あれから、超瞬間移動魔法【ルーラ】で駒王学園の旧校舎前にきました。勿論、いつも通りに【無意識を操る程度の能力】を使ってます。
さ~てと…、部室前に来たまではいいんですが……、何だか駒王学園に来てから聖剣のオーラがあちこちから感じますね…。二つはこの部室の中から、あと四つ駒王学園の少し離れた場所から感じますね。……ん?四つ?おかしいですね…、たしか、盗まれた聖剣は三つでその内派遣された聖剣使いが持っているのが二つですから、最高でも五つしかないはずですのに、う~ん…、謎が深まってしまいましたか。まぁ、それはあとにしましょうか。とりあえず部室に入らないとね~。
コンコン
「失礼しますね~」
すると、いつものメンバーの他に、ローブのような物を着た二人の女性が二人いた。片方は栗毛の女性で、もう片方は緑色のメッシュを髪に入れている青髪の女性だ。あと、後者は十字架を胸に下げている。
「うん?グレモリー、こいつは誰だ?」
すると、メッシュの女性はリアスさんに聞いた。お前こそ誰なのよ…
「こら!ゼノヴィア!そんな口で聞いたらダメだよ!!」
すると、栗毛の女性はメッシュの女性を注意した。そうか…メッシュの女性はゼノヴィアって言うんだね?よし、覚えた。
「その子は私達の協力者よ?勿論私達の正体も知ってるわ。」
リアスさんは柔らかく答えたが、目が笑っていなかった。コ、コワイナ~(棒)
あと…、物凄く木場から濃い殺気が二人に対して出ているのですが…。やっぱりまだ怨んでそうですね…。あの聖剣の事を…。まぁ…、そう簡単に消えはしませんよね、怨みって…。
「そうか…。なら、今回私達が来た理由を話そう。イリナ頼む」
「わかったわ。」
ゼノヴィアは栗毛の女性にふった。栗毛の女性はイリナね…、うし、覚えました。
「先日、カトリック教会本部ヴァチカン及び、プロテスタント側、正教会側に保管、管理されていた聖剣エクスカリバーが奪われました」
「奪われたって……一つじゃなかったのか?」
すると、イッセーが疑問をいった。まぁ~確かにそうなりますな
「ゴメンなさいね。私の下僕に悪魔に成り立ての子がいるから、エクスカリバーの説明込みで話を進めてもいいかしら?」
リアスさんがそうイリナに提案した。イリナはそれにひとつ頷き話を続けた。
「イッセーくん、エクスカリバーは大昔の戦争で折れたのよ。今は、全部で七つあるわ」
「いまはこのような姿さ」
ゼノヴィアが傍らに置いていた、布に巻かれた長い物体の布を取る。
現れたのは一本の長剣だった。たしかあれは…
「これが、私が所持している、折れた七本の一つ…『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』。カトリックが管理している」
ゼノヴィアは紹介し終わって、再び布でエクスカリバーを覆った。
イリナの方を見ると、何やら長い紐のようなものを懐から取り出してきた。
それがうねうねと動き出て、形を変えていき、一本の日本刀と化した。
「私の方は『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』。こんな風にカタチを自由にできるから、持ち運びにすっごく便利なんだから。このようにエクスカリバーはそれぞれ特殊な力を有しているの。こちらはプロテスタント側が管理しているわ」
イリナは自慢げにいった。
「イリナ…悪魔にわざわざエクスカリバーの能力をしゃべる必要もないだろう?」
「あら、ゼノヴィア。いくら悪魔だからといっても信頼関係を築かなければ、この場ではしょうがないでしょう?それに私の剣は能力を知られたからといって、この悪魔の皆さんに後れを取るなんてことはないわ」
自信満々に言うイリナ。うわぁ~…、一番最初に死んじゃうパターンの奴だ…。
「奪った連中は日本に逃れ、この地に持ち運んだって話だ。だから今回私達が派遣された」
そうなのですか…。でも二人だけで戦うのかな?
「私の縄張りは出来事が豊富ね。それでエクスカリバーを奪ったのは?」
「グレゴリの幹部、コカビエルだ」
「コカビエル……。古の戦いから生き残る堕天使の幹部……。聖書にも記された者の名前が出されるとはね」
むぅー…やっぱり、二人で戦うのはただの自殺行為だよね?
「私達の依頼、いや、注文とは………。
堕天使のエクスカリバー争奪の戦いにこの町に巣食う悪魔が一切介入してこない事。つまり、そちらに今回の事件に関わるなと言いに来た」
ふー…ん。教会のあのクソじじい共は、相変わらず頭が固いんだなー…。いくらなんでも無理だよ?自分達の不始末をたったの二人で片付けるなんて…。いや…、寧ろいざというときの捨てゴマにするつもりなの?
あのお馬鹿さん達は、いったい誰を相手しようとしてるのかな?舐めすぎだろう?堕天使の幹部――それも聖書にのる程の古の強者だっていうのにさ~。
「ずいぶんな言い方ね?」
リアスさんがキレ気味で聞いた。そりゃーイラッてくるよね~。こんないわれかたじゃ…。
「本部は悪魔と堕天使が手を組む可能性があると見ているからね」
「私は堕天使などと手を組まないわよ。絶対によ。グレモリーの名にかけて、魔王の顔に泥を塗るような真似はしないわ!」
すると、ゼノヴィアは少し笑った。
「ふ…、それが聞けただけでも十分さ。そもそも私は魔王を親族にもつグレモリーが堕天使と手を組むなんて思っていなかったからな」
ゼノヴィアはそう言った。はぁ…、相変わらずの上から目線ですね~。
すると、リアスさんは何かに気づいたような顔になった。
「そういえば、正教会からの派遣は?まさかあなたたち二人で堕天使の幹部から聖剣を取り戻すつもりではないでしょう?」
「いや、私たち二人のみだ」
「はぁ…。あなた達は堕天使の幹部…、それも古からいて聖書にのる物とたった二人で戦うのというのですか?あまりにも無謀すぎません?」
俺はそう思い二人に言った。
「そうよ?私達はもとよりそのつもりで来ているわ。ねぇ?ゼノヴィア」
「私もイリナと同意見だが、出来るだけ死にたくはないな」
俺と同じこの歳で、そんなことを言うなんて、やっぱり教会は狂っていますね。本当に…。あ…、俺もこの覚悟の事に関しては人のことは言えませんね…。
「………死ぬ覚悟でこの日本に来たというの?相変わらず、あなた逹の信仰は常軌を逸しているのね。」
すると、リアスさんは哀れみの顔で聞いた。
「我々の信仰をバカにしないでちょうだい、リアス・グレモリー。ね、ゼノヴィア」
「そうだな、イリナ。………それに教会は堕天使に利用されるぐらいなら、エクスカリバーを破壊しても構わないと決定した。
だから、私達の役目は最低でもエクスカリバーを堕天使の手からなくす事だ。そのためなら、私達は死んでもいいのさ。エクスカリバーに対抗出来るのは同じエクスカリバーだけだよ。」
ミカエルさんと同じ聖剣の核だけでも回収か…。でも、死んだら意味なくないかな?
「さて、言いたいことは伝えたし、そろそろおいとまさせてもらおうかな」
「そうね」
二人は同時に立ち上がった。どうやら二人はやっと出ていく見たいですね。ふぅ~…、正直木場の殺気が凄かったから、木場を止める気満々で準備と警戒をしてたけども、暴れなくて良かった~。これならもう、大丈夫ですよ…ね?
「兵藤一誠の家で出会ったとき、もしやと思ったが、『魔女』アーシア・アルジェントか?まさか、この地で会おうとは」
「あなたが、噂になっていたと言う元聖女さん?
悪魔・堕天使も癒す力を持っていたらしいわね?
追放されてから、何処かに流れたと言うけど、悪魔になるなんてね……。大丈夫、貴方の信仰者には言わないわ。悪魔になっているなんて悲しいですもんね」
「………あ、あの………わ、私は………」
アーシアは二人の言葉に複雑極まりない表情をしていた。
「しかし、悪魔か。『聖女』と呼ばれていた者。堕ちるところまで堕ちるものだな。まだ我らの神を信じているのか?」
「ゼノヴィア。悪魔になった彼女が主を信仰しているはずないでしょう?
「いや、その子から信仰の匂い・・・香りがする。抽象的な言い方かもしれないが、私はそういうのに敏感でね。背信行為をする輩でも罪の意識を感じながら、信仰心を忘れない者もいる。それと同じものをこの子から伝わってくるんだよ」
イリナは興味深そうにアーシアさんを見る
「そうなの?アーシアさんは悪魔になってその身でも主を信じているのかしら?」
アーシアは悲しそうな表情をした。
「・・・・捨てきれないだけです。ずっと、信じてきたのですから・・・」
それを聞き、ゼノヴィアが布に包まれたものを取りだし『破壊の聖剣』を突き出した
「そうか。それならば、いますぐ私たちに斬られるといい。今なら神の名の下に断罪しよう。罪深くても、我らの神なら救いの手を差し伸べてくださるはずだ」
…………イッタイナニヲイッテイルノカナ?コノオバカサンタチワ
「アーシアに近づいたら、俺が許さない。あんた、アーシアを魔女だと言ったな?」
すると、イッセーがアーシアを庇うように前に出た。
「そうだ。少なくとも今の彼女は聖女ではなく魔女と呼ばれるだけの存在ではあると思うが?」
「ふざけるなッ!救いを求めていた彼女を誰一人助けなかったんだろう!?アーシアの優しさを理解出来ない連中なんか、ただのバカ野郎だ!
友達になってくれる奴もいないなんて、そんなの間違っている!」
「『聖女』に友達が必要だと思うか? 大切なのは分け隔てない慈悲と慈愛だ。他者に友情と愛情を求めたとき、『聖女』は終わる。彼女は神からの愛だけがあれば生きていけた筈なんだ。つまり、それを求めたアーシア・アルジェントには『聖女』の資格は無かったのだろう」
当然のように言うゼノヴィア。相変わらずの狂った信仰ですね…。まったく理解できないな……。って言う俺も、一応、教会でたま~に『聖女』をやっているんですけどね~……あははは~
「いや…、そもそも、アーシア・アルジェント…君には最初から『聖女』の資格が無かったのかもしれないな…。でなければ、『魔女』と呼ばれ、この様な野蛮な悪魔にならなかったのだからな。―――きみは一度、君と同じ『聖女』であり、“伝説の聖女”と呼ばれている『慈愛の聖女』様を見習え。あの御方はきっと同じ『聖女』である君が悪魔になったと聞けば、嘆き悲しむだろう。まさに聖女の“鏡”とも言えるあの御方だ。その名の通り、あの御方はとてもお優しい……もしも君が、もっと見習っていればいまのように悪魔にならなかったと思うがな」
ゼノヴィアがアーシアにそう言った。
―――…あ、その人は………まぁ、いっか…。
――――だって…
「(その“慈愛の聖女様”が自分だなんて言えるわけないもんね~…)」
いや…、本当に言えるわけがないもん…
「その『慈愛の聖女』かなんだか知らねぇーけどよ!自分たちで勝手に『聖女』にして、少しでも求めていた者と違ったから、見限るのか?アーシアの苦しみを誰もわからなかったくせに!」
イッセーは怒気をはらみ声を上げた。あの人の中は、アーシアのことを想うばかりに生まれた怒りで一杯なんだろうな。本当にやさしく熱い人だね。
だが、そんなイッセーにゼノヴィアはまるで怯んだ様子が見られない。
「さっきから聞いていれば。キミはアーシアの何だ?」
その問いに、イッセーは即答する。
「家族だ。友達だ。仲間だ。だから、アーシアを助ける!アーシアを守る! おまえたちがアーシアに手を出すなら、俺はおまえら全員敵に回してでも戦うぜ!!」
イッセーは迷わず言い切った。あはは!さっすがイッセーだね。じゃ~俺も手伝ってあげるよ…
「さすがイッセーだね、イッセーはこの中の誰よりも一番熱く、家族と仲間思いの人だね
俺もこの勝負手伝ってあげるよ。教会には今一度その考えと信仰が間違ってると思い知らせないと行けないから…ね?」
じゃないと、頑張って恥を忍んで聖女なんかやってないもん!
「それは私たち――我らの教会すべてへの挑戦か?
一介の悪魔にすぎない者が、大きな口を叩くな。グレモリー、教育不足では?」
「イッセー、お止め――」
「部長!止めないでください。こんな奴等は絶対に勝たないといけないんです!お願いします!!」
イッセーはまっすぐな眼でそう言った。
「そうですよリアスさん。俺はこんな奴等は許しませんからね…。まぁ、俺は人っ子ひとりぐらいも助けれない神様なんて信仰をする意味が全くないし神様なんて認めないからね~。それなら、俺が知ってる神様のほうが、よっぽど神様らしくっていいですね」
……と、バカにしてみる。
「な、なんですって!?私たちのことならともかく私たちの主まで侮辱するなんて!」
「…………いいだろう。表に出ろ。断罪してくれる」
俺らがまさに一発触発する瞬間…、木場が割り込んできた。
「ちょうどいい。僕も相手になろう」
特大の殺気を体から発して、木場は剣を携えてた。
「誰だ、キミは?」
緑メッシュの問いかけに木場は不敵に笑った。
「きみたちの先輩だよ。失敗作だったそうだけどね」
その瞬間、この部室内に無数の魔剣が出現していた。
―――――――――――――――――――――
聖剣使いに喧嘩を売った俺達は今球技大会の練習した場所にいる。その周辺に部長さんたちが魔力の結界を発生し、結界の外で俺を見守っていた。俺はこっそりと結界を強化した。だって俺も出るしね♪
そして俺達の目の前で怒りを露にするゼノヴィアとイリナの二人はエクスカリバーを解き放っている。すると、木場が話しかけてきた。
「今回は僕に譲ってもらえないかな?つばささん」
「何故ですか?」
「僕は復讐をしたいんだ…、僕の僕達の人生を命を全て奪ったあの聖剣を壊すためにね」
そう言った木場の目は、完全に復讐者の目だった。木場…、復讐はなにも生まないよ?ただただ、悲しみがふえるだけなのに…。まぁ…これに関しては自分で気づかないといけないので、俺はなんにも言えませんけどね…。
「わかりました。でも、あなたが負けると俺が変わりますからね?」
「ありがとうつばささん。それと、心配しないで、あなたの番は回ってこないから…。」
木場はそう言ってゼノヴィアの前にいって、ゼノヴィアと木場の戦いが始まった。はぁ…今の木場では勝つ要素はゼロですね…。
さて、イッセーの方はどうなっているのでしょうか?
「イッセー君。本当にやるの?」
「当たり前だ! アーシアの事を悪く言われたまま黙ってられるか!」
「そう…やっぱり戦う運命なのね。私は、聖剣の適性があってイギリスに渡り帰ってきたけれども、そしたら、昔のお友達が悪魔になっていたんですもん。…あぁなんて罪深い…私とこのエクスカリバーでその罪を裁いてあげるわ!」
「死んでもごめんだ!」
イッセーとイリナも戦いを始めて、ゼノヴィアVS木場&イリナVSイッセーの戦いが始まったのだった。
俺はおとなしく見ようとしたが、急にトイレに行きたくなってしまったので、リアスさんの所にいった。
「あ…あの~…リアス…さん?その~…トイレに…行って、いいですか?」
すると、リアスさんは少しキョトンとしたあとクスリと笑って笑顔で見てきた。
「えぇ、いってらっしゃい。直ぐに戻って来るのよ?」
「うぅ…すみません、直ぐに戻って来ます…!」
こうして俺は急いでトイレに行くのだった。
――――――――――――――――――――――
さて…、トイレに帰ってきたのはいいけれども、イッセーがぶっ倒れていた。それにアーシアと小猫ちゃんもいないのに気づいて、近くにいた朱乃さんに聞いたら、イッセーはイリナに【洋服崩壊(ドレス・ブレイク)】を放とうとしたが、小猫ちゃんがそれの効果を暴露させて、イリナは突進してきたイッセーを避けて足をかけて転ばそうとしたが、イッセーは思った以上に粘り、そのせいでその勢いのままアーシアと小猫ちゃんのいた場所に突っ込んでしまい、そのひょうしに二人に触れて【洋服崩壊(ドレス・ブレイク)】を発動してしまい、二人の服を全て崩壊させた。そのあと怒った小猫ちゃんはイッセーを仙術で身体強化して攻撃力を上げた全力のパンチをイッセーの腹にボディーブローをしてイッセーはあえなく撃沈した。そのあと、二人で着替えをしに行って、俺がきたと言うことらしい。
イッセー…なにしてんだよ…全く。
これは少しお説教が必要なようですね。慧音さんを呼びましょうか?それとも、映姫さんがいいでしょうか?……そんなことしたら、イッセーが真っ白に燃え尽きそうだね…。映姫さんを呼ぶのだけは止めてあげよう…。
まぁ、とりあえず木場の方を見ないといけませんね…
「その聖剣の破壊力と僕の魔剣の破壊力!どちらが上か勝負だ!」
木場の手に現れたのは、巨大な一本の剣。禍々しいオーラを放つその剣を、木場は両手で構える。そして、それを勢いよく振り始める。
「……バカなのですか?あなたの強みはそこじゃないでしょうに…」
俺がついこぼした言葉と、ゼノヴィアが落胆する姿が重なる。
「残念だ。選択を間違えたな」
ガギィィィン!
激しい金属音。巨大な刀身が宙を舞う。やっぱり、ダメだよな。折れたのは、祐斗の魔剣だった。
「キミの武器は多彩な魔剣とその俊足だ。巨大な剣を持つには筋力不足であり、自慢の動きを封じることにもなる。破壊力を求める?キミの特性上、それは不要なものだろう?そんなことっもわからないか君は」
言い終えた直後、祐斗の腹部に聖剣の柄頭が深く抉りこむ。
「ガハッ」
あーあ~やっぱりやられた~…。まぁ~仕方ないよね、あんな勝負に出た時点で負けだったんだしね~。
まぁ、いいや。さ~てと…、そろそろ俺も出ようかね~。
「次の相手はお前か…。今なら主の事をバカにしたことを謝れば命だけは助けてやるぞ?」
「いや…、全く謝るきないし…、それに、あなた達と戦って負ける要素もないしね~。(これでもいくつもの死線を乗り越えてるんだもん。あなた達程度の実力では倒されないもん。……たとえ、ゼノヴィアさんの中にある、その“強力な聖剣”を使ったとしても…ね)」
すると、ゼノヴィアとイリナの顔に青筋がたった。
「ほう…、言ってくれるな…。ならば貴様のその余裕を壊してやろう!主を侮辱したことを後悔させてやる!」
「この罪人に神の裁きを!アーメン!!」
すると、ゼノヴィアとイリナが俺に向かってきた。はぁ…特効好きだなぁ~、みんな…。
俺はそう思ったあと、右手に日本刀を出し、それを抜いた。その日本刀は刀身が全て黒く刀についてる波模様が赤い色をした漆黒の刀だった。
「さぁ…、あなた達はこの“黒刀『秋水』”に勝てるのかな?まぁ、無理でしょうけどね~」
そしたら、ゼノヴィアが先に俺の前にきて『破壊の聖剣』を構えていた。
「……ふん。貴様のその刀、私の『破壊の聖剣』の前では無に等しい!くらえ!!」
そして、ゼノヴィアは『破壊の聖剣』を上にあげて、そのまま降り下ろしてきた。それを俺は………
ガキャァァァン!!
普通に受け止めた。
「なっ!?」
ゼノヴィアは『破壊の聖剣』を受け止められた事に酷く動揺してた。ふ…甘いですね
「隙ありです!」
キィィィン!ドコッ!
「うぐぅ………っ!!」
俺は『破壊の聖剣』とのつばぜり合いから刀に力を入れて、聖剣を凪ぎ払いゼノヴィアの右腹を刀の峰で打った。つまり、峰打ちですね。
「ゼノヴィア!!よくもやってくれたわね!くらいなさい!!」
すると、横から鞭の様に『擬態の聖剣』を飛ばしてきたが、俺はそれを軽く右に受け流したあと、それを手を能力で強化して掴んだ。
「え…?」
そしてそれを、思いっきり引っ張って、イリナを上に投げ飛ばした。
「キャァァァァァ!!」
ズドォォン!
イリナは空に飛んだあと、地面に叩きつけられた。俺はこっそりと風をだして、イリナの地面に墜落する衝撃を軽減した。これで動けない程度に体にダメージがあるでしょう。
「う…くぅ…!」
イリナは痛そうに地面に倒れていた。
「イリ…ナ!く…くそ…!負けて…たまるかぁぁぁぁぁ!!」
ゼノヴィアは『破壊の聖剣』を両手で持って突進してきた。またそれですか…。少しは頭を使ってくださいよ…。
「おおぉぉぉぉぉ!!」
キャイィィィン!
俺はゼノヴィアの聖剣をまたうけた。そして、そのあとなんどか剣の打ち合いをしたあと、二人は同時にさがった。
「次で…決める!!」
「こい…!ゼノヴィア!」
「「うおぉぉぉぉぉ!!」」
ギャキャァァァァァァン!!
俺とゼノヴィアの剣があたった。
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン………グサッ
勝ったのは俺だった。ゼノヴィアの『破壊の聖剣』は俺が飛ばして綺麗にぐるぐると宙を舞いながら地面に刺さった。今俺はゼノヴィアの首筋に“黒刀『秋水』”の先を当ててるとことだ。
「う………、私の…負けだ…。」
「ふぅ…、なかなか楽しかったですよ?ゼノヴィアさん。また、やりましょうね~」
俺はゼノヴィアに手を差しのべた。するとゼノヴィアは少し驚いたあと微笑んだ。
「ふふ…、あぁ!また、お願いする!えぇと…」
「つばさですよ~」
「そうか…、ではつばさ、またやろう!次は絶対に勝つからな!」
「望むところなのですよ!……それと、さっきはバカにしてごめんなさい」
「ふふ、いいさ。此方も悪かったしな。すまん」
「なら、お互い様ですね」
「……ふ、そうだな」
俺はゼノヴィアと握手をした。
「ゼノヴィア~助けて~動けないの~」
すると、横からイリナの声が聞こえた。あぁ…そういえば忘れてました…。
「仕方ないな。ほら肩をかせ、私が立たしてやろう」
「うぅ…ありがとう。ゼノヴィア」
「ひとつだけ言おう。『白い龍』(バニシング・ドラゴン)はすでに目覚めているぞ」
イリナはゼノヴィアに立たしてしてもらったあと、二人はリアスさんに今回の要件を守るようにと言ったあと、二人は行ってしまった。なんだから直ぐに会いそうな気がしますけどね…
結界の外へ目を向けると、居なくなっていた小猫とアーシアの姿も見える。それと同時に、木場とリアスさんがもめている様子も見てとれた。
いまにも木場はここを離れ、聖剣を追ってしまいそうに見える。
「私のもとを離れるなんてことは許さないわ!あなたはグレモリー眷族の『騎士』なのよ。『はぐれ』になってもらっては困るの。留まりなさい!祐斗!」
「……部長…僕は、同志たちのおかげであそこから逃げ出せた。だからこそ、彼らの恨みを魔剣に込めないといけないんです……。だから、復讐を果たすまで僕は抜けます」
そう言い残した木場はリアスさんから離れ俺の横を通っていった。
「祐斗……どうして……」
リアスさんは悲しそうな顔をして、木場が消えた場所を見ていた。木場…、あなたにはまだ、帰れる場所があるのですから、早くその事に気づいてくれるのを待ちますよ?早く戻って来てくださいね…
俺はその日が来るのを信じていますから
「ゼノヴィア…、あの子強かったね。まさか私達がこんなにもあっさりと負けちゃうなんてね」
「そうだな…、確かにあの子は強かった。それに見てくれこれを…」
駒王学園の帰り、ゼノヴィアとイリナは先程の戦いの話をしていた。ゼノヴィアは隣を歩くイリナに、『破壊の聖剣』を見せる。
「えっ!これって……」
どうやらそれだけで、イリナも理解できたようだ。
「そうだ。たった一度目の接触でこれだ。もしもあのまま続けていたら、次の攻撃でこれは壊れていただろう…。流石に、他の聖剣奪還前に使い物にならなくなっては困るところだったね」
「そういう、ことだったのね」
「あぁ、そう言うことだ。それに―――」
「…?それに…なに?」
「いや、なんでもない…」
ゼノヴィアはふと考えていた。
「(あの、一瞬の交差した瞬間…アイツは『貴女の中にある“本当の聖剣”は使わないのですか?』なんて言ってきた。――アイツは、私の力を全て見切っていたのだ。――――彼女を敵に回すと怖すぎるな…)」
そんな事を考えていたのだった。
そして、ゼノヴィアとイリナはもう一度、破壊の聖剣を、つばさとせり合った部分を見返す。
その箇所には、大きな亀裂が入っていた。ゼノヴィアは『破壊の聖剣』を静かに布に包んだ。
―――ツバサを最後まで“女の子”と勘違いしながら……
どうでしたか?今回も頑張って書きました。次回からも頑張って書いていくので、それまで末永く待っててください♪
それではまた次回で会いましょう♪それではバイバーイ♪