ハイスクールD×D~最強男の娘の転生物語~   作:三元新

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冥界合宿のヘルキャット
1話 冥界に里帰りだそうです


あれから数日……俺は今はオカルト研究部の部室にいまーす♪ え?何故って? なにかわかりませんが、リアスさんに呼ばれてここに来ましたのですよ。で…、来てみたのはいいのですが……

 

「――てなわけで、今日からこのオカルト研究部の副顧問になった。アザゼル先生と呼べ。もしくは総督でもいいぜ?」

 

着崩したスーツ姿のアザゼルが部室にいたのですよ。

 

「で?アザゼルは何故にここへ?」

 

俺はアザゼルに聞いたら、アザゼルは面倒くさそうな顔をしていた。

 

「それを聞くな。面倒で面倒くさいんだ。」

 

「結局面倒くさいんじゃないか!」

 

アザゼルの言葉にイッセーがつっこんだ。ナイスツッコミです!イッセー!!

 

「良いじゃねぇーか。それと、つばさ、今はアザゼルじゃない。アザゼルせ・ん・せ・い・だ! 今はアザゼル先生と呼びたまえ!ふはははー!」

 

アザゼル……先生はそう言って高笑いしていた。その姿はまるで悪党そのものだ。

 

「わかりましたよ。アザゼル先生。……で?本当の理由は?」

 

「まぁ~まて。俺がこの学園に来た理由は、この学園に滞在できる条件と一緒なんだ――まあ、大体予想はついているだろう?おまえ達の神器の正しい管理と成長。それの監督役だ。これから先、いつ『禍の団(カオス・ブリゲード)』が攻めてくるかわからない。そのためと言ってもいいだろうな」

 

アザゼル先生の言葉に皆が真剣な表情になる。

 

「なるほど…。だからこの学園にきたのですね。」

 

「あぁ、そうだ!ぶっちゃけると、セラフォルーの妹に頼んだらこの役職だ!まあ、俺の知的でチョーイケメンだからな。女子生徒でも食いまくってやるさ!」

 

下心丸出しでそんな事をいってるアザゼル先生……全くこの人はぁ~……

 

「おう!訊くが兵藤一誠・・・イッセーでいいか?お前は童貞か?」

 

……………え?な……何いってるんですか?この堕天使総督さんは!?

 

「は、はい!」

 

「よし、女も教えてやる。適当な美女でもひっかけて男になったほうがいいな。お前も来い!つばさ!」

 

そんな事をいってるアザゼル先生…それに、嬉しそうにして涎を垂らしてるイッセー…。ま…まま、全くこの人達わぁ~!

 

「ちょ、ちょと、待ちなさい、アザゼル!イッセーに変なことを教え込まないでちょうだい!」

 

リアスさんはイッセーを抱き寄せて、アザゼル先生に触れさせないようにしていた。そして何故か朱乃さんも俺の身体を包む様にして動け無いようにした。別に行きませんのにね~。

 

「いいじゃねぇか。このぐらいの年頃なら女のひとつやふたつ知っておいたほうが健全ってもんだ。それとも下僕が女を知るのに何か不都合でもあるのか?」

 

「イッセーの貞操は私が管理します!イッセー、ヒトの貞操を守っておいて、あなたが他のところで貞操を散らすってどういうことなのかしら!?」

 

「そうですわ!つばさちゃんの初めては私が貰うんですから!」

 

は…初めてって…/// あ…朱乃さん!女の子がそんなこと言っちゃいけないのですよー///

 

「それに……」

 

「それに?」

 

朱乃さんは一旦間を置いて口を開いた。

 

「あのさつき様達姉妹がそんなこと許すわけがないのです。もしも、そんな事をした場合……、アザゼル様は物理的に消されてしまいますわよ?」

 

朱乃さんは真剣な顔でそう言った。それを聞いたアザゼル先生は顔を真っ青にしてガクブルと震えていた。

 

「そ…そうだった……あ…あいつらに内緒でそんな事を…つばさの貞操を奪わせようとしたら、それをした俺が100%の確率で確実に消されちまうぜ……」

 

そうアザゼル先生は呟いていた。あははは、流石にあのお姉ちゃん達でもそんな事するわけがぁ~…………どうしてだろう。絶対しないっていう理由と根拠が見つからないよ~……

 

「そうですわよ、アザゼル先生」

 

朱乃さんは呆れた顔でそう言った。

 

「まぁ…、そう言うこった。お前ら!これからよろしくな!」

 

『よろしくお願いします』

 

こうして、アザゼルが、オカルト研究部の先生となるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、時は又々たち、今は夜の8時です。で、現在俺達、オカルト研究部はイッセーの家にお邪魔させてもらっています。あ…、因みにですが、アーシアとリアスさんはイッセーと同居中ですよ~。

 

「――という訳で、冥界に行こうと思うの」

 

リアスさんが何気なく言った言葉に、この場にいた朱乃さんと木場以外の者がリアスさんに注目した。

 

「突然ですね。里帰りですか?」

 

「えぇ。毎年夏休みに冥界の実家に顔を出そうと思ってね……イッセー?涙目よ?」

 

俺が何となく質問したら、リアスさんから返事がかえてきた。ってか、イッセーは何故か涙目になっている。

 

「……部長が突然冥界に帰るって言うんですから、置いて行かれるかと思いましたよぉ……」

 

「まったく、そんなことあるわけないでしょう?あなたと私は百年…千年単位で付き合うのだから、安心なさい。あなたを置いてなんか行かないわ」

 

そう言って、リアスさんがイッセーの頬を優しくなでる。

 

「……もうすぐ皆で冥界に行くわ。長期旅行の準備をしておいてちょうだい」

 

「えっ!?俺たちもですか!?」

 

「そうよ。あなたたちは私の眷属で下僕なのだから、主に同伴は当然。一緒に故郷へ行くの。そういえばアーシアとゼノヴィアも初めてだったかしら?」

 

「む…そうだな。まさか、教会の私が冥界に生きて行こうとわな。新鮮な気分だ。」

 

「はい!私も楽しみです!!」

 

ゼノヴィアとアーシアは其々の感想を言っていた。てかアーシア…貴女は使い魔の森にいってるでしょうに…。まぁ…、楽しそうだしいいのかな~?

にしても…、何時になったらアザゼル先生は部室に入って来るのでしょうか?

「俺も冥界に行くぜ!」

 

『っ!?』

 

突然廊下から現れたアザゼル先生を見て、一同が面食らった表情で注目していた。

てか、このタイミングを見ていたな?通りで全然入ってこなかった訳ですね。

 

「どこから、入ってきたの?」

 

「見ての通りだ。玄関から入ってきたぜ」

 

目をパチクリさせながら聞いたリアスさんに平然と答えたアザゼル先生。

 

「……気配すら感じませんでした」

 

木場が正直に気持ちを口にする。

 

「そりゃ、修行不足だな。それよりも冥界に帰るんだろう?なら、俺も行くぜ。俺はおまえらの『先生』だからな」

 

そう言うと、アザゼル先生は懐からメモ帳を取り出して読み上げだす。

 

「冥界でのスケジュールは……リアスの里帰りと、現当主に眷属悪魔の紹介。あと、例の新鋭悪魔たちの会合。それとあっちでおまえらの修行だ。俺は主に修行に付き合うわけだからな。おまえらがグレモリー家にいる間、俺はサーゼクスたちと会合か。ったく、面倒くさいもんだ」

 

説明を終えたアザゼル先生は嘆息する。総督ってのも忙しそうですね~。たまには働いてもらわないと、副総督のシェムハザさんの苦労が増えてしまうのでとても心配なのですよ。

 

「では、アザゼル――先生はあちらまでは同行するのね?行きの予約をこちらでしておいていいのかしら?」

 

「あぁ、よろしく頼む。悪魔のルートで冥界入りするのは初めてだ。楽しみだぜ。いつもは堕天使ルートだからな」

 

アザゼル先生が頷いてそう口にした。

 

「俺も行きますよ~!」

 

「あら?つばさちゃんも?大丈夫なの?」

 

俺がそう言うとリアスさんは心配そうな顔でそう言った。

 

「大丈夫ですよ~♪ それに、家族にはこの事は言っていますし、総司令官殿に頼まれてもいますからね~」

 

俺がそう言うと、アザゼル先生が面白そうな物を見つけたかの様な顔になった。

 

「ほぉ~、なにか面倒事か?」

 

アザゼル先生はなにか的を当てたかの様に言った。たく…相変わらずの鋭さなのですよ

 

「はい、ちょっと面倒な者が冥界にいるのでね。それの調査をしにね~。」

 

「面倒な者…?なんだそれは?」

 

アザゼル先生は難しそうな顔で聞いてきた。

 

「ちょっとね~。その者は過去に暴れすぎて封印された『妖魔』と呼ばれる者達なのですよ。その者達は人の魂を糧としていて、人の…生き物の魂を食らう度に力を付けていく厄介な者達なのです。その者達はあらゆる次元を超えてあらゆる世界を食らってきた魔物達なのです。 この世界とは別の世界…俗に言う平行世界では、その者達に生き物は食われてしまい、滅んでしまったのです。……と、家の古い記録書に書いてありました。」

 

「なんなんだ?その…、『妖魔』って奴は?」

 

「わかりません。ただ、記録書には、『その姿は多数あり、鬼の様な者もいれば、鳥や獣の様な者もいる。中には人形もいるそうだ』としか、書いてないのでよくわからないのですよ…」

 

「そうか…、で?今回の事となにか関わりがあるのか?」

 

「はい、家の設備の中には世界中に張られた結界と次元の様子の管理をする場所があるのですが、ナツル姉さんがそれの管轄をしているのです。ですが、最近冥界のあちこちに謎の次元の歪みを感知したので、家族の中でも結界系が最も得意な俺が調査に駆り出されたって訳なのです。もしかしたら、『禍の団(カオス・ブリゲード)』も関わっているんじゃないかって、兄さん姉さん達が言っていましたよ。」

 

そう、兄さん姉さん達がそんな事を言っていたのだ。俺もなんだか嫌な予感がしてたまらない。ここにくるまえに部隊の皆に会いに行った時も…、霊夢に『気をつけなさいよ?なんだか嫌な予感がするから』なんて事を言われちゃいましたしね~。絶対ろくでもない事が起きるよねー……。

 

「はぁ~……」

 

「まぁ~、その、なんだ、頑張れ」

 

アザゼル先生が俺の肩に手を置いて言った。うぅ…、そんな事を言うなら手伝ってくださいよ~

 

「そりゃ無理だわ。お前の仕事だしな」

 

「えぇ!心を読んだのですか!?ハレンチです!!」

 

うわぁー!アザゼルが真の怪しい変態なおじいさんになっちゃったーーー!!

 

「いや、お前顔に出てたからな!?それに、今かなり失礼な事を思ってるだろお前!!」

 

なに…?そんなに顔に出ていたのか…。次からは気をつけないと。

 

「そんな事ないですよ~。」

 

「そ…そうなのか?」

 

「そ~なのでーす」

 

「そうか……なら、そんうなんだな。」

 

「ふ…チョロい」ボソ

 

「取りあえず行くか、そうと決まれば準備だな」

 

「えぇ、そうね。明日から3日後に行くわよ!それまでに、皆!準備をしておきなさいね!じゃぁ~、今日は解散よ!」

 

『はい!部長!』

 

こうして、俺たちの冥界行きが決定したのだった


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