アニポケ外典 ベストウィッシュ編   作:スルメ文庫

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どうも、スルメ文庫です。
あれから、UAやお気に入りもだいぶ増えて、しおりや感想も書いて下さる方もいて本当に感謝ばかりです!

それでは、スタートです!


3話

 前回、道に迷い二日も食事を摂っていないショウブと出会ったサトシたちは、食事を奢るために町に駆け出した。そして、無事にポケモンセンターにたどり着いたようだ。

 

サトシ「すいません!」

ジョーイ「あら?どうしたの?って、背中の子は?」

サトシ「彼女、どうやら道に迷ってて2日も食事を摂ってなかったみたいなんです!食堂でご飯を食べさせてあげてください!」

ジョーイ「っ!?大変じゃない!わかったわ!食堂の職員には私から話を通しておくから、今すぐご飯を食べさせてあげて!」

サトシ「わかりました!ショウブ!着いたぞ!」

ショウブ「あ、ありがとうございます・・・!」

 

 そして、サトシは背負っていたショウブを降ろし、肩を貸して食堂まで連れて行った。

 

 

 食堂についたサトシは食べ物をたくさん注文し、それを運んでショウブに食べさせていった。ショウブは空腹だったこともあり、一心不乱に食べ進んだ。食べ終わって結構な量を平らげたことに気づいたショウブは顔を紅潮させていった。

 

ショウブ「ご、ご馳走様でした。・・・あの本当に私、お代を払わなくていいんですか。」

サトシ「いいって。俺、こう見えてポケモンバトルとかの大会で結構賞金貰ってるし、あんまり使い道もないから俺が払うぜ。それに、あんまりお金ないんだろ?」

ショウブ「うっ、確かにお金はそんなにありませんけど・・・」

サトシ「なら俺が払うぜ。それで満足できないなら、旅になれてきて困ってる人を見かけたら助けてあげてくれないか?」

ショウブ「・・・わかりました!」

サトシ「じゃあポケモンをジョーイさんに預けるか。」

ショウブ「はい!」

 

 そしてポケモンをジョーイさんに預けてショウブとサトシは部屋のチェックインを済ませた。その際、空き部屋が相部屋しか無かった為、サトシとショウブで同じ部屋を借りることにした。

 そして部屋に荷物を置いたショウブはサトシにお礼を言った。

 

ショウブ「サトシさん!本当にありがとうございました!」

サトシ「いいって。俺も旅を始めたての頃は大変だったからさ。ところで、ショウブは旅を始めたばっかりなのか?」

ショウブ「はい!友達と同じタイミングで2週間前にオババ様っていう私の里の長老にポケモンを貰って旅に出て、アララギ博士に図鑑を貰ったまでは良かったんですが、私がどんくさくてあっという間に置いていかれちゃって・・・それに私、方向音痴だからすぐにあの森で迷っちゃって・・・」

サトシ「それでああなったのか・・・」

ショウブ「はい・・・私、ドラゴンマスターを目指してて、その友達と競ってたんですけど、やっぱりこんな所で躓いてちゃ、夢のまた夢ですよね・・・?」

サトシ「俺はそう思わないぜ?」

ショウブ「えっ?」

サトシ「俺も最初の旅で同期の4人の中でビリッケツになるくらい旅のスピードが遅くてさ、オーキド博士っていう俺に最初のポケモンで相棒のピカチュウをくれた博士にもよく急かされてたんだ。」

ショウブ「そう、なんですか?」

 

 ショウブが意外そうな顔をしており、サトシは懐かしそうな顔で目を細めた。

 

サトシ「ああ、でもいつからか先を行ってた2人を追い抜かしてポケモンリーグに出場したんだ。」

ショウブ「えっ!初めての旅でポケモンリーグに出場できたんですか!?凄いじゃないですか!」

サトシ「まぁでも、ちょっと勝てたけど、俺のトレーナーとしての力が足りなくて直ぐに敗退しちゃったんだけどさ。」

ショウブ「ちょっとでも勝てただけ充分にすごいと思いますけど・・・」

サトシ「まぁ何が言いたいかって言うと、スタートはあくまでもスタートなんだ。スタートで躓いたからって、夢を諦める理由にはならないと思うぜ。大事なのは、最初だけじゃなくて過程と結果なんだからさ。」

ショウブ「・・・!」

サトシ「それにさ、ショウブはモノズに好かれてたじゃんか!俺はピカチュウと反目しあってたから、俺より出だしはいいと思うぜ!」

ショウブ「えっ!?サトシさんとピカチュウ、あんなに仲良さそうなのに反目しあってたんですか!?」

 

 ショウブは驚いた。なぜなら、今の彼らは正にベストパートナーに見えたからだ。

 

サトシ「あー、もちろん今はお互いに最高の相棒だと思ってるぜ?けど、最初の頃は俺の言うこと全然聞いてくれないし、バトルにも出てくれないことだってしょっちゅうだった。当時の旅仲間にもよく呆れられていたし、なんならその旅仲間の方がピカチュウに懐かれていたからな。」

ショウブ「そんなにですか!?」

サトシ「ああ。まぁ、俺のトレーナーとしての力量が足りなかったからなんだけどな。でも、今じゃ最高の相棒同士って言える間柄になれたんだ。だから、ショウブたちもきっと大丈夫だ!」

ショウブ「ふふっ、サトシさんの話を聞いていたら、なんか元気が出てきちゃいました!ありがとうございます!」

サトシ「ああ!力になれたようならよかったぜ!」

 

 そうして2人でひとしきり笑い合うと、ショウブがある提案をした。

 

ショウブ「あのサトシさん、もし良かったらなんですが、一緒に旅をしてくれませんか?」

サトシ「いいのか?」

ショウブ「はい!サトシさんと一緒にいると、なんだか、夢に近付けそうな気がして・・・ダメ、ですか?」

サトシ「いや、いいぜ!」

ショウブ「いいんですか!?」

サトシ「ああ!みんなと一緒にいた方が楽しいしな!」

ショウブ「ありがとうございます!」

 

 

 あの後しばらく話をしていたがポケモンたちの治療が終わったことをアナウンスで知ったためポケモンたちを迎えに行き、この後どうするか考えていた。

 

サトシ「暇だな・・・」

ショウブ「暇、ですね・・・」

サトシ「この後どうするんだ?」

ショウブ「じゃあサトシさん、バトルクラブって建物に行きません?」

サトシ「ショウブ、バトルクラブって?」

ショウブ「えーっと、トレーナーと効率よくポケモンバトルしたり、ポケモンと特訓する施設ですね!」

サトシ「へー、イッシュ地方にはそんな施設があるのか・・・じゃあ行ってみるか!な、ピカチュウ。」

ピカチュウ「ピーカチュ!」

ショウブ「決まりですね!」

 

 そして、サトシ一行はバトルクラブに向かっていった。そして、モンスターボールのマークがある建物を見つけて入った。丁度、バトルが行われていたので、見学していくことした。ミジュマルの進化系であるフタチマルとツタージャの進化系であるジャノビーが戦っていた。相性でいえばジャノビーが有利だが、トレーナーのレベルの差かフタチマルが勝利を収めた。

 

ショウブ「サトシさんの予想した通りになりましたね。」

サトシ「フタチマルの方がより鍛えられていたっていうのもあるけど、さっきのバトルを見た限りだとフタチマルのトレーナーの方がレベルが上だったからな。となれば、相性はあってないようなものだからな。」

 

 そう話し合っていると、1人の男性が彼らに気付いて話しかけてきた。

 

「む、君たちは?」

サトシ「初めまして。俺はカントー地方、マサラタウン出身のサトシです。こっちは相棒のピカチュウです。」

ピカチュウ「ピーカチュウ!」

ショウブ「わ、私は竜の里のショウブといいます!」

ドン・ジョージ「私はバトルクラブの管理人のドン・ジョージだ。にしてもカントー地方に竜の里か・・・よくぞ遠くから参られた」

サトシ「ここではバトルが出来ると聞いたのでジム戦のために鍛えたいのですが」

ドン・ジョージ「ふむ、確かにここは多くのトレーナーが効率よく経験を積む場所。しかし今は対戦希望者がいなかったりする。」

ショウブ「えっ、そうなんですか・・・」

サトシ「じゃあ、トレーニングをさせてください。」

ドン・ジョージ「うむ、では二人とも着いてきなさい。」

 

 ドン・ジョージに連れられ着いた場所はかなり大規模なトレーニング施設だった。

 

ドン・ジョージ「ここには鍛えるために必要な装置が一通り揃っている。スイミングプール、ポケモンの技用の的当て、ランニングマシン・・・と言った具合だ。それに一部のマシンはポケモンのみならず人間であるトレーナーも使うことができたりする。」

ショウブ「すごい・・・!ここなら、思う存分トレーニングできますね!」

ドン・ジョージ「バトルの順番待ちの時間やこれ目的の利用もできる。是非とも活用してくれたまえ。」

サトシ「わかりました!出てこいミジュマル!ワシボン!キバゴ!」

ミジュマル「ミジュ。」

ワシボン「ピューイ!」

キバゴ(色)「キバ!」

 

 サトシはポケモンたちを出すとこう言った。

 

サトシ「よし、今日はここで特訓しようぜ!ジム戦に向けて頑張ろうな!」

ショウブ「私も!出てきて!モノズ!シビシラス!」

モノズ「モノ!」

シビシラス「シビール!」

 

 ショウブもサトシに感化されて、モノズとシラスのような小さいポケモンであるシビシラスを出した。

 

ショウブ「2人とも、今日はここで特訓するよ!」

 

 そして、ピカチュウはワシボンのコーチに付くことになり、キバゴは体力を上げるためにランニングマシンをつかうことにした。

 一方、サトシとミジュマルの水中に対する恐怖心の克服を狙ってスイミングプールに来ていた。

 

サトシ「まずは、潜って泳がなくていい。水中に顔をつけて目を開けるところからだ。」

ミジュマル『ああ・・・』

ドン・ジョージ「みずタイプのミジュマルに何故こんなことを?」

サトシ「実は俺のミジュマル、トラウマで水に潜ることが出来ないみたいで・・・」

ミジュマル「ミジュ・・・」

ドン・ジョージ「なんと!みずタイプに潜水できぬものが居たとは・・・」

 

 ドン・ジョージは驚いていたが、サトシはさして気にしていなかった。何故なら、かつて最初の旅に同行してくれたカスミというトレーナーのコダックはみずタイプであるにもかかわらず、潜水できないどころか泳ぐことすら儘ならないカナヅチだったのだ。

 とはいえ、潜水できないという弱点はみずタイプとして致命的だ。なにより、ミジュマル自身も改善したいと思っている。ならばそれに応えるのがトレーナーだと数多のクセがあるポケモンを育ててきたサトシは気を引き締めるのだった。

 そして、ショウブはモノズとシビシラスに的当てで技の練習をさせ、彼女自身もランニングマシンで自身を鍛えている。

 それには、こんな理由があった。

 

サトシ「ショウブ、モノズたちに技を当てる練習をさせるならさ、その間にランニングマシンで自分を鍛えたらどうだ?」

ドン・ジョージ「私もサトシくんに賛成だ。ポケモンバトルは、ポケモンだけではなくトレーナー自身も体力を使う競技だ。故に、体力はあればあるだけ良かったりする。」

ショウブ「そうなんですか。わかりました、やってみます!」

 

ドン・ジョージ「ショウブくん、キバゴ、そろそろ休みたまえ。休憩も良い鍛錬には必要だったりする。」

ショウブ「あっ、はい!わかりました。」

キバゴ(色)「キーバ。」

 

 ショウブとキバゴはほどよく疲弊しつつ、しっかりと体力をつけるのだった。

 

 

 そして、それぞれが一定以上の成果を出し、このまま満足して終わると思われたが・・・

 

ビー!ビー!ビー!

 

サトシ「うわっ!?なんだ!」

ショウブ「えっ!?なに?なに?」

 突然の警報にサトシたちが困惑する中、ドン・ジョージは悲痛そうに顔を歪めながらこう呟いた。

ドン・ジョージ「またか・・・」

サトシ「ジョージさん、何か事情があるみたいですけど、どうしたんですか?」

 

 サトシの言葉に一瞬躊躇う様子を見せるも、彼は律儀に答えた。

 

ドン・ジョージ「実は、一週間前にポカブが杭と縄に繋がれた状態で捨てられているのを発見してな・・・捨てたトレーナーが言うには、こおりタイプに負けるような弱いポカブは要らないと言っていた。」

ショウブ「そんな、酷すぎます!」

サトシ「自分の力量不足を棚に上げてポケモンのせいにした挙げ句、そのポケモンを捨てるなんて・・・!」

ドン・ジョージ「全く君たちの言う通りだな。」

モノズ『なんて奴だ!』

ワシボン『下郎が!』

ミジュマル『落ち着け、まずは彼の話を聞こう。』

サトシ「それで、ポカブはどうなったんですか?」

ドン・ジョージ「バトルクラブで保護しようとしたが、自力で噛み切ってどこかに行ってしまったんだ。」

ショウブ「じゃあ、縄が口に絡まってたら・・・!」

サトシ「まともな食事もできていないだろうな・・・早く保護しないと!」

 

 サトシの一声でポカブの捜索が開始された。

 

 必死な捜索が続く中、ワシボンが上空から発見して戻ってきた。そして、発見した場所に向かうと、そこには薄黒く汚れて痩せ細ってしまっていたポカブが居た。

 

ピカチュウ『ここなら安全に保護できるね。』

サトシ「ポカブ、俺たちはお前を助けたいだけなんだ。」

 

 そう言い、サトシはポカブを抱き上げるとポカブはサトシの腕から逃れようと暴れた。

 

サトシ「大丈夫だ!俺たちは何もしない!」

ポカブ「ポカー!」

 

 離してと言わんばかりに暴れるポカブ。ついにはサトシに煙を吐いてしまった。

 

サトシ「ケホッケホッ!」

ピカチュウ『サトシ!』

ショウブ「サトシさん大丈夫ですか!?」

サトシ「ああ、俺は平気だ!なぁポカブ、大丈夫だろ?」

ポカブ「ポカ・・・」

サトシ「俺はその縄を取りたいだけなんだ。大人しくしてくれるか?」

ポカブ「ポカ。」

 

 そうしてサトシは、ポカブに負荷がかからないように、縄を解いた。

 そしてポケモンフーズをポカブに食べさせるサトシ。ポカブは久しぶりの食事にがっついてるようだ。すると案の定、喉に詰まり苦しそうにするポカブ。

 ミジュマルが気を利かせて水を持ってきたので無事に事なきを得たが。

 

サトシ「にしても、これからどうしようか。」

ショウブ「私はサトシさんがゲットしたらいいと思いますけど。サトシさんが1番ポカブのことを心配してましたしね。」

サトシ「・・・まぁ、ポカブ次第だけどな。」

 

サトシは《本人が望むならゲットしたい。でもポケモンが嫌がっているのに無理矢理ゲットするようなことはしたくない》といったポケモンの意思を尊重するスタンスのトレーナーなので、今回もそれに則って判断するつもりなのだろう。

 

ポカブ『あの・・・』

サトシ「ん、どうしたんだ、ポカブ?」

ポカブ『助けてくれてありがとうございます。』

サトシ「どういたしまして。無事でよかったよ。」

ポカブ『それで助けて貰って厚かましいとは思うんですが、ゲットしてくれないでしょうか?』

ショウブ「サトシさん、もしかしてポカブはゲットして貰いたいんじゃないでしょうか?」

サトシ「・・・俺でいいのか?」

ポカブ『はい!貴方のもとでならこんな僕でも強くなれると思ったんです!』

サトシ「わかった。一緒に強くなろう!」

 

 そして、サトシが投げた空のボールにポカブが当たりに行き、ゲットしたのだった。

 

サトシ「ポカブ、ゲットだぜ!」

ピカチュウ「ピッピカチュウ!」

ミジュマル「ミッミジュマ!」

ワシボン「ピュッピュピュイ!」

キバゴ(色)「キッキババ!」

ショウブ「サトシさん、おめでとうございます!」

サトシ「ああ、ありがとう!」

 

 こうして新たな仲間、ポカブをゲットしたサトシ。

 サトシとショウブの旅は、まだまだつづく・・・




如何でしたでしょうか?
今回は前回宣言した通り、ショウブのキャラクター性を引き出せたんじゃないかなと思っています。

それではまた次回お会いしましょう
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