「まさか、この私がまた学生生活を送るとはな…」
第一高校の学門の前でピンク髪のボブヘアーの華凛な美少女は独り言を言った。
彼女はとある少年と宇宙で戦い、そして死んだ。
死んだはずであるが、魔法が使用可能であるこの世に赤ん坊の身として転生したのである。
理由は不明であるが、神はそう簡単に死なせてはくれない。
彼女はそう感じたのであろう。彼女は第二の人生を今まで経験した。
戦いとかけ離れた別の世界でこれまで生きてきた。
前世で人生波乱の経験をしてきたその彼女が、第一高校に入学するために、
学内を歩いていた。歩いていると、男女の痴話喧嘩のような声が聞こえてくる。
「納得出来ません!」
一人の長髪の美少女が訴える。
「まだ言ってるのか…?」
もう片方の長身の少年が落ち着かせようとするも、少女の方は落ち着かないようだ。
「なぜ!お兄様が補欠なのですか!?入試の成績はお兄様がトップだったじゃありませんか!!
本来なら私ではなくお兄様が……」
「深雪…」
「ほう、兄妹だったのか…ん!あの少年はッ!!」
その彼女は先天的な持ち前の能力で少年の能力を看破した。
そこで、彼女は考えた。
「フフフ…これは使えそうだな…」
意地悪い台詞を吐きながら、彼女は青年に近づく。
「そこの少年。私の下で働かないか?」
いきなり上から目線で声を掛けられた青年は、怪訝に反応した。
「いきなり何の用だ?」
「貴様のその目、今後の私の役立てると思うのだが?」
「ッ!!」
少年は隠していた点をいきなり看破され、警戒度を急上昇させる。
「ん?どうした?そんなに警戒するほどのことであったか?」
「お前は…いったい何者だ?」
「何者?…ああ、自己紹介もまだだったな。私はハマーン・カーンという。よろしく頼む」
「何ッ?!あのカーン家の所縁の者か?」
「所縁というか…今は当主をやっているが。最近父上が心臓発作で死んだのでな。
学生と当主の兼務はいささか、辛いものだが」
「なんだと…」
少年は若干狼狽した。カーン家、カーンカンパニーと呼ばれているが、
最近、日本に市場に出てき始めた売上の高い企業である。そのカーンカンパニーのトップが
目の前の美少女というのだから、死線にたってきた青年も多少は狼狽はした。
「坊やとはいい友人となれそうだよ」
「俺の名前は坊やではない。司波達也という」
「ほう、それでは坊やと呼ばせてもらおうかな…」
「…」
坊やと言われた少年は黙り込むが、ハマーンと名乗った美少女は、
達也に追撃を行う。
「坊や…一度死線を乗り越えたぐらいであまりいい気になるのもどうかと思うが。
どこで乗り越えたかは知らんがな」
「!!!」
少年は驚愕した。この目の前の美少女は全てを見抜いていると。
「お前は…いったい何者だ?」
「坊や。その言葉は2度目だぞ。私の名前はハマーン・カーンだ」
「ハマーン・カーン。覚えたぞ。妹に手を出すなら容赦はしない」
「私はレズビアンという非生産的な趣味は持ち合わせていないから安心していいぞ」
挑発めいた言葉に達也は珍しく逆上した。
「俺を馬鹿にしているのか!」
「馬鹿にしてはいないさ。久々に強い子に出会えて、私は嬉しいのさ」
「は?何を言っている?」
達也はハマーンの言葉の意味が理解できなかったが、
目の前の美少女は持ち前のマイペースを崩さずに畳みかける。
「坊や…今後は私の役に立ってもらうぞ」
「いきなり見知らぬ人の言う事を聞くつもりはないのだが」
「いずれ、そうなるさ」
「何を以ってそのようなことを言える?」
「フフフ、私の力によってだ」
続く?