今回は短めとなっています。
あと、今回はアニメと言うよりゲームのイッシュ地方よりの部分が出てきます。
それでは、スタートです!
前回、捨てられていたポカブをゲットしたサトシ。
そしてその翌朝、サトシたちはサンヨウシティに向かうべく、ポケモンセンターを発っていた。すると何やら、集会のようなものが見えたので、サトシは丁度近くにいた男性に声をかけることにした。
サトシ「すいません、これって何の集まりですか?」
「ああ、いやぁ俺も何だか分からないんだがな、何か始まるみたいだからみんな興味本位で来てるみたいだぞ。・・・っと、話をしていたら!」
そして、男性が指した先には豪華な服を着たオカルト教団の教主のような男が灰色のフードを被った教団員のような人々を引き連れて現れ、話し出した。
ゲーチス「ワタクシの名はゲーチス。プラズマ団のゲーチスと申します。」
軽くお辞儀をする彼は服装に反して礼儀正しい男性のように見えた。
ゲーチス「ワタクシは今回、皆さんにお話しする内容は、ポケモンの解放です。」
「ポケモンの解放!?」
「どういうこと?」
ゲーチス「皆さん、我々はポケモンと共に暮らしてきました。互いが互いを思い合う必要不可欠なパートナー、そう思ってる方も多いことでしょう。ですが、それは本当にそうなのでしょうか?」
ゲーチス「それは我々人間がそう思っているだけ。そう考えたことはありませんか?トレーナーはポケモンに好き勝手命令している。仕事のパートナーとしても無理矢理こき使っている。そんなはずがないと、誰がはっきり言い切り、証明できるすることができるでしょうか?」
「そんなのわからんよ」
ゲーチス「いいですか?ポケモンは人間とは異なり未知の可能性を秘めた生き物なのです。われわれが学ぶべきところを数多く持つ存在なのです。そんなポケモンたちに対しワタクシたち人間がすべきことはなんでしょうか?」
「それは?」
「解放?」
その言葉に間髪入れぬように彼は語り出した。
ゲーチス「そう!それはポケモンの解放です!そうしてこそ人間とポケモンは初めて対等になれるのです。皆さん、ポケモンと正しく付き合うために何をどうすべきか、よく考えてください。」
ゲーチス「というところでワタクシゲーチスの話を終わらせていただきます。ご清聴感謝いたします。」
そして、プラズマ団と名乗った集団は去っていったが、暫くのあいだ町はザワついていた。しかし、それぞれ結論を出し、去っていったのだった。
ショウブ「うーん、結構考えさせられますね・・・ポカブの件があったから尚更、なんでしょうが・・・」
サトシ「まぁな。でも、俺は気にしない。あの人たちにはあの人たちの、俺たちには俺たちの考え方があるんだ。それは互いにどうこう言えるものじゃないぜ。」
そのサトシの言葉に賛同するように、ポケモンたちが出てきた。
ピカチュウ『仮に解放されたとしても、僕はサトシの元を離れるつもりは無いよ。』
ミジュマル『俺もだな。こんな俺をしっかり見てくれるサトシを裏切るような真似するなんてありえねぇ。』
ワシボン『俺もだ。沢山のワシボンの中でわざわざ俺を見出してくれたサトシを裏切るような愚行などしない』
キバゴ(色)『俺もだ!沢山のトレーナーを見てきた中で最高のトレーナーであるサトシにやっと巡り会えたのに自ら離れるとか馬鹿な真似するわけが無いだろ。』
ポカブ『ぼ、僕も!捨てられた僕を助けてくれたサトシに恩返しするんだ!』
ショウブのモノズとシビシラスも同意見なようだ。
そんな感じで盛りあがっていると・・・
N「やあ、君たち。」
1人の高身長でハイライトのない瞳をした緑髪の青年が話しかけてきた。
N「ちょっと話があるんだけど、いいかい?」
2人は特段急いでいるわけではないので了承した。
ショウブ「ところであなたは?」
N「ボクはN。通りすがりのトレーナーさ。」
サトシ「俺はサトシです。カントー地方のマサラタウンから来ました。」
ショウブ「私はショウブです。竜の里から来ました。」
N「なるほどね。どうりでピカチュウがいるわけだ。それに他のポケモンたちもよく育てられてる。」
Nはポケモンたちに向けて慈悲深い顔を見せる。
N「キミたちに1つ聞いておきたいことがあるんだ。」
サトシ「なんですか?」
N「モンスターボールについてだ。」
「?」
サトシとショウブは揃って首を傾げた。
N「ボクは正直トモダチ───ああ、ポケモンには親しみを込めてトモダチと呼んでいるんだ。そのトモダチを無理矢理捕らえて閉じ込めて、人間のいいようにして自由を奪う。ボクから見ると、モンスターボールは人間だけに都合のいい道具にしか見えないんだ。」
ショウブ「それは・・・」
ショウブは反論しようとするものの、サトシが片手で制した。
サトシ「否定はできないと思いますよ。ただ、それだけじゃないと俺が思っているのも事実です。」
ショウブ「サトシさん・・・」
N「・・・続けて。」
Nは不思議と、サトシの話を聞きたくなったようだ。
サトシ「まず、怪我したポケモンや体調が悪くなったポケモンを安全に運んだり、危険な状況からポケモンを守るために活用できたりとポケモン側にも利点があります。」
N「なるほどね。」
サトシ「それに、モンスターボールに入ったからって、自由にならないわけじゃありません。」
N「!?それは、どういうことだい?」
サトシ「勝手に出ることや出ないこともできますし、俺のピカチュウみたいにモンスターボールに入ることを嫌がるポケモンもいます。」
ショウブ「そうなんですか?」
サトシ「ああ。」
N「そうか、そういった考え方も出来るのか。でも結果的にポケモンの選択肢を狭めているのでは?例えば、心無いトレーナーがいたとしよう。ポケモンを捨てたり、世話もせず放っておいたりすることもある。トレーナーが勝手に捕まえておきながら、そのトレーナーの都合で捨てるなんて、それはポケモンにとって失礼だと思う。」
サトシ「それは俺もそう思っています。昨日、それに関する事柄に遭遇しましたから。」
そうサトシが言うと、ポカブが前に出てきた。
N「彼がキミたちが話していたポカブかい?」
サトシ「はい。弱いからという理由で捨てられていたんです。しかも、杭に縛り付けられていた紐が口に絡まっていた状態で。少しでも遅かったら死んでいたんじゃないかと思ってしまうくらいには。」
ポカブを労るように優しく撫でるサトシ。
N「酷いトレーナーがいたものだ。トレーナーの、いや、人間という種族の風上にも置けないな。」
先程までポケモンたちに見せていた春の陽だまりのような慈悲深い眼が豹変して、今は真冬の夜闇を連想させられる漆黒の殺意を持った瞳を有していた。
サトシ「ただ、そんなトレーナーだけじゃないのも事実です。それに、さっき言ったポケモンを手放すトレーナーの中には、ポケモンの恋を応援する為に別れを決断したり、その人なりに苦悩し葛藤してその結果別れた方が互いのためだと思って実行したトレーナーもいます。」
サトシの脳裏には、シンオウ地方で出会ったトレーナーであるタイキとシンオウでのライバルであるシンジが浮かんだ。
N「サトシくん・・・本当に失礼だけど、前者はともかく後者のトレーナーに関しては良いトレーナーと思えないのがボクの本音だ。」
サトシ「俺も最初はそうでしたよ。ただ、勝つ為には妥協も一切しないし、そいつなりの最善の戦術を練ったり、ポケモンの鍛錬には余念がありませんでした。それに、そいつなりにポケモンとどう向き合っていくかを模索していたんです。俺自身、そのトレーナーに会って、心にきた言葉も少なくありませんでしたから。」
N「自他ともに厳しいトレーナー、か・・・」
嫌悪感こそ拭えないものの、ポカブを捨てたトレーナーよりかは遥かにマシという結論に至ったようだ。
N「人とポケモン、それぞれに付き合い方と考え方があるということか・・・なるほど。」
Nとしては色々な収穫があったようだ。
N「サトシくん、ショウブちゃん、急いでいるのに申し訳ないね。色々話や意見を聞かせてくれてありがとう。」
「いえ、こちらこそ。」
N「また会おう。」
Nは町の向こうへと去っていった。
ショウブ「モンスターボールの話ですか・・・色々考えさせられますね。」
サトシ「それでいいと思うぜショウブ。色々考えて考えて、考え続けた先に自分なりの最良のポケモンの付き合い方が見えてくる。それこそが、ポケモントレーナーになった人間の最大の課題の1つだと俺は思うぜ。」
ショウブ「課題か・・・そうですね!でも、私はモノズたちとずっと一緒にいたいですね。」
そしてモノズとシビシラスを見つめるショウブ。
サトシ「ああ、俺もだよ。」
サトシも自分のポケモンたちを見つめた。今回の件で、改めてポケモンたちの大切さを再確認したサトシたちはサンヨウジムを目指すのだった。
彼らの旅はまだまだつづく・・・
如何でしたでしょうか。
今まで作中内での時間が結構のんびり進んでいましたが、次々回後辺りからそこそこペースアップする予定です。
次回はいよいよジム戦です!
お楽しみに!