僕は無敵の結界術士 〜素敵なお足の女神様に頼まれたとあっては、転生するのもやぶさかではないです(ぺろぺろ)〜   作:龍々山ロボとみ

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第6章・帝国帝都から迷宮都市・Aランク冒険者ナナシのゲヘナダンジョン攻略編
第092話・帝都に着きました!


 

 辺境伯様との会談の翌々日に辺境伯領都を離れ、そこからカベコプターで移動(帝都周辺まで来た後は鉄道に乗りましたが。鉄道、早いですね、とても。車輪、強いですね、とても)すること十日あまり。

 

 とうとう着きましたよ、帝国帝都に。

 

 僕は、皇帝陛下からのお手紙で指定されていたホテルに向かい、ホテルマンさんにバッヂ(皇帝陛下からのお手紙に同封されていたものです。なんでも皇帝陛下のお客様であることを示すものなんだとか)をお見せすると、恭しくかしずかれてお部屋に案内されました。

 

「わお、めちゃ広い」

 

 案内されたのは、最上階の超スイートルームです。

 

 めちゃくちゃ広くて、綺麗で、部屋がたくさんあって、ふかふかのベッドやソファーがいくつも置かれています。

 

 部屋の中に大きな浴室もありますし、ビリヤードができる小部屋もついてます。

 

 お部屋の外で常に誰かが待機しているらしく、呼び鈴を鳴らせば「ご用でしょうか?」と言ってくれます。

 

「とりあえず、お酒をちょうだい! 高くて美味しいやつ!」

 

 僕と一緒に帝都にやってきて、同じ部屋で泊まることになっているイェルン姉さん(カベコプターの中ではだいたい乗り物酔いしてぐったりしてました)が、さっそくベルを鳴らしてホテルマンさんを呼びました。

 

「はぁっ? やめなよ姉さん、田舎者丸出しみたいじゃん。というかナナシ様の保護者として来てるんだから、シャンとしてなよ」

 

 妹のミーシャ姉さん(妹なのに姉とはこれいかに? カベコプターの中では下を見ることができずに青い顔をしていました)がバカにしたように言うと、イェルン姉さんは「アンタ馬鹿? こんな機会逃せるはずがないでしょ。というかなんでアンタまでナナシちゃんの保護者扱いなのよ! 納得いかない!」と返します。

 

「ロイヤルエグゼクティブデラックスホテルのスーパースウィートルームなんて、一生入ることのないところだと思っていました。ナナシさん、私、感動してます!」

 

 この感動を詩にしなくてはー!

 とペンを走らせるロビンちゃん(カベコプターを見るなり目を輝かせて作詞に没頭してました)の後ろでは、ヘリーちゃん(カベコプターに乗っている間、常にはしゃいでいて、ずっと興奮しっぱなしでした)が窓から下を見下ろしてはしゃいでいます。

 

「窓全部ガラス張りとか、マジすごくね!? うひょー! 下がよく見える! は! もしやウチがここで踊ってみせたら下の皆めっちゃバイブス上がるんじゃね〜!?」

 

 こうしちゃいられねぇ!

 と言って上から羽織っていたローブを脱ぐと、半裸に近いような肌面積の踊り子服姿になってお腰を振り振り踊り始めました。

 

「やめろやバカ! そもそも下から見てるやつなんていねーだろ!!」

 

 ゴロンとソファーに寝そべっているメラミちゃん(カベコプターの中でも寝ようとしてましたが、他の皆さんが騒がしくてあまり眠れなかったようです)が、ヘリーちゃんに怒鳴ります。

 

「はぁ、クソッ。道中ずっと騒ぎやがって。おかげであんまり昼寝ができなかったじゃねーか」

 

「だってメラミっち、ナナぽんの空飛ぶ船マジヤバくね? ちょーイカす! あんなん乗ったら大人しくなんてしてらんないじゃん!!」

 

「んなもん普通は最初の数日で慣れるもんだろーが! なに最初から最後までずっとはしゃいでんだよ! テメーは煙か!!」

 

 ぎゃあぎゃあ口喧嘩するメラミちゃんとヘリーちゃん。

 お酒の瓶を取り合っているイェルン姉さんとミーシャ姉さん。

 すごい勢いでペンを走らせて作詞しているロビンちゃん。

 

 うーん。カオスですね。

 

 あれ、そういえばユニ子ちゃん(カベコプターを見てもぼーっと眠そうな顔のままでした)の姿が見えませんが、何をしているんでしょう。

 

 と、思っていると、浴室につながる扉ががちゃりと開いて、下着姿になったユニ子ちゃんが……!?

 

 は! ユニ子ちゃんのお足が丸見え!?

 

 や、やばいです! いつもは足首だけチラ見えしてるのに、いきなり生足丸見えは刺激が……!!

 

 僕は鼻血が出ないように深く深呼吸して気持ちを落ち着けると、結界タオルをユニ子ちゃんの下半身に巻いてあげました。

 

 ふぅ、危なかった……。

 

「ナナシ。それに皆も。ここはお湯がジャバジャバ出てくるようになっているらしい。それに皆で入って泳げるぐらい湯船が広い。だから入ろ? お湯もためた」

 

 そう言うと、五線譜にかじり付いてペンを走らせていたロビンちゃんをひょいと担いで、浴室に戻っていきました。

 

 そしてお湯が貯まっていると聞いたイェルン姉さんがワインの瓶を抱えて浴室に突撃してしていき、ミーシャ姉さんも「……姉さんが入るなら私も」と言ってそれに続きます。

 

 ヘリーちゃんが「泳げるってマ!? よーしウチの華麗なバタフライを見せてやんよ!」とか言って服を脱ぎながら浴室に行き、この部屋の中にはメラミちゃんと僕だけが残りました。

 

「……風呂、か」

 

 メラミちゃんは、数秒ほど考え込む様子を見せたあと「しゃーねーなぁ」と言ってソファーから体を起こします。

 

「アタシらも行くか。ほら行くぞナナシ。みんなで風呂入って長旅の疲れと汚れを落とすぞ」

 

 そう言って僕の手を掴むと、浴室まで連れていかれて、あれよあれよという間に結界服を脱がされてしまいました。

 

 

 で、なんかよく分からない流れで皆で洗いっこをすることになり、僕は皆さんの裸と生足に脳ミソをやられながら皆さんの背中を流し、かわりに皆さんが僕の全身を洗ってくれたのでした。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 皆でお風呂に入って騒いだテンションそのままに、明るいうちから酒盛りが始まってしまってさぁたいへん。

 

 頼めば頼んだだけ部屋に届くお料理と、美味しくて飲みやすい大量のお酒があればそれはもう大宴会。

 

 普段からベロベロになっているイェルン姉さんだけでなく、僕とメラミちゃん以外は全員酔い潰れて二日酔い(僕はノンアルコールでしたし、メラミちゃんはしこたま飲んでも翌日にはピンピンしてます)になってしまいました。

 

 仕方がないので僕は、他の酔い潰れた皆さんをまとめて回復結界に入れた後、メラミちゃんと一緒に帝都のお散歩をすることに。

 

 ホテルを出たあと門を二つほど潜る(帝都の中にも大きな壁が立っていて、いくつかの区画に分かれているようです)と、帝都の一般市民が暮らす区画にやってきたようです。

 

 朝からとても賑わっていて、大通りに面した商店も多くあります。

 

 というかなんだかめちゃくちゃお祭り騒ぎをしている感じがします。何かあったのでしょうか。

 

 僕は、近くにいた陽気なおじさんに話を聞いてみました。

 

「なんだ嬢ちゃん。大きな街は初めてか? 今は年末年始だからどこもかしこも盛大にお祝いをしてるのさ!」

 

 あ、そうなんですね。

 知りませんでした。

 

「しかも、今は帝都に大英雄が来るってんで、さらに賑わってんのさ! なんでも明後日の新年の儀では、皇帝陛下が直々に大英雄殿をお披露目してくれるらしいぜ! 俺も一目でいいから見てみてえ!」

 

 ほほう、そうなのですね。

 それも知りませんでした。

 

「その大英雄ってのが、なんでもあのスーパーバチボコビッグタートルを討伐した凄腕冒険者なんだとさ! いやー、俺が子どもの頃の寝物語で聞いてた大怪獣を倒すだなんて、いったいどんな屈強な漢なんだろうな! へへへ、一目見るのが楽しみだぜ!」

 

 ……へー、そうなんですね。

 

 僕は、陽気で親切なおじさんにお礼を言って別れ、内心で謝罪します。

 

 ごめんなさい、おじさん。

 僕は屈強な漢ではないのですよ。

 

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