まぁいいや。今回遅れました理由は、今からちょうど三週間前……、そう。自分は専門学校の実習で長野県まで行ってたのですが、その実習中にスマホを落として大破させてしまい、新しく買ってから11ヵ月という短さの中、先代がお亡くなりになりました(´;ω;`)
てなわけで、まだ一年間たってなかったので、同じ機種と色ですが、新たなスマホが無料で交換出来るので交換してきました。1週間前にやっと届きました(歓喜)
パソコンの調子も物凄く悪いままなので、スマホ復活は本当に嬉しいのですよ!!。゚(゚´▽`゚)゚。<コレデインターネットガツカエルゾ!!
……ですが、何故かしたはずのバックアップデータが1部無くて、少し不便なスマホになっちゃいました。……そのかわり、物凄く軽くなってるけど。
……ただ、ある時、このサイトを開こうとしてログインしようとすると〜……
『エラーが出ました。ログイン出来ません』
「なん……だと……!?」
何故か、ログインが出来なかったんです。マジでどうしようもなくて、父親が誕生日に何故かくれた別の機種で、新たにもう一つのデータを作り、そこでしばらく投稿の為の話を作っていました。
ついでに、そこ用の新たな作品を作っていたのですが、つい先日、今のデータのログインがやっと成功したので、もう一つのログインデータは消去し、そこで溜めていた3週間分の話を投稿して行きます! 投稿の数的に連日投稿となると思います!
それではどうぞ、ゆっくりしていってね!
ホテルの一室の窓から外を見下ろす。
「……ふぅ。随分と物騒な武器を持って漆黒のローブを着た不気味な雰囲気の輩が多数こちらを見上げているな。」
隣で光輝兄さんがそうつぶやいた。
それに、…全身を駆けめぐっていく、凍えるようなあのおぞましさ。この感覚――久しぶりに感じる。
死神(グリ・ムリッパー)ねぇ……あの冥府神ハーデスがけしかけてきた奴らなんだよねぇ…。面倒だな…。
「……たく。あの骸骨じじぃ、もしも、俺の家族、それに友人たちに何かあったら…そのときは消し去ってやる。」
『その時は私も力になるわ。存分に暴れましょう』
俺はハーデスの越権行為に、冷静なまま怒りのボルテージを上げていた。ルーツも同じ気持ちのようだ。
ゲオルクによって創られた疑似空間を脱出するには三つの方法しかない…いまのところはね。
アザゼルがその説明くれる。
「三つの方法とは、ひとつ、術者――ゲオルクが自ら空間を解除すること。これは京都での戦闘が例だ。ふたつ、強制的に出入りする。これはルフェイや初代孫悟空と玉龍(ウーロン)がやってのけたことだ。さっきも説明したが、こいつは相当な術者でなければ不可能。ルフェイの場合は現状一度が限界で連れて行けるメンバーも限られる。ルフェイの術での三度目の出入りは無理だ。――ゲオルクが結界を更に強固にするだろうな」
…そう、たった一度だけの脱出には人数が限られる。
「最後は単純明快。術者を倒すか、この結界を支えている中心点を破壊することだ。アーシアが捕らえられたときイッセーが結界装置を破壊したが、あのように結界の中心となっている装置を壊す」
実は……この三つの他以外に脱出方法はまだ二つある。
一つは、光輝兄さんの馬鹿げた力でこの結界空間を破壊すること。ただ、デメリットとして、強制的に破壊するので、破壊した後の保証は出来ないので、とてもリスクが高く却下。
二つ目は、俺の能力でコピーしていた、八雲紫さんの『境界を操る程度の能力』で、スキマを作り難なく脱出だ。1番早く安全で安心なのだが……
光輝兄さんいわく、『それじゃ面白くないので却下』
らしい。なんでだよ……。
…まぁ、終わったそれは置いといてだ。いまからやる作戦は本当に、単純明快な方法なんだよ。…ただ、単純でシンプルなほど難易度が上がりやすいってのも考えものだね。
ここの装置については、すでにルフェイと金華たちが魔法や仙術で探りを入れていた。
部屋の床に紙に描かれているホテルの見取り図を置く。そこに駒となるもの……紙で折った鶴を複数置いて、外部に『目』を作りだす。なんか、紫さんの『スキマ』みたいに目がぎょろぎょろとしてないからいいけど、それでもちょっと不気味だなぁ
瞑目するルフェイが手を見取り図に向けると、鶴がカタカタとポル的な動きをしだす。魔術文字が光り、灰が独りでに動きだして何かの紋様を描いていく…。
ルフェイが言う。
「駐車場にひとつ、ホテルの屋上にひとつ、ホテル内部の二階ホール会場にもひとつ、計三つの結界装置が確認できました。それらは蛇……いえ、尾を口にくわえたウロボロスの形の像です」
ルフェイが紙に描いた像のデザインをアザゼルが受け取る。
アザゼルが言う。
「壊すべき結界装置はウロボロスの像か。しかも三つ。相当大がかりだな。この空間はオーフィスを留めるためだけに作られた特別な専用フィールドってことだ。本来のオーフィスなら問題はなかった。力が削がれたオーフィスを封じる前提で結界空間を作ったんだろうな。それでルフェイ、装置の首尾はどうだ?死神の数はさっき調べたときより増えているか?」
「はい、総督。どの結界装置にも死神の方々が集結しています。というか、すでにこの階以外の場所には廊下にまでその方々がいらっしゃってて……。駐車場が一番敵が多いです。曹操さまはこの空間からすでに離れてますが、代わりにジークフリートさまがいらっしゃってますし、ゲオルクさまも当然駐車場にいらっしゃいますね」
「駐車場にある装置は、三つある装置のなかで一番の機能を発揮しているんだろう。それをすぐに壊せればいいんだが……」
リアスがアザゼルに言う。
「アザゼル、先ほど話した作戦通りに行きましょう」
リアスの提案にアザゼルもうなずく。
「ああ、ったく、えらい方法を考えるもんだぜ、おまえもよ。イッセー、おまえの惚れた女は誰よりもおまえを理解しているようだぜ?」
アザゼルが苦笑しながら言う。俺もその作戦のことは知っているので、つい苦笑してしまった。
訝しげに思っているイッセーに朱乃が耳打ちする。
「実は――」
内容を聴いているイッセーの目が丸くなる。
「とんでもないこと考えたもんスね!!」
尊敬の眼差しをリアスに送るイッセー。アザゼルがイッセーの肩に手を置く。
「まあ、確かにすごいんだが、リアスはおまえに夢中だから思いついた作戦だぞ?ソーナの戦術とはまた違う方向だ」
しばらく、イッセーとアザゼルが2人で話しているのをみんなは見守っていた。
「あぁ、作戦決行だ!おまえら!!」
どうやら、作戦会議は終わったのか、アザゼルが気合を入れて叫ぶ。それに続いて皆が気合を入れていく。
「「さぁ、ドキドキ♡!?死神殲滅作戦!大脱出!――始動だ!」」
……光輝兄さんとアザゼルの作戦名にみんなズッコケる。
ま、全く。どんな作戦名だよ……。だが、まぁ、これでみんなの肩の力が取れたようだな。
こうして、俺たちの脱出作戦は幕を開ける――。
ホテル内、ルフェイの結界に覆われた階層――その廊下の一角に俺とイッセーは立っていた。
イッセーの横には猫耳モードの白音。瞑目状態で床に正座をしている。
その近くの部屋にはルフェイとイリナ、ゼノヴィアの姿がある。脱出用魔方陣の準備をしている最中だ。
扉は解放していて、その部屋の窓際には他の作戦メンバーが集結している。いまだに体力の回復していない金華が黒歌に肩を貸してもらっていた。あと、解呪しきっていない状態のヴァーリもそこの部屋にいる。
作戦を立てた部屋から移動し、窓から駐車場の様子が一番広く見下ろせる部屋に集まった。
この階層を囲んでいるルフェイの結界はあまり長くはもたない。すでに非常階段のところで死神が結界を壊している。まぁ、たとえここまで来ても、俺達が食い止める気でいるけどね。
イッセーは素早く禁手(バランス・ブレイカー)となり、赤い鎧を身にまとう。あとはルフェイの魔方陣ができあがりしだい、作戦を決行する。
目を閉じて、探っていた白音が立ち上がる。天井の一角と床の一点を指し示す。
「……イッセー先輩、そことそこです」
「了解だ」
うなずくイッセー。それを確認すると白音は部屋に入っていこうとしていた。
イッセーは白音の手を引き、言う。
「白音ちゃん、金華は悪い奴だと俺も思う。仙術に魅入られて力を求めているのもわかる。テロリストに身を置いているアイツが善良なわけがない。――けどね」
金華のほうに視線を向けるイッセー。金華は気づいてはいない。
「やっぱり、白音ちゃんのお姉さんなんだと思うよ。野良猫でイタズラ好きで悪い女だけどさ、白音ちゃんの肉親なんだ」
「……金華姉さまのせいで私は辛い目に遭いました」
……まぁ、たしかに白音と黒歌は金華が「はぐれ」となってしまったせいで、金華の罪を浴びて、大怪我までしていたらしいしね。全部、黒歌の証言だけど。
「……金華姉さまを恨んでいます。……嫌いです。――でも、私をさっき助けてくれました」
白音は強い眼差しでイッセーに言う。
「いまだけは信じようと思います。少なくともここを抜け出るまでは」
どうやら、白音の気持ちは充分なようだね。黒歌も金華のことはあまり良くは思っていなかったが、いま金華に肩を貸して共に立っている。
「――それで十分だ。もし、これからも金華に何か変なことされそうになったら俺に言ってくれ。こらしめてやるからさ」
イッセーがそう言って白音の頭をなでる。白音は恥ずかしそうだ。
さて……そんなほのぼのとした空間もそろそろ終りそうかな?
「――術式、組み終わりました」
そうこうしているうちにルフェイが転移魔方陣の完成を告げてきた。
――うん。ほのぼの終わったみたいだね。
ルフェイ、イリナ、ゼノヴィアの足下に円形の光が走り、魔方陣が展開していく。
魔術文字により生まれた転移魔方陣。これで三人は外に出られる。兄さんの『面白くないから却下』発言がなきゃ、今すぐにでも全員脱出出来たんだけど……
索敵していた白音も窓際に移動し、作戦が開始される。
「『龍牙の僧侶(ウェルシュ・ブラスター・ビショップ)』にプロモーション!!」
『Change(チェンジ) Fang(ファング) Blast(ブラスト)!!!!』
イッセーは魔力特化形態になる。リアスさの作戦通りに左右のキャノン砲口を上下にそれぞれ向ける。
『Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)Boost(ブースト)!!!!!!!!!!!!!!!!!』
『Explosion(エクスプロージョン)!!』
イッセーは倍加させた力を光輝兄さんに渡した。
…そう、光輝兄さんが提案した作戦の一つで、「イッセーと俺の高火力で死神を一気に屠り去ろうぜ大作戦 By光輝」というものを開始早々実行した。
ゴゴゴゴゴゴゴ……
結構な威力だった為か、襲撃に来ていた死神の3分の1が消し飛んでいる。
「――行きます!」
イッセーは皆に向かって叫ぶ。
……この作戦は当たりだと俺は思っている。不意打ちで装置を破壊すれば、死神たちも手はだせないし、死神ごと吹き飛ばせる。
……と思っていたんだけど。装置どころか、一部分、空間すら消滅するってどんな威力なの?
「さあ、いこうぜ、ドライグ!!当てるべくは結界の装置とその周囲にいる死神だ!一気にぶっ壊していくぞ!!!」
イッセーがドライグと意志を合わせて気合を入れた。
ドゥゥゥゥゥゥ……ッ。
イッセー背中にあるバックパックが静かに鳴動していく。砲身に強大なオーラが溜まっていく…。
「いっけぇぇぇぇぇぇっぇえええええええっ!!ドラゴンブラスタァァァァァァッ!!!」
ズオオオォォォォォォォオオオオッ!!
左右のキャノンから膨大な赤いオーラが発射されていく。
砲撃が終わったのを確認して、俺は上下に視線を配る。
――天井と床に大きな穴ができていた。
わ〜……イッセーも、光輝兄さんに近い程の一点集中の威力が高いなぁ〜。
そんな呑気な思考でいると、瞑目していたルフェイが告げる。
「屋上とホールに設置されていた結界装置が破壊されました!周囲にいた死神の方々ごとです!!これで残るは駐車場のひとつだけ!――転移の準備も完全に整いました!!」
刹那、転移の魔方陣も輝きを増して、ルフェイたちを包み込んでいく。
「ゼノヴィア!イリナ!頼むぞ!!」
イッセーが転移していく二人にそう告げた。
「イッセー!死ぬなよ!!」
「必ずこのことを天界と魔王さまに伝えてくるから!」
それだけを言い残して二人はこの空間から消えていった。…ふむ、脱出は無事成功したようだね。
「よし!これであとはあいつらをぶっ倒して装置も破壊すればしまいだ!!いくぞ、おまえらっ!!!」
アザゼルが光の槍を薙いで部屋の大きな窓を破壊する。
『はいっ!』
呼応する皆を背に俺は射命丸文に変身して、神速で屋上へと浮上した。
たどり着くと、そこは完全に瓦礫の山状態だ。やっぱり一部分だけ存在そのものが消滅してるけど……
すると、消滅していなかったところで、ぶっ倒れている死神が起きだしてくきた。…はぁ。大人しく倒れていればいいものを。
そう思いながら俺は、手に持った愛刀の『村雨』で容赦なく反応できていない死神たちを神速で斬り払っていく。
俺は上空で地に落ちていく死神たちの様子を見ていたが――突如、懐に飛び込んできた人影があり、得物の大鎌で斬りつけてこようとしたが、軌道は読めていたので難なく躱した。
その死神は高速で移動して、高速の斬撃を連発してくる!
「(むむむ? 案外やりますね。これは……どれだけ低く見積もっても上級死神。その上位クラスといったところですね。でも、それでも相手は全力をまったく出していないところを考えると、おそらく"最上級死神"クラスと言ったところですか)」
しばらく、相手の攻撃を否しながら俺は考え事をしていた。そして、相手が大ぶりの攻撃をしてきたので、振りかぶってくるその瞬間に、村雨の一振りを居合切りの要領で振りかぶって大鎌にぶつけた。
ギィィィィン!!
金属音が鳴り響く。ぎちぎちと火花を散らせながら、押してくる死神。……と思われたがそこは、伝説の妖刀が一本"村雨"。相手の大鎌を根本から切り裂いた。
相手はフードを被っていて口元しかわからないが、かなり驚いて、慌てて俺から距離をとった。
……それにしても、力強かったなぁ。さすが死神の最上級クラスといったところかな?……ほんと、こんな小さな体のどこに力があるんだろう? まぁ、幻想郷には、小さいのに馬鹿げた力を持った妖怪さん達なんて、普通にいるから今更かな。
ドッゴォォォォオオオオオオオオオオオオオオンッ!
すると、離れた場所から、けたたましい快音と爆音が聞こえてきた。
俺はその瞬間に驚いて体勢を崩した死神に向けて神速で近づき刀を薙いだ。しかし、いまの俺に近い速さと力を持った死神だ。俺の薙いだ刀をスレスレで回避して、また離れて体勢を立て直している。
だが、先程とは違い少しかすったのか、フードの端に切れ込みが入っていた。
しばらく、静寂な空気が流れるが、また今度は違う遠くの場所で爆発音が聞こえ、それが合図になり、俺と死神は同時に動き出した。
ほんの数秒で移動した直後に鋭角で薙ぎってくるいつの間にか修復していた大鎌。俺は予想していたので難なく刀で防ぎはじき返す。
しかし、はじき返した直後に、また振られてきた大鎌!…どんだけいい動体視力と反射神経持ってんだろ?この小さな死神さんはっ。といっても白音と同じサイズだけどね!
俺は薙ぎってきた大鎌を小さな動作だけで避けて、死神の後方へ瞬間移動し、身体を弾き飛ばしてめり込ませた。
壁にめり込んでいる死神の所へ近づき、死神に忠告する。
「いま、お前を弾き飛ばした際に、結界札をはらせてもらった。その札には"退魔の印"を書いているため、君たち"魔"の者に、絶対な力をふるうよ。悪魔が聖なる光で焼かれるみたいにね。かなりの激痛がともなうから、それ以上動かない方がいい。でないと……死ぬよ?」
俺が脅しを込めて忠告するが、小さな死神はそれを無視して腕を動かした。
パシッと音がして、ローブの袖に切れ目が入った。そこから赤い血が滴りだす。更に、動いたためか、身体に張り付いた無数の札から煙がシューシューといって上がっている
「だから、やめなさい…ってあれ?」
俺は目の前の光景に疑問を感じた。
――あれ?なんで、死神なのに…赤い血を流しているの?
しばらく考えて……ある結論にいたった。
「…ま、まさか、おまえ」
俺は抵抗しようにも抵抗できない小さな死神のフードを取り払った。
そこにあったのは――。
「はは、嘘でしょ?……」
紫色の短い髪が生えていた……いや、正確には『骸骨の仮面を被っている』のだ。
普通の死神であれば基本、顔を隠す必要が無い。たまに仮面をしている奴も入るが、基本それはないのだ。理由は知らないけど。
それと、赤い血以外にも、"魔の者"に絶対的な効果がある俺の"退魔の札"がいまだシューシューといっているが、いままで見てきたやつと違い煙と音の量が少ない。これは普通有り得ない事だ。……これらから考えられる事は、ただ、一つ…
俺はその骸骨の仮面を取る。すると、そこには金色の双眸で俺を睨みつけている少女がいた
《……くっ!》
歯がゆいらしいその少女は、口を『へ』の字にしてそう漏らしていた。
「…………」
俺は無言で"印"を結び、死神少女に張り付いていた札が、パラパラと剥がれていった。
その行動に目を丸くしている死神少女。
「…俺はあくまで『テロリスト』をさばいているだけだ。敵対意識のないものは殺しはしない…いますぐにここから離脱しろ」
死神少女はそのつり目を瞬かせて驚いていた。
《…なぜ、私の心の中がわかったの?》
「俺は目を見るだけで他者の心が読めるからね。ただ、それだけだよ。ほら、そんな事よりさっさと戦場から離れなさいな。……それとも、死にたいのかい?」
実はサトリさんの能力で心の中を覗いただけだが……
俺がそう言うと、死神少女は札の取れた身体を動かし、静かに腰を上げた。
《私の負けだ。いさぎよく帰るよ》
そう言って死神少女は180度ターンした。
「…そのまえに、右腕を貸してくれる? その怪我を放っておくと危ないからね。ヘタしたら、退魔作用で腐り落ちてしまう可能性もあるから」
言うやいなや、俺は死神少女の右腕をそっと握って回復魔法『ホイミ』と体に"退魔の毒素浄化"の印を傷口に唱えた。
《………っ!》
驚いているようで目を丸くしている死神少女。俺は気にせずに治癒を終わらせた。
「傷口、それに体内に侵食していた退魔の毒素は治癒しておいたよ。ついでにその大鎌も砕かれる前の状態に戻しておいたから。」
実は、この死神少女を弾き飛ばした際に、ついでに大鎌も粉々に粉砕していたのだ。それを時戻しで戻しておいた。
死神にとって、その大鎌は相棒と変わらないもの……だと思いたい。少なくても心の中では大事にしている様ではあるから、直しといたけど…。まぁ、どちらにしよ、振ることができなければ身を守ることさえできなさそうだからね…この死神少女は。
なんか…こう……天然というか、おっちょこちょいというか、"記憶"と心の中の"記録"を見た感じでは、俺はそう感じたね。うん。
《……借りを作ったな。戦場では名を名乗る…だったか?》
何かを盛大に勘違いしている死神少女。……戦場では別に名乗らなくていいんだけどなぁ…。多分、それは騎士の間での話だよ。
《私の名はアーシュラ。あなたは?》
「…俺の名は結城翼だよ」
《ユーキ…ツバサ…うむ、覚えておく…その名を》
そう言うと、死神少女"アーシュラ"は足元に魔方陣を描くと、スポッという感じで落ちていった…。
「…………(スキマみたい…)」
俺はアーシュラが落ちていった時、それが"スキマ"に見えてしまったのは目がおかしくなったのだろうと、思っていたのだった。
「ツバサ、終わったか?」
すると、光輝兄さんが走りながらこっちに来た。
「光輝、ツバサ、こっちはひとまず殲滅したぞ」
レイジ兄さんも光輝兄さんとは別の方向から来て俺の隣に立った。
「うん。まぁ。……さて、皆の援護射撃とでもしますか」
俺と光輝兄さんとレイジ兄さんの3人は屋上のふちに立つ。
「さて、早速だが、まるでGの如くウヨウヨと群がっている死神共に天誅を下すとするか」
突然、光輝兄さんがそんな事を言ってくる。
「天誅って……まぁ、1番高いビルにいて、こうして下と周りを見ればわからないなくもないけど……天誅はないでしょ天誅は。せめて殲滅――」
「いや、それもおかしいからな!?ツバサ! てか、2人ともおかしいだろ! 結局全滅してんじゃねぇか!?」
光輝兄さんと俺にツッコミを入れてくるレイジ兄さん。
「でも、結局はひとり残らずせんm―コホン。全滅させるのだから変わらないじゃないか。」
「だから言い返せてないぞ!? ……はぁ。いまはこんな巫山戯てる暇はないんだ。結局は全員倒すんだったら早くするぞ」
「おう」「だね」
レイジ兄さんの言葉に返事をする、俺と光輝兄さん。
「さぁ〜て、人暴れと行きましょうか!!」
そう言った光輝兄さんは、両手を腰に添えて手のひらの間で青いエネルギー球を溜め始めた。
「雪姫。俺達もいくぞ!」
『ああ! いいぞ、レイジ!』
すると、レイジ兄さんの持ってる刀。雪姫の刀身がシュパッと音がして開き、開いた場所から青白い光が漏れていた。
「そんじゃ〜俺も〜」
俺は村雨を天にかかげて呪文を唱える。すると、俺の上空に黒い雷雲がゴロゴロとなりながら青白い雷が迸っていた。
「全員――てーーーー!!!」
光輝兄さんの叫び声と共に3人同時に動き出した!
「波動殲滅光線!!!」
ズゴォォォォォォ!!!
光輝兄さんの両手から青白く迸る光線が死神たちを直線上に焼き払い……
「零式奥義、雪時雨!!」
青き冷気を纏った鋭い氷柱が、まるで時雨の如く相手に降り注いだ。
「剣戟秘奥義。ギガ――」
ゴロゴロ……ピシャーーン!!
俺の手に持つ村雨に青き稲妻が刀身に落ちてきて、刀身が雷を纏った!
「スラッシュゥゥゥゥゥ!!!」
青白く光る稲妻の刃が敵を切り裂き薙ぎ払う!
ズガガガガガガガガガガガガン!!!
……先程まで、黒いローブの死神たちがウヨウヨとあちこちにいたのに、目視だけでも、先ほどの俺達の攻撃で半分以上も倒したことが確認できた。
「突破口はできた!俺達も前線に行くぞ! いまのこの流れを変えられる前に、決着をつける!!」
「「おう! 了解!」」
俺たち三人は群がる死神の大群に向けて空中に飛び出したのだった――。
さてさて! 連日投稿頑張るか!……電波が死ぬほど悪いけどね!!(´;ω;`)