原神世界に聖剣が混入しました   作:Haganed

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次に進む前の一時なので初投稿です。
更新予定日から遅れました。色々と疲れてたからですハイ
読んでいただけると幸いです
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ひと時の過ごし方

 トワリンの救出も終わり、4人と1体は疲れた体を動かしてそれぞれの帰路に就く。メギドという脅威により想像だにしない戦いで、モンド城に戻るなりすぐに就寝するほど疲弊していたようで、泥のように眠ったあとすっきりした様子で早朝に目覚めた。

 

 昨日するはずだった身支度を終えて、聖司は吹き付ける風の肌寒さを感じ、ほんの少しだけ白んだ空を見上げながら今までの事を思い出す。目覚めてモンドに来てからというもの、メギド絡みの事件が5件。その内明確にモンドの危機と呼べるものが偽枢機卿事件と龍災の2件。この3ヶ月で目まぐるしく起きた出来事に、改めてどこか遠い場所の出来事のような、思い返してみれば他人事のようにも思える時間であった。

 

 そんな濃密な時間を過ごして、不意にある考えが浮かび、徐に口から出る。

 

 

「小説、書いておらんな……」

 

 

 知っている者からすれば、何と言ったかもう1度言ってくれと突っ込みが入るであろう発言であったが、今ここには聖司1人だけしかいないため、そのような反応をする相手はいない。バッグから紙とペンを取り出そうとして、既に使い切っていたことを思い出した。

 

 

「そういえば、買わねばならなかったな。しかし、今は店も開いておらんだろうし」

 

 

 一旦小説の執筆を思考の隅に置き、今の時間帯でどのように暇を潰そうかと考えていると、不意に教会のある方向に視線を向けて、聖司は教会の方へと向かって歩いていく。

 

 教会基本的にどの時間帯でも開かれているため、その荘厳な内装をいつでも目にする事が出来るようになっている。出入口を通りコツコツと足音が響く中、見慣れているがこの場に似つかわしくない者の後ろ姿を見かけたので、聖司は彼女のもとへと向かい、隣に座った。

 

 

「こんな早朝に出会うなんて、お互い珍しい事もあるものね」

 

「同感だ。俺としては、リサ殿が教会に居ることに物珍しさを覚えてしまうがな」

 

「あら、魔女だって教会に訪れることもあるものよ」

 

「おっと、読まれてしまったか」

 

 

 自身の考えが読まれたことに対して苦笑いを浮かべて反応を示す。リサはその様子を見て微笑みを浮かべ、聖司に教会へ訪れた理由を訊ねた。

 

 

「あなたはどうしてここに?」

 

「小説を執筆しようと思っていたのだが、店も開いておらぬしここで時間を潰そうと考えたまでよ」

 

「……あんなに書いたのに、まだ書き足りないの?」

 

「あれは模写だろう?」

 

「答えになってないわよ」

 

 

 呆れた様子で横に首を振るリサに対して、聖司は彼女の発言に対して首を傾げたあと彼なりの言い分が述べられていく。

 

 

「既に書いたものを模写するのは小説を書いている訳では無いだろう? 小説とは己の想像力を用いて登場人物の心情、背景、交流を描写して────」

 

「はいはい、分かったわ。ほんと、筋金入りの物書きね。どこにそんな気力があるのかしら?」

 

「む、そうだな……」

 

 

 そんなリサの問いに少しだけ考える素振りをして、聖司は視線を最奥のパイプオルガンの頂点に移すと、軟らかな声色で答えた。

 

 

「俺は、人が感動している所を見たい。人が本を読んで、喜んで、悲しんで、憂いて、共感して、そうして読み終わって“あぁ、良かった”と、そう思ってくれる物語が書きたい。俺が物語に感動し、物語に救われたように、誰かの心に残り続ける物語を紡ぎたいのだ」

 

 

 言葉を並べていた聖司の表情はとても穏やかで、しかし決意に満ち溢れているような、そんな思いが込められており、彼の一言一言を聴き入っていたリサは、柔らかな笑みを彼に向けたまま横顔を見ていた。聖司とリサの視線が合い、彼がはにかみながら台詞の続きを述べる。

 

 

「それが、俺が執筆を続けていられる理由だな」

 

「────ふふっ、そうなのね。物語で感動を、ね」

 

「ああ」

 

 

 聖司とリサは互いに見合って笑い合い、最初に彼女から視線を外したあと彼もまた同じように視線を外したが、その一連の行動はリサからの奇妙な問いによって意味の無い行動になってしまった。

 

 

「ねぇ、セイジ。あなたは物語のバッドエンドは好きかしら?」

 

 

 彼女の問いかけに聖司は視線をリサの方に向けた後、天井を見上げながら考え、自身の答えを出す。

 

 

「個人の好き嫌いという形で答えるなら、苦手な方だ。とはいえ物語の都合上で、バッドエンドという形で収まることに対しては特に何とも」

 

「それがあなたの創作論なのね、覚えておくわ。あなた個人はバッドエンドが苦手だってことも」

 

「……なぜ、このような質問をしたのか聞いても?」

 

「もし、この世界の運命がバッドエンドで決まっていたら? って、不意に考えちゃって」

 

「ふむ……?」

 

 

 聖司はリサの言う、もしもの想像について疑問に思った。彼も時として物語の最後がこのような終わりになっていたらと、そんな結末を考えながら小説を執筆していた事もあったが、彼女にも似たような事を考えていた時期があったのだろうかと。

 

 そんな考えが頭に過ぎったのも束の間、リサはただ淡々と、その台詞の続きを話していく。

 

 

「ねぇ、セイジ。もしもこの世界の運命がバッドエンドで決まっていたら、あなたは何をしようと思う?」

 

 

 訊かれた内容から、どこか物憂げな印象を見せる彼女の表情を見ていた聖司であったが、その問いを真剣に考えて出た考えを答えた。

 

 

「そうさな……バッドエンドで終わらせないようにする」

 

「どんな風に?」

 

「世界の運命が、物語の結末がバッドエンドで終わることが確定していても、その終わりからハッピーエンドに持って行けるように今出来ることをする。どんな方法でも良い、明日への希望を託せるように。諦めないでくれと、願いを込めて」

 

「願い、か────悪くない考えね」

 

 

 聖司の出した答えに、リサは微笑みで返す。聞きようによっては、後に残された者たちへ丸投げするとも思われるような考えではあるが、それでも彼女はその答えにどこか満足気な様子であった。

 

 

「無論、俺も未来のために今できる事をするぞ。といっても、娯楽のための本を書き綴ることぐらいしか出来ぬがな」

 

「あなたの書いた小説が、誰かの心の支えにもなる事だってあるのよ。それも明日への希望と願いを託す、ということにも繋がるわ。ぜったい」

 

「そのように言ってもらえると、創作者冥利に尽きるというものだ。ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

 

 そんな2人の会話は、人々が目覚めていく時間帯まで過ぎていき、誰かの空腹の報せが鳴るまで続いていたとか。

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 

 

 

 

 

896:元小説家

 ただいま戻りましたー。

 

897:名無しの転生者

 おけーりー

 

898:名無しの転生者

 おかえりー

 

899:名無しの転生者

 ようやっとスレに戻ってきたな

 

900:名無しの転生者

 遂に戻ってきたァ!(エボルドライバー!)

 

901:名無しの転生者

>>900

 地球外生命体は帰ってもろて

 

902:名無しの転生者

>>900

 来んな。ガチで来んな

 

903:名無しの転生者

>>900

 規模がウルトラマン案件さんは宇宙に帰って、どうぞ

 

904:名無しの転生者

>>900

 カエレ!

 

905:名無しの転生者

 エボルトの反応一緒で草。右に同じくやけど

 

906:名無しの転生者

>>905

 上やぞ

 

907:名無しの転生者

>>906

 わざとだよ

 

908:名無しの転生者

 ここセイバーやぞ

 

909:名無しの転生者

 仮面ライダーには変わりないから……

 

910:名無しの転生者

 ジャンルが科学とファンタジーで全く違うんですがそれは

 

911:名無しの転生者

>>910

 ビルドはどっちかて言うとトンデモ科学やから

 

912:名無しの転生者

 ビルドは宇宙由来のあれやこれやでファンタジーじみてるから何も変わらないな。ヨシ!

 

913:名無しの転生者

>>912

 違うのだ!

 

914:名無しの転生者

 ほら、発展した科学は魔法と変わらないから

 

915:名無しの転生者

 まぁイッチも想定外の事が起こりすぎたから、これ以上面倒臭い事はフヨウラ!

 

916:名無しの転生者

 トワリンが乗っ取られてキショい姿になってましたわな……

 

917:名無しの転生者

 メギド態の時点でもまあキショかったのに、あの状態になってから冒涜感が出てきてたんよな

 

918:名無しの転生者

 守護者が悪しき存在に良いように使われる……これなんて同人?

 

919:名無しの転生者

 邪悪感満載でしたな

 

920:名無しの転生者

 攻撃にムカデを飛ばしてくるのはキツイ。しかも攻撃の余波とかでも出てくるのは最悪過ぎる

 

921:名無しの転生者

 あれが実装されたら間違いなくクソゲーになる難易度。イッチが使った聖剣の分離能力で何とかなったけど

 

922:元小説家

 あの力はウェンティは勿論、蛍ちゃんとディルックさんの助力ありきで1度だけ使えた奇跡みたいなものでしたから。とはいえ今後あのような敵が出てくるとなると、分離能力を使えるようにしておかないと厳しくなるかもしれませんね。

 

923:名無しの転生者

 そこら辺どうするかやな。誰かに修行を頼むにしても、イッチの事情を知っとる奴なんて今んとこ少ないし。

 

924:名無しの転生者

 ウェンティは神様やけど、頼んでみるのはどうなん?

 

925:名無しの転生者

 神様でも戦闘できる奴じゃないと無理ちゃう流石に

 

926:元小説家

 いや、多分ウェンティは修行を積む相手には向いてないですね。性格的にも断りそうですし

 

927:名無しの転生者

 まぁそうなるやろな

 

928:名無しの転生者

 アイツ歌ってるか飲んでるかのどっちかしかやらんし。修行なんて面倒なことやろうとは思わんわな

 

929:名無しの転生者

 ウェンティからの好感度高いけど、それでも駄目なん?

 

930:名無しの転生者

 多分ダメちゃう? アイツ自由なのが好きやし、他人にも自由であれなスタンスやぞ

 

931:名無しの転生者

 ほな無理か

 

932:名無しの転生者

 協力してくれそうで且つイッチの事情を知ってそうな古い時代の奴……案外仙人とかは稽古つけてくれるかもな

 

933:名無しの転生者

 稽古だけってなら仙人はつけてくれるやろうけど、イッチが求めてるのは聖剣の分離能力やしまた違う奴に頼まないかんとちゃうん?

 

934:名無しの転生者

 聖剣側の能力やしな。どっちかというと物の能力を引き出せる奴とかじゃないと無理やろこれ

 

935:名無しの転生者

 そんな感じかー

 

936:元小説家

 となると、自分が今探しておくべきは聖剣の分離能力を引き出せるように鍛えてもらえる相手を捜すのが良いみたいですね。

 

937:名無しの転生者

 いっそのことモナに会って占ってもらうのもありやな。運命を見て何処に行けば良いか分かるやろし

 

938:名無しの転生者

 あーその手があったわ。やったら先ずモナと合流する所から始めんとな

 

939:元小説家

 モナさんですか。彼女、既にモンドを出ているので今何処に居るのやら?

 

940:名無しの転生者

 まぁ多分璃月に行けばその内わかるやろ

 

941:名無しの転生者

 そういやストーリーでもそんな感じやったな

 

942:名無しの転生者

 というかモナは今モンドにおらんのか。イッチ見つけただけでさっさと帰ってったんか

 

943:名無しの転生者

 おつかい頼まれてなかったみたいやな

 

944:名無しの転生者

 まぁまだその時じゃ無いって感じやろ多分

 

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 

 

 

 

 

 時間は少し遡り、4人がトワリン救出の報せを持ってきた日の夜のこと。ゲーテホテルの地下にて、椅子に座るとある人物と1人のファデュイを取り囲むようにしてデッドエージェントが配備されており、まるで異端審問のような光景が繰り広げられていた。

 

 色白の肌にプラチナブロンドの髪、そして右目に大きく目立つ黒い仮面を付けたとある人物。ファデュイ執行官第8位淑女(シニョーラ)は、側付きの者から伝えられた偽枢機卿事件のあらましを聴き、目の前で寒さにでも耐えているような震えを見せるファデュイを見ていた。その表情から伝わってくるのは恐怖の2文字であろうか。

 

 全てを聴いた淑女は側付きの者を下げさせ、青褪めているファデュイの者に向けて、まず一言。

 

 

「よくここまでやったわね」

 

 

 彼女の目の前で膝を付くファデュイは、内心驚いた。顔はそのまま下がったままであったが、自身の上司がやってきた事を認めていることを理解するまで時間を要する間も、淑女は言葉を続ける。

 

 

「外部の協力ありきとは言え、あと一歩の所でモンドを支配する手前まで情勢を動かした。これは素直に称賛に値するわ」

 

 

 その言葉を聞いてようやく今何を言われているのか理解したファデュイは、頭を下げたまま彼女へと向けて感謝の言葉を述べようとした。

 

 

「み、身に余るお言葉で────」

 

「でも、その後がよくなかった」

 

 

 先ほどまでその功績について認めていたというのに、突然淑女は梯子を蹴落とすような発言を行ったことで、膝を付いているファデュイの思考がまたも停止する。

 

 

「本物の枢機卿が発見され、協力者が最近話題になっている新種の魔物の類であることを民衆に晒され、あろうことかこの事件を切っ掛けに、ファデュイがモンドへの介入を制限されるような手筈が行われ、それに対して我々は意を唱えることも儘ならない立場に置かれてしまった。……分かっているわね?」

 

「そっ、それは」

 

「そして極め付けは」

 

 

 淑女はあるものを膝をつくファデュイに向けて投げ捨てるかのように落として見せる。目の前に落ちたのは、神官 聖司の名前が著者として記述されている、あのエッセイ本【モンドという国】。この1冊は、今膝を付いている男がかつて偽の枢機卿に見せたものでものであった。

 

 

「たった1人の作家に良いように振り回されたこと。わざとモンドという1国を巻き込んで全ての敵であるかのように振る舞い、本物の枢機卿を見つけ出す時間を稼ぎ、西風騎士団や他の協力者の助けを借りて偽物を排除した。たった1人の、ましてや騎士でもなんでもない、ただの作家如きに!」

 

 

 淑女の足元から氷が発生する。床を伝う氷はすぐに膝を付くファデュイの身体に流れ、服もろとも肉体を凍結させていき、恐怖で震えていた身体は、極寒の世界に放り込まれたかのような寒さと死への恐怖で再び震え始めた。

 

 

「貴方、本当にファデュイとしての自覚はあって?」

 

「しっ、ししかし……!」

 

 

 氷の元素力がファデュイの体に流れ、徐々にその肉体を凍らせていく。淑女は止める気配も無く、やがてファデュイの足元に霜が出来上がりつつあった。

 

 

「皆まで言わなければ、分からないかしら?」

 

 

 霜はゆっくりと足から脚へ、脚から腰へ、腰から腹部へと発生している。氷が肉体を侵蝕しているように上へ上へと上がっていき、遂には全身へと行き渡っていく。

 

 

お、ゆるし……を

 

 

 もはやまともに口を動かせられる事も出来なくなり、残された僅かな時間でファデュイは慈悲を乞うた。しかしその願いは届かず、氷は全身に行き渡り死という結末が下される。

 

 淑女は完全に動きを止めたファデュイを氷塊で包み込み、その氷塊を完全に破壊した。もはや形すら戻せなくなった状態になった人であったものを見下ろし、淑女はその氷の残骸を片付けるように命令し、部屋へと戻っていった。




【後書きキャラ紹介】
『神官 聖司(オリ主)』
・今後のためにモナを探して、自分を鍛えてくれる相手を見つけてもらおうと考えている。物語はどんなエンドでも良いが、どちらかと言えばバッドエンドは苦手。

『リサ』
・オリ主の言う“結末をバッドエンドで終わらせない”という発言にほんの僅かながら、希望を託す方法を探そうと考えた。

『淑女』
・偽枢機卿事件に関わっていた者を処刑した。あと1歩の所で支配できていたという状況だった為に、かなりご立腹な様子。この事件を終わらせた一助となったオリ主のことについてはそこまで気にかけていない。
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