オリ主がまた正体バレをするそうなので、初投稿です
でも仮面ライダーの正体バレなんて恒例行事でしょ
執筆中に評価バーが赤になっていたことを確認しました。皆様ありがとうございます。これからも本作をお楽しみいただけると幸いです
聖司がこのテイワットに来て早2ヵ月が経とうとしていた頃、彼は鹿狩りで羽ペンと紙の束を携えていた。ペン先にインクをつけ余分な量を落として集中、そして────書く。かつて連載10本を抱え期日内に原稿を書き終わらせた手腕をこれでもかと発揮させ、目の前の1ページに集中して書き続けた。
ペン先にインクをつけ、余分量を落とし、また書く。そのような行為を幾度も繰り返し、回数が50を越えた頃合いに、ようやく聖司のペンを持つ手が止まった。インクのついたペン先を自身の服を使って拭おうとしたが、それより早くインクのついたペン先は彼女によって綺麗になっていた。
「ノエル、あとでそのハンカチを渡してくれるか? 洗って返却する」
「いえ、お気になさらず」
「俺は気にするのだ」
「本当に大丈夫ですから」
「俺が大丈夫ではないのだ」
「いえいえいえ」
「いやいやいや」
何やら互いにコントのようなことをしているが、2人はそれでも譲らない。メイド騎士ノエルと冒険者の聖司、接点が薄そうな2人だが、実はジン、ガイア、リサに続いて関わりの長い仲である。きっかけは彼の書いた1作目の小説を執筆していたころからだ。
偶然図書館の掃除に来ていたノエルと、図書館で調べものをしていた聖司はその時出会い、そして彼女を小説で泣き落としたことで、執筆時にはほぼ必ずといって良いほど来るようになっていたのである。
しかし、お互いに“そうすべきもの”に関する行動が似通っているために、何度もこのような事が起きているのであった。もはやモンドの住民からすれば見慣れてしまい、2人のやり取りを優しい目で眺める対象として確立されていたりする。
そんな2人のやり取りを不思議がって、赤い兎の耳飾りを跳ねさせながらアンバーは近寄って声をかけた。
「2人とも、何してるの?」
「あ、おはようございますアンバー様。おかえりですか?」
「うん、今から報告に行くの」
「おぉアンバー殿、ちょうど良かった味方として加勢してくれるか?」
「いや、どういう状況なの?」
「ノエルがハンカチでインクを拭ったので、洗って返そうと思っているのだが、彼女が譲ってくれん」
「本当に大丈夫ですから。それに御礼ならセイジ様の書いた小説をまた最初に読ませてください。それでハンカチの一件はおしまい、です」
「それでは俺が納得できんのだ。大人しく渡してハンカチを洗わせてくれ、綺麗にして返す」
「いえいえいえいえ」
「いやいやいやいや」
「これ私お邪魔なヤツじゃない?」
喧嘩ではないし、言い合いでもない。しかしこれだけは譲れないと決めたことに対して、2人とも実直で誠実で、そして頑固なだけである。犬も食わぬそのやり取りにアンバーは疑問を呈するが、ふと彼女の視線は机の上に置かれた文字ばかりの紙束に向かった。
「ねぇ、それって」
「ん? あぁ、これか。小説の原稿だ」
「へぇ、これが。貴方の小説が城中に広まって有名なのは知ってたけど……あれ、でも早くない? つい最近出来たばかりだよね?」
「1ヵ月前に初めて『求めた男』が出たばかりですね。でもセイジ様の執筆速度なら、特に驚くことは無いかと」
「別にこの程度なら七日程度で書き終われるぞ」
「いやだとしても早くない!? しかも100枚は超えてるってこの量は!」
「たった230枚だぞ」
「ねぇそれ
あっけらかんとした様子でそう答えた聖司にツッコミを入れたアンバーは、信じられない様子で彼の方を見やる。しかし当の執筆者は首を傾げて分からないと意思表示をした。
「別に大したことでも無いぞ。冒険者協会の依頼やら何やらをしていて忙しかったしな、寧ろこれでも少ない方だ」
「貴方の中の多い基準どうなってるの!?」
「多い時は月に5000はいけるぞ」
「バカじゃん! その量はもうバカじゃん!」
もはや人間業ではない所業であったが、聖司にとっての普通はこれなのである。アンバーは彼の評価を改める、“この人ヤバイ人だ”と。そのように認識を改めたところに、ノエルは思い出したかのようにあるものを聖司に手渡した。
「セイジ様、その原稿は既に書き終えたと見てよろしいですよね? ちょうど入り用かと思って表紙用に革製品のものを取り寄せてみました」
「ノエル、怒らないから幾らしたのか言え。流石にそこまでされると俺も看過できんぞ」
「大丈夫ですから。あっ、別のものが良かったですか? それならこちらを」
「ノエル、ノエル? 怒らないから全て出して幾ら掛ったのか言ってくれ? 頼む後生だ!」
「うわぁ……」
「アンバー殿違うぞ!? 俺は何も頼んでいない!」
「そうです! これは私が進んで行ったんです、セイジ様は何も悪いことはしてません!」
「頼むノエル、それ以上喋らないでくれこんな強火勢を俺は見たことないし出会ったことが無いんだ頼む!」
訂正、別の意味でもヤバかったとアンバーは再認識した。テイワットで初めてのファンが、このような形になるとは思っていなかったのか、さしもの聖司も動揺を隠しきれていない。結局このあと、アンバーの助力もあり、表紙として用意した物全ての代金を聖司が補填する形で納まりがついたのであった。
そうして色々と騒がしい時間が終わり妙に疲れている状態の聖司だったが、そこに冒険者協会のキャサリンからある1通の手紙を受け取った。手紙を送ってくる相手などこのテイワットには居ない筈と考えながら、封を開けて中身を確認する。
その封筒の中に入っていたのは1通の手紙と、2枚の
【清泉町で待つ。これは招待状だ】
「……どうやら、行かねばならんようだな」
1人だけに聞こえる声で呟き、聖司は内容物を封筒に戻し、早速清泉町へと足を運んでいく。
498:元小説家
どうやら、正体バレました。
499:名無しの転生者
早いって
500:名無しの転生者
早いのよ
501:名無しの転生者
なんでこんなすぐバレるん?
502:名無しの転生者
早いわ!
503:名無しの転生者
正体バレのペース早くない?
504:名無しの転生者
誰にバレたんや?
505:名無しの転生者
それはそうと、誰にバレた?
506:元小説家
差出人不明。封筒には招待状代わりの手紙1通と、前回の戦いを撮っていた写真が2枚です。清泉町で待っていると書いてあったので、今そちらに向かっています。
507:名無しの転生者
行動が早い!
508:名無しの転生者
待て、写真?
509:名無しの転生者
写真撮られてたんか?
510:名無しの転生者
というかカメラあるんか原神
511:名無しの転生者
>>511
水の国フォンテーヌで発明されとる。流通自体はそこまでやけど、写真機自体はあるんや
512:名無しの転生者
はえーサンガツ。ワイ途中でやめたんで分からんかったわ
513:元小説家
正直、いきなり文明の利器によって出来たものが届いた時は何事かと思いました。でもそうか、フォンテーヌで造られた物を買ったのなら話も繋がる。となると予想するに、この差出人は財力が豊富にあると予想できますね。
514:名無しの転生者
あーそうか、流通自体があんまりされてないのなら取り寄せるにしても金がかかるわな
515:名無しの転生者
って考えたら、結構絞られてくるな
516:名無しの転生者
モンドに居る富豪となると……アイツじゃね?
517:名無しの転生者
あぁ、アイツね
518:名無しの転生者
アイツか
519:名無しの転生者
アイツやな
520:名無しの転生者
でもアイツかぁ
521:名無しの転生者
面倒なのはもう分かってるんだけど、話は通じるから何とか上手くいけそう
522:名無しの転生者
まぁでも安牌な方にバレたと捉えるべきか?
523:名無しの転生者
まぁまだね
524:名無しの転生者
周知の事実になってない分だけマシ
525:名無しの転生者
やっぱファデュイが面倒臭いのよ
526:名無しの転生者
ファデュイ○しちまおうぜ!(RTA)
527:名無しの転生者
多分それやるとガバると思うんですけど
528:名無しの転生者
>>526
それやると後々ガバが起きそう
529:元小説家
別にそんな必要ないでしょうに。
530:名無しの転生者
もっと面倒くさくなるしなぁ
531:名無しの転生者
政治問題はデリケートやからな
532:名無しの転生者
アイツって誰のこと?
533:名無しの転生者
おや、原神を知らぬスレ民がここにも
534:名無しの転生者
仮面ライダーの方でやって来た口やな?
535:名無しの転生者
イッチのネタバレ無しの方針に合わせてるから今は詳しい事は言えんけど、まぁ金持ってる奴やな
536:名無しの転生者
誰とは言えんけど、まぁ信用は出来るやっちゃやな
537:名無しの転生者
流通の低いカメラ持っとるから金持ちやで
538:名無しの転生者
>>534
んまぁはい。新しくセイバーになってる投稿者がいると聞いたんで
539:名無しの転生者
気を付けろ。ここのイッチはワイらを脅してくる
540:名無しの転生者
元の世界で小説家やから、エグいナマモノ書いて別スレに投稿する暴挙をやるぞ
541:元小説家
そんな普段からキレてる訳じゃないですからね? ひとまず清泉町には到着しましたが、どこに居るか探してみます。
542:名無しの転生者
しないとは言ってません
543:名無しの転生者
やる時はやる、これがここのイッチや
544:名無しの転生者
でも今までナマモノ書いて出した覚えは無いよな
545:名無しの転生者
イッチも言うてたやろ、面倒やって
546:名無しの転生者
まぁしたくないって言ってたしな
547:名無しの転生者
案外大丈夫なんやない?
548:名無しの転生者
やめとけやめとけ
549:名無しの転生者
アイツはやると言ったらやる男なんだ
550:名無しの転生者
神官 聖司、年齢不詳、独身
551:名無しの転生者
昔は売れっ子小説家でブイブイいわしてたらしいが、今はテイワットで冒険者をやっている
552:名無しの転生者
根も真面目で素行もよく肉体も頭脳もハイスペックだが、風の翼で飛ぶことが破滅的にできない奴なんだ
553:名無しの転生者
ほーん、そうなんやな
554:名無しの転生者
>>548
おいこらwww
555:名無しの転生者
よく見たら同僚構文できとる、これ
556:名無しの転生者
くっそホンマやwww
557:名無しの転生者
スレ民の連携が光る瞬間やな
558:名無しの転生者
もっと他のことに時間使え?
559:元小説家
向こうから呼びかけて来たので、これからアカツキワイナリーへ向かって馬車に乗ることになりました。
560:名無しの転生者
おっ、イッチも進んだみたいやな
561:名無しの転生者
アカツキワイナリーか、やっぱアイツか
562:名無しの転生者
みたいやな。さて、どう出てくるのか?
563:名無しの転生者
なんでアカツキワイナリーって分かったんやイッチ?
564:元小説家
遣いの人からほのかにアルコールの匂いが漂っていたので、判明している情報と組み合わせたら、おそらくそうなんじゃないかと思っただけです。
565:名無しの転生者
もはやここまで来ると小説家じゃなくて探偵の領分やないこれ?
566:名無しの転生者
なんか探偵じみてるのはそう
567:名無しの転生者
妙に勘が鋭いんよな
568:名無しの転生者
小説家やし、知識は必要じゃろ
569:名無しの転生者
勘というより、今まで集めてきた知識から解答を出してるって感じがする
570:名無しの転生者
それはもう探偵なんじゃないか……?
571:名無しの転生者
前スレだけど、イッチは岸辺露伴やし
572:名無しの転生者
イッチ=岸辺露伴はほぼ暴論なんよ
573:名無しの転生者
そういやあったな、岸辺露伴イッチ
574:名無しの転生者
仮面ライダーより別の方で名前が知れ渡っとる
575:名無しの転生者
元から濃いのよ、このイッチ
清泉町に訪れた聖司は差出人ではなく、その関係者らしき人物を探して清泉町を訪ね回ろうとしていたが、彼が到着したと同時に歩み寄ってくる男がいた。
「お待ちしておりました、招待状を」
「これか」
封筒を見せ、その男は特に確認をする事もなく聖司を案内し、待たせていたであろう馬車へ乗るように指示する。この時点で自分を呼んだ人物にアタリをつけていたが、やはり何の目的でこのようなものを送ってきたのかについて、その1点だけが未だに確信に至れなかった。
乗り込んで1人席に座ったところで、馬車は動き始める。人の手が入った、なだらかな道を進んでいく馬車に揺られながら聖司は考えた。そんな風に思い耽ること数時間、馬車は停止し案内人が扉を開けた。
入ってくる空気に葡萄の匂いを感じ取りつつ、聖司は外へと出る。彼の目の前に入ってきたのは、大きな屋敷と扉の傍に立つメイド。彼は聳え立つそれに向かって歩を進めていくと、そのメイドが聖司に近寄った。
「招待状はお持ちですか?」
「これだろう」
「確かに。では、どうぞ中へ」
メイドの手引きで扉が開かれ、聖司は屋敷の中へと踏み入れる。人目でかなり裕福な人物が住んでいることを理解させられ、屋敷に目配せをしていると不釣り合いな花瓶に目が止まった。
それに疑問を募らせる暇もなく、背後にある扉が閉められ、先程のメイドが聖司の前に立つ。
「2階の応接室までご案内します」
聖司はその言葉に首肯して返すと、メイドに案内されるがまま2階の一室へと辿り着いた。ノックを2つに分けて4回行われると、部屋の向こうにいる人物に向けてメイドは言った。
「招待客をお連れしました」
「入れ」
メイドが部屋の扉を開け、聖司は自身を待つ誰かの姿を目にする。見た目からして若々しいが、それ以上に赤髪が目を引く男がソファに座って待っていた。聖司はゆっくりと部屋の中へと足を踏み入れ、室内に入った事を確認したメイドが扉を閉めた。
「掛けてくれ」
赤髪の男が目の前に座るよう促す。ゆっくりと聖司もソファに向かい、そして座ったところで間髪いれずに届いた封筒を出してテーブルに出した。
「お互い、色々と聞きたいことが山のようにあるだろうが、先にこちらから質問をしても良いか? アカツキワイナリーオーナー、ディルック・ラグヴィンド殿」
「呼びつけたのは此方だ、その権利はある。ただし、こちらの質問に嘘偽りなく答えてくれるなら、そうしても良い。噂の異邦人、セイジ・カミツカサ」
「もし嘘をつけば?」
「聞かなくても想像はつくだろう」
ほんの3秒ほどの間であったが、彼らの中に10秒ほどかと思うぐらいの空気が流れる。互いに気を抜けない状況の中、聖司は僅かに警戒心を解きつつ、ディルックの誘いに乗った。
「良かろう。ただ、荒唐無稽な話ばかりになる。今から話すことは全て事実であることを踏まえてくれ」
「既にその荒唐無稽さの一部を見ているんだ。今更の話だな」
「成程。なら、話をしよう。お互いに、嘘は無しだ」
【後書きキャラ紹介】
『神官 聖司(オリ主)』
・元の世界では普段から月2000枚以上を書いていたバケモノ小説家。なので担当編集者が来る前に原稿が完成していた、という状況がデフォルトだった。様々なファンと出会ってきたが、ノエルのようなファンを見たことが無いので戸惑っている。
『ノエル』
・脳を焼かれた人。オリ主の書いた『求めた男』を読んで強火勢になった。好きな登場人物を聞かれると、迷わず男と旅をしたブリキ人形と答え、それについて熱弁するぐらいには強火。
『アンバー』
・オリ主の発言に引いてる人。同じ人間なのかどうか怪しくなってくるし、ノエルが変な方向でオリ主に協力しているので、ヤバい人と再認識した。
『ディルック・ラグヴィンド』
・アカツキワイナリーオーナー。オリ主の仮面ライダーの姿と変身解除後の写真を撮って、こちらに来るように指示した人物。警戒心はある。