そして、や…やっと………出来たのですよ………。
お、俺はやりきったぜ………もう…むり………なのです………そして、誰か…俺に時間をぉー…………グフォア
―ツバキside―
――町にある廃工場。
そこに俺たち地球連邦軍チームとグレモリー眷属とイリナは訪れていた。
すでに日は落ちており、空は徐々に暗くなっていく。薄暗い工場内に気配が複数。さらにそれらは殺意と敵意に満ちていた。
「――グレモリー眷属と地球連邦軍の者か。嗅ぎつけるのが早い」
暗がりから現れたのは――黒いコートを着た男。男の周囲の暗闇から人型の黒い異形の存在が複数姿を覗かせていた。匂いと聴覚で確認してみたところ、この狭い工場内に人型モンスターが約二百弱はいるでしょうね。
リアスさんが一歩前に出て冷たい声音で訊く。
「『禍の団(カオスブリ・ゲード)』――英雄派ね?ごきげんよう、私はリアス・グレモリー。三大勢力にこの町を任されている上級悪魔よ」
リアスさんのあいさつを聞いて、男は口の端を吊り上げる
「ああ、存じ上げておりますとも。魔王の妹君。我々の目的は貴様たち悪魔や堕天使を浄化し、町を救うことだからな」
イッセーたちのことを、ゴミを見る様な目で見てくる。
そう、こいつは『禍の団(カオスブリ・ゲード)』の英雄派という派閥の構成員。ここ最近、英雄派がこの町を小規模に襲撃してくる。というより、各勢力の重要拠点を英雄派の構成員が襲来する事件が多発しているのだ。
最近俺たちはこいつらを迎撃している。相手のほとんどは人間だけどね……。
男の横から、さらに人影がふたつ。異形だけではなく、人間。サングラスをかけた男と中国の民族衣装的な服を着た男。三人は全員外国人。
「……ほんと、英雄の名折れだね。テロ組織に荷担とは……聞いてあきれるよ、まったく…」
「ふ、だな。こんなんじゃ…、家にいる英雄の子孫達の方がよっぽど英雄らしいな」
「そうだね~。(まぁ、中には英雄の子孫じゃなくその“英雄”本人もいるんだけどね)」
ほんと…、英雄の癖にテロ活動とか…。あの世で英雄の祖先達はさぞや嘆いているでしょうね。
まぁ…、英雄派にいる英雄の子孫のうち、何人かの英雄の祖先は、何故かうちの部隊にいるんですがね…。
ほんと…、お祖父様はいったい何者なのでしょうか?まぁ…、殆どの日本や世界の神々と交流があり、友人がいた時点でもう驚きはしませんがね~。
「――さて、お喋りはここまで。――さぁ、始めましょうか。全員…突撃です!!」
『はい!』
俺の合図に皆が拡散する。それと同時に相手側も動き出した。
ズドォォン ズガァァン ズバァァン
色んな色の魔力がぶつかり合い戦場とかす。
それからは結構な数でなかなか大変だったけどもなんとか倒せた。
途中、イッセーにたいして緑色の矢が飛んできたりしたが、普通なら当たる筈なのだが、なんとかイッセーはそれを交わした。
流石だね、こんな場面でも避けるなんてね。ほんとに幽香さんの修行(難易度ルナティック)は効果抜群だね~。
「さて…と、そろそろ終わるかな?」
さっきまで数百人ちかくいたはずの人数がもう数人しかいなかった。
そして、その数人も瞬殺し残り一人となる。
その最後の一人も皆の攻撃でもうボロボロだ。
「さぁ、もう貴方の仲間は全員倒しましたよ?……降参しますか?」
「おれ…は、まだ……まだ、ここで終わるわけにはいかないんだぁぁぁぁぁ!!!!!!」
すると、突然目の前で瀕死の状態だった男が 全身黒いオーラを出しながら、叫んだ。
「――ぉぉぉぉおおおおお!!!」
男が突然目の前からいなくなる。いや、正確には何者かによってどこかに飛ばされたのだった。
……それにしても、さっきの反応はもしかして『禁手化(バランス・ブレイク)』?でも、明らかにそれ以外の反応はありえないよね?
……まぁ、今はまだいっか。
こうして俺達の戦いは一旦幕を閉じたのだった。
そして、現在戦闘のあと処理中~。なかなか派手にヤったから終わんないよね~。
能力つかったら楽だし早いのに使えないのが笑えないけどね~。
「なぁ、ツバサ。前から思っていたんだけどな?……英雄派の行動って変だと思うのだが、ツバサはどう思う?」
突然のレイジ兄さんの言葉に何名かが、首を傾げていた。
「まぁ、レイジ兄さんの言う通り俺も思っていたよ。最近見かけるのが多いいからね。
取り合えずその事を話し合おうよ」
俺が、そう言うとリアスさんもなやみだした。
「そうね…確かに妙だわ。私たちと英雄派が戦ったのって一度や二度ではないでしょうに……。私たちを本気で研究して攻略するなら、二、三回ぐらいで戦術家はプランを立ててくると思うの。それで四度目辺りで決戦をしかけてくるでしょうし。でも、四度目、五度目でもそれは変わらなかった。ずいぶん注意深いと感じたけれど…?」
「……向こうのボスによる実験」
「白音の言う通りにゃ。その可能性が高いにゃん」
「実験?私たちの?」
リアスさんの問いに答えた白音と黒歌。その言葉に首をかしげたイリナ。
「どちらかというと、彼ら――神器(セイクリット・゙ギア)所有者の実験をしているような気がするの。……私の勘だから、ハッキリした意見は言えないだけれど……。この町以外にも他の勢力のところへ神器(セイクリッド・ギア)所有者を送り込んでいるのだから、強力な能力を持つ者が多いところにわざとしかけているんじゃないかと思って…」
「確かに、何らかの方法で強引に禁手(バランス・ブレイカー)へ至らしめるなら、この組織にぶつけた方がなりやすいと考えた…そういうこと?」
さてと、どうしたもんかねぇ~。
「確かに、何らかの方法で強引に禁手(バランス・ブレイカー)へ至らしめるなら、この組織にぶつけた方がなりやすいと考えた…そういうことか?」
レイジ兄さんが言うと、木場が頷いた
「……劇的な変化かもしれないね」
木場が何かにたどり着いたように呟く。
「でもよ、俺たちにぶつけたくらいで禁手(バランス・ブレイカー)に至れるのか?」
イッセーの意見にリアスさんが目を細めて言う
「……赤龍帝、雷光を操る者、聖魔剣、聖剣デュランダルとアスカロン、優秀な回復神器を持つ聖女、時間を停止するヴァンパイア、仙術を使える猫魈姉妹、無限の龍(ウロボロス・ドラゴン)の片割れ、地球連邦軍の最強軍団、精霊使いの剣神、黒き疾風の破壊者、鉄壁の破壊神……上げるだけでもきりがないわ。イッセー、相手からしてみれば、私たちの力はイレギュラーで強力に感じると思うの。勝つ勝たない以前に、私たちと戦うことは人間からしてみたら、尋常じゃない戦闘体験だわ」
「まぁ、簡単に説明すると、俺達はいい経験値稼ぎってやつなのですよ。」
俺はリアスさんが一番伝えたかったことを言葉にした。それを聞いたイッセーは納得したようだ。
「やり方としては強引で、雑とも言えるがな」
レイジ兄さんの言葉に皆が頷く。
「何十人、何百人死んでも、一人が禁手(バランス・ブレイカー)に至ればいいって感じよね。……いえ、戦闘で仲間がやられていくのも劇的変化に繋がるのかもしれないわ……。どちらにしても最低な発想よ……」
リアスはんは肩をすくめる。
「わからないことだらけね。後日、アザゼルに問いましょう。私たちだけでもこれだけの意見が出るのだから、あちらも何かしらの思惑は感じ取っていると思うし」
確かにね。あの人なら絶対そうだよ。じゃないと、あんな神器説明装置なんて作らないしね。
さてと、それなら俺達地球連邦軍 特殊部隊特別調査班も動こうかな?
「レイジ兄さん、俺達も動くよ。いいよね」
俺が聞くと、レイジ兄さんは一瞬目が見開いたがすぐに言いたいことがわかったのか頷いた。
「あぁ、頼んだぞ。俺達も動くからな」
「了解!」
皆の話も終わった様で、みんなで部室に帰ることになった。
部室に戻り、皆が一息ついたあと、帰り支度をするなかで朱乃が鼻歌を歌っていた。
「あら、朱乃。随分、ご機嫌ね。S的な楽しみができたの?」
リアスさんの問いに朱乃さんは満面の笑みで答えた。
「いえ、そうではなくて、うふふ。明日ですもの。自然と笑みがこぼれますわ。デート。明日ツバサちゃんは私の彼氏ですわ♪明日はよろしくお願いしますね?ツバサちゃん♪」
笑顔で言ってくる朱乃さん。……そんな笑顔で言われたら断れるわけがないじゃないですか~。
「はい!こちらこそ、よろしくお願いしますね♪朱乃さん♪」
俺も精一杯の最高の笑顔で返した。
そして、その光景を見ていたレイジ達いわく、朱乃とツバサの回りには物凄くピンクでお花畑の世界が見えたそうだ。