ハイスクールD×D~最強男の娘の転生物語~   作:三元新

133 / 146
主人公、復活!!……やっと、やっと書きたかった所まできた! やっと、この次の話からさらに書きたかった戦いを書ける(歓喜)


5話 さぁ、行こうか!

……んあ、寝てた……?

 

俺――兵藤一誠が目覚めた時に目に入った景色は黒い空間の中だったが、黒い空間は空で目覚めたのは赤い地面の上だった

 

変な夢を見た。ジークフリートと戦う木場に俺が応援する夢だ。なんだか、ピンチだからアスカロンを貸したような……。他の皆も元気がなかったから励ましておいたぜ!

 

……ってどこだ、ここ……?

 

さらによく周りを見渡せば、赤いゴツゴツしてそうな……岩場? 荒れ地?

 

よくわからないけど、赤い地面の上に俺はいるようだった。黒い空と思っていた空を眺めてみると様々な色合いが混ざりあったようなはちゃめちゃな景色。どうやら寝惚けて黒く見えただけだった。この景色はなんか、万華鏡を覗いているかのような、そんな景色だ。

 

どうしたんだっけ? 家に帰ろうとしたはずなんだけどな……。シャルバの野郎をぶっ倒して……あれ? 逆にぶっ倒されたんだっけ? 記憶が曖昧だなー、その辺。

 

『目が覚めたか。一時はどうなるかと思ったぞ』

 

相棒の声が聞こえてくる。

 

『ドライグ? ああ、気を失ってた――って、あれ? おかしいな。なんだか、体の感覚が変だ』

 

俺は自身の変化に気づいた。……おかしい。触覚がない! 何かに触れている感覚がないんだ! 俺、いま鎧を着込んでいるのにその感触をまるで感じられない! どうなってんだ!?

いつものように鎧にマスクを収納しようとするんだが……。できない! じゃ、じゃあ、これならどうよ!

 

手の部分だけ鎧を解除してみた。すると――。

 

手……手がない! 手がないんですけど!?

 

鎧を解除したら出てくるはずの中身の腕がない! ま、まさか……。それって、全身に渡っているってこと……?

 

自身に何が起こったかまったく理解できない俺に別の声が聞こえてきた。

 

「起きたんだね。イッセー。……本当に心配したんだから。もう、あんな無茶はしないでほしいな。私も含めて、そんな私以上に貴方が死んだら悲しむ人達が沢山いることをいい加減自覚してほしいよ、このお馬鹿さんわ」

 

……こ、この、癒されるような母性あるれる聖女のような、虜になってしまうほど綺麗な声の持ち主は――

 

 

そう思い俺はふと、視線を上に上げると……

 

『つ、翼ちゃん?』

 

「やぁ、イッセー。おはよう。やっと起きたね」

 

そこには、翼ちゃんの顔があった。その顔はとても綺麗で可愛くお姉さん達に負けないほどの可愛さと綺麗さを持っている。それと今の翼ちゃんはいつもの翼ちゃんじゃないようだ。……何故なら――"おっぱい"がある! そう、あの翼ちゃんに"おっぱい"があるのだ!!

 

つまり、いまの翼ちゃんは"翼"ちゃんではなく、"椿"ちゃんということだ!

 

……ん? まてよ。冷静に考えるのだ、兵藤一誠よ。俺はいま地面の上にいるはずだ。だがしかし、俺の頭の上には翼ちゃん――改め椿ちゃんがいる。そして更に、よく見るとすぐ側の地面から視線が少し上なのだ。つまり、普通で考えると俺は首を浮かしていることになる。しかし、俺自身にはその感覚もないし、動かしてすらない。……結果、そこから考えられる答えはただ一つ―――つまり、俺は……っ!

 

『ひ、膝枕……だとぉ!?』

 

そう、なんと俺は、あのみんなのアイドル椿ちゃんに膝枕をしてもらっているのだ!

 

くそう!? 俺自身の触覚が無いせいで、椿ちゃんの太ももの感触が感じられない!! ちくしょーーー!! 俺の体よ! なぜこの様な普段なら信じられないからこそ、奇跡的なイベントに限ってないのだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

 

そんな思いで絶望していると、ドライグの声が聞こえてきた。

 

『相棒、愉快で残念な思考をしている所で悪いが、いまのおまえの状態を説明するぞ? おまえの肉体はサマエルの呪いで滅びかけていた。魂だけを抜きだして鎧に定着させている状況だ。現在、魂だけの状態といえる。しかし、成功するかどうかのかなり危ない橋だったが……そこにいる、翼が手伝ってくれたおかげで難なく成功した。感謝するんだな』

 

………………え?――俺の体が、滅んだ? 魂だけの状態?

 

「そうだよ。イッセーが死んだと思ったのに、数十分たってもドライグがまだイッセーから離れていないのに気がついた。だからこそ気づいたんだ、魂だけはまだ無事だということを……案の定、魂は奇跡的に無事だった。だからこそ、私は自身の能力のひとつ『魂を操る程度の能力』を使い、こうしていまのイッセーができてるってわけなの。……まぁ、それでもあと一歩遅かったらイッセーは死んでた。本当に、ギリギリだったんだよ」

 

そ、そうだったのか。つまり、椿ちゃんがいなければマジで俺はこの世から去っていたと……

 

ふとそのことを考えて、すぐにとあることに思いつく。

 

『……なんてこった! 体がなければリアスとエッチできんじゃないかぁぁぁっ!』

 

俺は頭を抱えて絶叫した。

 

――――――――――――――――――――――

 

―椿 side―

 

『……なんてこった! 体がなければリアスとエッチできんじゃないかぁぁぁっ!』

 

私はいま、イッセーを膝枕していたのだが、イッセーのいまの状況を話すと突然起き上がったイッセーが頭を抱えてそう叫んだ。

 

…………何言ってんだ、コイツ。思わずそう思ってしまうほど、平常運転なエロ坊主に呆れる私がいるのだった。たぶん、いまの私の目はとても冷たい目をしていると思う。それほど、私は呆れているのだ。……それと同時に、安心している自分がいるのもどうかと思うが…。

 

『……え? そ、それが感想なのか……?』

 

ほらぁ、ドライグも随分と呆れ驚いているじゃないか。それもそうだ。1度死にかけ、ギリギリ魂は残ったものの肉体は消滅。普通なら驚き戸惑い、何か行動するため暴れたりしてパニックになるというのに、この人はそれらを超えて、エロ思考にいっちゃったんだから、それは驚くさ。普通わね。

 

『「え?」じゃねぇよ! これは死活問題だ! せっかく、リアスと良い関係になれてきたのに体がないんじゃエロエロなことができねぇじゃねぇかッ! あの乳を手でッ! 生で! 揉めないなんて! 死んだほうがマシだぁぁぁぁっ! 鎧だけの状態でどうエッチしろっていうんだよ! 鎧のなかに入ってもらうプレイなんてデュラハンだけにしてくれよっ! 』

 

そう叫ぶイッセーに更に呆れる私はひとり嘆息した。

 

『あれか!? リアスに鎧の中に入ってもらって「ああ、イッセーのなかってひんやりしていて感じちゃう」なんてのが……悪く無いかな?――いや、ダメだ! やっぱり、肌と肌で感じあいたい!』

 

……もうこの子、ダメかもしれない……あっ、もうすでに手遅れか…(꒪꒫꒪ )

 

『ゼノヴィアとの子作りも無理だってのか! クソ! イリナとも子作りがしたかったのにぃぃぃっ! もう、最悪鎧プレイでもいいよ、くそったれぇぇっ! 鎧でおっぱいを感じ取ればいいんだろう!?』

 

鎧なのに、物凄い執念と後悔を感じ取れるとは……イッセー、なかなかやりおるぞ(困惑)

 

『あー。えーと……あのだな、相棒』

 

呆れ声のドライグ。……うん。ドライグ、君の気持ちが凄くわかるよ。今度、いっぱいカウンセリングしてあげるから、いまは頑張って耐えてね(T^T*)

 

『んだよ、ドライグ! 俺はいま最高に悲しみに暮れてんだ! 話はあとにしてくれ! くっそぉぉぉぉっ! せっかく、あこ偽者魔王のシャルバをぶっ倒して帰還しようと思ってたのに……。あ、そういえば、オーフィスは? あいつを助けるために俺はあのフィールドに残ったんだろう』

 

「……オーフィス? あぁ、あのこなら、あそこにいるよ」

 

イッセーの問に答えた私は指をさす。指した方向に、赤い地面をぺちぺちと可愛らしい音をたてながら叩いているゴスロリ幼女がいた。

 

「えいえいえい」

 

イッセーはオーフィスに近づきこう言った。

 

『お、おまえ、何をしてんだ?』

 

「グレートレッド、倒す」

 

イッセーの問に答えるオーフィス。

 

その答えに何かに気づいたんだのか、イッセーは走り出した。赤くゴツゴツした地面の上をドタドタと走るイッセー。すると、果てが見えたのか止まるが、イッセーは何かに目線を釘付けにする。

 

イッセーの目線……そこには龍の頭があった。

 

『……な、なんで、俺、グレートレッドの上にいるんだよ……?』

 

イッセーの問にドライグが嘆息して言う。

 

『おまえはシャルバ・ベルゼブブを倒したあと、崩れゆく擬似空間フィールドで力尽きた。そのあとつばさが向こうへ召喚されたが、それから10分後くらいにフィールドも完全に崩れきったのだ。そこに偶然グレートレッドが通りかかった。そこでオーフィスはおまえを連れて、グレートレッドの背に乗ったのだ。まあ、グレートレッドの上に乗った際、つばさがいたのにはビックリしたがな。あと、ここは次元の狭間だ』

 

ドライグに続いて私もイッセーに言う。

 

「そうだよ。私はもしもイッセーか私、又はその両方に何かが起きて次元の狭間から脱出できなくなったさいの保険として、使い魔 兼 家族の『赤龍神帝』グレートレッドこと"ガイア"を、私達がいた擬似空間フィールドの近くに待機させてたの。それで、私は召喚されてすぐに肉体から離れて魂だけでこっちに来たってわけ。ちなみにだけど、すでにあれから幾日か過ぎているよ」

 

『相変わらずだが、相棒の巡り合わせは驚異的だな。……ここにいるグレートレッドにオーフィスの片割れを使い魔として家族として持って、さらに祖龍ミラ・ルーツの神器を持っている人間に、赤龍帝である俺を始め、他にも多くの各伝説級の存在との遭遇率が異常なのだからな。他者を引き寄せる己の力だけで危機を脱するなんて相変わらずおまえは読めんよ』

 

「そうだね。仮に私がグレートレッドを持ってきてなく、ましてや使い魔でも家族でもなかったとしても、さらに言えば私がイッセーとの関わりが一切なくても、いまの様に鎧に魂が憑依して、こうしてグレートレッドの上にいそうだけれどね。……なんだか、そんな気がするよ」

 

『……確かにそうだな。普通なら"ありえない"の一言で済ますが、相棒ならありえそうで否定ができん』

 

私とドライグはイッセーのことでそんな話をするのだった。

 

『なんだよ、二人して。まるでそれじゃぁ俺が絶対に死なないみたいじゃないか』

 

「まるで…じゃなくて、本当に死ななそうで怖いよね。案外、向こうでも確実にイッセーが死んだと思われ意気消沈しているリアスさんに対して、サイラオーグ辺りが『イッセーはリアスの処女を貰うまで死にはしない!』なんて言ってそうだね!」

 

『ま、まっさかぁ……』

 

イッセーは震え声でそう言うが、何故か声は震えていた。……まぁ、つい先程まで『リアスとエッチできない!』なんて叫んでたからね。仮にサイラオーグか誰かが言っても言ってなくても、実際のところ間違ってないから否定できないしね。

 

『そ、そんなことよりも、オーフィス、おまえは元の世界に戻らなかったのか?』

 

イッセーが話を変えるようにオーフィスに質問した。

 

「我にとって、元の世界はここ」

 

……イッセー。忘れているだろうけれど、オーフィスの生まれた場所は、元々ここ次元の狭間だよ?

 

『……言い間違えた。冥界、もしくは人間界に戻らなかったのか? それに椿ちゃんが召喚されたとき、どうして一緒に帰らなかったんだ?』

 

イッセーは思い出したのか言い換える。

 

「ドライグが共に帰ろうと言った。だから、ここにいる。一緒に帰る」

 

オーフィスの答えに私も答える。

 

「私がいっしょに帰ろう?って言ったんだけどね、オーフィスはずっとこの答えなの。だから、ここに置いてきたんだよ。それに、どちらにしても私もここへすぐに戻ってくる予定だったからこうしていっしょにいるって理由」

 

『おまえ、本当に変な奴だな。でも、やっぱり悪い奴じゃねぇよな……。はぁ……。つーかさ、俺、帰れるのかな。椿ちゃんはあったのに、俺の先生たちからの召喚はなかったのか?』

 

「あったよ? と、言うよりも私と一緒にね。最初は魂だけの存在となったイッセーを持っていこうと思ったんだけれど、どうゆう訳か、イッセーの内にあったはずの悪魔の駒(イーヴィル・ピース)が外に出てきて、それだけが帰還しようとしたからね。慌てて掴んだら私も一緒に転移されたってわけ。たぶんいまは、リアスさん辺りが持っているんじゃないかな?」

 

イッセーの質問に私が答えた。するとイッセーは心底驚いたような反応を見せる。

 

『マジか! あ、本当だ。駒の反応が感じられない!』

 

イッセーが落ち込んでいると、ドライグが『あの駒があってこその相棒の強さがあるからな』なんてイッセーに言ってた。……まぁ、イッセーはあの駒があって始めてその内なる本領を発揮できるからね〜。いま戦闘になれば結構なピンチだよね。魂だけの存在となっている私も、イッセーとは違い鎧に憑依しているわけでもないので、防御力てきに紙装甲にも程があるからかなり危険だけれどね。

 

『とりあえ、皆に無事を……無事ってわけじゃないんだけどな……。ま、まぁ、生きていることだけは伝えたいところだな。って、俺ってずーっとこのままで大丈夫なの?』

 

『現在はグレートレッドからパワーを借りていてな。いまは問題ない』

 

「うん。逆に言えばグレートレッドがいないといまの姿を維持できなくて消滅するけどね」

 

私はドライグの言葉に付け足した。

 

『どちらにしても普通には帰れないのかよ! あー、こいつはまいったな……』

 

『そろそろ、先ほどの会話の続きに戻してもいいだろうか、相棒』

 

改まってそう言うドライグ。

 

『ん? 何かあったっけ?』

 

『ああ、現在の状況の再確認だ』

 

『現在の状況って……。この状況じゃ、グレートレッドと一生次元の狭間で旅に出なきゃならないんだろう? 女の乳も尻も太もももない世界で永遠に過ごせと……。地獄だぜ。俺のハーレム王の道は遠いな』

 

『ハハハハ! まだこの状況でもハーレム王を諦めないとは! さすが俺の相棒だ!』

 

「ホントだよ。普通ならここでどうやって帰るとか、全てを諦めるとか、いまの状況に絶望するとか、もっといろんな思いがある筈なのに、君と来たらこんな状況でもエロ一択。さすがはみんなのヒーロー『おっぱいドラゴン』のイッセーだよ。伊達に、『規格外のエロ大魔王』なんて言われていないよねぇ〜」

 

『え!? ちょ、ちょっと待って! なにそのあだ名! 始めて聞くんだけれど椿ちゃん!?』

 

「だって、最近できたイッセーの新しいあだ名ですもん。貴方の人間の相方二人が立てた噂から総合してできたあだ名ですからね。知らなくて当然です」

 

私がそう言うと、『あ、アイツらぁ! 戻れたら絶対に殴ってやる!』なんて声が聞こえてきた。

 

『ハハハ! まあ、それでいい。それでこそ、歴代所有者の残留思念がおまえにすべてを託したと言える』

 

ドライグの言葉にイッセーは固まった。まるでどういうことだといった、困惑をしている雰囲気が感じられた。

 

『……相棒、おまえの魂は危機に瀕していた。サマエルの毒でな。肉体はすでに手遅れで手放すしかなかった。肉体の次に呪いに犯されるのは魂だ。あのままでは、おまえの魂はサマエルの毒によって、消滅するところだった。俺もさすがにダメだと思ったぞ。次の所有者のもとに意識が移ると覚悟したほどだ』

 

「私だって正直、ドライグと同じ思いだった。ドラゴンという種族にとってサマエルの毒というのはそれほど絶対的な力をもつ呪いなの。だからこそ、私も諦めていた……でも、それは違った。あの人達のおかげでね」

 

『そう。彼らの残留思念がサマエルの呪いから、おまえの魂を守ったんだよ。彼らが身代わりになって呪いを受けている間に、おまえの魂を肉体から抜いて鎧に定着させたのだ。絶妙なタイミングだった。一瞬でも判断が遅ければ、いまここに俺もおまえもいない』

 

「そうだね。私だって、残留思念とはいえあの人達がイッセーの代わりに呪いを受けてなかったら、正直いってイッセーを助けることなんて不可能だった。彼らがいたからいまのイッセーがここにいる。……イッセー、彼らのこと、忘れないであげてね」

 

私とドライグの言葉に静かになるイッセー。きっと、残留思念の人達との思いが溢れているのだろう。

 

『……気持ちはわかる。だから、彼らの最後の言葉を聞いてもらえるか? いちおう、声だけ残した――彼らの最後のメッセージだ』

 

ドライグの言葉に私も気になったので耳をすました。

 

すると、イッセーの籠手の宝玉から映像が映しだされる。そこには歴代の所持者。つまり、イッセーの先輩たちの顔が記録してあった。

 

そして彼らは晴れやかすぎる程の満面の笑顔でイッセーに言った。

 

『『『『『ポチっとポチっと、ずむずむいやーん!』』』』』

 

………………………………え? れ、歴代赤龍帝の人達はいったいどうしたの? どうしてこうなったの? 訳がわからないよ!?

 

私が困惑していると、イッセーが前に話した歴代の白龍皇の人が、映像の隅で立っていて、彼らと同じように笑を見せる。

 

『おケツもいいものだよ、現赤龍帝』

 

その言葉を最後に映像が途切れる。

 

………………えぇ〜……。な、なんなの? どうなっているの? 歴代所有者の人達は……。あ、もしかして、ドライグの精神的ショックってイッセーだけじゃなく歴代の残留思念たちもイッセーみたいにエロくなり壊れたから? ……なんか、もう。私も疲れたよ…。私の感動と感謝を返せこのヤロウ…。

 

ちなみに、私がこうして困惑している中、イッセーは頭を抱えながら『ありがとうございました! とりあえず、がんばります!』なんて言った。どうやらイッセーの様子では、こんな事を予想していなかったらしく頭を抱えているようだった。……こうなった元の原因はイッセーだと思う私がいたのは気のせいだよね。うん。

 

『右手側の奥を見ろ』

 

ドライグに言われてイッセーはそちらに視線を移す。――そこには迫り上がった肉の塊があった。……グレートレッドの体が蚊にさされたような感じだ。さらに、脈も打っている。

 

『あれは?』

 

『あれは繭だ。培養カプセルと言ってもいい』

 

『繭? 培養? 何が入っているんだ?』

 

イッセーの疑問に私が答えた。

 

「あの中にはイッセー、貴方の肉体が入ってる。一度滅んだ肉体があそこで新たな受肉を果たそうとしているの。グレートレッドの体の一部とオーフィスの龍神の力、そして私の神龍としての力も拝見してね。そうやって、貴方の体を新生させているところだよ」

 

私はニコリと笑いながらそう言った。私の言葉に驚き言葉を失うイッセーにドライグは『ククク』と愉快そうに笑った。

 

『おまえの体は真龍と龍神と神龍によって再生される。――相棒、反撃の準備に入ろうか』

 

ドライグは楽しそうにそう言った。

 

――――――――――――――――――――――

 

しばらくイッセーの新しい体の事で話しているとイッセーが等々にこんな質問をしてきた。

 

『いまのいままで気になって、でも質問をするタイミングを失って聞いてなかったけれど、いまの椿ちゃんってオレと同じ、魂だけの存在なんだよね? どうしてなの?』

 

イッセーの問に私は答える。

 

「イッセーの質問に答えるとね。理由は至って単純で、肉体が限界だったから。だから、魂だけでこっちに来たの。いわゆる幽体離脱みたいなものね」

 

『ああ〜なるほどな。……ん? でもそれって幽霊みたいなものだろ? なんでこうして触れるんだ?』

 

「……ん〜。なんでと言われても困るかなぁ。まぁ〜、簡単に説明すると幽霊と魂だけの存在ってよくわからないんだよね〜。なんせ、同じ幽霊でも触れる幽霊と触れない幽霊が存在する。そう言うなら、イッセーがあった事のある、魂魄妖夢だって、半人半霊っていう種族で、魂の半分が肉体から抜けて宙に漂っているでしょ?しかも、その半霊は触れる。 さらにその主である幽々子さんだって、幽霊なのに触られるでしょ? 同じ幽霊のプリズムリバー三姉妹だって触れるし。まぁ、あんまり気にするなってところかな」

 

『お、おう。そっか。とりあえず、何も問題はないってことか?』

 

「うん。そうだよ。そもそも問題があるなら、イッセーを助けているのにわざわざこうして戻ってくる必要もないから、すべてドライグやグレートレッドに任せてここにいないしね。でも、問題がないからこそ、こうしてイッセーの為にわざわざ残ってあげているんだよ。ついでに、イッセーの新たな肉体を作るのにも手を貸してね。

だからこそ、イッセーが目覚めるまで"特別に"膝枕をしてあげていたんだから感謝しなさいな」

 

『ははー! ありがとうございます、椿さま!』

 

「ふふ〜ん♪ わかればよろしいのじゃ!」

 

『「プッ! アハハハハハ!!!」』

 

私とイッセーはそんなお遊びにおかしくなり、二人して笑っていた。

 

……こうしてまた、友達と笑えるって、ほんと、いいもんだよね。……本当に良かった。イッセーが生きていて。本当によかったよ…。

 

今度からもう、こんな思いはしたくない。もっと、もっと強くならなくちゃ……。そう、もっと強くなる為に頑張ろう。うん!

 

そう新たな誓を心にたて、反撃の準備をするのだった。




よし。何とか思い通りに書けた……はず! 次も、早めに作らないとね。


さて、皆さん、また次回でお会いしましょう。

それでは、バイバーイ! (* ̄▽ ̄)ノ~~

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。