ハイスクールD×D~最強男の娘の転生物語~   作:三元新

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さて、頑張ったよ! 無茶苦茶頑張ったよ! 原作小説を見ながら頑張って作ったよ。うん、満足できるものができたと思う!


さあ、そんなことはおいといてさ、ゆっくりしていってね!


9話 さぁ、反撃開始です!

―ツバキ side―

 

……さて。なんだか冥界の方の地上でハプシエル含めた魔法四拳士とチルノシリーズやアメボウズらしき気配が感じるのですが……気のせいですよね? はは、気のせいだよね?…………ねぇ、誰か、気のせいだと言ってください…お願いします、本当にお願いします! 何でもしますから!

 

(´・∀・`)<ん? いま、何でもす(ry

 

……何か邪な感情を感じたような。……まぁ、いいです。いまはそんな事をいちいち気にしていたらきりがないですもんね。

 

そろそろ、イッセーの身体も完成するかな? 早く見たいものだ。

 

……でも、私はもう行かなくちゃ。あんまり本体から魂が抜けてると、いくら私でも身体がもたないしね。

 

「ねえ、イッセー」

 

『ん?なんだ、椿ちゃん』

 

私の声にイッセーは反応する。

 

「私は貴方の身体が完成し安定したのを確認次第、すぐに戻ろうと思います。なんたって、今の私は魂だけの存在。ルーツの力と私の力を使ってもあまり魂が体から離れていると、いろいろと危険ですので……あ、イッセーも身体が完成し次第戻りますよね? てか、絶対に地上へとイッセーを連れて帰ります。なんたって、あなたを待っている人は沢山いますから」

 

『ああ! わかってるよ! 椿ちゃん。俺も早くみんなに会いたいしな』

 

「ふふ、そう来なくってはイッセー。もしもこの場に残ると言い出したらどうしようかと思いましたよ」

 

 

―――さて、間に合えばいいんだけれどね

 

 

―side out―

 

―優子 side―

 

「おい! 誰かこっちを手伝ってくれ! 怪我が酷い!」

 

「軽傷者はこちらへ、重傷者はあちらへ運んでください! 重傷者の中でも集中治療が必要な場合はあの奥の部屋へと運ぶんだ!」

「急げ急げ! どんどんと患者が運ばれてくるぞ!休む暇はないと思え!!」

 

「くそっ! 人手が足りねぇ。誰か!こっちを手伝ってくれねーか!? 身体の損傷が酷すぎて手に負えないんだ!」

 

「私が手伝います! これでも冥界の名の知れた医者なので」

 

「すまん、恩に着る」

 

「よし、お前達! 俺らも手伝うぞ!! 地球連邦軍の皆さんだけに助けて貰うにはいかない。冥界の危機なら俺たち冥界にすむ悪魔が頑張らなくてどうするよ! さあ、俺達の国を守るぞ!」

 

『おう!』

 

いま、私の目の前では次々と運ばれてくる負傷者を手当している私の部下とその他の地球連邦軍の治療ができる部隊員、それにこの広い冥界のあちこちから手伝いに来てくれた医者やナースの人とその知識や経験がある、元医者や医学生、そして一般の方々。手術などは元医者や現医者、そして私の直属部隊のメンバーが担当。その他の、軽傷者や患者を運んできたり、ご飯や衣類などを避難スペースに持っていく係などを、残りの一般の方々や医学生、それとここにいるほかの地球連邦軍の部隊員に任せている。

 

「柚葉、魔力はまだ大丈夫?」

 

私は自分の秘書子で右腕でもある優秀な副隊長の神崎柚葉に問いかける。

 

私達の部隊は道具を使って怪我を治したりするが、こういう機材や薬が少なくなったり、ろくな設備や衛生面がダメだったりした時や、人数が多過ぎて手が回らなかったりした時用に、魔法でも治療ができるようにしている。そうすることで、より多くの人を助けられる。

 

『ご覧ください! 魔王アジュカ・ベルゼブブさまを始めとしたベルゼブブ眷属が構築した対抗術式! それによって展開する魔法陣の攻撃が「豪獣鬼(バンダースナッチ)」に効果をあたえております!』

 

TVには上空からヘリコプターで中継するレポーターが嬉々としてその様子をレポートしている。

 

魔王アジュカさんが自分たちの眷属たちと例の化け物たちと戦っている場面が映っている。ちなみに、堅牢なアンチモンスターとして創造された凶悪な魔獣たちは、アジュカさんと、ファルビウム・アスモデウスと連絡を取り合いながら対魔獣の攻撃術式を完成なされたそうだ。

 

各『豪獣鬼(バンダースナッチ)』への攻撃は、ファルビウム・アスモデウスさまの作り出した攻撃戦術のおかげで随分と進んでいるようだ。

 

頭脳派である2人の魔王のおかげで各地の足止めができ、徐々にダメージを蓄積させているようだ。

 

『大怪獣れレヴィアタンなのよ!』

 

冥界の危機にいてもたってもいられなくなったセラフォルーが、自分の領土から飛び出し戦っている。セラフォルーの氷の魔力が荒れ地ごとバンダースナッチの無事な半身を凍りつかせる。

 

 別の場所でタンニーンは眷属のドラゴンたちとともに火の息を浴びせかける。バンダースナッチの肉体が炭化していき、崩壊を起こす。

 

『母上! がんばってくだされー!』

 

 また別のチャンネルでは、九尾の狐の八坂が娘の九重ちゃんの応援を受けながら火炎を食らわせている。どうやら、京都の妖怪勢力も多数の妖怪を引き連れて、援軍に駆けつけたようだ。

 

『あーっと! ついに! ついに巨大魔獣「豪獣鬼(バンダースナッチ)」の一体が活動を停止させましたーっ!』

 

レポーターの叫声がテレビを通して聞こえてくる。

 

どうやら、皇帝ベリアルが率いる同盟軍が倒したようだ。近くで人形の巨大魔物が崩れ落ちている。身体の損傷具合から見てもう動き出す様子はなさそうだ。

 

『更にまた一体が活動を停止させました! あの部隊はいったい……』

 

すると、また別のチャンネルで別のレポーターが叫ぶ。そこに映っているのは――

 

『さあ、皆の者! まだまだ敵は沢山いるぞ! 我らが主が帰ってくるまで持ちこたえろ、いいな!』

 

『はいっ!』

 

『我ら、地球連邦軍 特殊部隊特別調査班の名にかけて! 我々でこの冥界を救うぞ!!』

 

『うおおおおおおお!!!』

 

『さぁ、幻想郷の皆も手伝ってくれ!』

 

『ふふ、わかっているわ。別の場所で同じ妖怪の同士が頑張っているもの。私たちが頑張らなくてどうするの。ねえ、霊夢』

 

『ええ、そうね。それとまだ一体しか倒せてないわ。敵はまだまだいるんだから、こんな喋ってないでつぎにいかないと』

 

『確かにそうね。私たち幻想郷組はあちらに行くわ。あなた達はそちらに行ってね? 手分けして倒しましょう』

 

『ああ、わかった。頼みます、紫殿』

 

『ええ、任せなさい』

 

……ふふ、どうやらつー君の部隊のお仲間と幻想郷のみんなが頑張っているようね。レポーターの人も地球連邦軍だとわかると凄く興奮しているようね。声でわかるわ。

さて、あの子達が頑張っているもの。私たちももっと頑張らなくちゃ

 

「さあ! みんな!まだまだ動けるよね? 沢山の仲間達が頑張っているのよ、私たちがここで挫けてどうする! もう一度気合を入れ直して治療に専念するわよ! いいわね!」

 

『了解!!』

 

みんな頑張っているの――ツバサ、早く帰って来なさいよね!

 

―side out―

 

―第3者 side―

 

首都リリス。日本の東京都とさほど変わらない、高層ビル郡が立ち並び交通機関も発達している、文明の両面でも東京都と引けをとらない都市だ。

 

そんな都市の一角、そこでは戦火に包まれ建物や道路、公共物に至るまで大きく破損されている。

 

そんな人気(ひとけ)の感じない場所の真ん中に、止まったバスを背に血だらけで倒れている匙と、ソーナ・シトリーと副会長の真羅椿姫とグレモリー眷属がいた。

 

木場はゼノヴィアとイリナと共にジャンヌ・ダルクと戦っている。ゼノヴィアは『破壊のエクスカリバーとデュランダルのパワーで十分だ』と騎士とは言えない発言をして木場の胃に精神的ダメージをくらわせていた。ちなみに、その時の木場を見てた小猫から、『眷属一の苦労人、祐斗先輩』と言われていた。

 

ちなみに、英雄派のリーダーである曹操を除いた幹部メンバーが首都リリスにいる理由は超巨大魔獣がどこまで進行するのかの見学だったそうだ。そこに、偶然シトリー眷属が護衛していた子供バスが通り襲ったそうだ。

 

その時、最初は逃げようとしたがヘラクレスにより『子供を狙われたくなけりゃ、戦え』と挑発からの脅しをかけ、バスを徹底的に狙いながら匙やソーナ・シトリーを含めたシトリー眷属を徹底的に痛めつけた。

 

そこへリアス率いるグレモリー眷属が現れ、さらにサイラオーグも現れるのだった。

 

そんなサイラオーグはヘラクレスを、自身のもつ神滅具(ロンギヌス)が一つ。獅子王の戦斧(レグルス•ネメア)を1度も使わずにただの拳だけで圧倒。そのあと『絶霧(ディメイション•ロスト)』の使い手であるゲオルグは怒りにより闇覚醒したギャスパーと、匙のヴリトラの呪いにより闇に飲み込まれた。

 

そんな中、やっと終わったと思われたその時。

 

「あらら、ヘラクレスがやられてしまったようね。ゲオルグも……? これはまいったわ」

 

そこへ現れたのはジャンヌ。全身満身創痍だが、脇に男の子を抱えていた。どうやら、リアスや朱乃の攻撃から逃げている際に、逃げ遅れた親子から人質をとったようだ。彼女の神器である『聖剣創造(ブレード•ブラックスミス)』から作られた聖剣の切っ先を子供の首元に突き立てている。

 

「卑怯な」

 

サイラオーグがそう言うが

 

「悪魔が言うものではないかしら? ま、義理に厚そうなあなたならそう言うかもしれないわね、バアルの獅子王さん。――とりあえず、曹操を呼ばせてもらうわ。あなたたち、強すぎるのよ。私が逃げの一手になるなんてね。てなわけで、この子は曹操がここに来るまでの間の人質。OK?」

 

ジャンヌは何事も感じないかのように言い放つ。

 

「あら、ボク、案外静かね。怖くて何も言えないのかしら?」

 

そう、先程からジャンヌが捕らえている子供はうんともすんとも言わない。ずっと黙っているのだ。

 

そんなジャンヌの質問に男の子は笑をこぼしながら言う。

 

「ううん。ぜんぜんこわくないよ。おっぱいドラゴンがもうすぐきてくれるんだ」

 

その言葉は一切の怯えもない、純粋で安心しきった感想だった。

 

「ふふふ、残念ね、ボク。おっぱいドラゴンは死んだわ。お姉さんのお友達がね、倒してしまったの。だから、もうおっぱいドラゴンはここには来れないわ」

 

ジャンヌがそう言うが男の子は笑みを絶やさない。

 

「だいじょうぶだよ。ゆめのなかでやくそくしたんだ。ぼくがね、おっきなモンスターをみてこわいっておもってねていたら、ゆめのなかにでてきてくれたんだよ」

 

「もうすぐそっちにいくから、ないちゃダメだっていってたんだ。まほうのじゅもんをとなえたら、かならずもどってきてくれるっていってたんだよ!」

 

男の子は人差し指を突き出して、宙に円を描いていく。

 

「こうやって、えんをかいて、まんなかをゆびでおすの! ずむずむいやーんって、これをこうやればかならずもどってきてくれるって! みんなもおなじゆめをみたんだよ! フィーラくんもトゥラスちゃんもぼくとおなじゆめをみたんだ! となりのクラスのこもおなじゆめをみたんだ! みんなみんなおなじゆめをみたんだよ!」

 

彼らは…子供たちはみな、同じ夢を見たようだ。そして、その男の子を含め子供たちは空に向けて、歌を歌い出す。

 

―――それは、彼と彼を慕う子供たちのために作られたあの曲だった。

 

「とあるくにのすみっこに〜、おっぱいだいすきドラゴンすんでいる〜♪」

 

――そのときだった。首都の上空で快音が鳴り響いた。見上げるとそこには―――、宙に次元の裂け目が生じようとしていた。

 

開いていく空間の裂け口からそれは出現した――。懐かしい彼のオーラがそこから感じ取れたんだ。

 

それは――まさに子供たちの英雄(ヒーロー)の帰還だった。

 

―side out―

 

―ツバサ side―

 

「――夢?」

 

俺はイッセーの問に少し驚く。

 

「ああ、寝ているうちにへんな夢を見たんだよ。大勢の子供たちが泣いていたんだ。聞いたらさ、でっかいモンスターが怖いって泣いてんだよ。だから、俺はその子たちに言ったんだ。指で円を描いて真ん中を押して、ずむずむいやーんってやっていれば俺がそのうち必ず戻っていくからさってさ」

 

イッセーの言葉にこっちからでも聞こえるほどの嘆息がドライグから聞こえてきた。

 

『……あれほど他者にやられたら嫌がっていたその仕草をお前がやるとはな……』

 

「うんうん。イッセーあんなに嫌がってたのにね。驚きだよ」

 

私はドライグの言葉に頷く。いったいイッセーの心境に何がおきたのやら

 

「仕方がねぇだろ! あんなに大勢の子供を励ますにはそういうポーズみたいなのが必要だと思ったんだよ!……でもさ、俺がそうやったら、夢のなかの子供たちの不安な顔が消えてたよ。おっぱいってすげえよな」

 

俺はその言葉に嘆息する。ドライグも同じようだ。

 

『……はぁ、そうだな。――で、どうだ、新しい体は?』

 

イッセーはとうとう完成し繭から取り出した新たな体に、私が能力で魂を移し替えた。

 

イッセーは確かめる様にいろいろと動いている。

 

「よっしゃ! これでリアスたちの乳がもめる!」

 

わしゃわしゃと卑猥な指の動かし方をするイッセーに、おもわず身を震わせ胸を隠した。私は何らや想像の世界に入り込みウヘヘとイヤらしい笑みを浮べながら幸せにしているイッセーをジト目で見ながら今後のことを考える。

 

『姿形と一部基本は人間のままだ。普段通りに生活できるだろう。ただし、悪魔の駒(イーヴィル•ピース)が消失していることで、現在のおまえは人形のドラゴンといえる。オーフィスとツバサにミラルーツの協力あってこそとはいえ、受肉に使用したのがグレートレッドの体なのだからな。小さな真龍ともいえるだろう』

 

本当に面白い存在になったよね、イッセーてさ。

 

『(つまり私の弟だな!)』

 

頭の中にグレートレッドこと"ガイア"の嬉しそうな声が聞こえてくる。

 

『そこにウロボロスの力、そして祖龍と神龍の力が少し加わっている。この状態でも以前の体より多少は身体能力が向上しているよ……まあ、でもな〜』

 

「うん、そうだよね。ドライグの言いたい事が凄くわかるよ。なんせ、イッセーったらもとが悪かったから私にルーツ、そしてオーフィスの力をもってしても、その程度しか強化できなかったともいえるんだもの。普通の人でももうちょっとくらいは強化できると思うのに……ざ〜んねん」

 

私とドライグの言葉にグフッといいながら四つん場になるイッセー。そんなイッセーを私が遊びとしてあげた、玩具の剣でつつくのではなく、いつも通り無表情だがどこか楽しそうにビシビシと叩いているオーフィス。

 

ああ、オーフィスったら危ないですよ。これで人はビシビシ叩かないでね? イッセーはいいけど。

 

『メリットはいま述べた身体能力向上と真龍と龍神と祖龍の力が加わったことで、今後どのような成長が起こるか予想が立てられなくなったところだろうな。あと、もうグレートレッドから離れても大丈夫だ』

 

「もともと俺の成長なんて予測できなくねぇか? 乳力(にゅうパワー)やら何やらでさ」

 

…………うん。確かに。

 

『まあ、それはそうなんだが……。デメリットはこれも先ほど話した通り、悪魔の駒(イーヴィル•ピース)から得ていた各種能力が無くなったこと、グレートレッドとオーフィス、そしてミラ・ルーツの力を得ているために以前よりも龍殺し(ドラゴンスレイヤー)による危険性が増したことだろうか』

 

イッセーにとってはどちらも失うにはデカイね〜。いままで悪魔の駒(イーヴィル•ピース)、それも兵士(ポーン)の駒の力があってこその今のイッセーの力だし、赤龍帝の篭手を所持しているだけで、龍殺し(ドラゴンスレイヤー)であのダメージだったのにいまじゃ人形のドラゴンですもの。軽くいままでの倍もの痛みが襲うだろうね。……まあ、私もイッセーと同じ人形ドラゴンですからね。神龍マスタードラゴンの眷属となったあの時に、マスターの竜の血を直接飲んで自身の体を、人→龍へと変換したのでイッセーと同じ位危険ですよ。

 

龍殺しの力って凄まじく痛いんです。あの痛みは言い難く耐え難いものがあるので説明がまったく出来ないんですけどね。まあ、それほど痛いってことですよ。

 

まぁ、私も元が人間の体なので完全な龍化にはなっていませんが。せいぜい半人半龍といった所ですかね。それでもメリットは 不変不滅に不老と言ったところですか。真の神龍となれば不死も付くのですが……いまはまだいりません。まあ、いずれ世界を守る守護神となった時に嫌でもなるんでしょうけど。

 

私はイッセーとドライグの話をオーフィスを膝の上に乗せて頭を撫でながら聞いていました。……それにしても、オーフィスもそうですが、何故こうもドラゴン達はみな髪が恐ろしくツヤツヤでスベスベなのでしょうか。櫛を使わなくても指だけでとけます。オーフィスの髪の触り心地は、高級なシルクを触っているようなスベスベでツルツルなのです。凄く、触り心地がよくて癖になります。オーフィスの姉である龍美、そして今現在私たちを運んでくれてるガイア、それと私の相棒でもあるミラ・ルーツも、同じ位のツヤツヤ髪です。みんな触り心地がバラバラなのにどれも気持ちよくて、この娘たちの髪をいじっている時が最近の1番の至福の時なのですよ〜。

 

『……見ろ、相棒』

 

するとドライグが何かに気付いたように視線を向ける。ドライグに呼ばれたイッセーはその方向へ視線を向けたので私も向けると

 

―――冥界の子供たちの笑顔が次元の狭間の空にたくさん現れていく。子供たちは指で円を描いて、真ん中を指でつつきながら、おっきな声で元気よく、あの歌を歌っていた。

 

 

〜とある国の隅っこに

おっぱい大好きドラゴン住んでいる

お天気の日はおっぱい探してお散歩だ☆

ドラゴン ドラゴン おっぱいドラゴン

もみもみ ちゅーちゅー ぱふんぱふん

いろいろなおっぱいあるけれど

やっぱり おっきいのが一番大好き

おっぱいドラゴン 今日も飛ぶ

 

とある町の隅っこで

おっぱい大好きドラゴン笑っていた

嵐の日でもおっぱい押すと元気になれる☆

ドラゴン ドラゴン おっぱいドラゴン

ポチッとポチッと ずむずむ いやーん

たくさんおっぱい見たけれど

やっぱりおっきいのが一番大好き

おっぱいドラゴン 今日も押す〜♪

 

子供たちの元気な歌声が……子供たちの早く帰って来てほしい、助けてほしい……そんな切なる願いが、思いが希望が!――この、何も無い次元の狭間を埋め尽くす。

 

『――冥界中の子供たちの思いをここに投射している。お前を、おっぱいドラゴン・兵頭一誠を待っている。子供たちの思いをな』

 

すると、背中に乗る私たち……いや、兵頭一誠に向けてガイアが言う。

 

「……冥界中の……マジかよ。これ全部俺を呼ぶ子供たちの歌なのか……っ!

うれしさで、胸がいっぱいになった。皆、俺を呼んでいるんだ……っ!」

 

「グレートレッドは、夢幻を司る龍なの……。誰かが抱いた夢を、誰かが見た夢を、誰かが思い描いた夢を、それらを私たちに見せてくれるの。それが、グレートレッド、ガイアの役目でもあるからね」

 

私は固まるイッセーにいう。

 

「ねぇ、聞こえてるでしょ? 子供たちの思いが……。感じてるでしょ? 子供たちの希望が……

イッセー…君は、これを、夢だと言うのかい?」

 

「いや、これはきっと本物だ…… 子供たちが歌ってくれてるんだ……っ! それがここに届いた……っ! 俺に届いてきたんだ……っ!」

 

イッセーは子供たちの笑顔とその歌を聴いて、こみ上げてくるのを抑えきれず泣いていた。

 

「イッセー……あなたは夢の中の子供たちが泣いていたのを励まして、それを"おっぱい"の力だと言ったよね?」

 

私はイッセーに問いかける。

 

「でもね。それは違うよ。おっぱいが凄いんじゃない。君が――おっぱいドラゴンである君が――冥界中の、子供たちの英雄(ヒーロー)である君が!――そう、兵頭一誠! お前の力が、思いがっ! あの子達を励ましたんだよ! おっぱいの力じゃない、君の力なんだ。君が子供たちを安心させたいと思ったからこそ、グレートレッドが君の思いを届け、子供たちの願いを叶え、君を子供たちの夢の中へと誘いだ。

――だからこそ、こうして君を待ってる人達がいるんだよ!

……さあ、立ちなさい冥界の英雄(ヒーロー)よ、貴方を待ってる人達がいますよ」

 

私はイッセーに手を差し伸べながら言う。

 

そんな、私の手を握りイッセーは力強く立ち上がる

 

『……不思議だ。あんなにも不快に感じていたあの歌が……いまは力強く感じる。……ククク、俺も本格的に壊れてきたか……』

 

「いや、いいんじゃねぇかな、ドライグ。これはきっとそういうあったかい歌だ。そうさ、俺はとある町の隅っこで、笑いながら、天気の日でも、嵐の日でも、おっぱい探して飛んでいく――おっぱいドラゴンだ……ッ! おっぱいが大好きだからよっ! 皆のところに帰らなきゃダメだよなっ!」

 

『ああ、帰ろう、相棒』

 

イッセーとドライグが気を引き締めるように言う。

 

「さあ、兵頭一誠、子供たちの、皆の、冥界の英雄(ヒーロー)よ!―――君は、どうしたい?」

 

「…………帰りたい。いや、帰らなきゃいけねぇ。俺はっ、みんなのヒーローだ。冥界の英雄(ヒーロー)、おっぱいドラゴンだ…っ! 冥界がピンチで、子供たちが不安がっているのに、ヒーローがこうしてのんびりしていられねぇ!

俺は今すぐに帰りたい! 俺の帰りを待ってる人達がいる、あの冥界にっ! 」

 

 

「だから、冥界に連れてってくれ。ツバキちゃん――いや、つばさ!

俺は冥界の平和を、子供たちの未来を助ける!

……そう、だって俺は―――みんなのヒーロー! おっぱいドラゴンだからな!」

 

イッセーは力強く腕を高らかに上げて宣言した。

 

「ふふふ。よし来たっ! 君の願い!思い!! しかと聞き届けたぞっ!

―――さぁ、いざ行かんっ! 冥界へっ!! ガイアっ!頼むっ!!」

 

『任せろツバサっ!』

 

―――グオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!

 

ガイアが一際大きい咆哮あげる。すると、前方の空間歪みが生じて、裂け目が生まれていく。

 

そこから――大都市の町並みが一望できた。……あの冥界中から兄さんや姉さん、地球連邦軍の仲間達、幻想郷のみんな……中には懐かしい気配も感じる。

 

「ツバサさま!」

 

すると、別の声が聞こえてきた。

 

そちらを向くと、俺の『体』を持ってきてくれていた、ハイドラとドラグーンがいた。

 

「ツバサさま……どうぞ」

 

「ん、ありがとう。ハイドラ、ドラグーン」

 

私は魂を体に戻し、自分の体が本調子なのか確認する。

 

「……よし。体調万全、魔力も霊力も共にMAX! 逆に力が有り余っているぐらいだ」

 

体も、魔力が満タンで体調が万全のおかげで、性別が男に戻っている。よかったよかった。危惧していたことはなかったようだ。

 

「オーフィス、俺は行くよ。俺が帰られる場所へ――」

 

イッセーがオーフィスに振り向いていう

 

「そうか。それは……少しだけうらやましいこと」

 

寂しげなオーフィス。……寂しい思いはもういいよね? 龍美だって幸せに慣れたんだ。龍美の力の一部から生まれた妹ともいうべきこのオーフィスだって幸せになってもいいよね。

 

私が手を差し伸べようとしたら……

 

イッセーが先に手を差し伸べる

 

「――おまえも来い」

 

イッセーのその行動にオーフィスは驚き目を見開いていた。そんなオーフィスを見てイッセーは笑顔を浮かべる。

 

「俺と友達だろう? なら、来いよ。――一緒に行こう」

 

「我とドライグは――友達。我、おまえと共に行く」

 

オーフィスは微笑み、イッセーの手を取り合う。

 

……まったく。イッセーったら。いつもいつも、いい所ですっごく――カッコイイんだから

 

普段、もっとこんなにカッコイイならモテるのにね。もったいないな、はあ〜……まっ、それこそがイッセーか。

 

「オーフィス。私も、ルーツも、グレートレッドのガイアも君のお友達だからね! 忘れないでくれよ? もちろん、君のお姉ちゃん龍美もね? なんなら、家族になってもいいよ?……いや、龍美も俺の家族なんだ。キミも、俺の家族になってくれるかい? オーフィス」

 

『家に来なさい、オーフィス。龍美とツバサと一緒にみんなで暮らしましょう?』

 

『そうだぞ、オーフィス。お前の姉はいまは私と家族だ。お前だって私と戦い静寂を得るより、友達と――家族と――みんなでいた方がずっといい。だからこい、みんなで暮らそう!』

 

「うん。わかった。我、ツバサと、ルーツと、ガイアと、お姉ちゃんの――家族になる」

 

「うん!」

 

『『「よろしく(ね/な) オーフィス!」』』

 

「うん。よろしく」

 

さて、こうして戻ってこれてせっかくのお祝い事なんだ。さっさと終らせて、みんなで平和を楽しもうじゃないか!

 

―――さぁ、反撃開始です!!

 




頑張りすぎて10000字近くなっちゃったよ。でも、満足しているのでいいよね。うん!

さて、次回もできるだけ早く完成させないとな。あと1話くらいは今年中に完成させたいな。


それではまた次回で! ばいばーい!!

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