初めて書いた戦闘モノのオリジナルがここまで伸びて嬉しい限り。セレナはどうなるのかなぁ。ふふ。
ちなみに作者はメリバンが好きです。
盗賊を殺し、襲われてた商人が出てくる。
わたしと言えば、先の戦闘で立ち上がれなくなっており、ミーリャの腕の中で話をしている。
どうやら、商品を運んでる時に盗賊に狙われてしまい立ち往生した。引いていた馬は御者が乗り、わたし達の目的である次の街、ウルシアへと支援要請をしたという。
つまり今は助けが来るまでお互いに立ち往生という訳だ。
「話はわかった、商人」
「リストと言います」
「……リスト、わたし達もあなたに同行する。
武器が一つだけじゃ、心許ないしね」
「そう、ですね……。
このまま行くのは危険だと、私も思います」
ミーリャもそう言い、暫くは助けが来るまで身を寄せ合うこととなった。そのままわたしは、ちょうど良い岩に背中を預け、ミーリャに短剣を取ってきてもらう。
メインで使っていた、敵に投げつけた方だ 。
乱暴に扱ったせいか刃こぼれが酷い。
これではまともに使えないな 。
そうため息を零すと、リストが話しかけきた。
「もしや、先の戦闘で武器が……」
「そう、壊れた。
多分、感覚的に着てる防具もね 。暫くは力になれないかも」
「なるほど、そしたら丁度いいのがありますよ。短剣ではないですが……」
両手に付けれる手甲だ 。
これは防具じゃないのか……? なぜ武器として……。
「こちらはですね、左手の方の裏側にはちっちゃなクロスボウが付いていて、隠しやすい、暗殺やら奇襲に向いております。
そして右手の方、此方は上等な鉱石を使っており、打撃性に優れております。殴るもよし、防具としても良しの商品です」
なるほど、それはいい。
武器がなくても戦えるのはありがたい。
クロスボウの矢に関しては、そこら辺で調達できる鉄串を殺せる程度の威力に増幅させるみたい。投げるよりマシだ。
「わかった、買おう。幾ら?」
「いえ、此方は差し上げます。
助けてくれたお礼ですから」
「いいの? それで殺して他のを奪うかも」
「そうしたらその時です。ツキが悪かったと思いましょう」
「お人好し 」
そう言い、手甲を受け取り付けてみる。
意外としっくり来た。短剣の代わりにはならないが、反射神経で振れる点では強い。これからお世話になりそうだ 。
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馬の足音が数匹 …… いや、二桁は超えるか。
多分助けだろう、微睡みの最中にいたわたし達は目を覚まし、準備を整える 。
商人である彼が話を着け、わたし達も街まで連れて行ってくれるみたいだ 。それはありがたい。
先程寝る前に話していたこと、ここから徒歩だと早くても3ヶ月かかるらしい。
どんだけ田舎なんだここは。道中にも村が無いため歩いていくものはいないらしい。……なにか、ミーリャから痛い視線が刺さる。わたし達は2人は女と言うことで、余ってる方へ乗せてくれた。
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馬車に揺られて数日。
道中でも魔物を殺し、食料を獲て、寝る。
新しく貰った武器、もとい防具は使いやすい。
リーチは無くなってしまったが、やはり直感的に振るえるのがいい 。
そうこうしているうちに街の壁が見えた 。
検問を受け、わたし達もリストから事情を話してもらい、冒険者証を見せる。とりあえずここのギルドに向かい、何が起こったのかを話そう。
広場まで着けば、わたしたちは降りる。
ミーリャがお礼を伝えれば彼のお店を聞いて後で行くと約束した。さぁ、ある程度休めたし、ギルドへ行こう。
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ギルドについてそうそう、初日のような反応を受けるが、向こうの事を話したらだいぶざわついた。どうやら彼は有名どころの戦士だったらしい。そこのギルドが潰れた、と。
幸い、あそこは海鮮物で凌げる街らしい。ただ、危険度は跳ね上がるとのことだが、わたしたちには関係ない。
ある程度話を終えたら後にする 。
ミーリャは商人に聞いていた図書館に行くため、別行動となる 。とりあえずは武器の調達。
殴れるようになったとはいえ、力の差がありすぎる。
辺りを見渡し、鍛冶屋を探す。
路地裏へ、さらにその奥へ……。誰も来なさそうなところから聞こえてくる騒音 。
カンッ━━━━!
カンッ━━━━━!
鍛冶の音だ。
音のする建物へと入る。
中は質素だ。武器だけ並べられてる。
奥から店主らしき小さい髭生やしたおっさんが出てきた。
……ドワーフだ。
「おう、ガキ。こんなところに何の用だ」
「武器が欲しいの。短剣。
結構頑丈なやつ」
それを聞いてドワーフの男は少し悩んでから
口を開いた。
「心当たりはある。が、値は張るぜ」
「構わない」
先程の謝礼金で貰ったお金と元ギルマスが渡してくれた数枚の金貨。それを見せるとドワーフは口角を釣りあげた。
「ちょいまちな。最高のを仕上げてやる」
……どうやら珍しい素材よりかは、金に目が無いようだ。
守銭奴ドワーフめ……。
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太陽が暮れる頃、様々な武器を触っていたり振っていた。
やはり短剣がしっくり来るなと思った時。
「待たせたな、小娘」
「セレナだ」
「……セレナ、オレはディン。
ほらよ、お望みのだ」
彼が打ったばかりの短剣を手にする。
━━━━━驚く程に軽い。
その割に、刀身は蒼く、吸い込まれそうだ。
「頑丈な鉱石で作ったもんだ。
まぁ、それなりに使えるとは思うぜ」
「ありがとう。それじゃ、これ」
幾つかの金貨をカウンターに置けば店を出る。
出る時に横目で見たら、凄くほくほくしてる顔が見えた。
……守銭奴ドワーフめ。
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武器を調達した後は防具だ。
今の防具はもう使い物にならない。
……入った店を間違えた気がする。
「可愛らしいじゃない!
ほら、これとかどう? これとか! ねぇこれ!」
……フリフリなドレスを勧めてくるが、全部無視。
動きやすい服を選んだ 。
ノースリーブな服に、タイツ 。
動きやすいミニスカを選んだ。
女の子らしいけど、それで戦うのは……と言われた。
知らん。興味無い。
ついでに顔を隠す様のショールと、マントを付け、暗殺者の身なりとなった。あとは…… 。
……ブーツになにか仕込みたいな 。
前に盗賊の頭領に蹴りを入れた時、効かなかった。
靴先に鉄でも仕込まれたブーツでも買って、暫くはこれで過ごそう。ある程度の目的は達した。
広場でミーリャと合流する予定だ、向かおう。
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広場についた。そこでは、何か、騒ぎが起きている。
人溜まりの中、わたしの身長じゃ見えない。
身軽な体で路地裏から屋根上へ登る。
……そこには金髪の少年と、黒髪の少年が磔にされてる。
「この者たちは!!!
我が領主様に反旗を翻し、反抗を犯した!」
「よって! この場で処刑する !!」
歓声があがる。
……カムイ、エリオット、彼らだ。彼らが殺される。
他人とはいえ同期だ。見殺しにするのも気が引ける 。
…… かと言って、今突っ込めばわたしも反逆者となってまた旅に出ることになる 。
「処刑日は明後日!」
なるほど。猶予があるなら簡単だ。
その間に助け ……逃がせばいい 。
指標が決まった。ミーリャには悪いが、暫く留守にしよう。
表でわたしの姿をみられてなきゃ、問題は無い。
首に巻いたショールで口元を隠し、屋根から降りた。
……計画を、錬なければ。