スラム育ちの灰姫   作:ことはMk2

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念願の第3話。
前回に感想くれた人、ありがとうございます
励みになります。
どうぞお楽しみください、


スラム少女、草原へ出る

 さて、依頼を受けたはいいものの …… 。

 使い古された短剣 、ボロボロの短弓

 装備として終わっている。

 どうやら初心者を簡単に死なせないための初期装備を揃えるためのお金は貰えるそうだ。

 1人銀貨3枚、最低限の武器防具が買えると言っていた。

 

「……貴女の戦闘スタイルは?」

「えっ?」

「お互いの動きを知っておかないと、実戦の時に困ると思ったから」

「あっ、そうですね …… 私は命を奪うことに慣れてないので …… 足止め程度 しか …… 」

「充分、兎1匹2匹、わたしが仕留める 」

 

 会話はそこで途切れた 。

 向こうが何かを話しかけてるが、わたしには関係ない 。

 とりあえずと鍛冶屋に向かった 。

 

 

 ▼▽▼▽▼▽

 

 

「おう、此処はガキの遊び場じゃねぇぞ」

 

 むさ苦しい男が顔を出してきた。

 

「冒険者よ、見習いだけど。武器を見繕いに来たの」

「お、お願いします……!」

 

 そう言ってわたしとミーリャは冒険者証を出した。

 これは受付にクエストを受けに行った際、発行したものを渡されたのだ。

 

「……なるほどな。

 じゃ、どんなもんが欲しい。予算は?」

「一先ず銀貨1枚で買える安物でいいわ。わたしは短剣。

 この子は弓が望ましいわね」

「待ってろ」

 

 そういって男は奥の方から様々な武器が入ってる箱を持ってきた。短剣カテゴリーと弓カテゴリーに分かれてる。

 

「これは売れ残りに近いもんだ 。

 好きなもんもってけ 。死なれちゃ困るからな、予備としてもう1個持ってけ」

 

 そういえば彼は裏に引っ込んだ 。

 出された箱を覗き見る 。

 乱雑に入れられてるものの、しっかり手入れされてる 。

 まず、刃渡り10センチ程のナイフを1本。調理用に貰っていこう。後は …… 適当なのでいい 。その辺のを1つ手に取った 。

 全てに革に近い素材で作られた安物のホルダーが着けられてたため、それも貰おう。

 ミーリャは、今と同じサイズ感の弓を1つ 。

 もう1つ弓を選ぼうとしてたが、近接も出来なきゃ困るため、彼女でも振れるナイフをひとつ持たせた 。

 彼に出ることを伝え、店を後にする 。

 

 

 ▼▽▼▽▼▽

 

 

 次は防具……もとい服だ 。

 わたしはもっと動けれるやつが欲しい。

 彼女は後方と言ったため、攻撃されても痛くないような防具を。

 

「なにかお探しかな?」

 

 うさんくさい笑顔を見せる青年が声をかけてきた。

 わたしは目を合わせず、商品の方を見ながら 。

 ミーリャは慣れない異性にドキマギしてるみたい。

 

「斥候でも動きやすそうな防具と服、なるべく目立たないの。彼女のは少し硬めのが。1人あたり銀貨2枚で」

 

 こんな所でお金をケチっては死ぬかもしれない。

 わたしは生きるんだ 。何があっても 。

 彼が見繕って来たものを2人で試着する 。

 わたしのは丁度いい。

 鎖帷子の上に目立たないローブ 。

 脚の方は少し調整してもらい、インナーズボンで機動力を確保。

 彼女のは少しゴテゴテしているが、マントを着ればそこまで気にならない。

 銀貨4枚支払い、銅貨3枚のお釣りだ。

 わたし達はそのまま店を出た 。

 最後までわたしは青年とは顔を合わせなかったし。

 ミーリャは一言も喋らなかった 。

 

「あ、あの …… 色々してくれてありがとうございます」

「パーティメンバーが死んだらしばらく活動はできない。

 その規則さえ無ければ貴女の事なんか捨てておいた」

「ぅ …… 足でまといですいません……」

 

 成人したばかりの少女が街の外に出る 。

 門の警備兵はそれを止めようとするが、冒険者証と依頼の紙を見せて通してもらった 。

 さぁ、狩りの始まりだ 。

 

 

 

 ▼▽▼▽▼▽

 

 

 草原に出れば、少し歩き

 手頃な岩へ身を隠す、キラーラビットは肉食でもあるが、草食、つまり雑食系だ。

 森で自分より弱い獲物を仕留められなかったらここに来ると、孤児院の時に読んだ図鑑にそう書いてあった 。

 

「……来た」

 

 ミーリャがなにか喋りかけようとした瞬間、目の前にキラーラビットが餌を求めて飛び出してきた 。

 わたしは手信号で弓で動きを止めるように伝えた。

 ぱしゅんっ。

 矢が放たれた。それと同時に飛び出し間合いを詰める。

 先程調達した新しい短剣を逆手持ちする。

 

「ぴっ !」

 

 ミーリャが放った矢がラビットの足に当たる 。

 動きが鈍くなったところ

 間合いを詰めて頭を短剣で突き刺した 。

 一瞬、生物を殺すのには躊躇いは無い 。

 

「うっ …… 」

 

 後ろから小さな嗚咽が聞こえる 。

 わたしはそんなのは気にせず、仕留めた相手を解体する 。

 各種の動物の心臓の辺りに、魔核が存在する。

 それを出せば依頼クリアだ 。

 今回仕留めるのは5匹 。

 つまり残り4匹だ 。

 …… コイツはどこかで血抜きしよう 。

 

「いくよ、ミーリャ。ここにはもう居ない」

「…… なんで、平気なんですか……?」

「……なにが?」

「なんでそんな簡単に、生物を殺せるんですか!!」

「生きる為だから」

 

 こいつはおかしいことを言う。

 生きるためなら殺す。

 わたしの邪魔をするなら殺す。

 ━━━━━わたしをこんな目に遭わせた親を、見つけて殺す。ただ、それだけだ。

 

「そんなのって……! だからって!!」

 

 そう叫んだ瞬間草むらから3匹のキラーラビットが飛び出してきた。彼女の叫びにびっくりし、此方にくる 。

 足元に落ちていた石を拾い、相手に投げる 。

 1匹の注意は引いた 。

 そのまま、奴との距離を詰め 、攻撃する時、向こうがジャンプをしたら 。……さくり、開いた口狙い短剣を刺しこんだ。

 まず1匹、次。

 こっちを見て様子を伺ってる奴に接近。

 腰に備えてたボロボロの鉄串、それを投げ牽制。

 びっくりしている所、後ろを取り頭を跳ねる 。2匹目 。

 ラスト …… その1匹はミーリャに近づき、噛み付いた 。

 装備があるとはいえ、彼女は相当恐怖だったらしい 。

 足が震え逃げることすら出来ない 。

 ……好都合だ 、ゆっくり歩き 、兎の背後を取る 。

 短剣を振りかざし、刺した 。

 

 …… 目の前で生物が死んだことだろうか。

 襲われた恐怖だろうか、彼女の所から液体が地面に染み込んでいく 。涙目で、今にも吐きそうなほど顔が真っ青 。

 戻る訳には行かない 。あと1匹 。

 

「動けないなら、置いていくよ 」

 

 仕留めた兎の死骸から魔核を抜き、血抜きをした物をカバンに詰め込む 。彼女は、頑張って立ち上がり、今度は恥ずかしそうな顔をする 。わたしにはその赤く染った頬の理由は分からないが 。

 

 

 ▼▽▼▽▼▽

 

 

 最後の1匹は呆気なく仕留めた 。

 動けない彼女を囮に、餌だと思わせて油断させ殺したのだ 。

 彼女からは凄い文句を言われるが、動けない方が悪い 。

 わたしは魔核を回収、今夜の晩御飯をゲット出来たことに満足していた 。

 そのままわたし達は街へ入り、冒険者ギルドで素材の提出をした 。あとから聞いた話だが、有効期間というのがあり

 その間に魔物を倒した証を持ってこればよかったいいらしい 。

 まぁ、一日で何日かの食料がゲット、お金もゲットできたんだ、悪いことでは無い 。

 今日1日、ミーリャから謎の視線を食らっていたけれど 。

 わたし達は外の調理場で肉を焼いて食べて 、寝た 。

 疲れを取るために、休息は必要だから 。

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