ハイスクールD×D~最強男の娘の転生物語~   作:三元新

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みなさまどうも、お待たせ致しました! やっと完成です!……なかなか、時間が取れなくれ遅れてしまい本当に申し訳ないです。

ツバサ「本当だよ、駄作者。遅すぎて退屈だったんだからね!もしも、まだ遅れるようだったら……思わず乗り込んじゃいそうだったよ♪」

いや、マジですみませんでした!m(_ _)m そ、それだけは何卒、なにとぞ、お許しくださいまし!

ツバサ「まぁ、いいや。今回は特別に許してあげる。仏の顔も三度までっていうしね。……でも、そうは言うけれど、次は…ないからね?……わかった?」

い、イエッサー ∠( ゚A゜;)ビシッ

「ほら、そんな事してないでさ、画面前の人達が暇を持て余しているよ?……早くしないと怒られちゃうぞ?」

そ、そうですよね……ゴホン!

さて、気を取り直して本編へレッツゴーですよ〜!

では、どうぞ〜

ツバサ•駄作者「「ゆっくりしていってね♪」」



9話 学園祭と告白――さらに、奇跡

あれから、しばらくして……

 

俺達は学園祭を楽しんでいた。今回、俺たちオカルト研究部の出し物は様々だったりする。

 

「一列になってお並びくださーい!」

 

声が聞こえた方に視線を向けると、ウェイトレス姿のアーシアが、廊下に並ぶ生徒たちを整列させていた。喫茶店のために並ぶ長蛇の列だ。思ってた以上に繁盛しているようだ。

 

「はーい、こちらは占いの館とお祓いコーナーですよー。塔城小猫ちゃんと姫島朱乃先輩が占いとお祓いをしてくれまーす」

 

「こっちはコスプレコーナーっすよ〜! コスプレ衣装を貸出しているっす〜! 貸出飲みだけじゃなく、購入もできるので興味がある人は是非是非いらしてくださいっす〜!」

 

イリナとミッテルトがウェイトレス傍ら、各コーナーの呼び子をしている。

 

ちなみに、今回のオカルト研究部の出し物は、家の家族も手伝っている。たとえば、いまミッテルトがやっているコスプレコーナーなんかは、家から持ってきた余った衣装を持ち出しているのだ。

 

なんでコスプレ衣装なのかって?……それはね、次女のナツル姉さんの表の職業だからさ! ナツル姉さんはああ見えてもすっごくアニメとかが好きなの。ちなみに、大物アニメ声優もやっていてかなりの大人気声優さんだよ?

さらにさらに、独自に会社を立ち上げ、コスプレ衣装やフィギュアといったアニメグッズを作ったりしているんだ。それも、かなり大きな会社だしね。しかも、みんなナツル姉さんの部隊員だしね〜。ナツル姉さんの影響なのか……みんな、オタクになっちゃったんだよね〜。まぁ、ナツル姉さんのオタクはいわば兄さん達や地球連邦軍のストレス発散だから、別に気にしてないんだけどね〜。あの人もすっごく楽しんでやってるしね。……ちなみに、俺もちょくちょくアニメ声優業やコスプレ衣装作りを手伝ったりしています。

 

そんで、今回はナツル姉さんや俺が遊びすぎて作りすぎたコスプレ衣装を処分名目で売ってるって訳さ。ちなみに、処分品だから、普段は万を超える衣装だけれども、どんなに高い衣装でも1万を超えることはないのですよ!(`・ω・´)

あ、勿論ですが、普通にインターネットやコスプレ専門店で売ってるような新品と全く同じですよ?流石に、ボロボロのを売るなんて、ナツル姉さんは良しとしませんからね。

 

もともと、かなり有名で大きな会社となったメーカーのためか、いまも飛ぶように売れてますよ。ハハハ

 

絶賛、学園祭当日、旧校舎を丸ごと使ったオカルト研究部の出し物は大盛況のようです。………ついでに、出し物を渡す以外に出番のなかった家の家族も巻き込んでね〜

 

まぁ、オカルト研究部と結城家の女子たちは大人気だ。

 

「キャーーー!トップモデルのREIGIさんに、その専属衣装デザイナーの晃己さんよ!」

 

「え、本当だ!さ、サインください!」

 

「いいないいな〜!私もくださ〜い!」

 

あ、あとお兄様方もね〜。……なんせ、あのふたりはトップモデルと俳優もやってますからね〜。ちなみにモデルはレイジ兄さんが、その衣装を作ってるのが光輝兄さんがやってるよ〜。ちなみに、ナツル姉さんもレイジ兄さんの衣装を作ってるよ。ナツル姉さんはアニメの世界でもそれ以外の衣装の世界でも有名なんだよ〜。

そんな家族を持てて、本当に鼻が高いよね〜。

 

あ、ちなみに、『REGI』はレイジ兄さん。『晃己(コウキ)』は光輝(コウキ)兄さん。……まんまだね

 

「はーい、チーズ」

 

……と、喫茶店で写真を撮っているのはウェイトレス姿のリアスさんたちの部員とナツル姉さんと皐月姉さんだった。

 

ちなみに、いま俺の隣にいるイッセーは、リアスさんのウェイトレス姿が素晴らしいらしく、涙を流していた。

 

相変わらずの変態度で……

 

「イッセーくん、見てないでこちらに来て」

 

木場がお化け屋敷となっている教室から顔を出していた。イッセーはこの時間、お化け屋敷のフランケンシュタイン役。ナツル姉さんとそのお付きのメイド達が手伝った専用のメイクをしている。ギャスパーはドラキュラ役なんだが……怖がられるどころか、逆にかわいがられている。

 

……他にもお化け屋敷のなかで役に没頭中の者が数人いる。

 

そう、家の家族…と言うよりも、俺の部隊の人達だ……。そう、幻想郷組の妖怪さん達である。

 

リアスさんに、この世にいるお化けや妖怪がダメなら、忘れ去られた者達がいく幻想郷。さらに、その中でも見た目は人間な人達を連れてきてくれないか、というわけで何人か連れてきました。橙、チルノ、ルーミア、こいし、大妖精、お燐、お空、椛、萃香……ぐらいかな?

 

ちなみに、これは俺が決めたのではなく、紫さんに選んでもらった人選です。最初は一部の子達が気になりましたが……まぁ、人間達にたいし驚かす以外で特にこれといったものはないので、彼女達も楽しんでいるようですし、いいんですけどね。

 

「僕、このまま喫茶店の手伝いに戻るから、仕掛けのことはよろしくね」

 

「へいへい」

 

各コーナー、大盛況なのだが、皆、行ったり来たりと旧校舎内を駆け回っている。……つまり、人手がまだまだ足りないのだ。何故なら予想以上の大繁盛ぶりだからさ!……確実な原因は兄さんと姉さん達にあるんだろうけどね…絶対。

 

そんな俺も休憩時間を終えたので、お化け屋敷の案内役にもどる。

 

「みなさま、せいぜい足元に気をつけてお進みくださいませ……。じゃないと、キケンデスカラネ……フフフフフ」

 

俺は決まり台詞のように言う。だが、姿は女性の幽霊だ。

 

ナツル姉さん達の特殊メイクもなく、ただナツル姉さんが直々に軽く化粧をしただけで女性らしい姿になっている。元々、女顔っていうのに心が傷つき悲しくなるが、もう、抗えない運命なので諦めている。さらに、追い討ちをかけるように、誰も女装しているとは気がついてくれないのだ…。まるで、それが普通みたいな反応をされていたりする。しかも、男女関係なく見とれてしまうほどの容姿みたいだそうな…。

 

少し離れたところでフランケンシュタインに没頭しているイッセーが、お客さんの女子を驚かせようと――、

 

「がーっ!」

 

勢い良く飛び出していた。

 

「キャーッ!!変態の兵藤よ!犯される!!」

 

バシーンッ!と叩かれていた。

 

「わー、ドラキュラですよー。かみますよー」

 

「「きゃーっ!ギャスパーくん、きゃわいいっ!」」

 

ドラキュラ役のギャスパーは大好評の様子。

 

「あ、兵藤発見!やられる前にやるのよ!!」

 

バチーンッ!とまた、女子のお客さんに叩かれていた。しかも、脅かす前に。

 

「……な、なんで俺だけが…」

 

……イッセーが膝をついてorz状態になって、1人呟いていた。

 

…イッセー、日ごろの学校でのおこないのせいだと思うよ……。

 

「さて、いっちょ俺も脅かしにいきますかね〜♪」

 

俺はそんな風に楽しみながらも、役をこなしていくのだった。

 

――――――――――――――――――――――

 

場所が変わって、現在は兄さん姉さん達、それに黒歌•アイラ•アリア•カンナのメイドチームと一緒に学園を回っていた。ちなみにだけども、メイド服じゃなくみんな私服だよ。光輝兄さんの隣にアイラさんが、レイジ兄さんの横にアリアさんが、カンナと黒歌は姉さん達と一緒にいる。ちなみに俺は、オカルト研究部と受付にいた優子姉さんに腕組みをさせられて引っ張られるように歩いていた。……周りの視線が痛いです!

 

「そういえば、サイラオーグを支援してた悪魔の上層部の奴らは皆、アイツから手を引いたらしいな」

 

すると、突然光輝兄さんがそんな話をしだした。

 

「仕方が無い。悪魔の世界……いや、世の中自体がそんなもんさ。敗者にいつまでも群がるほど奴らもお人好しじゃない。特に、悪魔ってのは本来合理的なものだ。利用価値かまなくなれば、そく捨てるさ」

 

……酷い話だけれども、それが悪魔社会じゃ普通なんだよねぇ〜。…はぁ。

 

「まぁ、仕方が無いな。むしろ、体術だけであれほどの戦いを演じたアイツを心配するのはやめるべきだな。それが、男の意地ってやつだからよ。」

 

「確かに、光輝の言う通りだな。それにアイツだって俺たちに心配されたくなんかないだろうしな。」

 

光輝兄さんとレイジ兄さんがそんな話をする。

 

……そこで、俺はふと気になった事を聞いた

 

「そういえば、大王家次期当主の座はどうなの?」

 

すると、光輝兄さんはふと考えてから口を開いた。

 

「いや、アザゼルによると、そこはまだ変動は無いようだな。まぁ、今回の一件で大王家がどう動くかはわからかいが、バアル家特有能力の"滅び"を持ってはいないが、あれほどの実力者なんだ…。世論もあるだろうし、そう簡単に無下にできるはずがないだろうよ」

 

「なるほどね〜。まぁ、それもそっか」

 

悪魔の世界でも、世間帯は気にするんだね〜。

 

「まぁ、いいさ……。そんなことよりも、今日はみんなで楽しもうぜ!せっかくリアス達が招待してくれたんだ。なのに楽しまなかったら損だろ?」

 

「そうだね、光輝兄さん」

そんな事をいいながら、俺たちは学校巡りで楽しむのだった。

 

――――――――――――――――――――――

 

そんなこんなで、現在俺たち結城家メンバーは部室に帰ってきた。扉を開けようとしたが、俺はふと勘が働いていまは入ってはいけないと思い、後ろにいた兄さん姉さん達を止めた。

 

「おい、どうしたんだよ?なんではいr――」

 

俺は声をあげようとした光輝兄さんを手で止める。

 

「少し静かにしててね?……面白いものが見れるだろうからさ♪」

 

俺はいま、すごくイイ笑顔だと思う。すると、兄さん姉さん、そしてメイドメンバー達は俺の言葉を察し気配を探知したのか、部屋にいる2人を知って俺と同じイイ笑顔になったのだった。

 

「なるほどな……それじゃ〜」

 

『面白そうじゃないか!』

 

とても小さな声だがみんなの声がハモるのだった。

 

そして、俺たちは気配をゼロにして、八雲紫さんスキマを利用して、部室内へと侵入するのだった。……それも、高性能なカメラを用意して

 

―side out―

 

―イッセー side―

 

学園祭の終盤にさしかかり、校庭でキャンプファイヤーを焚いて、その周囲でオクラホマミキサーとなっていた。今頃、男女が楽しく踊っているに違いない!

 

俺はなんとかチケットを売り終わり、疲れた体で部室に戻る。バアル戦の疲れは、ツバサちゃんに飲まされた、謎の激苦薬で完治済みなのだ。……あれは、マジで三途の川を渡るんじゃないかと思っちまったよ。

 

あと、オカルト研究部の各コーナーは大繁盛だったようだ。ツバサちゃん達が持ってきてくれたコスプレコーナーも、ナツルさんに優子さんがやっていたメイクも、光輝さんにレイジさんがやっていた写真館も、そして俺たちのお化け屋敷もすごく盛りあがっていた。それもそうだ、ナツルさんの特殊専用メイクの効果と演出がリアルで好評だった……俺以外はね。

……まぁ、お化け屋敷に関しては、一部何人か本物の妖怪さん達がいたからね。それにしても、全員可愛かった!幻想郷ってのは美女に美少女ばっかりだとは光輝さんに聞いているけど、本当にそうだったんだ!ますます幻想郷に行ってみたくなったぜ!

 

それと、真『女王(クイーン)』はまだ覚醒したばかりで力の上げ幅にムラがあり、調節はこれからだってドライグが言っていたな。現時点ではトリアイナのほうを使いこなせるようになったほうが真『女王(クイーン)』全体の力の底上げになるって話だ。

 

まぁ、うまく使いこなすのはこれからだ。

 

そういえば、サーゼクスさまやレヴィアタンさまも今日来てた。顔見せだけですぐにグレイフィアさんや会長さんに引きずられていったけど……。

 

部室に入る俺。部室は特に会場にしなかったから、内部はそのまんまだ。

 

…と、中に誰かいる。部長の椅子に――部長が座っていた。いつの間にかウェイトレス姿から制服に着替えていたようだ。

 

「イッセー……」

 

俺を視界に捉え、そうつぶやいた。

 

「……お仕事お疲れさま」

 

「あ、はい」

 

「三年生だから、最後でしょ。だから、ちょっとここに戻りたくなって」

 

「な、なるほど……」

 

「…………」

 

「…………」

 

無言になる俺と部長。実は、あの戦いのあと、俺と部長は会話がギクシャクしてしまっていた。理由は当然――大衆の面前で俺が告ったからだ。

 

まだ返事をもらってないし、会うたびにこの状態なので俺としてもたまらないものがある。

 

いま思い出しても恥ずかしい! ノリの勢いとはいえ、俺もよくあんなところで好きな女だと告げたよな!あのあと、冥界の新聞には一面で報道されていた。

 

『おっぱいドラゴンとスイッチ姫、主従を超えた真剣恋愛か!?』って。その新聞を見ていた光輝さんにレイジさんが『あの場とはいえ、最高の告白を見せてもらったぞイッセー』『あっははは!いや〜、俺がアリアに言った告白よりも大胆だな!うん、なかなか面白かったぞ。あとは頑張れよ。』とか言っていて、顔が真っ赤になったのは事実。

さらに、これの影響で当面は冥界に帰れそうにないって話だ。帰れば必ずあちらのマスコミに囲まれるからだ。うーん、まいった。

 

そして、ふとサイラオーグさんの言葉が蘇える。

 

――もう一度想いを伝えてみたらどうだ?今度は真っ正面で二人きりでだ。

 

…………。

 

もう今更、か。

 

俺。このヒトに惚れているのは本当なんだからさ! ていうか……言おう。俺がずっと言いたかったこと。呼ぶんだ。

 

――今度こそ、必ず!

 

俺は覚悟してリアスの正面に立つ。生唾を飲み込むと息を深く吸って、上ずった声音で言ってやった!

 

「……リ、リアス……」

 

「………………………え?」

 

一瞬、呆然とした部長が訊き返す。

 

だから、俺はもう一度、ハッキリと伝える。ええい、ままよ!

 

「……俺、リアスのことが……リアスのことを一生守っていきたいです……。俺、惚れてます!!リアスのことが大好きです!!!」

 

「――っ」

 

言葉を詰まらせた様子の部長。次の瞬間、目から大粒の涙をぽろぽろと流していく。

 

やべぇ、泣かした!ま、まさか、俺、ダメでした……?

 

青ざめて慌てる俺。部長は首を横に振って涙を拭った。

 

「…………違うの。私、私……。うれしくて――」

 

部長が俺のほうに歩み寄り、俺の頬をなでる。

 

「やっと、名前で呼んでくれた……。ずっと待ってた。ずっと待ってたのよ……。ううん、私、勇気がなくて、言えなくて……。もうダメかと思った……。けど、あのときあなたの想いを聞いて……本当にうれしくて、試合中なのにどうにかなりそうだった……」

 

…………。

 

それを聞いて、間の抜けた顔になる俺だが……。

 

それって――つまり!

 

「……そ、そう思っていいんですか?」

 

俺の問いに彼女はうなずいた。

 

――ッ! マ、マジか……! お、俺……、俺、このヒトと……?

 

「……イッセー、私、あなたのことを愛している……。誰よりもずっと、あなたのことを――」

 

部長――いや、リアスのくちびるが俺のくちびるに近づいてくる――。

 

「リアス……」

 

「イッセー……」

 

――キス、しようとしたときだった。

 

ガタッ。

 

扉のほうで音がする。

 

「ちょ、ちょっと、押さないでよ、ゼノヴィア!」

 

イリナの声だった。

 

見れば、部屋の扉から部員の面々が顔を覗かせていた――ッ!!

 

何をしているの、キミたちぃぃぃぃぃっ! 覗かれた!? この場面を覗かれていましたか!?

 

「お、おめでとう、イッセー、部長!これで私も気兼ねなく言い寄れるんだな!!」

 

ゼノヴィアがギクシャクしながらもそう言う。

 

「あ、あの、お二人ともおめでとうございます!わ、私もこれでお姉さまのあとを追えます!!」

 

アーシアちゃんも見てたの!?

 

「あらあら、お二人共、やっとくっつきましたのね。随分と長い道のりでしたわね。おめでとうございます。うふふ」

 

朱乃さんまで!!

 

「……私も、見てました。……良かったですね。部長、イッセー先輩」

 

小猫ちゃんも、何を言っているの!?

 

「ごめんなさい。私も見てたわ。」

 

「すまん。私もだ」

 

「ごめんっす。私も見てたっす」

 

「ゴメン、僕も見てた」

 

「感動しましたぁぁぁっ!」

 

夕麻ちゃん達に木場とギャー助も!? ふざけんな!

 

「今日だけは不純異性交遊を認めてもいいんですよ?」

 

余計なお世話です、ロスヴァイセさん!てか、あなた教師でしょ!!

 

……ん? ちょっと待てよ…。このメンバーがいるって事は……まさか!?

 

ガタッ

 

「――いよっと!」

 

すると、天井が開いたかと思えばそこからツバサちゃんが降りてきた。

 

―――ってツバサちゃん!? やっぱりいた!

 

「にゃははは!! やぁっと告白したんだね〜、イッセー! 本当に長かったねぇ〜、ここまで来るのにさぁ〜。まったく、変な所で意気地無しなんだからキミは……。

まぁ、あの大勢の場で告白したのに、もしもこの場で、告白しなかったらキミの評価を底辺クラスまで下げちゃう所だったよ。良かったね、イッセー♪」

 

つ、ツバサちゃん……キミまで…

 

「――さて! そろそろ出てきてもいいよ!みんな!」

 

……へ?

 

ガタッ スッ ペラ ガラ

 

窓に床に壁に物置の影に……いろんな所から光輝さん達兄弟姉妹にメイドメンバーが出てきた。

 

……って、ええええええええええ!!!!?

 

「いやぁ〜、いいもん見せてもらったぜイッセー!なかなか良かったぞ!」

 

「そうだな。光輝の言う通り、なかなか面白かったよ。よく頑張った、イッセー」

 

「本当にね。女の子を待たせたのは減点だけれど、あの大勢の場で告白し、さらにこの静かな場で改めて告白したのにはカッコよかったわよ。これからも、頑張りなさい。……いろいろね」

 

「あはは、ごめんね、イッセーくん。ちょっと気になっちゃって」

 

「うんうん。好奇心には勝てなかったわ。ごめんなさいね、イッセー。でも、すごく良かったわよ」

 

光輝さん、レイジさん、皐月さん、ナツルさん、優子さんの順でそう言った。

 

……って、そんな事よりも、みなさんが持っているモノはなんですか!? その見た感じ高性能なカメラは! ま、まさか……いまの撮られてたんですか!?

 

「家庭科室をお借りして、ケーキが完成しましたわ!」

 

と、勢ぞろいした部室に、レイヴェルが大きなケーキを持って入場してきた。その様子から、この子だけは覗いていなかったようだ。

 

「あれ、皆さま、どうかされたんですか?」

 

首をかしげ、怪訝そうに俺たちを見ていた。

 

俺の隣でリアスがぷるぷると全身を震わせていた。

 

「もう! あなたたち! 私の貴重で大切な一シーンだったのに! どうしてくれるのよ!! これもイッセーのせいよ! こんなところで告白するんだもの!!!」

 

「え!俺のせいなんですか!!」

 

『『『『『『『『『『ということにしましょうか』』』』』』』』』』

 

皆も同意する!ふざけんなぁぁぁぁっっ!!!

 

こうして、波乱に満ちた学園祭とサイラオーグさんとの戦いは幕を閉じたのだった。

 

さてさて、俺の告白はどこまで有効なんだろうか……?

 

―side out―

 

――――――――――――――――――――――

 

―アザゼル side―

 

俺――アザゼルは冥界の用事のついでにシトリー領にある病院に足を運んでいた。

 

院内の売店で花を物色している体格の良い男が俺を見て驚いていた。

 

「総督殿」

 

「よー、打撃王」

 

サイラオーグだった。

 

報告ついでにこいつの顔も見たくなって、ついこの病院に足を向けてしまった。あれだけの試合をした男だから、賛辞のひとつでも言おうと思った。

 

進路を歩きながら話し込む俺とサイラオーグ。その話題はイッセーたちに移った。

 

「兵藤一誠はどうですか?」

 

サイラオーグの問に俺は豪快に笑って答えた。

 

「ああ、告ったらしいぜ?ハハハ! なぁ、ツバサ、光輝、レイジさん達よ〜」

 

俺の言葉に驚くサイラオーグ、ふと視線を向けると、そこに立っていたのはいつも見ている3人だった。

 

「ハハハ、やっぱり気づいてたかアザゼル」

 

「当たり前だ。俺を誰だと思ってるんだよ光輝。これでも堕天使のトップだぜ?」

 

「そうだったな。堕天使の総督殿」

 

「おう、わかればいいんだよ、わかればな」

 

「……え?堕天使のトップ(笑)じゃなくて?」

 

「そうだな。堕天使のトップ(笑)だな……っておい!? なんてこと言ってんだよツバサ! それは酷くないか!?」

 

「いいじゃん。実質そうなんだし。」

 

「……たく、ひでぇなお前は」

 

「日頃の行いだよ。……それにしても、あの2人は学園祭以降、どっちもすごく初々しくて見てられないよ。なんか、見てるこっちが恥ずかしくなる」

 

ツバサが少しげんなりとしながらそう言った。

 

「ハハハ、仕方が無いさ。だが、これで周囲の女子も黙っちゃいないだろうから、まさにこれからだな。あいつのハーレム道ってやつは」

 

アーシアもゼノヴィアもイリナもどう攻めるのだろうか?

 

さてさて、女に不慣れな乳龍帝くんはどう出るかな? 傍から見る分には最高の見物だぜ!

 

「アザゼル、顔がゲスいよ?」

 

ツバサに言われてハッとする。

 

おっと、思わず顔に出ちまったぜ。

 

「そうですか。それは良かった。リアスにはあの者が一番似合うでしょう」

 

ヒトの心配をしているほどでもないだろうにな、この男も。

 

「……一からか」

 

俺の問にサイラオーグがうなずく。

 

こいつにすり寄ってきた大王派のお偉方たちはら敗北を知って素早く去っていった。

 

サイラオーグは負けによって、上へのパイプをすべて失ったことになる。これがレーティングゲーム。ものの価値に敏感な悪魔は利用価値が下がればすぐにそれを捨て去る。

 

それが悪魔業界の実情のひとつだ。

 

「ええ。問題ありません。慣れていますのでね」

 

「うちのバカは心配していたけどな」

 

イッセーは気にしていた。あいつはサイラオーグのことを尊敬しているようだからな。

 

「伝えておいてください。――すぐに追いつく、と」

 

いい笑顔だ。負けたのに清々しさに満ちた笑みを見せてくれる。こいつならすぐにイッセーたちと再びいい試合をしてくれるようになるだろう。いまから楽しみでならない。

 

「……ん? おい、なんか執事みたいなの来たぞ?」

 

光輝が気づいたのか指をさした。

 

そこに視線を向けると、執事らしき者が息を切らしながら姿を現した。

 

「サイラオーグさま……」

 

執事はサイラオーグの名を呼び――その表情は歓喜の涙に濡れていた。

 

「どうした?」

 

訊くサイラオーグに執事は震える声で答えた。

 

「……ミスラさまが……」

 

―side out―

 

―ツバサ side―

 

俺たちは学園祭が終わってから数日後、冥界に光輝兄さんが用があるといい、お付きで俺とレイジ兄さんがついてきた。冥界でいろいろと、仕事を終わらせた後、とある病院によった。

 

……そこは、シトリー領にたっている大きな病院だ。

 

そんな中に気配を変えて入りしばらく歩いていると前方にアザゼルとサイラオーグを見つけた。近づいていこうと進むと、アザゼルが俺たちの名前をよびながら、後ろを見てきた。どうやら気づいていたようだ。

 

そこからは、適当に話をしていたが、突然サイラオーグの執事が走ってきて、いまは、サイラオーグのお母さんの病室にいる。

 

その病室内では、駆けつけてきていた医師や看護師の驚愕の表情を浮かべ、口々に『奇跡だ』『信じられない』と漏らしていた。

 

ベッドを覗けば――そこには長い眠りから目を覚ました女性が窓から風景を見ていた。

 

サイラオーグが体を震わせて、下で購入していたであろう花を床に落としながらベッドに近づいていく。

 

それに女性――サイラオーグの母親も気づいた。

 

「……母上、サイラオーグです。おわかりになりますか?」

 

「……ええ、わかりますよ……」

 

子の頬をなでようとする母の手。震えるその手をサイラオーグの大きな手が取った。

 

「……私の愛しいサイラオーグ……。……夢のなかで……あなたの成長をずっと見続けていたような気がします……」

 

母親は静かに笑み、一言だけ続けた。

 

「……立派になりましたね……」

 

「……………っ」

 

母親のその一言を聞いたサイラオーグの目から――一筋の涙が流れた。

 

「……まだまだです、母上。 ……元気になったら、家に帰りましょう。あの家に……」

 

俺達はそんなサイラオーグと母親の2人をみながら、兄さんたちは微笑ましく見て、俺はもらい泣きをしていた。

 

すると、アザゼルが病室を出たので、俺たちもこれ以上ここにいるのは野暮だと感じて、一緒に病室を出ていくのだった。

 

――立派になりましたね。……か。

 

ねぇ、サイラオーグ。

 

あなたは心のどこかでその一言を母親から聞きたくてずっと戦っていたんじゃないかな?

 

あなたにもいろんな考えが想いがあると思う

 

でも――。

 

あなたのお母さんにとって、あなたが自慢の息子であることはかわりないと俺は思うんだ。

 

それとイッセー。

 

お前は本当にすごいよ! こんな奇跡を起こしちゃうなんてよ。

 

イッセーだろ? あの母親を目覚めさせたのは。

 

今日、この病院に来た理由は、兄さんに頼まれて俺が回復魔法で頑張ったサイラオーグのために、ずっと眠り続けている母親の意識を回復させるためだった。

 

――でも、それはいらなかった。

 

だって、それをしたのがイッセーだったからさ。

 

この病室に来て、乳語翻訳(パイリンガル)をしたって言ってたもんな。それがどういう効果をもたらしたのかはわからないけど、結果的にはサイラオーグの母親を深い眠りの底から起こした。

 

だって、それ以外考えられないもん。俺以外でサイラオーグの母親を起こす現象なんてさ。

 

ねぇ、イッセー。お前のバカらしさは皆を包み込む良いバカらしさだと思うよ?……たぶん、みんなもそう思っていると思うんだ。

 

そのバカらしさがどこまで通じるのか……。俺はまだまだ見たいと思うし、すごく気になるよ。

 

本当に、すごいよ……あんたは…

 

「……悪魔のヒーローと英雄の子孫たちどちらが本当の英雄(ヒーロー)なんだろうな」

 

すると、アザゼルが院内の窓から冥界の空を眺めながら、そんな事をつぶやいた。

 

……確かにね、どちらが本当の英雄なんだろうか。

 

……でもね、アザゼル。これだけは絶対に言えることがあるんだ。

 

「ねぇ、アザゼル?」

 

俺はアザゼルを呼ぶ

 

「ん?なんだ、ツバサ?」

 

アザゼルは俺のほうを向いた。

 

「英雄ってのはね、自分で決めるものじゃないんだよ。どの世界の時代に歴史においても、英雄は民……つまり、力無き人々から勝手にそう言われるもんなのさ。

人を助ける事に理由があるか? 国を良きものにするのに、国を危機から助けるのに理由があるか?

英雄と呼ばれる人達はね、どの世界においてもみんな、ただ人々のために、ただ世界の平和のために、そうたったそれだけのために自分の命をかけて守ってきたんだ。

そうやって、人々の中から英雄は生まれてきたんだよ。

 

……誰よりも長く生きているアザゼルだってわかってるんじゃないかな?」

 

俺のそんな言葉に、アザゼルはフッと笑みを見せた。

 

「……ああ、そうだな。いわれてみりゃ〜、簡単な事だった。そうだよな、ありがとうツバサ」

 

「別にいいよ。そんな大層なことなんてしてもないからね。」

 

「それでもだ」

 

そういいながら、アザゼルが俺の頭をポンポンと撫でるようにしてきた。

 

「さて、そろそろ戻るか。お前達も仕事終わったんだろ?」

 

アザゼルは改め直して光輝兄さんたちに聞いていた。

 

「ああ、仕事は片付いた。あとは家に帰るだけだな」

 

「なら一緒に帰ろうぜ。ひとりはつまんねぇんだよ」

 

アザゼルはカラカラと笑いながらそう言った。

 

兄さん達はそんなアザゼルを見てほんの少しキョトンとしつつも、クククと笑っていた。

 

「……ククク。確かにな。ひとりで寂しく帰るより、みんなで喋りながらでも楽しく帰るとするか」

 

「ああ、そうだな」

 

「うん。そうだね」

 

「んじゃ、そうと決まれば帰ろうぜ!」

 

そういいながら、俺たちはアザゼルと一緒に楽しくみんなで、帰るのだった。




がんばったよ!また1万字超えちゃってたよ!

まぁ、今回でこの章も終わりだね。次からは新しい章へとやっと突入だよ。いや〜、本当に長かったねぇ〜。俺が原因なんだけどさぁ〜。

ツバサ「ほんとだよ。次こそは早めに投稿してよね。最低でも週1で頑張りなさい」

……え。い、いや。こっちも忙しいので、それはちょっとぉ〜…

ツバサ「何か文句でも?」

いえ! 何もありません!ツバサ隊長!!

ツバサ「よろしい。ならば頑張りなさい。マジで」

サー!イエッサー!(≧∀≦)ゝ

ツバサ「それじゃ〜みなさま。また次回でお会いしましょう」

それでは、みなさま! せ〜の!

ツバサ•作者「「ばいば〜い!!」」

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