

 

「いや、別に悪い神ってことじゃないよイッセー。確かに死を司る神だけど、人間には平常通りに接するし、冥府には必要な存在だしね。……まぁ、俺はあの人よりもある意味怖い……とある地獄の裁判官と仲良しになってるからさほど緊張しなかったよ。それに、そこにいる死神さんがいるんだけれど、その人はさぼりグセがあるけれど、さっきまでいた死神(グリムリッパー)よりかは遥かに強いから、そんなに怖くなかったよ。だから、俺や姉さんたちは平然としてるのだ」

 

俺はいろいろ混ぜて話したら、今度は豪快な笑い声が通路に響き渡った。

 

「デハハハハハ!来たぞ、アザゼルゥッ!!」

 

「こちらも来たぞ、アザゼルめが!ガハハハハハ!!」

 

体格の良いひげ面の中年の男二人が駆け寄って、アザゼルにまとわりついた。

 

アザゼルも半眼で嘆息した。

 

「……来たな、ゼウスのオヤジにポセイドンのオヤジ……。こっちは相変わらずの暑苦しさ全開だな。ハーデスの野郎もこの二人ぐらい豪快でわかりやすかったらいいのによ」

 

うわぁ〜、すんごい懐かしい人物が現れたよ。……ゼウスさんとポセイドンさんだ。

 

「嫁を取らんのか、アザ坊!いつまでも独り身も寂しかろう!!」

 

「紹介してやらんでもないぞ!海の女はいいのがたくさんだぁぁぁぁっ!!ガハハハハハハハハッ!!!」

 

「あー、余計な心配しなくていいって……」

 

珍しく堕天使の総督さんが押されている……。いつ以来だろう?

 

上半身裸――ポセイドンが俺たちに気がついて…すごい勢いでまとわりついてきた!

 

「久しぶりだ、祖龍に祖龍の息子が!ガハハハハハハ!!」

 

「ひ、久しぶりです、ポセイドンのおじさん」

 

『久しぶりね、ポセイドン。あと、この娘は私の息子じゃないわよ。まぁ、娘の様には可愛がってるけどね』

 

……俺は少し引き気味に返した。いまだにルーツの息子と間違って覚えられているんだなぁ……と半分呆れていた。あと、ルーツ。なんで娘なの?なんで娘なの?ねぇー!!?

 

「デハハハハハハ!!!さてツバサ!!そろそろ女を娶めとる時期になっているのではないか!!」

 

今度はゼウスが俺にまとわりついてきた……。

 

「祖龍の息子!おまえを待っている海の女がたくさんいるぞ!!ガハハハハハハハ!!!」

 

俺は苦笑いから引き攣つりの笑いへ表情を徐々に変える…。だって、後方からとんでもない殺気が俺を目がけて照射されているんだもん!ものすごく怖いよ!!特に朱乃さんとか姉さん達とかさぁ!!?

 

『やめときなさいポセイドン。じゃないと大海龍の怒りをかうわよ?』

 

「う、うん……そうだね。あの人達……物凄い過保護だから」

 

「そうね。あとゼウスもね。さっきから私の中にいる天嵐龍のアマツマガツチが物凄く叫んでるから本気でやめて。この娘もツバサのこと弟の様に可愛がってるんだから。誰にも手放したくないのよ。……私もね(ボソ」

 

最後に皐月姉さんがそんな事を言っていた。

 

いろいろと世話になっていたギリシャの神々に失礼なことはできないけれど、こればかりは諦めて欲しい。いや、本気でそう思うよ……。

 

「来たぞ、おまえたち」

 

今度は聞き覚えのある声があった。振り返ると、そこには小さいサイズのタンニーンさんが宙に浮いていた。

 

「その声、タンニーンのおっさんか!ちっちゃくなっちゃって!」

 

「ハハハ、元のままだと何かと不便でな。こういう行事のときはたいていこの格好だ」

 

タンニーンがイッセーたちを見渡すように言う。

 

「相手は若手最強と称される男だが、おまえたちが劣っているとは思っていない。存分にぶつかってこい!」

 

「もちろんさ!俺たちの勝利を見届けてくれよ!!」

 

自信満々に返すイッセー。若干テンションが上がっているね…。

 

「あっ!オーディンさま!」

 

ロスヴァイセが素っ頓狂な声をあげる。ロスヴァイセが指を向けた方向には――オーディンのお爺ちゃんがいた。

 

オー爺ちゃんはロスヴァイセの姿を確認するや、「これはマズい!」と叫んでその場から走り去っていく…。

 

それを見てロスヴァイセが吼えた。

 

「ここで会ったが百年目!まてぇぇぇぇぇっ、このクソジジイィィィィィッ!!その隣にいる新しいヴァルキリーはなんなのよぉぉぉぉぉっ!」

 

ヴァルキリーの鎧姿と化したロスヴァイセは、逃げ去るオー爺ちゃんを追いかけていってしまった…。

 

「……イッセー、祐斗、ゼノヴィア、お願い、ロスヴァイセを止めてきて」

 

嘆息しながらリアスさんがそう言った。頑張って、リアスさん。

 

ほんと、試合前なのに元気だねぇ〜。

 

まぁ、試合前で緊張して体を固くするよりかはいいかな……なんて思うのだった。




さて、いかがでしたか?今回は少ない方でした。さて、次回はできるだけ早めに投稿しようと思っています。いごお楽しみに〜!


それでは、バイバ〜イ!

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