先生「やぁ、アル。今日は来てくれてありがとう。」
アル「えぇ、こんばんは先生」
後ろ髪を左手でファサっとかきあげながらキメ顔をした生徒がいた。
陸八魔アル。アウトローを目指している生徒だ。
・・・なんでか服がボロボロなんだけど....。
先生「アル?なんで服がボロボロなんだい?」
アル「!あぁ、ごめんなさい。えぇっと...依頼の途中でちょっとハルカが暴走しちゃってね...」アハハ...
そう言って苦笑いをするアル。
先生「そっか。みんな怪我はなかった?」
アル「えぇ、みんななかったと思うわ」
先生「怪我がないならよかったよ。じゃあシャーレに入ろうか。」
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先生「それにしても、アルも応募してたんだね。これ。」
アル「そ、そうね。便利屋のみんなが話しているのを聞いて応募したら当たったのよ。」
先生「普段やることが多くて疲れてるでしょ?自分の家だと思ってくつろいで行ってね。」
アル「えぇ、わかったわ。」
その後も便利屋の話や、最近のことを話しながらシャーレの生活室へと向かった。
先生「じゃあ、アル。先にお風呂にしようか」
アル「そうね。ちょっと汚れちゃったし。」
先生「お風呂沸かしてあるけど、ぬるくなってたら追い焚きしてね」
アル「わかったわ。」
先生「あ、シャンプーとボディソープとかは入って右に何個か置いてあるから」
アル「わ、わかったわ」
先生「あとね...」
アル「わかったから!大丈夫よ先生。私を信じなさい!」
先生「あぁごめんね。心配で。」
アル「じゃあ入ってくるわね。」
そうしてアルはパジャマを持ってシャワー室へと入っていった。
2分後
先生(ご飯何がいいかな...あ、ステーキがあったな。まぁあとでアルに聞こっと)
そんなことを考えていると、シャワー室から声が聞こえてきた。
『冷ったあああああ!!』
ドタドタゴトッと激しい物音がして、途端に静かになった。
先生「アル!?大丈夫!?」
シャワー室の前まで行き、呼びかける。
アル「え、えぇ大丈夫よ先生。シャワーが思ったより冷たくてびっくりして転んじゃったわ」アハハ
先生「気をつけてね...。」
先生(アルはドジっ子だからなぁ。)
そう思い、冷凍庫の中のステーキを解凍し始めた。
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アル「先生。上がったわ。心配かけたわね。」
先生「大丈夫だった?」
アル「頭を思いっきりぶつけちゃったけど多分大丈夫よ!」
先生「それ本当に大丈夫!?」
心配になってアルの頭を優しく撫でる。
アル「!せせせ、先生?だ、大丈夫よ?」
先生「痕になってないといいけど...」
アル「もし痕になってもアウトローっぽくていいじゃない!」アハハ
そんなふうに茶化すアルに少し嫌な気分になる。
先生「ダメだよ。痕になっちゃ。」
アル「え?」
先生「確かに、怪我をしてかっこいい、みたいなことはわかるよ。けど、
アルは大切な生徒だから、怪我して痕になったら心配しちゃうな」
アル「そ、そうね。ごめんなさい、先生。」
先生「いいんだよ。見た感じ痕になってないから安心して。
そういえば、ご飯何がいい?」
アル「え、えぇそうね...なんでもいいは有りかしら?」
先生「全然いいよ。じゃあ...。」
そういってキッチンまで向かって電子レンジの中のステーキをとる。
先生「これ...なんてどうかな?」
アル「素晴らしいわ!先生!これこそアウトローね!」
アルはヒーローに憧れる少年のように目を輝かせていた。
先生「じゃあ私がお風呂上がったら、楽しみにしててね。
豪快に焼いて見せるよ」
アル「えぇ、楽しみだわ!」
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シャワー室の中にて
先生「アルはいい子だな、場の空気を読んで行動できるのはいいことだ...。」
そんなことを呟きながら、くたびれたシャツを脱ぎ始める。
ガララっと扉を開け、風呂場の中を見て驚く。
整えられているボディソープやシャンプー、先ほどまでアルが入っていたのに泡ひとつない。
先生「行儀がいい...っていうのかな。こういうの」
改めて、陸八魔アルという生徒は『良い子』という言葉が似合う生徒と感じた。
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先生「上がったよ〜アル。」
アル「あら、先生。早かったわね。」
先生「アル、やっぱり君はいい子だね。」
さっきの風呂場を見た率直な感想をアルに伝える。
アル「えぇ!?いい子!?なんでそうなったのかしら!?」シロメ
先生「いやね、お風呂場を見たら泡ひとつなくて、綺麗に使ってくれるんだなって。」
アル「そ、そんなの普通じゃな...ハッ!?」
先生「どうしたの、アル?」
アル「私が...普通?...いえ、そんなことあってはダメよアル。
先生、ちょっともう一度シャワー室に行ってくるわね。」
先生「え?別にいいけど、なんでだい?」
アル「ちょっと水道の一つや二つ破壊してくるわ...
真のアウトローは普通という言葉に収まっちゃダメなのよ!」
アルは闘気に満ちた目でシャワー室へと向かっていった。
先生「ちょ、ストップ!ストップ!アル!」
アウトローでも風呂場は綺麗にするよね!とかなんとか言って誤魔化した。
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私はキッチンで少し悩んでいた。
先生(アウトローなステーキってどんなのだ!?)
先生(ステーキにフォークを突き刺したらアウトローぽいかな?
いやいや西部劇やバイキングみたいになってしまう...。
そもそもアルはテーブルマナーに気をつける生徒...そんなのはNO!なはず...。)
私がう〜んと悩ませていると、アルが近づいて一言。
アル「先生!その...よかったらなんだけど、フォークを突き刺したらアウトローじゃないかしら?
でもやっぱりお行儀悪いからだめ...よね?」
先生「アルもそう思う?アルがそうしたいならそうしようか。
どうせこの部屋には私とアルしかいないしね。」
パァっと上機嫌になったアルを見てホッとした。
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先生「さぁできたよアル。先生特製アウトローステーキ!...なんちゃって。」
アル「すごく美味しそうだわ!早速頂いちゃってもいいかしら?」
先生「あぁもちろん。それじゃあ食べようか。」
『いただきます。』
アル「ん!美味しいわ先生!肉汁がブワッと出て最高よ!」
先生「ちょっとこだわって焼いてみたんだ。気づいてくれて嬉しいよ。」
アル「お店にも負けない美味しさだわ!」
先生「ははは。そんなに言われると照れちゃうな」
その後も美味しい美味しいと言ってくれるアルに照れながら食事を楽しんだ。
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先生「どうだいアル?お腹いっぱい?」
アル「えぇ!それはもういっぱいよ!もう食べれないわ!」
ご飯を食べ終え、食休みをしながらそんな会話をする。
先生「さて、何かしたいこと、やってほしいことあるかい?」
アル「そうね...特にないかしら」
先生「じゃあもう寝ちゃうかい?」
アル「寝るのもちょっと違うのよね...」
先生「ならこんなのはどうかな?」フッフッフ
そう言って私は超大作アウトロー映画のDVDをアルに見せる。
アル「な、なな....何よこれ!さいっこうじゃない!先生!」
先生(思ったより食いついてくれたな...)
先生「これをみて、真のアウトローとは何かをもう一度学び直してみないかい?」
アル「えぇ!えぇ!早速みましょう!楽しみだわ!」
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『テメェ!俺が相手してやらぁ!』
『俺の前に建てるその勇気、褒めてやる。だが、』
私とアルのポップコーンを食べる手が止まる。
アルに至っては口をぽかんと開けてポップコーンをポトッと落としてしまっていた。
『その命だけで俺を止められると思うなよ。』
アル「きゃ〜!!カッコ良すぎるわ!」
先生「あぁ、ほんとかっこいいね」
アル「こんなアウトローになりたいわ...!」
先生「アルならなれるよ。便利屋のみんなもついてるからね。」
アル「先生...。」
エンディングがテレビに流れ始める。
先生「さぁ、そろそろ寝ようかアル。」
アル「...えぇ....そう..ね...」
はしゃぎ疲れたのか、アルはうとうとし始めていた。
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先生「よいしょっと。」
アルをおんぶしてベッドまで運ぶ。
スゥスゥと寝息をたてる大きなツノが生えた少女の頭をそっと撫でる。
高校生にして、自分がやりたいことではあるが社長となり、会社を持つ。
そんな負担を抱えながらも、社員のことを考えながら社長としての振る舞いを大切にしている。
それはとても大変で、難しくて、とても繋いでいくには厳しい。
それでも耐えられるのは彼女のカリスマ性、目標があってこそだろう。
私はそんな彼女を尊敬し、支えていきたいと考えている。
陸八魔アルという一人のちょっぴりドジな少女のことを。
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アル「あぁ寝ちゃったわ.....もう朝ね...」
窓を見てみると薄黄色の光が私を照らしていた。
アル「もう6時ね。」
起きあがろう体を起こしたら、先生がいた。
アル(先生!?)
少し...いやかなりびっくりしてしまった。
アル(お、落ち着きなさい陸八魔アル...まだ一線を越えたわけじゃないわ....)
先生「ん...ふぁ〜...おはよアル。よく眠れたかい?」
アル「え、えぇよく眠れたわ!それはぐっすり。」
アル「それより先生?なんで隣でね、寝てたの?」
先生「?添い寝プログラムの一環だけど...」
アル「あ」
アルはこの添い寝プログラムを忘れていた。
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先生「アルは朝ごはん多く食べるの?」
アル「いえ、朝はちょっと苦手だからゼリーとかでいつも済ませちゃうわ。」
先生「軽くコーンスープとかどうだい?」
アル「じゃあ頂こうかしら。」
その後軽い朝食を食べながら過ごした。
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先生「忘れ物はないかい?」
アル「えぇ大丈夫な...はず...」
先生「まぁ何か忘れてるものがあったら届けに行くから心配しないで。」
アル「わかったわ。」
先生「じゃあまた」
アル「えぇ、また今度ね」
先生「よし、今日もがんばろっと」
そう呟いてアルを見送ってシャーレへと戻った
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アル(とっても楽しかったわ、あのDVD買っちゃおうかしら...)
トコトコと便利屋へと向かっていると、ムツキたちが何やら揉めているようだった。
カヨコ「あ、社長。」
アル「おはよう。何かあったの?」
ムツキ「いやそれがねぇアルちゃん。くふふ。」
ハルカ「あ、あのアル様!」
カヨコ「家賃払えなくて追い出される、だからこの事務所今日限り。」
アル「なななな、なっ、何ですって〜〜〜!」
お久しぶりです!遅れました!
アルのいいところ詰め込めたと思います!
正直に言いますと、最後やりたかっただけです!
次の予定は未定ですね。
また決まり次第活動報告に上げたいと思います。
それではまた。