アニポケ外典 ベストウィッシュ編   作:スルメ文庫

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どうも、スルメ文庫です。
今回は3人目の旅仲間の加入回です!
それと、とある人物の矯正回となっています。
とはいえ、この登場人物の矯正回は2回に分けて行う予定ですので、今回は前編と言ったところでしょうか?

それでは、スタートです!


10話

 前回、ミジュマルが水を克服してフタチマルに進化した。それに並行して、ツタージャをゲットしたサトシ。

 現在、ヒウンシティを目指して旅をしているサトシとショウブは地図に載っていたフレンドリィショップに来ている。それぞれ別行動で買い物や隣接されたポケモンセンターでポケモンの回復と健康診断を済ませたサトシとショウブは宿泊施設のチェックインを済ませ、ベンチでのんびりしている。

 ちなみに、プロトーガをアララギ研究所に送った。

 すると、短め赤髪ボーイッシュな少女がどこか憔悴しきった顔でおとしものをしたので、拾って届けることにした。

 

ショウブ「あの!これ、おとしものしたよ!」

ラングレー「えっ!?あっありがとう・・・」

サトシ「・・・顔色が悪いけど、もしかして何かあったのか?」

ラングレー「うん、ちょっと色々ね・・・」

ショウブ「・・・いっそ、私たちに相談するのはどう?色々溜め込んでるものを吐くとスッキリするし・・・私たち、話を聞くのは得意なので。」

 

 とりあえず落ち着くところということで、先程まで座っていたベンチに腰掛けることにした。そして、自己紹介に入る3人。

 赤髪の少女はラングレーと名乗った。かつてソウリュウシティのトレーナーに負け、ドラゴンバスターという、対ドラゴンタイプ専門トレーナーの称号を貰うために活動しているポケモントレーナーだ。

 

ラングレー「私は、ソウリュウシティのトレーナーに負けて以来、ドラゴンバスターを目指して旅をしていたんだけど、最近頑張って進化させたツンベアーが私に攻撃してくるようになったのよ。」

サトシ「ツンベアーって?」

ラングレー「サトシの故郷のカントー地方にはいないんだっけ?こういうポケモンよ。ちなみに、進化前はクマシュンっていって、こういうポケモンなの。」

 

 そしてポケモン図鑑から画像が出されたポケモンは、顎に氷柱を携えた白熊のようなポケモンと、鼻水のようなものを垂らした小熊のようなポケモンだった。

 

サトシ「へー、ツンベアーってかっこいいな!クマシュンもかわいいし。」

ショウブ「本当ですよね〜。」

ラングレー「ありがとう。」

サトシ「それで、ラングレー。ツンベアーが攻撃してくる時ってどういう時なんだ?」

ラングレー「そうね・・・ツンベアーをボールからだすといきなり突進されて・・・それを怒ったら、暴れ出すのよ。」

ショウブ「それはたまったものじゃないですね・・・」

サトシ「ちなみに、クマシュンの時はどうだったんだ?」

ラングレー「クマシュンの頃はよく私に抱きついてきたわ。それが日課になってたんだけど・・・」

ショウブ「なるほど。そのあとラングレーさんはどうしたんですか?」

ラングレー「流石にたまったものじゃないから、ちょうどこのフレンドリィショップにいたソムリエールに診断してもらったの。」

サトシ「ソムリエールって?」

ショウブ「ソムリエールは、ポケモンソムリエの女性のことですよ。ポケモンソムリエはブリーダーに似てますけど、ポケモンとの関係へのアドバイスなどが主になってきますね。」

サトシ「なるほどな。それで診断してもらってどうなったんだ?」

ラングレー「それが、相性最悪だから総入れ替えしなさいって・・・」

サトシ「は?」

ショウブ「え?」

 

 ラングレーの話に言葉を失うサトシとショウブ。

 いくら相性が悪いからって総入れ替えを命じるブリーダーやジムリーダーはショウブはおろか、サトシすら見た事がない。そのような人たちは悪いところはきっちり言うが、改善のためのアドバイスをくれるのだ。

 なので、そのソムリエールの対応に納得がいかなかった。

 

サトシ「誰がそんなことを・・・」

ショウブ「本当ですよ・・・」

 

 そこに、いきなり声をかけられた。

 

「そこのあなたたち!」

サトシ「はい?」

ショウブ「どうされましたか?」

「あなたとポケモンの相性をテイスティングしてあげるわ!」

サトシ「いえ、結構です。」

ショウブ「それに今、私たちは彼女の相談を受けていますので・・・」

 

 サトシとショウブは丁重に断った。しかし・・・

 

カベルネ「この未来のS級ソムリエールカベルネがタダで・・・ってああ!?」

 

 カベルネと名乗ったソムリエールはしつこく言い寄ってきたが、ラングレーを見ると驚いて声を上げた。

 一方ラングレーも、カベルネを見て驚いたようだ。

 

サトシ「どうしたんだ?ラングレー。」

ラングレー「この人よ!私のツンベアーを診断したのは!」

ショウブ「なんですって!?」

カベルネ「貴女はさっきのツンベアーのトレーナーね!総入れ替えはもうしたの?」

ラングレー「いえ・・・」

カベルネ「ならさっさとしなさいよ!クマシュンなんて沢山いるんだから!」

サトシ「まってくれ!」

カベルネ「何よあんたは?」

サトシ「俺はサトシ。さっきラングレーから話は聞いたけど、なんで総入れ替えなんていうんだ?」

カベルネ「そりゃあそうでしょ!そのトレーナーとツンベアーの相性は最悪だし、なによりボールから出た瞬間に攻撃してるもの!」

サトシ「ならなんで攻撃してるんだ?」

カベルネ「え?それは・・・」

サトシ「ソムリエやソムリエールはポケモンとトレーナーの関係をより良くするためにアドバイスする職業だって聞いた。なら、カベルネも総入れ替えで終わらせるんじゃなくてしっかりとラングレーとツンベアーの仲がどうやったら良くなるかアドバイスするべきじゃないか?」

 

 ソムリエの在り方をソムリエではないサトシに言われて、けどそれが正論だということを察して感情の板挟みで唸るカベルネ。そこに、ある意外な人物がやってきた。

 

デント「カベルネ、やっと見つけたよ・・・って、サトシとショウブにラングレーじゃないか。」

「デントさん!?」

サトシ「デントさん、何故ここに?」

デント「ああ、それは・・・」

カベルネ「ああ〜!デント!ここであったが100年目!!」

 

カベルネはデントを視認した瞬間、大声を出しながら指をさした。

 

ラングレー「デントさん、知り合いなんですか?」

デント「以前、君たちと同じようにサンヨウジムに挑戦してくれたトレーナーだよ。」

 

 要するに、かつてデントに負けて以来その悔しさのあまりデントを見返すためにソムリエールの資格を取ったという。しかし、デントの口から彼女はまだCクラスでテイスティングが出来ないことを告げられた。そして、Cクラスなのに勝手にテイスティングしているカベルネをソムリエ協会が重く見て、注意勧告をするためにデントを使者として出したようだ。

 

ラングレー「えっ!?ってことは私に対するテイスティングはデタラメだったの!?」

デント「デタラメってどういうことだい?」

サトシ「実は・・・」

 

サトシは事情を説明した。そして話を聞いたデントの答えは・・・

 

デント「総入れ替えだって?おかしいね。ポケモンソムリエにそこまでの権限は無いはずだよ?」

サトシ「やっぱりですか。」

デント「うん。」

カベルネ「え?でっでも、ポケモンソムリエはトレーナーとポケモンの相性を判断してポケモンを決めるって・・・」

デント「それはポケモンを持っていない人の場合。ポケモンを既に持っているトレーナーにそんな事をやったら大問題じゃないか。」

ショウブ「そうですね。誰だって自分とポケモンの相性がダメだからって別のポケモンにするのは嫌ですもん。」

デント「そういうこと。」

カベルネ「うぐっ・・・」

 

 デントはカベルネの間違った知識を指摘すると、ラングレーに向き直り謝罪した。

 

デント「同じポケモンソムリエが酷いことをいって済まなかった。」

しかし、これに納得していないのが1人。

カベルネ「なによなによ!私は間違ってなんかないわよ!」

サトシ「ならもう一度診断して貰ったらどうだ?デントさん、ラングレー、いいですか?」

デント「構わないよ。」

ラングレー「デントさん、お願いします。」

デント「任せて。」

カベルネ「なんどテイスティングしたって同じよ。」

 

 こうして、テイスティングし直すことになった一行はツンベアーが暴れかねないため、開けた広い場所に移動した。

 

サトシ「ここなら大丈夫ですか?」

デント「うん。」

フタチマル『俺たちは万が一の為に出されたってことか。』

ピカチュウ『そういうこと。』

チャオブー『うん、なら任せて!』

ラングレー「じゃあ、出すわよ。」

 

そして、ボールから出されたツンベアーはまっさきにラングレーに突撃した。

 

ツンベアー『ラングレー!』

サトシ(これってベイリーフの時と同じ・・・)

ラングレー「きゃっ!?」

サトシ「っ!大丈夫か?」

ラングレー「え、ええ。」

ショウブ「サトシさん、大丈夫ですか!?」

サトシ「ああ!俺は平気だ!」

 

 サトシが咄嗟に下敷きになることで、ラングレーは大したダメージを負わずに済んだ。一方のサトシは無傷そのものであった。

 

ラングレー「ちょっとツンベアー!危ないじゃないの!」

ツンベアー「!!ベアァァァ!」

 

 ラングレーがツンベアーに指摘すると、ツンベアーは暴れ出した。

 

デント「これは危ない!ラングレー!早くツンベアーをボールに戻して!」

カベルネ「こんなんじゃテイスティングどころの騒ぎじゃないでしょ!?」

デント「しかし、なんであんなことになるんだ?」

カベルネ「わかるわけないでしょ!?やっぱり相性最悪なのよ!」

サトシ「ツンベアー!止まるんだ!」

ショウブ「えっちょ、サトシさん!?」

 

 ツンベアーが突っ込んできたところにサトシが仁王立ちし、ツンベアーを受け止めた。

 

デント「サトシ!危ないから今すぐやめるんだ!」

カベルネ「ちょっ!?なんて無茶なテイストなのよ!」

ピカチュウ「ピカピ!?」

フタチマル「タチャ!?」

チャオブー「チャオ!?」

サトシ「落ち着けツンベアー、お前ラングレーに甘えたいだけなんだろ?」

 

 その言葉にツンベアーどころかショウブやデントたちも止まった。

 

ラングレー「えっ、甘えるって・・・」

サトシ「ラングレーに聞いた話だと、クマシュンの頃からラングレーに抱きついてたんだろ?だから今もそうしたいだけなんだよ。」

カベルネ「ならなんでツンベアーはラングレーに攻撃するのよ!?」

サトシ「ツンベアーに攻撃の意図は無い。ツンベアーはクマシュンの頃みたいにラングレーに接していただけなんだよ。」

ラングレー「えっ、そうなの?」

サトシ「ああ。けど、ラングレーが怒ったからラングレーに嫌われたと思ったんじゃないか?」

ツンベアー「ベア・・・」

 

 ツンベアーはこくりと頷いた。

 

ラングレー「そうだったの・・・ごめんなさいツンベアー。私、そうとは知らずに・・・」

デント「でもそれはかなり危険なスキンシップだね。」

カベルネ「そうよ!スキンシップならちゃんと手加減しなさいよ!」

サトシ「そこはまだしょうがないんじゃないか?ツンベアーは進化した感覚が抜け切ってないだろうし。」

ショウブ「そうですよね。私のジヘッドも進化したての頃は頭が2つになって困惑してましたし・・・」

 

そこまで話し合うと、サトシはこう言った。

 

サトシ「ツンベアー、試しにラングレーにしたかったことを俺にしてくれないか?」

 

 サトシがそう言うと、ツンベアーはサトシに突っ込んでいく。サトシは微動だにせず受け止めるが、こんなことを出来るのは彼くらいなものだろう。

 

サトシ「こんなふうにラングレーに受け止めてもらいたいんだろ?」

ツンベアー『うん。』

サトシ「だけどお前は進化して攻撃力も上がった。そんなお前がクマシュンの頃みたいにじゃれつくとラングレーは痛がるんだ。」

ツンベアー「!?」

 

ツンベアーは思わずラングレーの方を見た。

 

サトシ「ツンベアー、ラングレーは決してお前のことを嫌いになったわけじゃない。けど、甘えたい時はもう少し優しくしてくれ。じゃないとラングレーが痛い思いをするからな。」

ツンベアー『うん・・・ごめんなさいラングレー。』

ラングレー「そうだったのね、ツンベアー。私の方こそ理解せずただ怒鳴ってごめんなさい。」

 

 お互いの誤解が解け、ラングレーとツンベアーは抱き合った。

 

カベルネ「嘘でしょ・・・どうみても相性最悪だったのに改善したなんて・・・」

デント「どうしてわかったんだい?サトシ。」

サトシ「俺の仲間にもそういう進化して、体が大きくなったけど心までは変わらなかったやつが・・・」

 

 そう言ったサトシの脳裏にはベイリーフの姿があった。

 

デント「なるほど、だからツンベアーのことがわかったのか・・・」

カベルネ「ふん、今回はたまたま当たっただけじゃないの。」

ショウブ「貴方ね・・・」

デント「偶然じゃないよカベルネ。サトシは今までの経験を生かしただけだ。今回のことで改めて感じたけど、彼は僕たちソムリエでも見習うべきところ多く持ってるトレーナーだと思うよ。」

カベルネ「一般のトレーナーに教わることなんか・・・」

デント「けど実際に僕も君もツンベアーの行動がわからなかった。でもサトシはツンベアーの行動を理解するだけじゃなくて、ツンベアーとラングレーの仲を改善した。あれこそがソムリエに求められる技だと思うよ。」

ラングレー「ありがとうサトシ、ショウブ。これからもツンベアーとやっていけそうだわ。」

サトシ「良かったなラングレー。」

ショウブ「よかったね。これからどうするの?」

ラングレー「これからか、そうね・・・まずツンベアーも含めた手持ちの子たちと話し合おうと思うわ。」

カベルネ「なら今度こそ私も・・・」

ラングレー「結構よ。」

カベルネ「なっなんでよ!この未来のS級ソムリエールが!」

ラングレー「でも今はCクラスなんでしょ?」

デント「そうだよカベルネ。今の君にはポケモンを診断する権利はないよ。」

カベルネ「いつかなるからいいのよ!」

ショウブ「いいわけないでしょ?大型車の運転免許を持ってないのに車の運転免許を持ってるからってバスを運転するようなものなのよ?」

サトシ「そうだな。これ以上やったらそれこそ取り返しがつかないことになるぞ。」

カベルネ「何よアンタたち!ソムリエですらないくせに!」

 

 カベルネの言い分に反発する4人。カベルネは逆ギレした。

 

サトシ「たしかに俺たちはソムリエじゃないけど、でもカベルネもラングレーのやりかたにとやかく言う資格はないだろ?」

デント「カベルネ、カベルネにはカベルネの、ラングレーにはラングレーの考え方がある。人の考え方は人それぞれなんだから。」

ラングレー「そうよ!未来のS級ソムリエールだかなんだかしらないけど、今はCクラスなんだからテイスティングはできないでしょう?」

ショウブ「デントさん。ソムリエでは規則を破った人がいたらどうなるんですか?」

デント「そうだね、今回の場合は初犯だし実害が報告されたわけじゃないから注意勧告で済むけど、本来は規則違反者がいればその人のソムリエ資格を剥奪することになるね。」

カベルネ「えっ、そんな・・・!」

デント「カベルネ。君が相当な努力をしたのは分かる。Cクラスを取るのだって大変だし、ましてやそれを半年以内に合格するなんて正直すごいと思う。けど僕たちソムリエはあくまでもアドバイザー。そこに私的な意見があってはならないんだ。だから君はこれから多くの人とポケモンを見て回るといい。そうすれば大きく成長できると思うよ。」

サトシ「すいませんデントさん。無茶振りしちゃって。」

デント「いいさ。僕自身相当な勉強になったからね。」

ラングレー「私からも言わせて。2人ともありがとう。貴方たちと出会ったなかったらツンベアーと別れていたかもしれないし。」

カベルネ「はァ!?なんでそうなるのよ!」

ショウブ「それは貴女が総入れ替えなんて言うからでしょ?」

カベルネ「だからなんなのよ!」

デント「カベルネ、君が総入れ替えしろって言ったのはそのポケモンを捨てろって言われたようにも受け取れるんだよ。」

カベルネ「そんなことは一言も言ってないでしょ!?」

ショウブ「カベルネにそんな意図はなくても聞いた側がそう受けとっちゃうんじゃない?現にラングレーがその1歩手前だったわけだし。」

カベルネ「そんな・・・!」

デント「カベルネ、まず君は言葉から直すべきだ。アドバイスする側なら言葉には気をつけないと。」

カベルネ「っ!わかったわよ・・・まず、貴女に言ったことは謝るわ。ごめんなさい。」

ラングレー「いいわ。もう過ぎたことだし、結果的に別れずに済んだしね。」

 

 そういい、現地解散する5人。ラングレーよく考えた末にドラゴンタイプをもつサトシたちと行動すれば夢に近づけると考え、サトシたちと共に行動することにしたのだった。

 仲間も増え、だいぶ賑やかになったサトシ一行。彼らの旅は、まだまだつづく・・・




いかがでしたでしょうか?

今回はラングレーの旅仲間加入回とカベルネの矯正回前編となっています。それと、サンヨウジムで出てきたデントの再登場回と色々盛り込んだ回となっています。

ラングレーについてですが、彼女は原作では竜の里のトレーナーに敗北した訳ですが本作ではソウリュウシティのトレーナーに敗北したことにしています。
ソウリュウシティ出身のあるトレーナーに敗北してはいますが、拗らせてはいません。
最も、そのトレーナーの適当な発言に腹を立てて敗北し、ドラゴンバスターを志していますが。

デントについては、今後も本当に少しだけですが登場回があります。それと、サトシが原作より歳をとっているとはいえ、デントの方が年上で且つ旅仲間でもないジムリーダーなので、敬語にさん付けを徹底してます。

次以降のカベルネの登場時にはツンツンはしていて素直にはなれないものの、迂闊すぎる発言や明らかに人を見下した発言はなくなっていると思います。

※今晩も遅くなってしまったので、誤字報告や感想の対応ができません・・・

追記:2024/11/03に一部の発言に矛盾が生じていたので訂正しました。
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