ハイスクールD×D~最強男の娘の転生物語~   作:三元新

85 / 146
11話 旧魔王派VS地球連邦軍 決着

ツバキとアーシア救出の為に、ディオドラの眷属達とグレモリー眷属+αの面々が戦っている頃………他の地球連邦軍の所というと――――

 

『ヒャッハァァァァ!!汚物は消毒じゃぁぁぁ!』

 

『てめぇら!死にさらせぇぇぇ!!』

 

『おらおら!邪魔なんだよ!!』

 

『うおおおおおおお!みなぎってきたぁぁぁ!』

 

『せいやぁぁぁ!』

 

圧倒的 武力で敵の旧魔王派の悪魔達をほふっていた。

 

そして、光輝や他の姉妹達は………

 

「ふん!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!オラァァァァ!!!」

 

光輝は両手から光の拳でできた気合拳を飛ばしていた。その攻撃で敵は次々と消し飛んでいく。

 

「私達の家族を穢した事を悔い改めなさい!!いくよ!ナツル!優子!」

 

「「はい!」」

 

「「「合体超魔法!!『エーテリオン』!!!」」」

 

三人の魔力が重なり、空に幾つもの魔方陣が重なるように展開された。そして、そこから巨大なビームがでて、悪魔達を飲み込んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―イッセーside―

 

俺たちがたどり着いたのは、最深部にある神殿だった。その内部に入っていくと、前方に巨大な装置らしきものが姿を現した。

 

「アーシアァァァァァァァッ!」

 

装置の中心にアーシアが張りつけにされているのを見た俺は、アーシアに向かってさけんだ。……見たところ怪我や衣類の破れは一つも見当たらないな。よかった…

 

「やっと来たんだね」

 

装置の横から姿を現したのはディオドラ・アスタロトだ。やさしげな笑みがより一層全員の殺意を高めさせていく事となった。

 

「……イッセーさん?」

 

アーシアが声を聞いて、こっちへ顔を向けた。…が――目元が赤く腫れあがっている。

 

泣いていたのか。それもかなりの量の涙を流したと思えるほど、目が赤くなっているみたいだ。ほんと…マジでムカつくぞ……ディオドラさんよぉ…。

 

「それにしても、良いところだったのに邪魔してくれたよね…」

 

ディオドラはそう言った。……そういえばツバキちゃんは何処にいるんだ?

 

「……ディオドラ、おまえ、アーシアに全てを話したのか?」

 

俺は低い声でディオドラに訊いた。

 

だけど、ディオドラは俺の問いににんまりと微笑んだ。

 

「うん。全部、アーシアに話したよ。ふふふ、キミたちにも見せたかったな。彼女が最高の表情になった瞬間を。全部、僕の手のひらで動いていたと知ったときのアーシアの顔は本当に最高だった。ほら、記録映像にも残したんだ。再生しようか?本当に素敵な顔なんだ。教会の女が堕ちる瞬間の表情は、何度見てもたまらない」

 

アーシアがすすり泣き始めていた。

 

この……ゲス野郎が……。

 

「でも、足りないと思うんだ。アーシアにはまだ希望がある。そう、キミたちだ。特にそこの汚れた赤龍帝。キミがアーシアを救ってしまったせいで、僕の計画は台無しになってしまったよ。あの堕天使の女レイナーレが一度アーシアを殺したあと、僕が登場してレイナーレを殺し、その場で駒を与える予定だったんだ。キミが乱入してもレイナーレには勝てないと思っていた。そうしたら、キミは赤龍帝だという。偶然にしてはおそろしい出来事だね。おかげで計画はだいぶ遅れてしまったけれど、やっと僕の手元に帰ってきた。これでアーシアを楽しめるよ」

 

『黙れ』

 

数人の声が重なる。殺気が籠もった低い声だ。

 

「アーシアはまだ処女だよね?僕は処女から調教するのが好きだから、赤龍帝のお古は嫌だな」

 

ディオドラ、おまえは気づいているか知らないけど、アリアさんやレイジさんの怒りは限界点を超えているみたいだぞ?……すごく魔力が迸ってるし…。

 

「あ、でも、赤龍帝から寝取るのもまた楽しいのかな?」

 

……その言葉で、ここにいる全員の殺気が膨れ上がっていく。

 

「キミの名前を呼ぶアーシアを無理矢理抱くのも良いかもしれ――」

 

「黙れェェェェェェェェェッ!」

 

『Welsh(ウェルシュ) Dragon(ドラゴン) Balance(バランス)Breaker(ブレイカー)!!!!!!!!』

 

俺の中で限界点にきていた怒りが弾け飛んだ。膨大な赤いオーラは鎧を形成していき、俺を包み込んだ。

 

「ディオドラァァァァァァァァァッ!てめえだけは!絶対に許さねぇッ!」

 

そして俺は全身に鎧を身にまとった。

 

「部長、皆、絶対に手を出さないでください」

 

「イッセー。全員で倒すわと、言いたいところだけど、いまのあなたを止められそうもないわね。手加減してはダメよ」

 

「そうだな。今回はお前に託す。そいつにドラゴンの力を見せてやれ!」

 

「そうですね。イッセーくん。そいつにアーシアの苦しみも分からせてやりなさい!」

 

部長やみんなが俺に激を送ってくれた。

 

「アハハハハ!すごいね!これが赤龍帝!でも、僕もパワーアップしているんだ!オーフィスからもらった『蛇』でね!キミなんて瞬殺――」

 

ゴォォォォオオオオオッ!俺は背中の魔力噴出口から火を噴かし……

 

ドゴンッ!

 

怒りの打撃はアスタロトの腹部に入った。

 

「……がっ」

 

アスタロトの体はくの字曲がり、顔は激痛に歪んだ。

 

「瞬殺がどうしたって?」

 

アスタロトは腹部を押さえ表情に余裕はなかった。

 

「くっ!こんなところで!僕は上級悪魔だ!現魔王ベルゼブブの血筋だぞ!」

 

アスタロトは魔力の弾を無数に展開した。

 

「キミのような下級で下劣で下品な転生悪魔ごときに気高い血が負けるはずがないんだッッ!」

 

アスタロトの放つ無数の魔力弾が俺を襲うが、俺にはその程度は効かずディオドラの眼前まで迫ったとき、ディオドラは魔力弾を止め距離を取ろうとしたが俺は背中の魔力噴出口を噴かしてすぐに追いつきディオドラは防御障壁を作るが

 

「ヴァーリの作った障壁よりも薄そうだな」

 

バリンッ!

 

俺の拳は難なく防御障壁を破壊して

 

ゴンッ!

 

顔面へ一撃入れた。

 

「……痛い。痛い。痛いよ!どうして!僕の魔力は当たったのに!オーフィスの力で絶大までに引き上げられたはずなのに!」

 

それから俺はディオドラの腹部と顔に一撃入れ、オーラを右拳に集結させ、ディオドラに叩き込もうとしたが………

 

「こんな腐れドラゴンに僕がぁぁぁぁっ!」

 

ディオドラは左手を前にだし分厚そうなオーラの壁を発現させる。

 

「アハハハハハハッ!ほら見たことか!僕のほうが魔力が上なんだ!ただのパワーバカの赤龍帝が僕に敵うはずがないんだよっ!」

 

「そのパワーバカのパワー見せてやろうか?」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost』

 

ゴォォォォォオオオオオオオオオオオッ!

 

俺は背中の魔力噴出口を噴かし拳に勢いを上げて

 

バリンッ!とアスタロトのオーラの壁は俺の拳の一撃で儚い音を立てて消失した。

 

「わりぃな。パワーバカだから、こんな風に力押ししかできねぇや。でもいまのおまえ相手になら十分か」

 

「ひっ」

 

一瞬で顔色を変えるアスタロトに、

 

「俺ん家のアーシアを泣かすんじゃねぇよッ!」

 

イッセーの拳はアスタロトの左手を叩き折り、その勢いで顔面に拳がぶち込まれた。その一撃でアスタロトは柱まで吹っ飛んだ。床に落ちたアスタロトはおろおろと地を這いずりながら叫んだ。

 

「ウソだ!やられるはずがない!アガレスにも勝った!バアルにも勝つ予定だ!才能のない大王家の跡取りなんかに負けるはずがない!情愛が深いグレモリーなんか僕の相手になるはずがない!僕はアスタロト家のディオドラなんだぞ!」

 

すると、苦痛な顔になりながらもディオドラはさっきよりも多くの魔力を撃ってきた。でも、俺はそれを避けまくった。

 

そして俺はディオドラに一気に近づき拳を握る!

 

ゴスッ!!!

 

正面から打ち出された拳打は、ディオドラの顔面をとらえて柱まで吹き飛ばした。

 

俺は歩み寄った。ディオドラの前に立つとマスクを収納して、赤いオーラを激しく発しながら叫んだ。

 

「二度と、アーシアに近づくなッ!次に俺達のもとに姿を現したら、そのときこそ、本当に消し飛ばしてやるッ!」

 

アスタロトの瞳は怯えの色に染まっていた。

 

『相棒。そいつの心はもう終わった。そいつの瞳はドラゴンに恐怖を刻み込まれた者のそれだ』

 

ドライグがそう言った。……なら、もういいかな?

 

「イッセー……止めを刺さなくていいのか?」

 

すると、ゼノヴィアがデュランダルをディオドラに向けながらそう言った。

 

「こいつもいちおう現魔王の血筋だ。いくらテロに加担したからといって。殺したら部長や部長のお兄さんに迷惑をかけるかもしれない。もう十分殴り飛ばしたさ」

 

ゼノヴィアはアスカロンを勢いよく床にぶっ刺した。少しでも憂さを晴らしたかったのだろう。

 

「…………わかった。イッセーが言うなら私は止める」

 

はは、まぁ、今回はこれでひと安心かな?

 

「………………く…クックックックッ………アハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」

 

すると、突然ディオドラが狂う様に笑いだした。

 

「な…なんだ!?」

 

「クックックッ…。それで勝ったつもりかい?赤龍帝……。僕はまだ負けていない…負けていないんだよぉ!! それに君たちは大事な事を忘れていないかい?……シスター・ツバキの事を…」

 

…………そういえば、ツバキちゃんは何処だ!!

 

「ディオドラ・アスタロトォォォ!! ツバキを何処に隠した!!!」

 

レイジさんが怒りながら叫ぶ。

 

「アハハハ!シスター・ツバキなら此処にいるよ…」

 

すると、ディオドラは空に向かって手を挙げた。そしたらアーシアの上に魔方陣が展開する。……そこからツバキちゃんが出てきた。……両手に鎖を巻かれて、グッタリとした状態で…。

 

「………………おい、ディオドラ…。ツバキにいったい何をした………」

 

レイジさんがとても低い声でディオドラにいう。……当たり前だ…。なんせ、ツバキちゃんの服はビリビリに破かれ肌が露になっていた。それも、大事な所が丸見えだ…。更に、ツバキちゃんの肌には殴られたかの様な痣が出来ていた。それも身体中に…。

それと、アーシアの様に泣いていたのか、頬に涙の跡が付いていた。

 

「ツバキちゃん!」

 

アーシアが悲痛な声をあげた。

 

「ツバキちゃんは、ディオドラから私を守ろうとして、体に怪我を負いました。……私が弱いから、ツバサちゃんは……」

 

そういいながら、アーシアはまた泣き出した。

 

それを見た全員の魔力が膨れ上がる。……てめぇ!アーシアだけじゃなくツバキちゃんまで泣かせたな!!

 

「お前!!」

 

「おっと、あまり動かないでくれないかい? あのツバキちゃんの上にある魔方陣は爆発性の物だ。もしも、彼処で爆発すればシスター・ツバキだけではなくアーシアも一緒に巻き込まれるけどね」

 

「くっ! ……卑怯な」

 

あんまりに酷い…。ほんとに最低な野郎だ!!

 

「あっはっはっはっ!何度でもいいなよ!この世は結果がすべてだ。要は勝てばいいんだよ勝てばね!!」

 

そしたら突然ディオドラが魔方陣を放ってきた。それもアーシア達に向かって。

 

「させるかぁ!!」

 

俺はアーシア達の前に立った。撃ってきた魔力を俺は身体を使って守る。ディオドラはお構いなしにひたすら魔力を撃ってきた。

 

「……ぐぅ」

 

「イッセーさん!」

 

後ろでアーシアが叫んでいた。……ふっ、大丈夫だよアーシア…。おれは…必ず護るから!!

 

絶対に耐えてみせる!負けてたまるかぁぁ!!

 

―side out―

 

 

―ツバキside―

……うぅ…。……いつぅ~!…うぅ、気絶していたみたいだ。……そういえばいまはどうなってるの?

 

私は何とか眼をあけた。……そこに写ったのは、ディオドラの魔力弾を身体を使ってアーシアを護るためにで耐えているイッセーと、何故か空中で鎖で縛られている私と……………

 

……え? ど、どうなってるの!? この数分の間に何がおきたの? てか、何故私は鎖で空中に縛られてるの? ……あれぇ?ついさっきまでディオドラに……エ…エッチぃ…事を、やられる所だったのに…。でも、これって一応助かったのかな?……よかったぁ~。あんな気色悪い奴に…その大切なアレをあげるくらいなら、お兄ちゃんか、イッセーにあげるもんね。

……って///わ…私はにゃにを考えていりゅのですか!?///は…ハレンチです!!!!///

 

………で、でも、今はそんなことよりも、イッセーが傷つきながらも私達を守ろうとしてくれている所が大事ですよね。

 

助けたい…いますぐにでも助けたい!……でも、今の私にはなにもできない…。無力な私は……好きじゃないよ………

 

「……イッセー…」

 

……もう、それ以上したら死んじゃうよ?……なんで君はそこまで頑張るの?……ほんとに…、バカな人だよ…本当のバカだよね。

 

「(……もうすぐ……もうすぐだから…、イッセー…あと少しだけ、耐えて。お願い!!)」

 

お願いイッセー!あと、ほんの少し…ほんの少しだから、頑張って耐えて!! あと少しだから!

 

私は願う。……イッセーの為に…。

 

そして…、みんなの為に!みんなを守る為に!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ドックン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピカァァァァァァァァァァァァン!!!!!!

 

そして、私の体は光に包まれた………

 

―side out―

 

―イッセーside―

 

くそっ!マジでキツいぞ!いくら赤龍帝の鎧が硬くても、流石にこれ以上は持たねぇ!

 

「クックックッ。そろそろ終わりかな?赤龍帝…次こそ僕が君を殺してあげるよ!」

 

すると、ディオドラは今までで一番でかい魔力で撃ってきた。

 

……ヤバイ、殺られる!!

 

俺は覚悟を決めた瞬間………

 

ピカァァァァァァァァァァァァン!!!!!!

 

全てが光に包まれた。

 

「くっ!な…なんだ!?なにがおきたんだ!」

 

お…おれもなにが起きてるかわかんねぇ!いったいいきなりどうしたんだ!?

 

『……クックッ!相棒、一番頼もしい奴が復活したみたいだぞ?』

 

ドライグがそう言った。……一番頼もしい奴?……ってまさか!!

 

俺はツバキちゃんの方を向いた。そこだけ一番光が強かった。

 

やがて光が薄れていき、そこから現れたのは―――

 

「俺…ふっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁつ!!!!!!」

 

そう……あの最強と言われている結城 翼だ!

 

そんなツバキちゃん――改めツバサちゃんの服装は変わっており、まるで新品同然の巫女のような服だった。何故か、脇が出ている変な巫女服だった。

 

「……なっ!なにがおきたんだ!?……お前はあのシスター・ツバキか?風位気が替わった気がするが」

 

すると、ディオドラはツバサちゃんの方をみてそう言った。

 

「ん?……えぇ、正真正銘あなたのいうシスター・ツバキでございますよ? まぁ、いまはツバサですけどね」

 

笑いながらそう言うツバサちゃん。

 

「ちなみに、これでも男です!」

 

ドヤ顔でいうツバサちゃん。……それってドヤ顔でいう必要あるのか?

 

「……は?いったい何を訳のわからない事をいっているんだい?シスター・ツバキ。君は何処をどうみても女の子じゃないか。……まぁ、確かに胸は無くなったけどね」

 

ディオドラは、何こいつ?みたいな顔でそう言った。……確かにツバサちゃんはかなりの美少女だから、見ただけでは男って思わないだろうな。

 

「……む…まぁ、いいでしょう。別に今に始まったことではありませんし」

 

ツバサちゃんは諦めたかのような感じでいう。

 

「それよりも、さっさと取りますか。これ」

 

するとツバサちゃんは鎖を取ろうとしたが、ディオドラが笑いだした。

 

「取る?その鎖をかい?……アッハッハッハッハッ!!!無理に決まってるじゃないか!君とアーシアの付けている鎖はただの鎖じゃない。とある英雄派にいる神滅具『絶霧(ディメイション・ロスト)』の使い手が作った強力な結界だ!『絶霧(ディメイションロスト)』の結界はこの世の中でも最強の結界を張れるんだ。ただの人間であるシスター・ツバキが壊せるわけが『ガシャン!』……………………え?」

 

……ん?いま“ガシャン”って音がしたような……

 

俺は音のした方を向いたら、そこには鎖が砕けちり、空中にいたはずのツバサちゃんが地面で立っていた。

 

……って

 

『えええええええええええ!!!!!?』

 

この場のみんなの悲鳴が重なった。いや、マジでなんで!?

 

「……クックックッ―ふふ、アハハハハハハ!!やっぱりつーくんはスゴいな。あの『絶霧(ディメイション・ロスト)』の結界をそんな簡単に破壊するなんて、ほんとに馬鹿げてるな。……まぁ、“結界を司る者”と呼ばれてる程だから、そうでもないのかな?」

 

レイジが笑いながらそう言った。結界を司る者?なんだそりゃ?

 

「ふふ、確かにね…。それに、この程度の結界なんて紫さんや霊夢が使う“多重結界”や“弾幕結界”の方が断然強力だよ?ほんとにあの人達の造る結界はスゴいんだから。だてにあの『博麗大結界』を作っていないよねぇ~」

 

「ふっ、確かにな」

 

なんだか、難しそうな?話をしているレイジさんとツバサちゃん。……なんだ?『博麗大結界』って?

 

「……ま、まぁ、いいさ。どうせ君たちは僕には勝てない。またさっきの様に倒せばいいさ!」

 

すると、ディオドラがまた叫ぶ。おまえさっきまで俺が手を出せなかったからあんなにもやられてた訳であって、お前は俺に散々やられたの忘れてないか?

 

『しかたがないだろう。あのタイプの奴は自分が最高なんて思っているやつらだからな。さっきまで相棒にやられていた事なんて忘れているさ』

 

都合のいい頭だな!

 

『そうだな』

 

「さて、それじゃぁまた俺が…「イッセー!」……なんだ?」

 

俺が行こうとするとツバサちゃんに止められた。

 

「イッセー…ここは俺に任せてくれないか?……いままでの分をキッチリと払わせないと気がすまないからね♪」

 

ツバサちゃんは物凄い笑顔で言った。……だが、その笑顔は何よりも怖かった。

 

「お、おう!頑張れよ!!(や、やべぇ!むっちゃ怖ぇぇぇ!!)」

 

「ふふふ、ありがとう……………さて、ディオドラ・アスタロト」

 

突然ツバサちゃんは低い声でディオドラを呼ぶ。

 

「なんだい?シスター・ツバキ」

 

ディオドラは平気な顔でいう。でも、冷や汗が少し出ていた。

 

「おまえ、さっきまでよくもあんな事をしてくれたね。お前のせいで傷ついたアーシアのとお前に受けた辱しめと屈辱はキッチリと倍にして返してあげるよ。―――さぁ、お前の罪を数えろ!」

 

ドウ!

 

ツバキちゃんの体から光が放たれた。

 

「『禁手(バランス・ブレイク)!祖龍の鎧!!』」

 

そこにいたのは、全身がヴァーリーよりも白い白銀色をしていてキラキラと輝いていた。鎧の形は何処と無く俺に似ていた。

 

『あれが祖龍の鎧か……強いな』

 

ドライグがそう言った。……うん、確かにな。俺も少なからずドラゴンの力があるから、ビリビリとこっちまで力の波動を感じる。なにか、こう…勝てない気がするんだよな~。

 

「さぁ、覚悟はいいか?ディオドラ。我を怒らした事、後悔するがよい」

 

ツバサちゃんは殺気を出しながらディオドラに向かって言う。てか、口調変わってないか?

 

「な、なにをいっているんだい?君が上級悪魔でもある僕に勝てるん訳が――」

 

ズドォン!!

 

「ゴボッ!」

 

ドカァァァン!!

 

「喋るでないぞ…。雑魚が…」

 

一瞬の内にディオドラの所にいって殴ったツバサちゃん。……って全然見えなかったんだけど

 

「ふむ、やっぱりな。あいつキレてるぞ」

 

そうレイジさんがいった。てえっ!キレてる!?それって大丈夫なのか!?

 

「それって大丈夫なんですか?」

 

部長が俺の思っていたことを訊いた。

 

「ん?あぁ、大丈夫だ。別に暴走した怒りではないからな。ただ純粋に怒っているだけだ。それに暴走した怒りなら今ごろここは消しとんでいるさ。ハハハハ!!!」

 

えぇ~…どんだけなんだよそれ…

 

「さぁ、立つのじゃ。貴様の罪はまだ終わってはおらぬぞ?」

 

「――っ!くそが!!人間のぶんざいでぇ調子にのるんじゃねぇぇぇ!!」

 

ディオドラが魔力弾を大量にツバサちゃんに撃った。

 

「ふんっ!」

 

パァン!

 

「……え?」

 

ツバサちゃんはたった腕を横に一振りしただけなのに、大量の魔力弾は消し去った。

 

 

「はぁ~。まさか、この程度で我を倒そうとしたのか?笑わせてくれるな。いったいバカにしているのはどちらのほうか。ほんと――――――図に乗るな小僧」

 

ツバサちゃん…スゲェ…!

 

「は、はは、ハハハ…」

 

ディオドラは乾いた笑いをしていた。

 

「さぁ、これで最後だ……。貴様の敗北はただひとつ。我を…いや、ドラゴンを怒らし、龍の逆鱗に触れたのだ。滅びるのは当たり前じゃ。

………さぁ、神龍の怒りを喰らうがいい!」

 

「『最後の審判(ラスト・ジャッチメント)』」

 

すると、ディオドラの真上に巨大な白い魔方陣が展開する。

 

そして、ツバサちゃんは腕を降り下ろす。

 

「『神龍の裁き』」

 

ズドォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!

 

「―――――ッ!!!」

 

魔方陣から巨大な光の光線がディオドラに落ちて、ディオドラは跡形もなく消し飛んだ。

 

やばい……あんな光のビームを喰らったらどんな悪魔でも消しとんでしまいそうだ。

 

『相棒…あれはそんなものじゃすまなさそうだぞ?恐らくドラゴン……いや、神でも簡単に消し飛ばすだろうな』

 

マ…マジかよ。どんだけ強力なんだよあの技は…。

 

『ま、わかった事はツバサを怒らせたら命は無いって事だな』

 

た、確かにな。

 

「……ふぅ、こんなもんかな?」

 

すると、鎧を解除したツバサちゃんがそこにいた。右手には鎧と同じ白銀の籠手があった。

 

「ありがとう、ルーツ。ルーツのお陰で予定よりも早く力が戻ったよ~」

 

『ふふ、どういたしまして。それに貴方が前に貰った天空の鎧には、神龍の加護…つまり神龍の力があった。そのおかげで以前よりも力がより強くなったでしょ?』

 

「うん。前よりも大分ドラゴンの力が上がってるみたいだよ。おそらく、コピーでドラゴン族の力を使うときはいままでよりも力が増してると思うよ。あと、聖なる属性とね」

 

『そうね。それにそれだけじゃないみたいね。少しだけど神龍の神としての力もあるみたいね』

 

「神?……もしかして、俺ってば神格化したの?」

 

『えぇ、少しだけども、それでも下級の神よりもかなり強いわね。まぁ、そもそも神龍じたいが他のどの神々よりも強かったからね。少なくてもそれだけの力があるのは当たり前だわ。それにいいじゃないの?また強くなって、多くの人々を守れる様になるのだしね(なにより、例のファンクラブの信仰心が強すぎるからね。おかげで私がツバサの内に溜まった神気を何重にも封印するのに時間がかかったわ。そのせいで、この子の柔肌に腐った野郎に触れられてしまったしね。)』

 

「……うん、そうだね♪」

 

笑いながら、祖龍 ミラ・ルーツとツバサちゃんは喋っていた。

 

なんだか、スゴく仲が良さそうだな。あまり邪魔をしちゃ悪いな。

 

「……あっ、そうだ。先にアーシアを助けないと!!」

 

俺は急いでアーシアの所にいった。

 

「アーシア、いま助けるからな!」

 

「イッセーさん…!」

 

くそっ!全然取れねぇ!!

 

「イッセー…、それはそう簡単には取れないよ。そうなってるんだからね…」

 

するとツバサちゃんが俺に言ってきた。

 

「その装置は機能上、一度しか使えないけど、逆に一度使わないと停止できないようになっているんだ。アーシアの能力が発動しない限り停止しない」

 

「どういうことだ?」

 

俺が聞くと、ツバサちゃんが言う

 

「さっき自分の鎖を取るついでに調べたんだけどね?その装置は神滅具所有者が作りだした固有結界のひとつ。このフィールドを強固に包む結界もその者が作りだしているんだ。『絶霧(ディメイション・ロスト)』結界系神器の最強だよ。所有者を中心に無限に展開する霧。そのなかに入ったときすべての物体を封じることも、異次元に送ることすらできる。それが、禁手に至ったとき、所有者の好きな結界装置を霧から創りだせる能力に変化したんだ。その名も『霧の中の理想郷

(ディメンション・クリエイト)』…創りだした結界は一度正式に発動しないと止まることはできない」

 

神器の力か!だからこの鎧の能力が効かないのか!

 

木場はツバサちゃんに問いただす。

 

「発動条件と、この結界の能力は?」

 

「それの発動の条件はディオドラか、他の関係者の起動合図、もしくはディオドラが倒されたら。結界の能力は枷を繋いだ者、つまりアーシアの神器能力を増幅させて反転すること」

 

反転?つまりアーシアの回復の力の逆を増幅。

 

木場も気づいたのか、さらに問いただす。

 

「効果範囲は?」

 

「…………このフィールドと、観客席にいる者たちみたいだよ」

 

その言葉に全員が驚愕する。クソ!

 

……ん?でもならなんで今は何も起きていないんだ?

 

俺達はツバサちゃんの方へとみた。ツバサちゃんはそれをわかったのか、微笑みながら俺達を見た。

 

「みんなの言いたいことは、わかってるよ。その効果は俺がついでに弄ったからね。だてに結界を司る者なんて言われてないよ。たかが『絶霧(ディメイション・ロスト)』程度の結界で手こずっているようでは、他の俺の知ってる結界を使う人達相手に勝てないし、各地に封印されている巨大な力をもった奴等の封印の管理なんてできないからね~。にゃはははは~♪」

 

「流石だな、ツバサ」

 

「ですね、流石私達の義妹ですね♪」

 

「流石は我が主だ!」

 

「「うんうん」」

 

レイジさん達も誉めていた。うん、ほんとに流石はツバサちゃんだよな!

 

「と…言うわけで少し退いてくださいね?イッセー。あとはまっかせなさい!」

 

「おう、頼むぜ!」

 

「はい♪……んじゃ、アーシア。少しくすぐったいけど我慢してね~」

 

「はい!」

 

ガチャガチャ…ガシャン!

 

すると、アーシアに付いていた鎖が跡形もなく砕け散ったのだった。

 

「アーシア!!」

 

「イッセーさん!」

 

ガバッ!

 

俺はアーシアを抱き締めた。やっとアーシアを助けれた。

 

「遅くなってごめんなアーシア。」

 

「いいえ、私は信じてました……。イッセーさんがきっと助けにきてくれるって」

 

「当然だろう。でも、ゴメンな。辛いこと、聞いてしまったんだろう?」

 

「平気です。あのときはショックでしたが、私にはイッセーさんがいます。それにみなさんで助けてくれました。それだけで充分ですよ…」

 

「アーシア…」

 

ほんと、いい子だぜ!

 

「ツバサちゃんもありがとうございます!………私を護るためにあんな酷い事を…」

 

あんな酷い事?……もしかして、あのアザの事か?

 

「ふふ、大丈夫だよ!アーシアを守るためならあれぐらい平気平気♪……まぁ、ちょっと怖かったけどね~」

 

「ほんとにありがとうございます、ツバサさん」

 

「うん、俺もアーシアが無事で嬉しいよ♪」

 

「はい!」

 

……うん、うん!お兄さんもアーシアが無事で嬉しいよ!! やっぱりアーシアはグレモリー眷属の癒しだよ!

 

「アーシアぁぁぁぁ!」

 

アリアさんがアーシアに抱きついた。

 

「アーシア!痛いところない?怪我はしてない?なにか酷い事されなかった?」

 

「お、お姉ちゃん大丈夫ですよ。私は何ともありません。それよりも、私ではなくディオドラに酷い事をされたツバサさんを癒してください。私よりも酷い仕打ちを受けたんですから…」

 

すると、アーシアが悲しそうな顔をした。

 

「……酷い仕打ち?」

 

「はい…。みなさんがここにくる少し前に、丁度ツバサさんが目覚めました。その時にディオドラが私の事を話してそれでツバサさんと言い合いをしてました。でも、ツバサさんがディオドラにほんとの事をいったら、ディオドラがキレて殴る蹴るといった暴行をひたすらツバサさんにしてました…」

 

なっ!?あいつそんな酷い事を!!

 

「……そのあと、突然ディオドラが私の方を向いたのでなにかと思ったら、ツバサさんが『アーシアを襲うなら私だけにしなさい!!』って言って、それを聞いたディオドラはツバサさんに土下座をさせながら、なにか、奴隷になるとかそういう約束を無理矢理させていました………。そのあとディオドラがツバサさんに大人のキスをして、服を引き裂いて体を触っていた瞬間にみなさんが助けにきてくれました。そのあとはディオドラが気絶したツバサさんを魔方陣にいれて、今にいたります」

 

……そうだったのか…、そんな酷い事を…

 

「私は大丈夫だから、だから…お姉ちゃん」

 

「わかったわ。イッセー、アーシアを頼むわね?」

 

すると、アリアさんが立って俺にアーシアを頼んできた。

 

「はい」

 

「ありがとう」

 

そう言ってアリアさんはツバサちゃんの所にいった。

 

「つーくん…」

 

「ん?アリアさん、どうしたのですか?急にこっちにきて、アーシアとはお話を―――」

 

ガバッ

 

突然ツバサちゃんを抱き締めたアリアさん。ツバサちゃんは顔は見えないけどおそらくビックリしているだろう。

 

「えっ?い、いきなりどうして――」

 

「ありがとう。アーシアを守ってくれて…。もう大丈夫だから……だから、さ?存分に甘えなさい。もう…怖くないから…ね?」

 

「アリア…さん?」

 

「怖かったでしょ?もう…大丈夫だから。もう安心しなさい。無理して…笑顔を作らなくてもいいから…。……泣いてもいいんだよ」

 

アリアさんはツバサちゃんの頭を優しく撫でながら優しい声でツバサちゃんを宥めていた。

 

「…………ヒック…エッグ…怖かった…怖かったよぉ…うわぁぁぁぁん!!」

 

すると、安心したのか泣き崩れるツバサちゃん。それもそうだ。女の子にとってそんな無理矢理犯られるなんて、それほどまでに恐ろしい恐怖はないはずだ。いくらツバサちゃんだからだってもそれは変わらない。……ましてや甘えん坊で優しいツバサちゃんが、女の子の状態でそんな事をやられたら怖くない筈がないもんな…

 

すると、アーシアは部長達の所にいった。

 

「部長さん、皆さん、ありがとうございました。私のために……」

 

すると、部長がアーシアを抱き、優しげな笑顔で言う。

 

「アーシア。そろそろ私のことを家で部長と呼ぶのは止めてもいいのよ?私を姉と思ってくれて良いのだから」

 

「――っ!はい!リアスお姉さま!」

 

えぇ!?部長!それはアリアさんに宣戦布告していますよ!!

 

……でも、まぁ、いっか♪

 

「さて、アーシア。帰ろうぜ」

 

「はい!と、その前にお祈りを」

 

アーシアは天に何かを祈る。

 

「アーシア、何を祈ったんだ?」

 

「内緒です」

 

アーシアは恥ずかしそうにして言う。

 

そして、笑顔で俺の所へと走りよるアーシア。

 

カッ――。

 

そのとき、まばゆい光の柱が俺達たちを襲う。

 

よく見ると、その光の柱はアーシアを包み込んでいた。

 

光の柱が消え去ったとき、そこには――。

 

「……アーシア?」

 

誰もいないところに声をかけた……。

 

――そう、アーシアは光の柱と共に姿を消していた。




さて…、やっとディオドラを倒せましたね~。もうちょっとボコボコにすれば良かったかな?……まぁ、こんなものでもいっか♪

……さて、次回はイッセーが暴走しちゃうね。さぁ、いったいアーシアの運命は…、主人公のツバサちゃんはどのような働きをするのか!乞うご期待です!!

それではまた次回で…バイバーイ♪( ´∀`)ノシ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。